33 / 67
ランストック伯爵家の凋落-③
しおりを挟む
(下っ端でも使わない錆び切った剣じゃ、折れて当たり前だろ)
若い騎士は、そう思いつつ、声をかける。
「ギュンター様? け、剣を替えましょうか? そのままでは……」
「あ、ああ……。そうだな」
若い騎士と同じロングソードを与えられ、決闘の仕切り直し。
ギュンターは新しい剣を握ったまま、混乱の極み。
ガキィッ! と打ち合いながら、必死に頭を回転させる。
(ど、どういう事だ? あのジンは家宝の魔剣を切り飛ばしたのに……。まさか!?)
愚かなギュンターは、これを売った奴がすり替えたと、勘違い。
ただのボロ剣で、ジンの魔法による強化がなければ当然の結果であるのに……。
(私に売ったコロシアムの担当者と商会には、必ず報いを与えよう……。だが、今は! こいつを打ち負かして、名誉を回復することが先決!!)
若い騎士が接待で付き合っているのに自分の実力と思う、ギュンター。
(防具はどうだ? くそっ! 剣がダメなら防具も……。仕方ない。左腕のウッドシールドを投げつけ、その隙にあいつの喉元へ突きを入れる!)
ギュンターは焦りすぎて、馴れ合いの決闘に、とんでもない行動を選ぶ。
(悪く思うなよ? 私は、こんなところで終わるわけにはいかんのだ! 貴様のような、代わりがいくらでもいる若手とは違ってな!!)
相手を見てから動く若い騎士は、いきなり投げつけられたウッドシールドを振り払うも――
目の前に突きが迫っていることから、とっさにカウンターを狙う。
若い騎士は前へ踏み込み、突きを避けつつも同じ突き。
だが、相手の喉に刺されば確実に死ぬことから、狙いはそこにあらず。
交差した切っ先の行方は……。
「うぐぅうううっ!! わ、私の肩があああっ!!」
ギュンターの右肩に切っ先がめり込み、がっくりと膝をついた。
いっぽう、相手はかすりもしない。
補修したソフトレザーは、何の役にも立たず。
そもそも、音を立てにくく誰でも買える程度の、ないよりはマシという代物だ。
相手が出血しないよう刺さった剣の柄を握ったまま、気まずそうに立ち尽くす若い騎士を見たランストック伯爵家の当主は、父親としての情を捨てた。
「それまで! この決闘は、我が息子、ギュンターの負けだ!!」
駆けつけた救護と合わせて、切っ先が抜かれた。
ギュンターはすぐに止血され、担架で運ばれる……。
――半月後
右肩の痛みが治まってきた頃に、ギュンターはランストック伯爵家から廃嫡された。
形ばかりの男爵となり、クレリッチ家の当主となるも……。
何もない、外周の土地。
隣国すらなく、広がるのは狼などの危険なモンスターがうろつく森林。
あるいは、険しい山脈だけ。
最後の情けと言わんばかりの掘っ立て小屋のような屋敷が、彼の支配エリア。
持て余していた次男、三男が集められ、開拓団を形成。
元の家で序列がつけられ、そのヒエラルキーの下で農地への開墾や川の整備に励んでいる。
ろくに働かないギュンターの評判は、悪い。
それでも、彼の父親であるランストック伯爵から睨まれれば、自分たちへの支援を止められるか、一族郎党が殺されるだろう。
若さが欠片もない初老メイドが、食事を運んできた。
「ギュンター様。お食事でございます」
「ああ、ご苦労……」
テーブルの上を見れば、薄いスープに、固いパン。
それに、塩味の干し肉とドライフルーツが少々。
これでも、作業をしている団員よりは豪華だ。
味を感じられないメニューと、話す相手がいない食卓。
「どうして……こんなことに」
涙ぐみつつも、生きるため、ただ腹に詰め込むだけ。
◇
「馬鹿な!? 何の真似だ、これは!」
執務室で声を荒げたのは、ランストック伯爵家の当主である、パウル。
向かい合う商人は、笑顔だが、全く怯まず。
「ですから……。伯爵さまのご子息であられるギュンター様のお買い物でございます」
提示された書面には、ランストック伯爵家の領地で得られる年収ベースの金額。
迷宮都市ブレニッケにいた頃のギュンターが、コロシアムでジンが使っていた装備一式を買ったことでの請求だ。
絶句したパウルに、商人が褒めそやす。
「いやはや! さすがは、ランストック伯爵家の方だ! 即断即決! その思い切りの良さは、僭越ながら私共も見習いたく存じます。ハイ!」
ただの煽りで、草も生えない。
我に返ったパウルが、絶叫する。
「バカを言うな! あんなガラクタが、この値段のわけがなかろう!? 貴様らはランストック伯爵家を――」
「おや? ご不満でしょうか? しかし、すでに成立した取引で、商品のお渡しも完了しております」
その通り。
パウルは、歯ぎしりするだけ。
「グ、グググ……」
「何も、『一括で揃えろ』とは申しませんよ? どうぞ、今後ともご贔屓に……」
商人は頭は下げたが、これで実質的に支配された。
廃嫡する前には、ランストック伯爵家の人間としての行動。
反故にすれば、迷宮都市ブレニッケの領主であるペルティエ子爵と大手の商会を敵に回してしまう。
自分の根城だから、目の前の奴らを消すのは簡単だ。
けれど、その商会は手を引き、荷止めなどで報復する。
辺境の伯爵家なんぞ、物の行き来がストップすれば、イチコロだ。
付け加えれば、貴族は金の出入りが激しく、年単位のツケや、他の物で支払いに充てることがザラ。
手広く売買している商会と敵対すれば、必要な物資がすぐに枯渇する。
その後に待つのは、人の足元を見た高値での販売。
物流とは、護衛の人間や、あらゆる場所で見聞きした情報の伝達も兼ねる。
それらを失えば、丸裸にされて、目と耳がないのと同じ。
「では、失礼いたします……」
思い通りになった商人は、礼儀正しいまま、退室した。
腹の中では、大笑いだろう。
領主の椅子にドサッと座り込んだパウルは、ただ放心する。
廃嫡した息子は、もはや他人だ。
それに、呼び出して殴り飛ばそうが、何の意味もない。
「もっと早く……。あいつを……」
両手で顔を覆いながら、ギュンターのせいで奴隷と同じ身になったことを嘆く、愚かな男。
結局のところ、親子だけあって、似た者同士だ。
若い騎士は、そう思いつつ、声をかける。
「ギュンター様? け、剣を替えましょうか? そのままでは……」
「あ、ああ……。そうだな」
若い騎士と同じロングソードを与えられ、決闘の仕切り直し。
ギュンターは新しい剣を握ったまま、混乱の極み。
ガキィッ! と打ち合いながら、必死に頭を回転させる。
(ど、どういう事だ? あのジンは家宝の魔剣を切り飛ばしたのに……。まさか!?)
愚かなギュンターは、これを売った奴がすり替えたと、勘違い。
ただのボロ剣で、ジンの魔法による強化がなければ当然の結果であるのに……。
(私に売ったコロシアムの担当者と商会には、必ず報いを与えよう……。だが、今は! こいつを打ち負かして、名誉を回復することが先決!!)
若い騎士が接待で付き合っているのに自分の実力と思う、ギュンター。
(防具はどうだ? くそっ! 剣がダメなら防具も……。仕方ない。左腕のウッドシールドを投げつけ、その隙にあいつの喉元へ突きを入れる!)
ギュンターは焦りすぎて、馴れ合いの決闘に、とんでもない行動を選ぶ。
(悪く思うなよ? 私は、こんなところで終わるわけにはいかんのだ! 貴様のような、代わりがいくらでもいる若手とは違ってな!!)
相手を見てから動く若い騎士は、いきなり投げつけられたウッドシールドを振り払うも――
目の前に突きが迫っていることから、とっさにカウンターを狙う。
若い騎士は前へ踏み込み、突きを避けつつも同じ突き。
だが、相手の喉に刺されば確実に死ぬことから、狙いはそこにあらず。
交差した切っ先の行方は……。
「うぐぅうううっ!! わ、私の肩があああっ!!」
ギュンターの右肩に切っ先がめり込み、がっくりと膝をついた。
いっぽう、相手はかすりもしない。
補修したソフトレザーは、何の役にも立たず。
そもそも、音を立てにくく誰でも買える程度の、ないよりはマシという代物だ。
相手が出血しないよう刺さった剣の柄を握ったまま、気まずそうに立ち尽くす若い騎士を見たランストック伯爵家の当主は、父親としての情を捨てた。
「それまで! この決闘は、我が息子、ギュンターの負けだ!!」
駆けつけた救護と合わせて、切っ先が抜かれた。
ギュンターはすぐに止血され、担架で運ばれる……。
――半月後
右肩の痛みが治まってきた頃に、ギュンターはランストック伯爵家から廃嫡された。
形ばかりの男爵となり、クレリッチ家の当主となるも……。
何もない、外周の土地。
隣国すらなく、広がるのは狼などの危険なモンスターがうろつく森林。
あるいは、険しい山脈だけ。
最後の情けと言わんばかりの掘っ立て小屋のような屋敷が、彼の支配エリア。
持て余していた次男、三男が集められ、開拓団を形成。
元の家で序列がつけられ、そのヒエラルキーの下で農地への開墾や川の整備に励んでいる。
ろくに働かないギュンターの評判は、悪い。
それでも、彼の父親であるランストック伯爵から睨まれれば、自分たちへの支援を止められるか、一族郎党が殺されるだろう。
若さが欠片もない初老メイドが、食事を運んできた。
「ギュンター様。お食事でございます」
「ああ、ご苦労……」
テーブルの上を見れば、薄いスープに、固いパン。
それに、塩味の干し肉とドライフルーツが少々。
これでも、作業をしている団員よりは豪華だ。
味を感じられないメニューと、話す相手がいない食卓。
「どうして……こんなことに」
涙ぐみつつも、生きるため、ただ腹に詰め込むだけ。
◇
「馬鹿な!? 何の真似だ、これは!」
執務室で声を荒げたのは、ランストック伯爵家の当主である、パウル。
向かい合う商人は、笑顔だが、全く怯まず。
「ですから……。伯爵さまのご子息であられるギュンター様のお買い物でございます」
提示された書面には、ランストック伯爵家の領地で得られる年収ベースの金額。
迷宮都市ブレニッケにいた頃のギュンターが、コロシアムでジンが使っていた装備一式を買ったことでの請求だ。
絶句したパウルに、商人が褒めそやす。
「いやはや! さすがは、ランストック伯爵家の方だ! 即断即決! その思い切りの良さは、僭越ながら私共も見習いたく存じます。ハイ!」
ただの煽りで、草も生えない。
我に返ったパウルが、絶叫する。
「バカを言うな! あんなガラクタが、この値段のわけがなかろう!? 貴様らはランストック伯爵家を――」
「おや? ご不満でしょうか? しかし、すでに成立した取引で、商品のお渡しも完了しております」
その通り。
パウルは、歯ぎしりするだけ。
「グ、グググ……」
「何も、『一括で揃えろ』とは申しませんよ? どうぞ、今後ともご贔屓に……」
商人は頭は下げたが、これで実質的に支配された。
廃嫡する前には、ランストック伯爵家の人間としての行動。
反故にすれば、迷宮都市ブレニッケの領主であるペルティエ子爵と大手の商会を敵に回してしまう。
自分の根城だから、目の前の奴らを消すのは簡単だ。
けれど、その商会は手を引き、荷止めなどで報復する。
辺境の伯爵家なんぞ、物の行き来がストップすれば、イチコロだ。
付け加えれば、貴族は金の出入りが激しく、年単位のツケや、他の物で支払いに充てることがザラ。
手広く売買している商会と敵対すれば、必要な物資がすぐに枯渇する。
その後に待つのは、人の足元を見た高値での販売。
物流とは、護衛の人間や、あらゆる場所で見聞きした情報の伝達も兼ねる。
それらを失えば、丸裸にされて、目と耳がないのと同じ。
「では、失礼いたします……」
思い通りになった商人は、礼儀正しいまま、退室した。
腹の中では、大笑いだろう。
領主の椅子にドサッと座り込んだパウルは、ただ放心する。
廃嫡した息子は、もはや他人だ。
それに、呼び出して殴り飛ばそうが、何の意味もない。
「もっと早く……。あいつを……」
両手で顔を覆いながら、ギュンターのせいで奴隷と同じ身になったことを嘆く、愚かな男。
結局のところ、親子だけあって、似た者同士だ。
117
お気に入りに追加
544
あなたにおすすめの小説
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
せっかく異世界転生したのに、子爵家の後継者ってそれはないでしょう!~お飾り大公のせいで領地が大荒れ、北の成り上がり伯爵と東の大公国から狙われ
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
大公爵領内は二大伯爵のせいで大荒れ諸侯も他国と通じ…あれ、これ詰んだ?
会社からの帰り道、強姦魔から半裸の女性を助けたところ落下し意識を失ってしまう。
朝目が覚めると鏡の前には見知らぬ。黒髪の美少年の顔があった。
その時俺は思い出した。自分が大人気戦略シュミレーションRPG『ドラゴン・オブ・ファンタジー雪月花』の悪役『アーク・フォン・アーリマン』だと……
そして時に悪態をつき、悪事を働き主人公を窮地に陥れるが、結果としてそれがヒロインと主人公を引き立せ、最終的に主人公に殺される。自分がそんな小悪役であると……
「やってやるよ! 俺はこの人生を生き抜いてやる!!」
そんな決意を胸に抱き、現状を把握するものの北の【毒蛇公爵】、東の大公【東の弓聖】に攻められ蹂躙されるありさま……先ずは大公が治める『リッジジャング地方』統一のために富国強兵へ精を出す。
「まずは叔父上、御命頂戴いたします」
クラスごと異世界に召喚されたんだけど別ルートで転移した俺は気の合う女子たちととある目的のために冒険者生活 勇者が困っていようが助けてやらない
枕崎 削節
ファンタジー
安西タクミ18歳、事情があって他の生徒よりも2年遅れで某高校の1学年に学期の途中で編入することになった。ところが編入初日に一歩教室に足を踏み入れた途端に部屋全体が白い光に包まれる。
「おい、このクソ神! 日本に戻ってきて2週間しか経ってないのにまた召喚かよ! いくらんでも人使いが荒すぎるぞ!」
とまあ文句を言ってみたものの、彼は否応なく異世界に飛ばされる。だがその途中でタクミだけが見慣れた神様のいる場所に途中下車して今回の召喚の目的を知る。実は過去2回の異世界召喚はあくまでもタクミを鍛えるための修行の一環であって、実は3度目の今回こそが本来彼が果たすべき使命だった。
単なる召喚と思いきや、その裏には宇宙規模の侵略が潜んでおり、タクミは地球の未来を守るために3度目の異世界行きを余儀なくされる。
自己紹介もしないうちに召喚された彼と行動を共にしてくれるクラスメートはいるのだろうか? そして本当に地球の運命なんて大そうなモノが彼の肩に懸かっているという重圧を撥ね退けて使命を果たせるのか?
剣と魔法が何よりも物を言う世界で地球と銀河の運命を賭けた一大叙事詩がここからスタートする。
死んで全ての凶運を使い果たした俺は異世界では強運しか残ってなかったみたいです。〜最強スキルと強運で異世界を無双します!〜
猫パンチ
ファンタジー
主人公、音峰 蓮(おとみね れん)はとてつもなく不幸な男だった。
ある日、とんでもない死に方をしたレンは気づくと神の世界にいた。
そこには創造神がいて、レンの余りの不運な死に方に同情し、異世界転生を提案する。
それを大いに喜び、快諾したレンは創造神にスキルをもらうことになる。
ただし、スキルは選べず運のみが頼り。
しかし、死んだ時に凶運を使い果たしたレンは強運の力で次々と最強スキルを引いてしまう。
それは創造神ですら引くほどのスキルだらけで・・・
そして、レンは最強スキルと強運で異世界を無双してゆく・・・。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる