14 / 40
14話 可能性
しおりを挟む
その言葉に驚いた、学園のトップである人が、嘘をついて裏で働いているなんて、ありえない、あるはずがないからだ。
「え、えっと、学園長がですか?」
私は言葉を詰まらせながら話す、ヴイちゃんは、じっと動かず何かを考えている。
「ああ、あの学園は嘘にまみれている」
嘘とは何かが一番気になる。
「えっと、嘘とは? 私達からすると、学園のトップの人が嘘をつくなんて思いませんけど、しかも、この寮、学園長から提案されましたし」
この話も嘘なのか? と疑ったが、嘘ではないと私は思っている。
だが、彼には学園そのものが嘘だと考えている。
「甘い言葉で惹きつけ、最後は突き放す野郎だ」
するとずっと黙り込んでいた、ヴイちゃんが話を始める。
「私は学園長が嘘をついてるのは思いません、学園そのものが素敵だとも感じています」
今日あった出来事、もし嘘にまみれていたら、あの時に私たちはどうなっていたのか?
「俺たちSSクラスの生徒もそう思っていた、だが、ある行動によって嘘だと確信した」
一応周りを確認して話を始める。
「クラスの担任からは、旅行と言われ、当日集められた生徒は楽しみにしていた」
旅行は楽しいものだから、集められた生徒はさぞかし嬉しかったのだろう。
「だが、たどり着いた場所は、周りになにもなく、建物は崩壊していて、周りに人が住んでいる気配もない、飛行機がなにもないところに着陸する」
たしかに旅行なのになにもないところに着陸するのはおかしい。
「俺たちは窓から外の景色を見ていた、すると身体が動かなくなり、気づいたら飛行機の外にいて、俺たちが乗っていた飛行機は、上空に飛んでいた、その時に見た担任と学園長の顔が忘れられない」
だが気になることがある、一部の生徒だけが集められ、旅行だなんておかしな話だ、普通ならクラス全体で行くべきだ。
「一部の生徒とは、どんな生徒なんですか?」
手を思い切っり握りしめて、歯を食いしばり話す。
「クラスの順位、下位二十位、までの生徒」
上位の生徒は集められていなかったらしい、それは単純に修行ではないのかとも思う。
「俺はクラスの順位は十四位だった、だから今回、駆り出された」
少しの間なにも言わなかったヴイちゃんが話しをする。
「駆り出されたってどういうことですか?」
それに関しては私も疑問に思った、駆り出されるって私からすると、あまりいいイメージじゃない。
「あの学園長は、上位の奴らにしか興味がない、下位の奴らは駒でしかない、生きてることさえ許さないという考えだ」
私たちは黙って話を聞く。
「今回は下位の生徒だったが、恐らく、これから全生徒が巻き込まれることになるだろう」
それはどうして? と聞く。
「あいつらはこの世界のことを隠している、お前らは「マルキア」「アサキド」「ムーン」「ランコサ」「キューレイ」「アムルサクルド」「ドーム」 これらの街を知っているな?」
この国「アルマキア」の七都市だ、それがどうしたと首をかしげる。
「それら以外にも、「キュレル」「アーキ」「クアンテルク」「ドルドル」 と言った四都市があるんだ」
そんな都市聞いたことも習ったこともない、横を見ると聞いたことがあるみたいな反応をしているヴイちゃん。
「なぜみんな知らないのかというと、簡単な話だ、このマルキアは一番栄えているところだ、特に魔法が栄えている、その名門の学園長とあれば、権力はすごい、それを利用して、それらの都市がなかったかのようにしているんだ」
全く話の意味がわからない、たしかに名門の学園長だったらそれなりに、権力はあるはず、だが、国の政治を侵すまでの権力はあるのか不思議だ。
ヴイちゃんが思ったことを話す。
「なるほど、本来ある場所がなかったかのように改ざんされてるのですね、今の話を聞いている限り、あなた達が旅行と言われ、連れていかれたのは、いま言った四都市のどれかですよね?」
ヴイちゃんは頭がよく切れる、集団になると弱いが、少人数ならすごい。
「ああ、だが、そこがどこの都市なのかはわからない、だって、そんな都市があるなんて思ってもいなかったからだ」
私は話がわからなくなってきて、頭がパンクしそうだ、ヴイちゃんの様子を見ると、やたらと汗の量がすごい。
すると口パクで話す。
(どうしよ、話が難しい)
どうやらヴイちゃんもあまり理解できていないようだ。
それでもお構いなく、話を続ける。
「携帯など使って見たが、全く使い物にならなかった」
そう言って携帯を見せてきた、液晶が割れていて使い物にならない。
「それでみんなで歩いて帰ろうとしたんだ、すると見たことのない、奴らが出てきて、いきなり攻撃を始めたんだ」
荒れ果てた土地、おそらく奴らが荒らしたと考えられる。
「予想外の展開により、相手の攻撃に避けれず、直撃したものもいる」
直撃したものは当然、死ぬということだ。
「俺たちは必死に逃げた、一度は離れ離れになったが、徐々に合流していき、八人と出会えた」
私はその言葉に驚き、ついつい口から漏れた。
「と、いうことは?」
「ああ、十二人は帰らぬ人となった、俺たちは最初は疑ったさ、死んでいないと、だけど、あの血の量、明らか致死量だ」
絞り出すように話をする、少しだけ学園のことがわかった気がする。
「そう、なんですか、あなたはここにいるということは生き残れたということですよね?」
ヴイちゃんが話を始める。
「ああ、他の奴らを置いてな」
その言葉に引っかかり、もう一度聞く。
「私の予想ですが、あなたの味方がこれらのことを伝えるように、ワープさせたんだと思いますよ?」
全員死んだら、今の話を聞けなかった、それだけは避けたかったのだろう。
「だけど、なんで俺だけなんだ?」
そんなこと私にはわからない。
「さあ私にはわかりませんが、あなたに可能性を感じたのでしょう」
唇を噛み締めたまま少しの間動かなくなった、その間、イオリがこっちを見て口パクで何かを言っている。
(その敵? ってなんていう名前なのかな?)
(わからない!)
落ち着いたのか話をまとめる。
「話が長くなったな、俺が言えるのは、学園は俺たちのことを「道具」としか思っていないというこだ」
「え、えっと、学園長がですか?」
私は言葉を詰まらせながら話す、ヴイちゃんは、じっと動かず何かを考えている。
「ああ、あの学園は嘘にまみれている」
嘘とは何かが一番気になる。
「えっと、嘘とは? 私達からすると、学園のトップの人が嘘をつくなんて思いませんけど、しかも、この寮、学園長から提案されましたし」
この話も嘘なのか? と疑ったが、嘘ではないと私は思っている。
だが、彼には学園そのものが嘘だと考えている。
「甘い言葉で惹きつけ、最後は突き放す野郎だ」
するとずっと黙り込んでいた、ヴイちゃんが話を始める。
「私は学園長が嘘をついてるのは思いません、学園そのものが素敵だとも感じています」
今日あった出来事、もし嘘にまみれていたら、あの時に私たちはどうなっていたのか?
「俺たちSSクラスの生徒もそう思っていた、だが、ある行動によって嘘だと確信した」
一応周りを確認して話を始める。
「クラスの担任からは、旅行と言われ、当日集められた生徒は楽しみにしていた」
旅行は楽しいものだから、集められた生徒はさぞかし嬉しかったのだろう。
「だが、たどり着いた場所は、周りになにもなく、建物は崩壊していて、周りに人が住んでいる気配もない、飛行機がなにもないところに着陸する」
たしかに旅行なのになにもないところに着陸するのはおかしい。
「俺たちは窓から外の景色を見ていた、すると身体が動かなくなり、気づいたら飛行機の外にいて、俺たちが乗っていた飛行機は、上空に飛んでいた、その時に見た担任と学園長の顔が忘れられない」
だが気になることがある、一部の生徒だけが集められ、旅行だなんておかしな話だ、普通ならクラス全体で行くべきだ。
「一部の生徒とは、どんな生徒なんですか?」
手を思い切っり握りしめて、歯を食いしばり話す。
「クラスの順位、下位二十位、までの生徒」
上位の生徒は集められていなかったらしい、それは単純に修行ではないのかとも思う。
「俺はクラスの順位は十四位だった、だから今回、駆り出された」
少しの間なにも言わなかったヴイちゃんが話しをする。
「駆り出されたってどういうことですか?」
それに関しては私も疑問に思った、駆り出されるって私からすると、あまりいいイメージじゃない。
「あの学園長は、上位の奴らにしか興味がない、下位の奴らは駒でしかない、生きてることさえ許さないという考えだ」
私たちは黙って話を聞く。
「今回は下位の生徒だったが、恐らく、これから全生徒が巻き込まれることになるだろう」
それはどうして? と聞く。
「あいつらはこの世界のことを隠している、お前らは「マルキア」「アサキド」「ムーン」「ランコサ」「キューレイ」「アムルサクルド」「ドーム」 これらの街を知っているな?」
この国「アルマキア」の七都市だ、それがどうしたと首をかしげる。
「それら以外にも、「キュレル」「アーキ」「クアンテルク」「ドルドル」 と言った四都市があるんだ」
そんな都市聞いたことも習ったこともない、横を見ると聞いたことがあるみたいな反応をしているヴイちゃん。
「なぜみんな知らないのかというと、簡単な話だ、このマルキアは一番栄えているところだ、特に魔法が栄えている、その名門の学園長とあれば、権力はすごい、それを利用して、それらの都市がなかったかのようにしているんだ」
全く話の意味がわからない、たしかに名門の学園長だったらそれなりに、権力はあるはず、だが、国の政治を侵すまでの権力はあるのか不思議だ。
ヴイちゃんが思ったことを話す。
「なるほど、本来ある場所がなかったかのように改ざんされてるのですね、今の話を聞いている限り、あなた達が旅行と言われ、連れていかれたのは、いま言った四都市のどれかですよね?」
ヴイちゃんは頭がよく切れる、集団になると弱いが、少人数ならすごい。
「ああ、だが、そこがどこの都市なのかはわからない、だって、そんな都市があるなんて思ってもいなかったからだ」
私は話がわからなくなってきて、頭がパンクしそうだ、ヴイちゃんの様子を見ると、やたらと汗の量がすごい。
すると口パクで話す。
(どうしよ、話が難しい)
どうやらヴイちゃんもあまり理解できていないようだ。
それでもお構いなく、話を続ける。
「携帯など使って見たが、全く使い物にならなかった」
そう言って携帯を見せてきた、液晶が割れていて使い物にならない。
「それでみんなで歩いて帰ろうとしたんだ、すると見たことのない、奴らが出てきて、いきなり攻撃を始めたんだ」
荒れ果てた土地、おそらく奴らが荒らしたと考えられる。
「予想外の展開により、相手の攻撃に避けれず、直撃したものもいる」
直撃したものは当然、死ぬということだ。
「俺たちは必死に逃げた、一度は離れ離れになったが、徐々に合流していき、八人と出会えた」
私はその言葉に驚き、ついつい口から漏れた。
「と、いうことは?」
「ああ、十二人は帰らぬ人となった、俺たちは最初は疑ったさ、死んでいないと、だけど、あの血の量、明らか致死量だ」
絞り出すように話をする、少しだけ学園のことがわかった気がする。
「そう、なんですか、あなたはここにいるということは生き残れたということですよね?」
ヴイちゃんが話を始める。
「ああ、他の奴らを置いてな」
その言葉に引っかかり、もう一度聞く。
「私の予想ですが、あなたの味方がこれらのことを伝えるように、ワープさせたんだと思いますよ?」
全員死んだら、今の話を聞けなかった、それだけは避けたかったのだろう。
「だけど、なんで俺だけなんだ?」
そんなこと私にはわからない。
「さあ私にはわかりませんが、あなたに可能性を感じたのでしょう」
唇を噛み締めたまま少しの間動かなくなった、その間、イオリがこっちを見て口パクで何かを言っている。
(その敵? ってなんていう名前なのかな?)
(わからない!)
落ち着いたのか話をまとめる。
「話が長くなったな、俺が言えるのは、学園は俺たちのことを「道具」としか思っていないというこだ」
0
お気に入りに追加
93
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ああ、もういらないのね
志位斗 茂家波
ファンタジー
……ある国で起きた、婚約破棄。
それは重要性を理解していなかったがゆえに起きた悲劇の始まりでもあった。
だけど、もうその事を理解しても遅い…‥‥
たまにやりたくなる短編。興味があればぜひどうぞ。
アリシアの恋は終わったのです。
ことりちゃん
恋愛
昼休みの廊下で、アリシアはずっとずっと大好きだったマークから、いきなり頬を引っ叩かれた。
その瞬間、アリシアの恋は終わりを迎えた。
そこから長年の虚しい片想いに別れを告げ、新しい道へと歩き出すアリシア。
反対に、後になってアリシアの想いに触れ、遅すぎる行動に出るマーク。
案外吹っ切れて楽しく過ごす女子と、どうしようもなく後悔する残念な男子のお話です。
ーーーーー
12話で完結します。
よろしくお願いします(´∀`)
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【本編完結】実の家族よりも、そんなに従姉妹(いとこ)が可愛いですか?
のんのこ
恋愛
侯爵令嬢セイラは、両親を亡くした従姉妹(いとこ)であるミレイユと暮らしている。
両親や兄はミレイユばかりを溺愛し、実の家族であるセイラのことは意にも介さない。
そんなセイラを救ってくれたのは兄の友人でもある公爵令息キースだった…
本垢執筆のためのリハビリ作品です(;;)
本垢では『婚約者が同僚の女騎士に〜』とか、『兄が私を愛していると〜』とか、『最愛の勇者が〜』とか書いてます。
ちょっとタイトル曖昧で間違ってるかも?
私は婚約破棄を回避するため王家直属「マルサ」を作って王国財政を握ることにしました
中七七三
ファンタジー
王立貴族学校卒業の年の夏――
私は自分が転生者であることに気づいた、というか思い出した。
王子と婚約している公爵令嬢であり、ご他聞に漏れず「悪役令嬢」というやつだった
このまま行くと卒業パーティで婚約破棄され破滅する。
私はそれを回避するため、王国の財政を握ることにした。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
愛想を尽かした女と尽かされた男
火野村志紀
恋愛
※全16話となります。
「そうですか。今まであなたに尽くしていた私は側妃扱いで、急に湧いて出てきた彼女が正妃だと? どうぞ、お好きになさって。その代わり私も好きにしますので」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる