2 / 33
名前は五つ窪み
しおりを挟む
3. 名前は五つ窪み
「それなんだけど……鋼、あなたこの子の名付け親になりなさい」
「ええ? 名付け親は、最初に見つけたものがなる事になっているじゃないですか。白様がなるべきです」
「わかってるわよ。でもほんの二・三分の差じゃないの。この子の大きさを見て、私じゃ手に余るわ」
「オオジロを育てた人が何をいってるんですか。それに僕は、十六夜《いざよい》だけで手一杯なの知っているでしょう?」
「だからなの。さっきこの子の産涙を飲んだからわかるのよ、この子は賢いわ。その上力がある。きっとお前の植林計画の助けになる」
「力があるのは見ればわかりますよ。だけど、法律で――」
「ふ……ふぇーん」
産まれたてのカップはまた泣き出しました。
涙がドクドク溢れて、周りの土はビショビショになり、小さな川が流れ出しました。
だってせっかく産まれて来たのに、鋼も白様も、自分の親になりたくなくて押し付け合っているのですから。
「あら、また泣いちゃった。ごめんね、あなたが嫌いとかじゃないのよ」
白様は、取っ手の先で優しく触れながら言いました。
「鋼、さっき言ったわね。“世界最長老カップ”その通りよ。同い年のロージンは一月前に死んだ、私もいつ壊れるかわからない。この子の親になっても、成人するまでもたないかもしれない――。
籠目《かごめ》のことを思い出して。子供の頃に親が入れ替わることが、どれほど心を歪めるか、あなたはよく知ってるわね。私は今年の冬を越す自信がないの」
「白様、そんな……」
鋼は、声を詰まらせた。
冬を越す自信がない、いつ壊れるかわからない。
壊れると心がなくなって、冷たくなって動けなくなって“似姿”って言うお墓になるの?
“壊れる”、それが“一人ぼっち”の次に、産まれたてのカップが覚えた“怖い”ことでした。
「分りました。名付け親を引き受けます」
やっと鋼は言いました。
「それじゃ名前を決めて、オオジロの所に届けなくちゃね」
「名前ね。大きくて、黒いからオオグロとか」
大きくて、黒い。それが僕?
「もっとこの子らしい、素敵な名前はないの? 適当につけちゃ可哀想よ」
白様は不満げです。
「自分でつければ良いのに」
鋼が困って、産まれたての周りをぐるぐる回っていると、取っ手のあたりに丸い金色の窪みが幾つかあるのを見つけました。不思議な丸い渦巻きのような模様が五つ付いています。
「これ、金じゃないかな」
鋼は、まじまじと見て頷きました。
「金色の窪みが五つ、君の名前は“五つ窪み”だ。それで良いね」
オオグロより、ずっと素敵でした。
「はい」
その時から産まれたてのカップは“五つ窪み”になりました。
4. 南の城へ
「それじゃあ急ぎなさい。手続きの時間も掛かるだろうし、南の城へ行って帰ってくるとなると半日はかかる。日暮れまでに北山に戻るにはギリギリかもしれないわ。十六夜を夜一人にしておくのは心配だしね」
「分りました。白様はどうします?」
「私は暫くここで、ロージンを待ってみるわ」
「ただの言い伝えを信じてるんですか?」
「多分無駄でしょうね、分かってるの。それでもそうしたいのよ」
鋼は白様がさっきしたように、天に向かってため息をつきました。
「分りました、二人で行ってきます。五つ窪み、付いておいで。少し急ぐよ」
スタスタ進み出した鋼の後を、五つ窪みはヨタヨタとついていきます。
「あんな言い伝えを試してみたいなんて、白様らしくない。でも……可能性があるなら、何でも試してみたくなるんだろうな。パートナーを失えば」
「あの、あの、鋼様」
「鋼でいいよ。なんだい?」
「言い伝えってなんですか? あそこで待ってたら何が起こるんですか」
「命が戻ってきて、あの中に入ると言われている。体が壊れて命が抜けていったのだから、体を直せば命が戻ってくると、昔の人は考えたんだ。
そして割れた欠片を集めてそっくりな体を作るようになった。それが“似姿”だ。
でも成功して、生き返ったものは誰もいない」
「じゃあ黒様は生き返らないの? なのに、白様はどうしてあそこで待ってるの?」
「そうなって欲しいからだよ。嘘と分かってても諦め切れないんだ。でも“だったらいいな”なんて決して本当にはならない。それでもそうせずにはいられないほど、白様は黒様を失って悲しいんだよ」
「パートナーを失うって、そんなに悲しいの? だったら、そんなの初めからなんなきゃ良いのに。僕は悲しいの嫌だ」
「産まれたてらしい考えだ。でもね、不思議なことに“心”はいつも相手を求めて彷徨ように出来ているのさ。君は、君を作ってくれた人を覚えてるかい?」
「うん、でも名前を忘れちゃったの。あんなに大好きだったのに」
「みんなそうなんだ。そうしないと新しく誰かを好きになることができないからだと言われている。
誰かを好きになって二人の心が一つになると、あの人の名前を取り返すことができて、世界を変える力をもたらすと言われている……一度だけ、それに成功して、今の世界を作ったのは、白様と黒様の二人なんだ。だから、二人はとても尊敬されているんだよ」
「じゃぁ白様に聞けばあの人の名前わかるね。僕あの人の名前を忘れたままなの嫌なんだ」
「残念だけど、願いが叶ったとき、名前は二人の心から消えてしまったそうだ。願い事を間違えたからだと、黒様ずっと後悔していた」
「正しい願いと間違った願いがあるの? 黒様は何をお願いしたの?」
「生まれたては知りたがりだな。『小さなカップでなくても、冬に死ななくていいようにしてください』と願ったそうだよ。詳しくは僕も知らないんだ、いつか白様に聞いてごらん。
もうお城に着いたから、此処からは聞かれたことだけに返事をするんだよ。質問は無し」
冬ってなんだろう?大きいと冬に死んじゃうのかな。
でも白様小さいのに冬を越す自信がないって言ってたし――
五つ窪みが覚えた三つ目の怖いものは“冬”でした。
どうもこの世界は怖いものがいっぱいある様です。
「それなんだけど……鋼、あなたこの子の名付け親になりなさい」
「ええ? 名付け親は、最初に見つけたものがなる事になっているじゃないですか。白様がなるべきです」
「わかってるわよ。でもほんの二・三分の差じゃないの。この子の大きさを見て、私じゃ手に余るわ」
「オオジロを育てた人が何をいってるんですか。それに僕は、十六夜《いざよい》だけで手一杯なの知っているでしょう?」
「だからなの。さっきこの子の産涙を飲んだからわかるのよ、この子は賢いわ。その上力がある。きっとお前の植林計画の助けになる」
「力があるのは見ればわかりますよ。だけど、法律で――」
「ふ……ふぇーん」
産まれたてのカップはまた泣き出しました。
涙がドクドク溢れて、周りの土はビショビショになり、小さな川が流れ出しました。
だってせっかく産まれて来たのに、鋼も白様も、自分の親になりたくなくて押し付け合っているのですから。
「あら、また泣いちゃった。ごめんね、あなたが嫌いとかじゃないのよ」
白様は、取っ手の先で優しく触れながら言いました。
「鋼、さっき言ったわね。“世界最長老カップ”その通りよ。同い年のロージンは一月前に死んだ、私もいつ壊れるかわからない。この子の親になっても、成人するまでもたないかもしれない――。
籠目《かごめ》のことを思い出して。子供の頃に親が入れ替わることが、どれほど心を歪めるか、あなたはよく知ってるわね。私は今年の冬を越す自信がないの」
「白様、そんな……」
鋼は、声を詰まらせた。
冬を越す自信がない、いつ壊れるかわからない。
壊れると心がなくなって、冷たくなって動けなくなって“似姿”って言うお墓になるの?
“壊れる”、それが“一人ぼっち”の次に、産まれたてのカップが覚えた“怖い”ことでした。
「分りました。名付け親を引き受けます」
やっと鋼は言いました。
「それじゃ名前を決めて、オオジロの所に届けなくちゃね」
「名前ね。大きくて、黒いからオオグロとか」
大きくて、黒い。それが僕?
「もっとこの子らしい、素敵な名前はないの? 適当につけちゃ可哀想よ」
白様は不満げです。
「自分でつければ良いのに」
鋼が困って、産まれたての周りをぐるぐる回っていると、取っ手のあたりに丸い金色の窪みが幾つかあるのを見つけました。不思議な丸い渦巻きのような模様が五つ付いています。
「これ、金じゃないかな」
鋼は、まじまじと見て頷きました。
「金色の窪みが五つ、君の名前は“五つ窪み”だ。それで良いね」
オオグロより、ずっと素敵でした。
「はい」
その時から産まれたてのカップは“五つ窪み”になりました。
4. 南の城へ
「それじゃあ急ぎなさい。手続きの時間も掛かるだろうし、南の城へ行って帰ってくるとなると半日はかかる。日暮れまでに北山に戻るにはギリギリかもしれないわ。十六夜を夜一人にしておくのは心配だしね」
「分りました。白様はどうします?」
「私は暫くここで、ロージンを待ってみるわ」
「ただの言い伝えを信じてるんですか?」
「多分無駄でしょうね、分かってるの。それでもそうしたいのよ」
鋼は白様がさっきしたように、天に向かってため息をつきました。
「分りました、二人で行ってきます。五つ窪み、付いておいで。少し急ぐよ」
スタスタ進み出した鋼の後を、五つ窪みはヨタヨタとついていきます。
「あんな言い伝えを試してみたいなんて、白様らしくない。でも……可能性があるなら、何でも試してみたくなるんだろうな。パートナーを失えば」
「あの、あの、鋼様」
「鋼でいいよ。なんだい?」
「言い伝えってなんですか? あそこで待ってたら何が起こるんですか」
「命が戻ってきて、あの中に入ると言われている。体が壊れて命が抜けていったのだから、体を直せば命が戻ってくると、昔の人は考えたんだ。
そして割れた欠片を集めてそっくりな体を作るようになった。それが“似姿”だ。
でも成功して、生き返ったものは誰もいない」
「じゃあ黒様は生き返らないの? なのに、白様はどうしてあそこで待ってるの?」
「そうなって欲しいからだよ。嘘と分かってても諦め切れないんだ。でも“だったらいいな”なんて決して本当にはならない。それでもそうせずにはいられないほど、白様は黒様を失って悲しいんだよ」
「パートナーを失うって、そんなに悲しいの? だったら、そんなの初めからなんなきゃ良いのに。僕は悲しいの嫌だ」
「産まれたてらしい考えだ。でもね、不思議なことに“心”はいつも相手を求めて彷徨ように出来ているのさ。君は、君を作ってくれた人を覚えてるかい?」
「うん、でも名前を忘れちゃったの。あんなに大好きだったのに」
「みんなそうなんだ。そうしないと新しく誰かを好きになることができないからだと言われている。
誰かを好きになって二人の心が一つになると、あの人の名前を取り返すことができて、世界を変える力をもたらすと言われている……一度だけ、それに成功して、今の世界を作ったのは、白様と黒様の二人なんだ。だから、二人はとても尊敬されているんだよ」
「じゃぁ白様に聞けばあの人の名前わかるね。僕あの人の名前を忘れたままなの嫌なんだ」
「残念だけど、願いが叶ったとき、名前は二人の心から消えてしまったそうだ。願い事を間違えたからだと、黒様ずっと後悔していた」
「正しい願いと間違った願いがあるの? 黒様は何をお願いしたの?」
「生まれたては知りたがりだな。『小さなカップでなくても、冬に死ななくていいようにしてください』と願ったそうだよ。詳しくは僕も知らないんだ、いつか白様に聞いてごらん。
もうお城に着いたから、此処からは聞かれたことだけに返事をするんだよ。質問は無し」
冬ってなんだろう?大きいと冬に死んじゃうのかな。
でも白様小さいのに冬を越す自信がないって言ってたし――
五つ窪みが覚えた三つ目の怖いものは“冬”でした。
どうもこの世界は怖いものがいっぱいある様です。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
見習い錬金術士ミミリの冒険の記録〜討伐も採集もお任せください!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?〜
うさみち
児童書・童話
【見習い錬金術士とうさぎのぬいぐるみたちが描く、スパイス混じりのゆるふわ冒険!情報収集のために、お仕事のご依頼も承ります!】
「……襲われてる! 助けなきゃ!」
錬成アイテムの採集作業中に訪れた、モンスターに襲われている少年との突然の出会い。
人里離れた山陵の中で、慎ましやかに暮らしていた見習い錬金術士ミミリと彼女の家族、機械人形(オートマタ)とうさぎのぬいぐるみ。彼女たちの運命は、少年との出会いで大きく動き出す。
「俺は、ある人たちから頼まれて預かり物を渡すためにここに来たんだ」
少年から渡された物は、いくつかの錬成アイテムと一枚の手紙。
「……この手紙、私宛てなの?」
少年との出会いをキッカケに、ミミリはある人、あるアイテムを探すために冒険を始めることに。
――冒険の舞台は、まだ見ぬ世界へ。
新たな地で、右も左もわからないミミリたちの人探し。その方法は……。
「討伐、採集何でもします!ご依頼達成の報酬は、情報でお願いできますか?」
見習い錬金術士ミミリの冒険の記録は、今、ここから綴られ始める。
《この小説の見どころ》
①可愛いらしい登場人物
見習い錬金術士のゆるふわ少女×しっかり者だけど寂しがり屋の凄腕美少女剣士の機械人形(オートマタ)×ツンデレ魔法使いのうさぎのぬいぐるみ×コシヌカシの少年⁉︎
②ほのぼのほんわか世界観
可愛いらしいに囲まれ、ゆったり流れる物語。読了後、「ほわっとした気持ち」になってもらいたいをコンセプトに。
③時々スパイスきいてます!
ゆるふわの中に時折現れるスパイシーな展開。そして時々ミステリー。
④魅力ある錬成アイテム
錬金術士の醍醐味!それは錬成アイテムにあり。魅力あるアイテムを活用して冒険していきます。
◾️第3章完結!現在第4章執筆中です。
◾️この小説は小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
◾️作者以外による小説の無断転載を禁止しています。
◾️挿絵はなんでも書いちゃうヨギリ酔客様からご寄贈いただいたものです。
悪魔さまの言うとおり~わたし、執事になります⁉︎~
橘花やよい
児童書・童話
女子中学生・リリイが、入学することになったのは、お嬢さま学校。でもそこは「悪魔」の学校で、「執事として入学してちょうだい」……って、どういうことなの⁉待ち構えるのは、きれいでいじわるな悪魔たち!
友情と魔法と、胸キュンもありの学園ファンタジー。
第2回きずな児童書大賞参加作です。
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。
守護霊のお仕事なんて出来ません!
柚月しずく
児童書・童話
事故に遭ってしまった未蘭が目が覚めると……そこは死後の世界だった。
死後の世界には「死亡予定者リスト」が存在するらしい。未蘭はリストに名前がなく「不法侵入者」と責められてしまう。
そんな未蘭を救ってくれたのは、白いスーツを着た少年。柊だった。
助けてもらいホッとしていた未蘭だったが、ある選択を迫られる。
・守護霊代行の仕事を手伝うか。
・死亡手続きを進められるか。
究極の選択を迫られた未蘭。
守護霊代行の仕事を引き受けることに。
人には視えない存在「守護霊代行」の任務を、なんとかこなしていたが……。
「視えないはずなのに、どうして私のことがわかるの?」
話しかけてくる男の子が現れて――⁉︎
ちょっと不思議で、信じられないような。だけど心温まるお話。
荒川ハツコイ物語~宇宙から来た少女と過ごした小学生最後の夏休み~
釈 余白(しやく)
児童書・童話
今より少し前の時代には、子供らが荒川土手に集まって遊ぶのは当たり前だったらしい。野球をしたり凧揚げをしたり釣りをしたり、時には決闘したり下級生の自転車練習に付き合ったりと様々だ。
そんな話を親から聞かされながら育ったせいなのか、僕らの遊び場はもっぱら荒川土手だった。もちろん小学生最後となる六年生の夏休みもいつもと変わらず、いつものように幼馴染で集まってありきたりの遊びに精を出す毎日である。
そして今日は鯉釣りの予定だ。今まで一度も釣り上げたことのない鯉を小学生のうちに釣り上げるのが僕、田口暦(たぐち こよみ)の目標だった。
今日こそはと強い意気込みで釣りを始めた僕だったが、初めての鯉と出会う前に自分を宇宙人だと言う女子、ミクに出会い一目で恋に落ちてしまった。だが夏休みが終わるころには自分の星へ帰ってしまうと言う。
かくして小学生最後の夏休みは、彼女が帰る前に何でもいいから忘れられないくらいの思い出を作り、特別なものにするという目的が最優先となったのだった。
はたして初めての鯉と初めての恋の両方を成就させることができるのだろうか。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
鎌倉西小学校ミステリー倶楽部
澤田慎梧
児童書・童話
【「鎌倉猫ヶ丘小ミステリー倶楽部」に改題して、アルファポリスきずな文庫より好評発売中!】
https://kizuna.alphapolis.co.jp/book/11230
【「第1回きずな児童書大賞」にて、「謎解きユニーク探偵賞」を受賞】
市立「鎌倉西小学校」には不思議な部活がある。その名も「ミステリー倶楽部」。なんでも、「学校の怪談」の正体を、鮮やかに解明してくれるのだとか……。
学校の中で怪奇現象を目撃したら、ぜひとも「ミステリー倶楽部」に相談することをオススメする。
案外、つまらない勘違いが原因かもしれないから。
……本物の「お化け」や「妖怪」が出てくる前に、相談しに行こう。
※本作品は小学校高学年以上を想定しています。作中の漢字には、ふりがなが多く振ってあります。
※本作品はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。
※本作品は、三人の主人公を描いた連作短編です。誰を主軸にするかで、ジャンルが少し変化します。
※カクヨムさんにも投稿しています(初出:2020年8月1日)
夢の中で人狼ゲーム~負けたら存在消滅するし勝ってもなんかヤバそうなんですが~
世津路 章
児童書・童話
《蒲帆フウキ》は通信簿にも“オオカミ少年”と書かれるほどウソつきな小学生男子。
友達の《東間ホマレ》・《印路ミア》と一緒に、時々担任のこわーい本間先生に怒られつつも、おもしろおかしく暮らしていた。
ある日、駅前で配られていた不思議なカードをもらったフウキたち。それは、夢の中で行われる《バグストマック・ゲーム》への招待状だった。ルールは人狼ゲームだが、勝者はなんでも願いが叶うと聞き、フウキ・ホマレ・ミアは他の参加者と対決することに。
だが、彼らはまだ知らなかった。
ゲームの敗者は、現実から存在が跡形もなく消滅すること――そして勝者ですら、ゲームに潜む呪いから逃れられないことを。
敗退し、この世から消滅した友達を取り戻すため、フウキはゲームマスターに立ち向かう。
果たしてウソつきオオカミ少年は、勝っても負けても詰んでいる人狼ゲームに勝利することができるのだろうか?
8月中、ほぼ毎日更新予定です。
(※他小説サイトに別タイトルで投稿してます)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる