War battle

ルルル

文字の大きさ
上 下
10 / 12

10話 運営チーム

しおりを挟む
 投げたナイフが落ちているのに関わらず、ナイフをもう一つ所持していた。

「なんでナイフを二本持ってるんだ?」
「翔太、どうする?」
「運営チームだって? そんなチーム参加するなんて聞いてないぞ」

 呆れた様子でこちらを見つめている。

「運営からチームが出ないなんて、言ったか?」

 たしかに、そうだ、出るとも出ないとも言っていない、だが、それよりもさっき運営チームが言ってたことが気にかかる。
 花岡を押し避けてマアルが前に出る。

「俺らが強いから消すことにする? 逆に俺らが弱かったら、ここに居ないってことか?」

 何やら妙な雰囲気だ、戦った奴らとは全く違う感じ。

「ああ、そうなる、ここに来る前に、S1を消したな」

 私はそのチームに聞き覚えがあった、S1とはこのゲームのチームランキングで上位。
 そのチームを消すことのできるほどの実力持ちだとすれば、私たちは確実に死ぬ。

「ゆあたん、S1って」

 真彩も知って居たらしい。
 
「真彩、甘城、しってるのか?」
「知ってるよ、チームランキング上位のチーム」

 勝てない、勝てるはずない、そうみんな思っているはずだ、だが、花岡は違った。

「上位のチームが消されたからって、勝ち目がないとは思わない」

「ほお、では、勝てると?」

 自信があるのか、迷いはなかった。

「ああ、勿論だ」
「それは、おもしろいな、五対四でどうすると?」
「甘く見ていたら、痛い目にあうぜ?」

 二人が睨み合う、私は、どうすればこの状況を打破できるか考える。
 だが、思いつく案はない、私たちがさっきやった作戦をおそらく、相手もやって来る、先ほどの敵と同じ死に方が見える。

「ふ、女子二人、男子二人でどうにかなると?」
「さあ、それはどうかな?」

 足の痛みが引いたのか、平然と前に出てきた。

「さっきはよくも! 痛かったんだからな!」

 何やら先程と違う態度、明らかに動揺している。

「動揺してるな」

「、どうしてだ、さっき足にしっかり当たったはずだが?  やせ我慢か?」

 真彩を治療した際に使った、注射器を手にした。

「これだよ、ゆあたん、のおかげで助かった!」

 それを手にして見せると、私たちの顔を一通り見渡す。

「それはどこにあった」

 冷静を装っているが額に汗が。

「それは、秘密だ」

 ゆあたんの家を出る前、マアルが残ってる分を持ち出したんだ。

「それは、よくない、よこせ」

 どんどん気性が荒くなっていくのがわかる。

「何か、秘密があるのか?」

 戦う気が失せたのか、その場から逃げるかのように立ち去ろうとする。

「まあいい、お前たちは後で消す、それまで頑張れ」

その瞬間、敵の地面に魔法陣が現れた。

「逃げる気か、せこくないか?」

 ザキがそういうのはわかる。
 私はみんなにバレないように後ろに下がる。 そして願うように手を強く握る。

「逃すのか? 翔太!」
「これでいい、行って死ぬよりマシだろ!」
「そうだけど!」

 魔方陣から眩しい光が。
 その瞬間、運営チームは姿を消した。

「眩しいな、マアル、ザキ大丈夫か?」
「ああ」
「逃げられた!」
「ゆあたんも大丈夫?」
「、あ、うん!」

 すると、どこからか何かが落ちた音が聞こえた。

〈バタ〉

 その音を確認し注意深く警戒する。

「なんだ?」
「ザキ、静かに」

 花岡が扉から顔を覗かせると、人が倒れて居た。
 黒い軍隊が来てそうな帽子をかぶっていて黒い服を着ている。

「あれは!」

 私たちも顔を覗かせる、倒れていた人は、運営チームの一人だ。

「なんで、運営チームの一人が倒れているんだ?」

 普通ならキルマークが出るはずなのにエラーマークが出ていた。

「どういうことだ、翔太」
「俺にもわからない」
「なんで死んでいるんだ? 俺らの中で誰か何かしたか?」

 一度考えたが、思いつく節はない。
 すると真彩が話を切り替えるように話す。

「とりあえず、またあの人らが来ることに備えないと! ここで私たち死ぬわけにはいかないのさ!」
「そうだね! 真彩!」

 落ち着いて指示を出す。

「アイツら含め、敵に警戒しながら向かうぞ」
「運営のことは謎だが、わかった」

 私たちは目的地に向かう。

---

「ボス、予想外の展開に」
「ああ、この目で見た、アイツだな」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。

ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。 彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。 「誰も、お前なんか必要としていない」 最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。 だけどそれも、意味のないことだったのだ。 彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。 なぜ時が戻ったのかは分からない。 それでも、ひとつだけ確かなことがある。 あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。 私は、私の生きたいように生きます。

婚約破棄?一体何のお話ですか?

リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。 エルバルド学園卒業記念パーティー。 それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる… ※エブリスタさんでも投稿しています

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

【完結】聖女ディアの処刑

大盛★無料
ファンタジー
平民のディアは、聖女の力を持っていた。 枯れた草木を蘇らせ、結界を張って魔獣を防ぎ、人々の病や傷を癒し、教会で朝から晩まで働いていた。 「怪我をしても、鍛錬しなくても、きちんと作物を育てなくても大丈夫。あの平民の聖女がなんとかしてくれる」 聖女に助けてもらうのが当たり前になり、みんな感謝を忘れていく。「ありがとう」の一言さえもらえないのに、無垢で心優しいディアは奇跡を起こし続ける。 そんななか、イルミテラという公爵令嬢に、聖女の印が現れた。 ディアは偽物と糾弾され、国民の前で処刑されることになるのだが―― ※ざまあちょっぴり!←ちょっぴりじゃなくなってきました(;´・ω・) ※サクッとかる~くお楽しみくださいませ!(*´ω`*)←ちょっと重くなってきました(;´・ω・) ★追記 ※残酷なシーンがちょっぴりありますが、週刊少年ジャンプレベルなので特に年齢制限は設けておりません。 ※乳児が地面に落っこちる、運河の氾濫など災害の描写が数行あります。ご留意くださいませ。 ※ちょこちょこ書き直しています。セリフをカッコ良くしたり、状況を補足したりする程度なので、本筋には大きく影響なくお楽しみ頂けると思います。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

Free Emblem On-line

ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。 VRMMO『Free Emblem Online』 通称『F.E.O』 自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。 ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。 そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。 なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。

処理中です...