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episode8
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俺が鼻歌交じりに小屋へと帰ると、遠くから玄関先に白い塊が見えた。それは確実に人の形をしている。今の時代に行き倒れかと驚いて近づくと、白い毛皮のコートを着たローラだった。腕には包装されたプレゼントを抱いて冷たくなっている。
「おい! ローラ! しっかりしろ!」
俺が抱えて叫ぶと、眩しいように目を開ける。
「……あ、ジョエルくん。生誕祭おめでとう」
「バカ! なにが生誕祭おめでとうだ! なにしてんだ!」
「あのぉ」
「バカ! もういい!」
俺はローラを抱き抱えると、ドアを蹴り気味に開け、中へと入った。彼女をベッドに運び、バッと毛布を掛けたのだ。そして小さなキッチンへと走る。
「あのぅ。ジョエルくん……」
「黙ってろ! 今スープを温めてやる!」
俺は火を起こして残り物の豆と肉の入ったスープの鍋をそこに置く。さらにベッドに行って、俺が着ていたコートもかけてやった。
「あのぅ、ジョエルくん。私もう大丈夫で……」
「んなわけあるか!」
「こ、この毛布暖かいよ?」
「ちょっと待ってろ。今スープ温めてるから、そしたらお湯も沸かしてやる」
俺は小さなキッチンへと戻り、火の回りを良くするためにスープを撹拌する。そして部屋の片付け。シャロンさんなら別に気にならないものも、ローラには気になった。洗いざらい引っ掴んで、箱やクローゼットへと押し込む。
ローラはその姿を毛布を摑んで顔を覗かせながら見ていた。
ふつふつとスープが沸いたので、それを小さな器に入れた。トレイの上にスープとスプーンを乗せてローラの元に急ぐ。
「ほれ。食えるか?」
「あの……。食べれる」
「じゃ体起こして。食わせてやる」
「あの……。ジョエルくんやさし……」
「バカ。お前を粗末に扱ったらお前のねーちゃんになんて言われるか」
俺は一掬いのスープに息を吹きかけ、それを冷ます。そしてローラの口へとそれを運ぶ。
「ほれ。あーん」
「あー……ん」
「ちっちぇ口!」
「あの……ごめんなさい」
「いいから食え。ほら」
「あ、あーん」
俺は置いてあるプレゼントの包みを気にしていた。パーティー持っていったが受け取って貰えなかったのだろうか? それは悲しい。ローラがシャロンさんの家に何度も通って編み物をしていたことを、俺は知っていたから。しかしどうしてパーティー帰りに俺の家に? まったく意味が分からなかった。
「プレゼント。渡すんじゃなかったのか?」
「え、あの……はい……」
「そっか……。まぁいいや。食え。そして熱いお茶飲んでけ」
「あの……ありがと……」
ローラにスープを飲ませ終わると、俺はお茶を淹れに行った。ローラの体は暖まったのか、大分動けるようになっていた。
「よし。もう大丈夫だな、お前のねーちゃんに知らせてくるよ。そしたらお屋敷から迎えが来るだろう」
「あ、あの」
「なんだ? ちっちぇ声だな。よく聞こえねぇ」
「ジョエルくん、ここに来て。ここに座って」
「はあ?」
俺は言われるがままにローラがいるベッドに腰を下ろす。すると彼女は、俺に飛び付いて首へと腕を回し、強引にキスをしてきた。
何が何だか分からない。どうしたんだ、ローラ。お前には好きな人がいて、その人にプレゼントを渡すんじゃなかったのか?
俺が茫然自失のままでいると、ローラはベッドから飛び降りてプレゼントの包みを取ったと思うと、その包装を破り、俺の首へと中身のマフラーをかけてきた。
「ジョエルくん、生誕祭おめでとう。私、私ね、ジョエルくんが好き。愛してるのぉ。この思い、受け取って!」
そう言って彼女は、小さな体を俺に押し付けてきた。俺はベッドに押し倒され、上着に手をかけられていた。ローラは俺の服を脱がすつもりだと思ったその時、玄関のドアが乱暴に開き、ドヤドヤとモンテローズの使用人たちが入ってきたのだ。そこには、例のトビーも鎖を持って立っていた。
「さ、探しましたぞ、お嬢さま……」
「と、トビー……」
「このようなところにいてはなりません。あなたは高貴なおかたなのですから」
トビーは俺を突き飛ばし、ローラの腕を掴み上げたが、ローラは叫んだ。
「トビー! 控えなさい! 無礼であるぞ!」
「お、お嬢さま……!」
「ジョエルくんになんということを。彼は我が家と縁続きで、アートル子爵のご令息ですよ。お前にはジョエルくんに詫びることを命じます」
「は、はい。ですが、お嬢さま。彼はお嬢さまをこのような小屋に引き込み、お嬢さまの体を一晩楽しみました賊でございます。我々はお嬢さまを寝ずに探していたのでございますぞ? 旦那さまにはご報告せねばなりません」
「お前は何と言う下劣な想像をするのです。私もジョエルくんも何も恥じることはしておりません。お父様には自分自身でご報告致します」
そう言ってローラは立ち上がり、数歩進んで俺のほうに振り返って微笑む。
「私、お父様に正直に言います。あなたを愛していると。ジョエルくんは縁続きですもの、きっと結婚は許されますわ。どうか心配なされないで──」
そして使用人たちを率いて出ていった。俺はしばらくそのまま。
俺はローラになにもしていない。凍えたローラを助けただけ。それがローラと一晩過ごしたと使用人には思われ、ローラには結婚したいと伯爵さまへ報告されてしまう。絶望だ。
ローラは俺のことが好きで、権力を行使されて無理やり結婚させられてしまう。
息をするのもつらい。横になる気力さえも。しかしもがくような手付きでマフラーを剥ぎ取り、床へと投げ捨てた。
枕に顔を埋めて男泣き。伯爵に報告される。それはローラを俺が手篭めにしたと言うこと。その責任を取らされる。これからどうすればいいか分からない。どうすれば──。
「──ジョエル?」
どこからかシャロンさんの声がする。俺は跳ね起きてその声の元を探す。そこは開けられたままの扉。シャロンさんは騒ぎを聞き付けてやってきたのだろう。そして床に落ちているマフラーを見て、全てを察知したようだったが、俺は彼女にすがり付いていた。
「シャロン! シャロン、愛している……!」
「え、ええ……」
「きっと伯爵は俺のことを許さない! どうか、俺と一緒に他領に逃げてくれ! さぁ一緒に……!」
俺は立ち上がって彼女の手を握る。しかしその手は無惨にも振り払われた。
「シャロン……?」
「だめよ。ローラはあなたが好きなのよ? 私のたった一人の妹、大事な、大事な──」
「だからなんだってんだ。俺が好きなのはシャロンだけだ。神に誓ったろう、約束したろう、ローラがどう思おうが関係ない!」
「お願いジョエル、聞き分けてちょうだい。私はこれでもモンテローズなの。モンテローズの人間なのよ。不遇で一生表に出ることはないけど、モンテローズとして生きなくてはならない。それをローラは改善してくれた恩人。でもどうしたって所詮はモンテローズの影なの。その妹ローラは私の主なのよ。それが主人である妹を通り越して、あなたと結ばれるなんてこと、そんなこと出来はしないわ!」
「何を言ってるんだ! 何を言って……! だから他領に逃げてしまえばモンテローズなど関係ない! 俺と君だけの二人幸せな世界しかないんだぞ……」
「そんなこと出来ない! 妹を、大事なローラを裏切るなんて……」
「そんな! 俺に君に愛をささやいた口で、ローラに心にもない愛をささやけと言うのか!? 俺をモンテローズの男娼になれと!?」
「違う。ローラは良い子よ。きっときっと好きになる。私なんかより……」
シャロンさんは、泣いた顔を伏せて出ていってしまった。俺はそこに膝から崩れ落ちる。しばらくそのままだった。
俺は拳を振り上げて床板を叩きながらわめいた。
「そうかよ! だったら後悔させてやる! シャロンにも、ローラにも! 俺を物のように扱ったものたち全てに……!」
俺は、この運命の荒波の中でもがくことを自身に誓ったのだ。
「おい! ローラ! しっかりしろ!」
俺が抱えて叫ぶと、眩しいように目を開ける。
「……あ、ジョエルくん。生誕祭おめでとう」
「バカ! なにが生誕祭おめでとうだ! なにしてんだ!」
「あのぉ」
「バカ! もういい!」
俺はローラを抱き抱えると、ドアを蹴り気味に開け、中へと入った。彼女をベッドに運び、バッと毛布を掛けたのだ。そして小さなキッチンへと走る。
「あのぅ。ジョエルくん……」
「黙ってろ! 今スープを温めてやる!」
俺は火を起こして残り物の豆と肉の入ったスープの鍋をそこに置く。さらにベッドに行って、俺が着ていたコートもかけてやった。
「あのぅ、ジョエルくん。私もう大丈夫で……」
「んなわけあるか!」
「こ、この毛布暖かいよ?」
「ちょっと待ってろ。今スープ温めてるから、そしたらお湯も沸かしてやる」
俺は小さなキッチンへと戻り、火の回りを良くするためにスープを撹拌する。そして部屋の片付け。シャロンさんなら別に気にならないものも、ローラには気になった。洗いざらい引っ掴んで、箱やクローゼットへと押し込む。
ローラはその姿を毛布を摑んで顔を覗かせながら見ていた。
ふつふつとスープが沸いたので、それを小さな器に入れた。トレイの上にスープとスプーンを乗せてローラの元に急ぐ。
「ほれ。食えるか?」
「あの……。食べれる」
「じゃ体起こして。食わせてやる」
「あの……。ジョエルくんやさし……」
「バカ。お前を粗末に扱ったらお前のねーちゃんになんて言われるか」
俺は一掬いのスープに息を吹きかけ、それを冷ます。そしてローラの口へとそれを運ぶ。
「ほれ。あーん」
「あー……ん」
「ちっちぇ口!」
「あの……ごめんなさい」
「いいから食え。ほら」
「あ、あーん」
俺は置いてあるプレゼントの包みを気にしていた。パーティー持っていったが受け取って貰えなかったのだろうか? それは悲しい。ローラがシャロンさんの家に何度も通って編み物をしていたことを、俺は知っていたから。しかしどうしてパーティー帰りに俺の家に? まったく意味が分からなかった。
「プレゼント。渡すんじゃなかったのか?」
「え、あの……はい……」
「そっか……。まぁいいや。食え。そして熱いお茶飲んでけ」
「あの……ありがと……」
ローラにスープを飲ませ終わると、俺はお茶を淹れに行った。ローラの体は暖まったのか、大分動けるようになっていた。
「よし。もう大丈夫だな、お前のねーちゃんに知らせてくるよ。そしたらお屋敷から迎えが来るだろう」
「あ、あの」
「なんだ? ちっちぇ声だな。よく聞こえねぇ」
「ジョエルくん、ここに来て。ここに座って」
「はあ?」
俺は言われるがままにローラがいるベッドに腰を下ろす。すると彼女は、俺に飛び付いて首へと腕を回し、強引にキスをしてきた。
何が何だか分からない。どうしたんだ、ローラ。お前には好きな人がいて、その人にプレゼントを渡すんじゃなかったのか?
俺が茫然自失のままでいると、ローラはベッドから飛び降りてプレゼントの包みを取ったと思うと、その包装を破り、俺の首へと中身のマフラーをかけてきた。
「ジョエルくん、生誕祭おめでとう。私、私ね、ジョエルくんが好き。愛してるのぉ。この思い、受け取って!」
そう言って彼女は、小さな体を俺に押し付けてきた。俺はベッドに押し倒され、上着に手をかけられていた。ローラは俺の服を脱がすつもりだと思ったその時、玄関のドアが乱暴に開き、ドヤドヤとモンテローズの使用人たちが入ってきたのだ。そこには、例のトビーも鎖を持って立っていた。
「さ、探しましたぞ、お嬢さま……」
「と、トビー……」
「このようなところにいてはなりません。あなたは高貴なおかたなのですから」
トビーは俺を突き飛ばし、ローラの腕を掴み上げたが、ローラは叫んだ。
「トビー! 控えなさい! 無礼であるぞ!」
「お、お嬢さま……!」
「ジョエルくんになんということを。彼は我が家と縁続きで、アートル子爵のご令息ですよ。お前にはジョエルくんに詫びることを命じます」
「は、はい。ですが、お嬢さま。彼はお嬢さまをこのような小屋に引き込み、お嬢さまの体を一晩楽しみました賊でございます。我々はお嬢さまを寝ずに探していたのでございますぞ? 旦那さまにはご報告せねばなりません」
「お前は何と言う下劣な想像をするのです。私もジョエルくんも何も恥じることはしておりません。お父様には自分自身でご報告致します」
そう言ってローラは立ち上がり、数歩進んで俺のほうに振り返って微笑む。
「私、お父様に正直に言います。あなたを愛していると。ジョエルくんは縁続きですもの、きっと結婚は許されますわ。どうか心配なされないで──」
そして使用人たちを率いて出ていった。俺はしばらくそのまま。
俺はローラになにもしていない。凍えたローラを助けただけ。それがローラと一晩過ごしたと使用人には思われ、ローラには結婚したいと伯爵さまへ報告されてしまう。絶望だ。
ローラは俺のことが好きで、権力を行使されて無理やり結婚させられてしまう。
息をするのもつらい。横になる気力さえも。しかしもがくような手付きでマフラーを剥ぎ取り、床へと投げ捨てた。
枕に顔を埋めて男泣き。伯爵に報告される。それはローラを俺が手篭めにしたと言うこと。その責任を取らされる。これからどうすればいいか分からない。どうすれば──。
「──ジョエル?」
どこからかシャロンさんの声がする。俺は跳ね起きてその声の元を探す。そこは開けられたままの扉。シャロンさんは騒ぎを聞き付けてやってきたのだろう。そして床に落ちているマフラーを見て、全てを察知したようだったが、俺は彼女にすがり付いていた。
「シャロン! シャロン、愛している……!」
「え、ええ……」
「きっと伯爵は俺のことを許さない! どうか、俺と一緒に他領に逃げてくれ! さぁ一緒に……!」
俺は立ち上がって彼女の手を握る。しかしその手は無惨にも振り払われた。
「シャロン……?」
「だめよ。ローラはあなたが好きなのよ? 私のたった一人の妹、大事な、大事な──」
「だからなんだってんだ。俺が好きなのはシャロンだけだ。神に誓ったろう、約束したろう、ローラがどう思おうが関係ない!」
「お願いジョエル、聞き分けてちょうだい。私はこれでもモンテローズなの。モンテローズの人間なのよ。不遇で一生表に出ることはないけど、モンテローズとして生きなくてはならない。それをローラは改善してくれた恩人。でもどうしたって所詮はモンテローズの影なの。その妹ローラは私の主なのよ。それが主人である妹を通り越して、あなたと結ばれるなんてこと、そんなこと出来はしないわ!」
「何を言ってるんだ! 何を言って……! だから他領に逃げてしまえばモンテローズなど関係ない! 俺と君だけの二人幸せな世界しかないんだぞ……」
「そんなこと出来ない! 妹を、大事なローラを裏切るなんて……」
「そんな! 俺に君に愛をささやいた口で、ローラに心にもない愛をささやけと言うのか!? 俺をモンテローズの男娼になれと!?」
「違う。ローラは良い子よ。きっときっと好きになる。私なんかより……」
シャロンさんは、泣いた顔を伏せて出ていってしまった。俺はそこに膝から崩れ落ちる。しばらくそのままだった。
俺は拳を振り上げて床板を叩きながらわめいた。
「そうかよ! だったら後悔させてやる! シャロンにも、ローラにも! 俺を物のように扱ったものたち全てに……!」
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