8 / 8
8.チェシャ猫
しおりを挟む
私は一体誰なのだろう。
記憶は、あの部屋で目覚めてからの記憶しかない。
子供の頃遊んだ記憶も、両親の顔や名前、兄弟がいたのかどうかさえ思い出せない。
なぜ、壁も床も天井も真っ白一色の部屋にいたのか。なぜ、ベットに繋がれていたのか。
両手、両足にベットに繋がれていた時の冷たい硬い感覚が蘇える。
不思議なことはまだあった。
考えただけで出現する細身の刀と、視界に表示される謎の赤い文字。
ふと右手を見ると、細身の真っ白な手が見えた。
表、裏と何度か交互に眺める。
透き通るような真っ白さに、自分でも綺麗と思ってしまう。爪も僅かに光沢を持っているようで、角度によって陽の光がキラリと反射して目に入る。
考えが頭をよぎる。
そもそも、私って女の子だっけ?
それすら私の記憶にはなかったのだ。
「アリス?アリスってば! 」
レーブルの大きな声でふと我に帰った。周りの雑踏の音が急に聞こえだす。声がした方を眺めて、初めてレーブルに両肩を掴まれていると把握した。
「アリス!どうしちゃったの?」
「えっ、えっ、何が?」
私は少し動揺していた。
「何がって、しばらく話しかけても反応ないし、肩を叩いても目は虚だし、自分の手を見てブツブツ言い出すで凄く心配したんだよっ!」
「えっ、うそ!あーうん、何でもない。大丈夫よ、少し考え事をしていただけだから」
レーブルの表情から笑顔の要素が消えていた。今まで冗談みたいな表情しか見せなかったのに、それ程私の行動がおかしかったのか。
「あー良かった、アリスがおかしくなっちゃったかと思ったよっ! 」
よっぽど心配してくれたんだろう。私はまだ両腕をレーブルに掴まれていた。
「レーブル痛いわ、離してくれる? 」
「あ、ごめん、ついつい……痛かったかい? 」
「ううん、平気よ」
レーブルはそっと手を離してくれた。
さて、時間も潰せたし次はいよいよ女王様との謁見かな?
そう思ったんだけど違うようだ。何やら大きな声が聞こえてくる。
レーブルもその大きな声に気がついたようだ。
声は大きな通りが交差した広場のように開けた場所から聞こえてくるみたいだった。
「アリス、なんだろう」
「分からない、見に行ってみようか」
私は重いブーツの為、遅い足取りで出来るだけ急いだ。
「アリス、しょうがないなぁ、抱っこしてあげ……」
「いいわ、すぐそこじゃない!!!」
レーブルの声を遮って、私は重たい足を運んだ。
銀色の鎧を身に着けている人だかりが見えた。どうやらこの国の兵士達のようである。
兵士達は私よりもずっと背丈が大きく、私の視線からは中の様子を見ることは出来ない。
「レーブルは中の様子、見える?」
レーブルは結構長身だから、もしかしたら中の様子が見えるかも。
「いや、全く見えないね」
そりゃそうか、兵士達はレーブルより身長ありそうだもんね。でも何してるんだろう、見る限り十人前後はいそうよね。
「アリス?そんなに見たいなら肩車してあげよ……」
「いいわ!恥ずかしいから!」
まったく、この馬鹿うさぎは!何考えてるのかって何も考えてないか!
「坊主!お前自分がなにをしたのか分かってるのか?」
「お前、俺たちが騎士団だってわかってるのか?謝るなら今のうちだぞ?」
鎧の兵士達の声が聞こえる。
私は兵士達の集まりから少し離れたところで足をとめた。
「レーブル?」
「何だい?抱っこされる気になったのかい? 」
「馬鹿!もう……まあいいわ、それよりも何だか揉めているみたいよ? 」
レーブルがチラリと視線を兵士達に送る。
「だね、あれはこの国を警護する兵士の一団だ。しかも不幸なことに、ギャラクティカ隊長が率いる一団だね。これ以上は近寄らないほうが良いよ」
「ギャラクティカ?なんだか派手な名前ね」
「うん、正式にはヴィンステクタ家の馬鹿息子が隊長を務める一団だね。何かと騒ぎを起こすのさ。普通、兵士は国を守るものだけど、奴らは街中を大威張りで歩き、少しでも気に入らないことがあれば絡んでいくんだ。ああやって毎日国の権力を振りかざして人々に言うことを聞かせるのさ。そうやって自分のちっぽけな承認欲求を満たしてるんだ」
レーブルの表情が少し悲しそうになる。
私は視線を兵士達に戻した。兵士達は誰かを取り囲んで怒号を浴びせかけているようであった。
一瞬、兵士達の壁が割れて中の様子が見えた。
中にいるのは少年のようであった。
「レーブル!見えたわ! 」
「えっ、なにが? 」
「兵士たちに囲まれてるのは少年だわ! 」
「ダメだよアリス!関わっちゃうと後で厄介なことに……」
私はブーツのせいで遅い足取りをなるべく早く動かして、やっとの事で兵士の近くにたどり着いた。
近くで見上げると、兵士達はより大きく見えた。
「お前、分かってるのか?相手はこのギャラクティカ様だぞ? 」
近くまで寄って初めて奇声の様な甲高く頼りない声が聞こえてくる。ははん、この声の主がレーブルの言ってた貴族の御曹司ね。
「おじさん達、良い歳して僕みたいな子供に寄ってたかって言いがかり? 」
「お前!ギャラクティカ様に何て口の利き方を!」
私は壁を作っている兵士の一人の背中を強く叩いた
「ごめんなさい、ちょっとどいてくださらない?」
兵士は身をよじって私の方振り向いた。途端に中の様子が見える。
白い帽子からはみ出た栗色の髪の毛がクルクルっと可愛らしい男の子がいた。
背丈は私より小さいくらい、十二、三歳ってところだろうか。
パッチリと女の子のようなどんぐりお目目に、少し低めのお鼻、それと生意気そうな口からは次々と兵士達へ言葉が投げかけられている。
ベージュのズボンに黒い靴、そして何より薄青色の上着の背中一杯にプリントされた猫の顔がコミカルに写った。
「あぁ?なんだお前。怪我するからあっち行ってろ」
「貴方達こそ、子供相手に何してるの?」
「あの坊主がギャラクティカ様の前を横切ったのさ」
「えっ、それだけ?」
少年は薄笑いを浮かべて余裕の表情である。
それに対して、ギャラクティカの方は自慢の兜を小脇に抱えて顔を真っ赤にして怒り狂ってる様子であった。
「ギャラクティカ様が常々、「自分の前を横切るのは王様と女王様しかいない」と触れ回ってるの知らないのか?……ん?お前見たことない顔だな。よそ者か?」
「そんな事どうでも良いわ、何してるのあの子はまだ子供じゃない」
「子供だろうが何だろうが、ギャラクティカ様の前を横切るのはタブーなんだよ!」
兵士がわたしの顔を覗き込んできた。威圧してるつもりなんだろう。
「アリス!」
レーブルの声が聞こえた。
「ダメだよ警備の邪魔したら」
「あーら?レーブル、何処に隠れていたの?まあいいわ。いい年したおじさん達が中で男の子を虐めてるわ」
「ちょっ、アリスダメだよ本当の事を言っちゃ……って、しまった」
レーブルが恐る恐る兵士の方を見た。私もつられて兵士を見る。鎧越しにカタカタと大きく震え、方は激しく上下動を繰り返していた。多分、怒ってるんだろうな!
「貴様ら!ギャラクティカ様を馬鹿にしてるのか!」
兵士の大きい声が広場をつんざいた。途端、ごちゃごちゃ聞こえていたギャラクティカの声もピタッと止んだ。
「アリス、不味いよ……」
「えっ、失言したのはレーブルでしょ?」
「うぅ……まあ、そうなんだけどさぁ」
レーブルのフードから垂れ下がったトレードマークのウサギの耳が、いつもより一層垂れ下がってる様に見えた。
記憶は、あの部屋で目覚めてからの記憶しかない。
子供の頃遊んだ記憶も、両親の顔や名前、兄弟がいたのかどうかさえ思い出せない。
なぜ、壁も床も天井も真っ白一色の部屋にいたのか。なぜ、ベットに繋がれていたのか。
両手、両足にベットに繋がれていた時の冷たい硬い感覚が蘇える。
不思議なことはまだあった。
考えただけで出現する細身の刀と、視界に表示される謎の赤い文字。
ふと右手を見ると、細身の真っ白な手が見えた。
表、裏と何度か交互に眺める。
透き通るような真っ白さに、自分でも綺麗と思ってしまう。爪も僅かに光沢を持っているようで、角度によって陽の光がキラリと反射して目に入る。
考えが頭をよぎる。
そもそも、私って女の子だっけ?
それすら私の記憶にはなかったのだ。
「アリス?アリスってば! 」
レーブルの大きな声でふと我に帰った。周りの雑踏の音が急に聞こえだす。声がした方を眺めて、初めてレーブルに両肩を掴まれていると把握した。
「アリス!どうしちゃったの?」
「えっ、えっ、何が?」
私は少し動揺していた。
「何がって、しばらく話しかけても反応ないし、肩を叩いても目は虚だし、自分の手を見てブツブツ言い出すで凄く心配したんだよっ!」
「えっ、うそ!あーうん、何でもない。大丈夫よ、少し考え事をしていただけだから」
レーブルの表情から笑顔の要素が消えていた。今まで冗談みたいな表情しか見せなかったのに、それ程私の行動がおかしかったのか。
「あー良かった、アリスがおかしくなっちゃったかと思ったよっ! 」
よっぽど心配してくれたんだろう。私はまだ両腕をレーブルに掴まれていた。
「レーブル痛いわ、離してくれる? 」
「あ、ごめん、ついつい……痛かったかい? 」
「ううん、平気よ」
レーブルはそっと手を離してくれた。
さて、時間も潰せたし次はいよいよ女王様との謁見かな?
そう思ったんだけど違うようだ。何やら大きな声が聞こえてくる。
レーブルもその大きな声に気がついたようだ。
声は大きな通りが交差した広場のように開けた場所から聞こえてくるみたいだった。
「アリス、なんだろう」
「分からない、見に行ってみようか」
私は重いブーツの為、遅い足取りで出来るだけ急いだ。
「アリス、しょうがないなぁ、抱っこしてあげ……」
「いいわ、すぐそこじゃない!!!」
レーブルの声を遮って、私は重たい足を運んだ。
銀色の鎧を身に着けている人だかりが見えた。どうやらこの国の兵士達のようである。
兵士達は私よりもずっと背丈が大きく、私の視線からは中の様子を見ることは出来ない。
「レーブルは中の様子、見える?」
レーブルは結構長身だから、もしかしたら中の様子が見えるかも。
「いや、全く見えないね」
そりゃそうか、兵士達はレーブルより身長ありそうだもんね。でも何してるんだろう、見る限り十人前後はいそうよね。
「アリス?そんなに見たいなら肩車してあげよ……」
「いいわ!恥ずかしいから!」
まったく、この馬鹿うさぎは!何考えてるのかって何も考えてないか!
「坊主!お前自分がなにをしたのか分かってるのか?」
「お前、俺たちが騎士団だってわかってるのか?謝るなら今のうちだぞ?」
鎧の兵士達の声が聞こえる。
私は兵士達の集まりから少し離れたところで足をとめた。
「レーブル?」
「何だい?抱っこされる気になったのかい? 」
「馬鹿!もう……まあいいわ、それよりも何だか揉めているみたいよ? 」
レーブルがチラリと視線を兵士達に送る。
「だね、あれはこの国を警護する兵士の一団だ。しかも不幸なことに、ギャラクティカ隊長が率いる一団だね。これ以上は近寄らないほうが良いよ」
「ギャラクティカ?なんだか派手な名前ね」
「うん、正式にはヴィンステクタ家の馬鹿息子が隊長を務める一団だね。何かと騒ぎを起こすのさ。普通、兵士は国を守るものだけど、奴らは街中を大威張りで歩き、少しでも気に入らないことがあれば絡んでいくんだ。ああやって毎日国の権力を振りかざして人々に言うことを聞かせるのさ。そうやって自分のちっぽけな承認欲求を満たしてるんだ」
レーブルの表情が少し悲しそうになる。
私は視線を兵士達に戻した。兵士達は誰かを取り囲んで怒号を浴びせかけているようであった。
一瞬、兵士達の壁が割れて中の様子が見えた。
中にいるのは少年のようであった。
「レーブル!見えたわ! 」
「えっ、なにが? 」
「兵士たちに囲まれてるのは少年だわ! 」
「ダメだよアリス!関わっちゃうと後で厄介なことに……」
私はブーツのせいで遅い足取りをなるべく早く動かして、やっとの事で兵士の近くにたどり着いた。
近くで見上げると、兵士達はより大きく見えた。
「お前、分かってるのか?相手はこのギャラクティカ様だぞ? 」
近くまで寄って初めて奇声の様な甲高く頼りない声が聞こえてくる。ははん、この声の主がレーブルの言ってた貴族の御曹司ね。
「おじさん達、良い歳して僕みたいな子供に寄ってたかって言いがかり? 」
「お前!ギャラクティカ様に何て口の利き方を!」
私は壁を作っている兵士の一人の背中を強く叩いた
「ごめんなさい、ちょっとどいてくださらない?」
兵士は身をよじって私の方振り向いた。途端に中の様子が見える。
白い帽子からはみ出た栗色の髪の毛がクルクルっと可愛らしい男の子がいた。
背丈は私より小さいくらい、十二、三歳ってところだろうか。
パッチリと女の子のようなどんぐりお目目に、少し低めのお鼻、それと生意気そうな口からは次々と兵士達へ言葉が投げかけられている。
ベージュのズボンに黒い靴、そして何より薄青色の上着の背中一杯にプリントされた猫の顔がコミカルに写った。
「あぁ?なんだお前。怪我するからあっち行ってろ」
「貴方達こそ、子供相手に何してるの?」
「あの坊主がギャラクティカ様の前を横切ったのさ」
「えっ、それだけ?」
少年は薄笑いを浮かべて余裕の表情である。
それに対して、ギャラクティカの方は自慢の兜を小脇に抱えて顔を真っ赤にして怒り狂ってる様子であった。
「ギャラクティカ様が常々、「自分の前を横切るのは王様と女王様しかいない」と触れ回ってるの知らないのか?……ん?お前見たことない顔だな。よそ者か?」
「そんな事どうでも良いわ、何してるのあの子はまだ子供じゃない」
「子供だろうが何だろうが、ギャラクティカ様の前を横切るのはタブーなんだよ!」
兵士がわたしの顔を覗き込んできた。威圧してるつもりなんだろう。
「アリス!」
レーブルの声が聞こえた。
「ダメだよ警備の邪魔したら」
「あーら?レーブル、何処に隠れていたの?まあいいわ。いい年したおじさん達が中で男の子を虐めてるわ」
「ちょっ、アリスダメだよ本当の事を言っちゃ……って、しまった」
レーブルが恐る恐る兵士の方を見た。私もつられて兵士を見る。鎧越しにカタカタと大きく震え、方は激しく上下動を繰り返していた。多分、怒ってるんだろうな!
「貴様ら!ギャラクティカ様を馬鹿にしてるのか!」
兵士の大きい声が広場をつんざいた。途端、ごちゃごちゃ聞こえていたギャラクティカの声もピタッと止んだ。
「アリス、不味いよ……」
「えっ、失言したのはレーブルでしょ?」
「うぅ……まあ、そうなんだけどさぁ」
レーブルのフードから垂れ下がったトレードマークのウサギの耳が、いつもより一層垂れ下がってる様に見えた。
0
お気に入りに追加
4
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。
あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。
「君の為の時間は取れない」と。
それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。
そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。
旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。
あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。
そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。
※35〜37話くらいで終わります。
【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。
112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。
愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。
実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。
アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。
「私に娼館を紹介してください」
娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──
記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
記憶がないなら私は……
しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。 *全4話
壊れた心はそのままで ~騙したのは貴方?それとも私?~
志波 連
恋愛
バージル王国の公爵令嬢として、優しい両親と兄に慈しまれ美しい淑女に育ったリリア・サザーランドは、貴族女子学園を卒業してすぐに、ジェラルド・パーシモン侯爵令息と結婚した。
政略結婚ではあったものの、二人はお互いを信頼し愛を深めていった。
社交界でも仲睦まじい夫婦として有名だった二人は、マーガレットという娘も授かり、順風満帆な生活を送っていた。
ある日、学生時代の友人と旅行に行った先でリリアは夫が自分でない女性と、夫にそっくりな男の子、そして娘のマーガレットと仲よく食事をしている場面に遭遇する。
ショックを受けて立ち去るリリアと、追いすがるジェラルド。
一緒にいた子供は確かにジェラルドの子供だったが、これには深い事情があるようで……。
リリアの心をなんとか取り戻そうと友人に相談していた時、リリアがバルコニーから転落したという知らせが飛び込んだ。
ジェラルドとマーガレットは、リリアの心を取り戻す決心をする。
そして関係者が頭を寄せ合って、ある破天荒な計画を遂行するのだった。
王家までも巻き込んだその作戦とは……。
他サイトでも掲載中です。
コメントありがとうございます。
タグのコメディに反対意見が多かったので修正しました。
必ず完結させますので、よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる