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21話 アースクエイク

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「今回の件、学園長はどう対処するのか楽しみだな」

---

 懐かし、一帯が紫色で地面が粘土色、私はここで必死に戦った場所だ。
 ゆっくり前に進むと、粘土色で作られている、壁がある、歪な形をしている、隙間から視線を感じた。

(来る)

 黒色の風がこちらに向かって来るが、大したことない魔法だいや「能力」だ。
 簡単に左に避ける、すると次々といろんな能力が発動されて行く、が私には関係ない、こんな弱いやつらを配置するなんて、舐めてかかっているのか?
 前に、仮面の男が出てきた、おそらく増幅系の能力だ。

「殺せ!」

 何度も何度もパンチを繰り出す、が遅い、遅すぎてスローに見える、その間も黒の風は発動されているが当たる気配はない、逆にそれを利用するか。

「来いよ」

 顔にパンチを仕掛けようとするフリをして、しゃがみ足を狙ってきた、だが関係ない、一度黒の風を見て、一歩下がり、目の前の敵を壁にするように持ち上げる。

「くそ!」

 相手は身動きができない、そして黒の風が迫ってきたときに、投げつける。

「まて、まて、やめろお!」

 風に包まれて、そのまま上から落下する。

「ぐっは、レベルが、違いすぎる」

 焦った敵はぞろぞろと出てくる。

「数が多いな」

---

 私たちが入ると、二人は壁を作っていた、距離が遠いから攻撃を少しは耐えれそうだ。
 前に先生が敵と睨み合っている、その横に倒れている敵がいる。
 すると、先輩が振り返り、指示を出す。

「ヴイ、後ろに壁をはれ!」

 私は急いで後ろに壁を作った、作り終えた瞬間、作った壁にヒビが入る。

「危なかった、ナイスだヴイ」

 褒められると照れてしまう、だけどなんだろう何か違和感が、するとイオリが横目で恨めしそうに見つめていた。

(ヴイちゃんもしかして恋に発展するんじゃないか?)

 作った壁はすぐに壊された、それをユアンがカバーする。

「シャルさん下がって、私が後ろ見る、イオリさんでしたか? 火球をお願いします!」

 私は後ろに下がり、イオリは火球を準備する。

(一回一回、やってる暇はない、今日のようなイメージで)

 壁に少し隙間が空いているのに気づく。

「そこに穴があります、そこから狙ってください!」

 難易度は高いがやるしかない、距離が遠いせいで、威力が下がってしまう、できるだけ下がらないように努力する。

「お願い、火よ、我に力を!」

 隙間から放たれた、火球はすごい威力のままで四十メートル先にいる敵に命中した。

「はあはあ、当たった」
「ナイスだイオリ」
「イオリさんナイスです」

 すごい威力だった、あの時の私以上の威力、すると次々と敵が近づいてきている、先生はドンドン下がってきている、流石に一人相手じゃきつい、それに気づき、先輩が代わりに壁を作るよう合図し、タイミングを合わせて、壁を貼る。

「俺はいくぞ」

 先生の隣につく。

「あいつら魔法ではなく、能力ですか」

 先生はそれに気づいていたのかと驚いている。

「あ、ああ」
「それより状況まずいですね、向こうまでたどり着くことできますか?」

 自信ありげに答えた。

「当たり前だ、いける」
「そうですか、では俺がこの道を開きます、そしたら奥まで走りきってください、他の三人は俺が守ります、絶対に」

 それに納得した先生は準備をする。

「わかった、あとで来い」

 俺は今まで学園でも見せなかった魔法をここで披露する。

「アースクエイク!」

 地面を触りながら叫ぶ。

「うおおおおおおおお」

 すごい揺れが発生する、だが俺には関係ない、そのままつぎの魔法を発動。

「炎嵐(ファイヤーストーム)」

 すざまじい炎の嵐が敵めがけて命中する、アースクエイクのおかげで身動きが取れない、先生は直撃をしたのを見て、走る。
 嵐が止むと周りに立っている敵はいない、なぜなら魔法レベルSだからだ。

「使いすぎたな、とりあえずあいつら」

 振り返ると、三人は敵に囲まれていた。

「どうしよ、イオリ、火球まだ使える?」

「きつい、威力下がる、当たってもなんともならない!」

「私が打つ、フェリックスさんの方に敵はいないから、前後だけ注意を」

(おそらくあの敵は火系の魔法は通用しない、では水なら!)

「清らかな水よ、私の手に集え、「流水(ウォーター)」

 流水が敵をめがけていく、だが避けられる、ということは確実だ、炎系は避けなかった、でも水は避けたということは苦手だということ。

「なるほど、炎はきかないのか、流石ですユアン」

 何度もめがけて撃つが当たる気配はない。

「当たらない! このままじゃ敵に」

 すると先輩の声が聞こえてきた。

「壁を解除しろ、俺が前に出る、下がれ」

 その合図とともに私たちは壁を解除し、後ろに下がる。

「お前らは後ろにいる敵をやれ、俺は前をやる」

 前の敵は炎が効かない、後ろの敵は通用する。

「わかった」

 とても様子が変だ、後ろにいた敵がどんどん下がっていく。

「凍てつく氷、奴らを凍らせろ!「氷結(フリーズ)」

 それで動きを封じ込めた、なかはカチカチであのレベルじゃ壊される心配はない。

「どうだ、やったか?」

 敵が下がっていったことにより倒せなかった。

「敵が消えた!」

「そんなわけないぞ、いるはずだ」

 気配がする、この近くにいるはずだ。

「地面に少し浮かせて壁を作れ」

 すぐにユアンが壁を作る、合図を出す。

「ジャンプしてください」

 一斉にジャンプする、作ったのを確認すると、地面に手をつけて、集中している。

「アースクエイク!」

 先ほどと似た揺れが起きる、が今回は揺れを感じない、すると能力で透明になっていたのか、姿を現した。

「いた」

 気づくとゆっくり近づく。

「来るな、バケモノめ」

 この短い戦闘でわかったことSSクラスは化け物だということ。

「殺しはしないさ、お前の判断によって」

---

「この辺りだと思うんだが」

 前を見ると、高さのある崖がある。

(あんなのなかった気がする、まあいい、今は急ごう)

 以前よりも悪い雰囲気が漂ってきた。

(どこだ、どこだ)

 どこからか声が聞こえた。

「お久しぶりね、ウルク」

 懐かしい声。

「どこにいるんだ「女夢魔(サキュバス)」ことサキュア!」
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