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第三章 限界集落の普通じゃないお祭り
強襲! US特殊部隊!!-③
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深夜に、外で動く影。
動きやすい宇宙服といった、IGUの歩兵。
ライダースーツにも見えるが、れっきとした軍用だ。
モビル・ストライカーと呼ばれる異能者の部隊は、包囲を完了。
最初の分隊が、周りの人家から離れている室矢カレナの自宅へ、こっそり近づく。
ヘルメットにあるバイザー。
その内側に投影された映像や暗号化された無線で、意志疎通を行う。
『対象は、どちらも寝ているようだ! アルファ分隊はステルスで侵入して、専用の硬化剤により寝具ごと固めろ! 床や壁と一体化しても構わん。対象を無力化することを第一に!』
『アルファ・リーダー、了解』
外壁に張り付いた装甲歩兵のコンビは、施錠を確認した後で小さな音を立てて、鍵の部分だけ打ち抜いた。
キィッ
『2階のベランダ、OK!』
もう1つのコンビからの無線で、アルファ・リーダーが命じる。
『GO!』
屋内でも扱いやすい、銃身が短めのカービン小銃を構えた先頭が、裏口のドアを全開にしつつ、踏み込んだ。
後ろのバディも小銃を構えるが、それとは別の方向をカバーする。
上でも、2人の装甲歩兵がエントリー。
室内は真っ暗で、窓の月明かりだけ。
彼らのバイザーに映し出されるのは、暗視の光景だ。
『対象は、どちらも2階だ……。合流して、スティアとカレナを同時に無力化――』
司令部の命令を聞いているアルファ・リーダーは、人影を見つけて、連射。
銃口のサプレッサーのおかげで、くぐもった音。
数発はヒットした手応え。
けれど、人影は倒れない。
「ようこそ! 招かれない客たち……」
いつの間にか、カレナの姿。
ボスボスッと、着弾したはずだが、倒れる様子はない。
アルファ・リーダーが両手でカービン小銃を撃ちながら、報告する。
『コンタクト! カレナと思われる!』
後ろの装甲歩兵は、フラッシュバンを投げた。
ボンッ!
カレナの前で、閃光と大きな音が響く。
「そして、さようなら……」
笑顔のカレナが、右手で虚空をつかみ、握り潰した。
次の瞬間に、アルファ・リーダーは口から血を吐く。
『ガハッ!? こ、攻撃を受けた模様――』
『装甲服にダメージはないぞ? 何が……』
心臓を握り潰されたアルファ・リーダーは両膝をつき、そのまま倒れ込んだ。
後続の1人が慌てて連射するも、カレナの左手により、同じく心臓を失う。
暗闇のカレナは天井を見上げつつ、人差し指で円を描いた。
『アルファ分隊。2名の死亡の後で、残り2名の反応も消失!』
『どういうことだ!?』
『ふ、不明です! 前者は、心臓麻痺だと思われます』
『中尉! 指示を!!』
『ガ、ガンキャリア4機、ナイトアイ3機を降下させて、一斉射撃! 残っているモビル・ストライカー隊も突入させろ!!』
運搬に特化した、軍用ヘリ。
前方の強力なライトが、周囲を照らし出す。
その下に吊るされた戦車をコンパクトにした物体を4つ、順番に落下させた。
別の輸送ヘリからは、全高4mのロボットが3機。
こちらは夜戦に特化した仕様で、地上に降り立った。
MA(マニューバ・アーマー)の部隊だ。
上空にいる無人航空機を中継したデータリンクで、異能者も扱いきれない重火器をカレナの自宅へ向ける。
『撃て!』
ドドドド
一発でも、その衝撃波で人体をバラバラにする弾丸が、横殴りの雨のように降り注いだ。
無誘導のロケットも、次々に殺到する。
ガガガ ドオオォオオンッ!
外部装甲に着弾した音の後で、爆発した。
『どこからだ!? ……うわあああっ!』
『ちくしょう!』
MA部隊はカレナにより、発砲した弾丸やロケットがそれぞれに返された。
いきなり違う空間に出たことで、指揮車両も把握できないまま。
『くそっ! くそおおおっ!』
めたらやったらに周囲を撃ちまくっていたMAは、いきなり装甲がベコベコと凹み続け、折り畳まれる。
『た、助け……ザザザザッ』
離れた場所で指揮をしている車両の中は、大混乱だ。
「い、いったい……何が!?」
「アルファ分隊の2名、発見しました! え、衛星からのシグナルでは……」
「どうした!? 早く言え!」
「ベ、ベーリング海です……。救助を要請しますか?」
「ブラボー分隊は、装甲服の中に出現した水で、全員が溺死……。チャーリー分隊も、装甲服の中で焼死」
指揮官は、決断する。
「無人航空機から誘導ミサイルを撃て! 二発ともだ!」
「「イエッサー!」」
椅子に座っている無人航空機の担当者がジョイスティックを操作して、対地ミサイルを撃った。
「ターゲットまで、45秒!」
1つの画面は、その誘導ミサイルに搭載されたカメラの映像だ。
やがて、カレナの自宅が見えてくる。
「5、4、3、2、1――」
次の瞬間、ミサイル2発は、カレナが空間を弄ったことで、指揮車両の直前に出現した。
見事に、着弾。
重量鉄骨のビルを破壊できるほどの爆発エネルギーは、一瞬で指揮車両を消し飛ばすと共に、周りの大型バスや装備の運搬車も破壊し尽くした。
――カレナの自宅
2階のベッドでは、スティアが、すやすやと熟睡中。
動きやすい宇宙服といった、IGUの歩兵。
ライダースーツにも見えるが、れっきとした軍用だ。
モビル・ストライカーと呼ばれる異能者の部隊は、包囲を完了。
最初の分隊が、周りの人家から離れている室矢カレナの自宅へ、こっそり近づく。
ヘルメットにあるバイザー。
その内側に投影された映像や暗号化された無線で、意志疎通を行う。
『対象は、どちらも寝ているようだ! アルファ分隊はステルスで侵入して、専用の硬化剤により寝具ごと固めろ! 床や壁と一体化しても構わん。対象を無力化することを第一に!』
『アルファ・リーダー、了解』
外壁に張り付いた装甲歩兵のコンビは、施錠を確認した後で小さな音を立てて、鍵の部分だけ打ち抜いた。
キィッ
『2階のベランダ、OK!』
もう1つのコンビからの無線で、アルファ・リーダーが命じる。
『GO!』
屋内でも扱いやすい、銃身が短めのカービン小銃を構えた先頭が、裏口のドアを全開にしつつ、踏み込んだ。
後ろのバディも小銃を構えるが、それとは別の方向をカバーする。
上でも、2人の装甲歩兵がエントリー。
室内は真っ暗で、窓の月明かりだけ。
彼らのバイザーに映し出されるのは、暗視の光景だ。
『対象は、どちらも2階だ……。合流して、スティアとカレナを同時に無力化――』
司令部の命令を聞いているアルファ・リーダーは、人影を見つけて、連射。
銃口のサプレッサーのおかげで、くぐもった音。
数発はヒットした手応え。
けれど、人影は倒れない。
「ようこそ! 招かれない客たち……」
いつの間にか、カレナの姿。
ボスボスッと、着弾したはずだが、倒れる様子はない。
アルファ・リーダーが両手でカービン小銃を撃ちながら、報告する。
『コンタクト! カレナと思われる!』
後ろの装甲歩兵は、フラッシュバンを投げた。
ボンッ!
カレナの前で、閃光と大きな音が響く。
「そして、さようなら……」
笑顔のカレナが、右手で虚空をつかみ、握り潰した。
次の瞬間に、アルファ・リーダーは口から血を吐く。
『ガハッ!? こ、攻撃を受けた模様――』
『装甲服にダメージはないぞ? 何が……』
心臓を握り潰されたアルファ・リーダーは両膝をつき、そのまま倒れ込んだ。
後続の1人が慌てて連射するも、カレナの左手により、同じく心臓を失う。
暗闇のカレナは天井を見上げつつ、人差し指で円を描いた。
『アルファ分隊。2名の死亡の後で、残り2名の反応も消失!』
『どういうことだ!?』
『ふ、不明です! 前者は、心臓麻痺だと思われます』
『中尉! 指示を!!』
『ガ、ガンキャリア4機、ナイトアイ3機を降下させて、一斉射撃! 残っているモビル・ストライカー隊も突入させろ!!』
運搬に特化した、軍用ヘリ。
前方の強力なライトが、周囲を照らし出す。
その下に吊るされた戦車をコンパクトにした物体を4つ、順番に落下させた。
別の輸送ヘリからは、全高4mのロボットが3機。
こちらは夜戦に特化した仕様で、地上に降り立った。
MA(マニューバ・アーマー)の部隊だ。
上空にいる無人航空機を中継したデータリンクで、異能者も扱いきれない重火器をカレナの自宅へ向ける。
『撃て!』
ドドドド
一発でも、その衝撃波で人体をバラバラにする弾丸が、横殴りの雨のように降り注いだ。
無誘導のロケットも、次々に殺到する。
ガガガ ドオオォオオンッ!
外部装甲に着弾した音の後で、爆発した。
『どこからだ!? ……うわあああっ!』
『ちくしょう!』
MA部隊はカレナにより、発砲した弾丸やロケットがそれぞれに返された。
いきなり違う空間に出たことで、指揮車両も把握できないまま。
『くそっ! くそおおおっ!』
めたらやったらに周囲を撃ちまくっていたMAは、いきなり装甲がベコベコと凹み続け、折り畳まれる。
『た、助け……ザザザザッ』
離れた場所で指揮をしている車両の中は、大混乱だ。
「い、いったい……何が!?」
「アルファ分隊の2名、発見しました! え、衛星からのシグナルでは……」
「どうした!? 早く言え!」
「ベ、ベーリング海です……。救助を要請しますか?」
「ブラボー分隊は、装甲服の中に出現した水で、全員が溺死……。チャーリー分隊も、装甲服の中で焼死」
指揮官は、決断する。
「無人航空機から誘導ミサイルを撃て! 二発ともだ!」
「「イエッサー!」」
椅子に座っている無人航空機の担当者がジョイスティックを操作して、対地ミサイルを撃った。
「ターゲットまで、45秒!」
1つの画面は、その誘導ミサイルに搭載されたカメラの映像だ。
やがて、カレナの自宅が見えてくる。
「5、4、3、2、1――」
次の瞬間、ミサイル2発は、カレナが空間を弄ったことで、指揮車両の直前に出現した。
見事に、着弾。
重量鉄骨のビルを破壊できるほどの爆発エネルギーは、一瞬で指揮車両を消し飛ばすと共に、周りの大型バスや装備の運搬車も破壊し尽くした。
――カレナの自宅
2階のベッドでは、スティアが、すやすやと熟睡中。
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