異世界ライフの楽しみ方

呑兵衛和尚

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第二部・浮遊大陸ティルナノーグ

ストーム・その13・刀剣の達人、色々と前哨戦

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 早朝のトレーニングは欠かせない。

 ストームのトレーニンクの基本は、自重トレーニングと自家製ダンベルを使ったトレーニングの二つ。
 これを毎日行う。
 鍛える場所も日によって変え、今日は腕を鍛えたので明日は胸筋という感じで、鍛える部位もローテーションしている。

 サムソンに戻ってきてからのストームは、何度かドゥーサ鉱区に赴いては大量の鉱石を回収してきた。
 毎日午前中は、それらの鉱石からインゴットを作り出す作業。そして午後からは研ぎや簡単な武具の鍛造など、受けた注文をこなしていく作業である。

 その日も、朝のトレーニングを終えて一休みしているところに、来客があった。
「失礼します。サイドチェスト鍛冶工房のストーム様ですよね? わたしはこのサムソンの帝国鍛冶工房のルィージィと申します。今年度の技術認定審査についてご連絡にやって参りました」
 緑色に染められた立派なツナギを来たドワーフが、ストームの元にやってきた。
「技術認定審査? それは一体なんだ?」
「はい。技術認定審査とは、毎年一度行われる鍛冶師の技術を評価する審査です。これを受けないとサムソンでは鍛冶師としての仕事を受けることが出来ません」
「あ~なるほど。それは大切だな」
「ということで、ストーム様もお受けになりますか?」
「もちろんさ、怪獣モチロンさ!!」
 と故郷の懐かしいネタを飛ばすものの、この世界では通用しない。

(ちっ。やっぱり無理か。だが、それでもネタを挟まずにはいられない)

 そんな阿呆な事を考えながら、ちゃんと話には耳を傾ける。
「では、詳細はこちらの書類に記してありますので、当日かならずいらして下さい。今年度はサムソン伯爵の提案で、鍛冶師のトーナメント大会になります。上位に残れば残るほど、高い評価を得られるかもしれませんが、もし一回戦で負けるような事になれば、審査によっては一年間は営業停止となりますのでご了承下さい」
 と告げられる。
「まあ、それはそれでいいか。では当日伺いますので」
 とルイージィに返答すると、ストームは朝食を食べに『鋼の煉瓦亭』へと向かった。

‥‥‥
‥‥

 
 酒場でも、すでに技術認定審査で盛り上がっている。
 今回の大会には、他の都市からも腕前を見せるために、数多くの鍛冶師が集まってきているらしい。
「ということでだ。ストーム、うまく上位に食い込んだほうがいいぞ」
 と酒場のマスターであるウェッジスが朝食を持ってやってくる。
「ん? 別に俺はここで仕事ができればいいだけで。いざとなったら切り札もあるし、他に移るっていう手もあるからなぁ」
 と煮込みを口に放り込みながら呟いている。
「それがねぇ。今回のこの認定審査、裏で『サムソン鍛冶組合』が一枚絡んでいるみたいなのよ」
 とクリスティナが、ストームに話しかけつつ相席する。
「なんだ、その組合は?」
「サムソン鍛冶組合よ。このサムソンの鍛冶師たちが集まって作った組合で、お互いに協力体制を取って仕事の斡旋したり色々とやっているみたいね。各店舗の値段の設定も、ここに登録している店はみんな同じよ」
 とライ麦パンを口に放り込むクリスティナ。
「ほあ、そういうものもあるのか。まあ、組合に入らないと仕事ができなくなるわけじゃないし、技術を安く売る気はないので、俺は登録しないほうがいいな」
「だと思った。今回は色々と裏がありそうだから、気をつけてね。それじゃあ出かけてくるね」
「ああ、仕事か」  
「隊商の護衛でベルナー王都までね。それじゃあ」
 と手をヒラヒラさせて店から出ていくクリスティナ。

「ちわーーーっす。朝食くださいなーと」
 とクリスと入れ替わりに、突然酒場にマチュアがやってくる。
「あれ? お前何しに来た?」
「包丁研いでおくれ。代金はビーフシチューを寸胴一本でどや?」
 朝食を食べながらストームと交渉するマチュア。
「あ、それでいいわ。っていうか、カナンの鍛冶師に頼めばいいだろ」
「研ぎに出して、今より切れなくなるのは御免だわ」
「だったら、自分で砥げばいいだろう。マチュアは確か鍛治師も出来たんじゃなかったか?  クラスチェンジして砥げないのか?」
 と最後の煮込みを食べ終えて、立ち上がりながらそう告げる。
「砥石もってないし」
 とマチュアがあっさり一言。
「そうか。じゃああとで来てくれればいいよ」
 と言いながら、ストームも店から出ていく。
 そしてまっすぐに自宅へと戻ると、インゴット作りを再開した。

 昼過ぎにマチュアの包丁の研ぎか終わると、マチュアはついでにと暗黒騎士の装備の修理を頼み込む。
 ボルケイド討伐でボロボロになり、普段使いにはかなり厳しい状況になっている。
 このレベルならつけないほうがまだましかもしれないと判断して、ストームに修理を頼んだ。

「ちょっと待て、いくらなんでもこれは時間かかるぞ、材料がそもそもない」
「まあまあ、出来たらの話だょ。今度採掘手伝ってあげるからさぁ」
 他愛の無い、昔ながらの会話である。
「全く、相変わらずのマイペースだな」
「それはいつものこと。と、これ、シルヴィーから預かってきた手紙ね、仕事の依頼だよ。ちょっと内容がアレなので場所を変えよう」
 ということで、2人は家の中に入る事にした。
 そして仕事と聞いて、ストームは嫌な予感がした。

「仕事って、マチュアもか?」
「私はブリュンヒルデ殿からの依頼ね。シルヴィーからも手伝ってあげて欲しいと言われたし、今後も六王からの仕事の要請や個人でなにか起こす場合でも、シルヴィーの許可を取らずに独自判断で受けても構わないってさ。ちゃんと皇帝の許可も取ったらしいよ」
 幻影騎士団は、六王や皇帝の仕事を手伝う代わりに、皇帝直属の近衛騎士団と同等の権力を何時でも使えるようになったらしい。
「はあ、いいんだか悪いんだかよく判らんな」
「うん。私の仕事はブリュンヒルデ殿がこの前、私が王都で貴族院を締めたときの話を聞いたらしくてね。帝国の悪い虫を一掃したいんだって」
 ふぅんと呟きつつ、ストームはシルヴィーの手紙を読む。
「ははぁ、なるほどなあ。マチュアは幻影騎士団としての仕事が、まあ、頑張れ」
「エンジの存在を表に出しちゃったからねー。お陰でほら」
 と、マチュアは足元に魔法陣を形成する。
「これは?」
魔術創造ビルドアップっていう魔法ね、この魔法陣の中で、様々な魔法を組み合わせたりして、独自のオリジナル魔法を作り出すことができるのよ」
 スッと魔法陣を消す。
「魔法についてはさっぱり分からん。具体的には?」
「例えば、波動の矢エナジーボルト拘束バインドを合わせて、対象をまるで死んだかのように麻痺させる拘束の矢バインドアローとか、あとは‥‥」

――スッ
 と、突然マチュアの横にエンジが姿を現わす。
「ファッ、それは一体なんだ?」
「これはね。魔力と周囲の魔障を練り合わせて作った『ゴーレム』だね。魔術師と錬金術師のスキルの合成だよ。私の魔力で作ったので、鑑定や調査系の魔法程度では本物かどうかなんて見分けがつかない筈だし、なにより私の命令を忠実に守るのよ」
 とエンジが話している。
「ちょっと待て、今はどっちが本物だ?」
「今の本物はマチュア。エンジがゴーレムね。アバターチェンジとモードチェンジも使えば、色々なこともさせれるようにはなったけど」
 と告げて、エンジがスッと消える。
「如何にも手駒にエンジがいるみたいでしょ。これも日々、魔術と料理を研鑽している集大成だよー。ストームの方は何かクラスやスキルでできること増えた?」
「さてなぁ‥‥」
 と腕を組んで考えてみる。
「戦闘系スキルの合成はこの前ボルケイド戦でやったしなぁ。防御力無効化攻撃の『浮舟』と、範囲型乱撃の『無限刃』の合成とか。戦闘スキルの合成だけは完璧だ、聖騎士と侍の合体スキルも可能だぞ。あとは、自分のスキルなら、なんでも鍛治師の能力で付与できるのが分かった程度だ」
「それ、一番おかしいから。要はマジックアイテムを作れるって事でしょ?」
「いや、それは違う。俺が作る武具に対して、スキルを付与するだけだ。だから、マジックアイテムじゃない、マジックウェポンだ」
 ビシッとポージングをしつつそう叫ぶストーム。
「まあ、私が錬金術で作った物品に魔法を付与するようなものかぁ」
「そっちがマジックアイテムだろうが」
「付与する器と付与するものが魔法かスキルかの違いしかないじゃない、対して差はないわい」
 というマチュアのツッコミは、この際無視するらしい。
「ゼイゼイ‥‥。しかし、思った通りというか、やっぱり権力が絡むと腐るものもいるんだなぃ」
「私はしばらくは其方の仕事もやるのでねー。報酬が美味しいのよ。ストームみたいに鍛治師でドーンと一攫千金稼げないし 」 
「一攫千金って。ボルケイドの素材売れば金になるだろうが」

 あのあと、解体してボルケイドの素材はマチュアと山分けした。
 食材の部分は大体がマチュア、鍛治に使いそうな部分は大体はストーム、ドラゴンレザーは山分けという感じになった。
 ヘッケラーとコックスにも、解体を手伝ったので欲しい部分をお裾分けしてあげたらしいが、公に外には出せない代物なので、少しだけ王宮に買い取って貰うことにしたらしい。

「ドラゴンステーキを街で売れと?  あれは売ってはいけない」
――ゴクッ
 ストームが、思わずのどを鳴らす。
 聞いただけでもよだれが垂れてきそうである。
「き、危険なのか?」
「いやいや、あれほどの美味。売るなんてもったいない。腿肉の程よい脂の乗ったステーキ。サーロインのジューシーで鮮烈な味わい。ヒレはカツにしてその歯触りと肉の美味さを堪能できる。モツは下処理は終わっているからソーセージを大量に作った。煮込み用にも処理してあるので、モツ煮もいけそうだよ」

――ゴクッ‥‥
「今日の晩飯はそれだな。どうせ仕事で暫くこっちなんだろう」
「おっけー。今日は潜入調査なので、今度作ってやるよ」
 と告げて、マチュアは何処かへと消えていった。
 それを見送ってから、ストームは今一度、今年度の鍛冶技術認定審査についての詳細を見た。

・鍛冶道具は持ち込み不可、会場に備え付けの道具を使用する事
・材料の持ち込みは不可、会場で渡された材料を用いること
・トーナメントは、一つの試合ごとに3つのステージで戦う。
 第一ステージは、与えられた材料で課題の武器を作る。
 第二ステージは、第一ステージで作った武器を、販売可能なラインまで仕上げること
 第三ステージは、さらに難易度の高い武具を作り出すこと。
・一つの試合に付き、5名の鍛冶師が参加する。
 その中から3つのステージを勝ち抜いた2名の勝者のみが、次の試合にコマを進めることが出来る 

「ふぅん‥‥」
 詳しい部分まで読み込む。
 第一ステージの制限時間は3時間、魔導時計で時間を計測するらしい。
 第二ステージも制限時間は3時間。つまり合計6時間で、完璧な商品を作り出せというものである。
 これは一般の鍛冶師だと特に問題はない。が、分業で作業している鍛冶師にとっては、全てを一人で作れというのは中々きついものがあるということからの配慮らしい。
「で、審査員が5名か。ふむふむ、帝国のボーンスターズ武具商会のリック‥‥あ、あのドワーフか」
 以前、アーノルド伯爵の執事がストームの武具のサンプルを見に来たときに同行していた、禿げ頭のドワーフである。
「ふむふむ、吟遊詩人にして世界の伝説に詳しい女性・カサンドラ。知らないなぁ‥‥」
 この世界の住人でないストームが知らなくて当然。
 カサンドラは、吟遊詩人の世界では伝説と言われている『伝承の生き字引』と呼ばれている吟遊詩人である。
 彼女と双璧を為す『歴史の申し子ミィン・メーイン』と二人合わせて、吟遊詩人の双玉とも呼ばれているぐらい、美人の吟遊詩人であるらしい。
「次が、世界中の様々な武術に精通し、刀剣の取扱にも長けているダグマイヤーか。こっちも知らないなぁ‥‥」
 その他にも、王都の帝国鍛冶工房技術主任であるセドリックや、武具マニアの帝国貴族・ガリクソン伯爵が審査員として付くらしい。
「まあ、まだ試験日まで数日ある。それまでにこっちの仕事もやっておくとするか‥‥」
 と、目の前に置いてあるマチュアの防具を眺める。
「しっかし、これ直せるのか?」
 と槌でコンコンと叩く。
 マチュアの鎧は全て以前やっていたゲーム世界での、ボスモンスターのレアドロップ品。ゲームの中ではストームは修理していたが、実際に出来るのかどうかは不明である。
「なによりも‥‥材料が無いんだよなぁ。アダマンティンなんてどっから拾ってくるんだよ」
 とブツブツと言いながら暫く弄くり回し、現在は修復が不可能と判断したので一度マチュアの武具はストームの無限袋に納めることにした。
 そして再びインゴットを作り始めると、いつものように菊練りしてバックに放り込む。
 それを試験日までひたすら続けていた。


 ○ ○ ○ ○ ○


 試験当日
 サムソンの帝国鍛冶工房から少し離れた巨大な広場に、今回の試験の特設会場が作られていた。商人ギルドとも結託し、観客席までしっかりと設置してあるところは流石であろう。
 第一回戦は参加者が多すぎるので、サムソンの各地域に作られた特設会場で同時に行われる。
 ストームのいる会場は本会場で、ここには貴賓席も設けられており、ラグナ・マリア各地の貴族たちも集まっていた。

「それでは一回戦の第一試合を開始します‥‥」
 と司会の女性が第一試合に参加する鍛冶師を紹介する。
 その中の5人目に、ストームは呼び出されたのである。
「‥‥鍛冶組合の奴ら、やりやがったな」
 会場に入ったストームが、周囲の設備を見てそう吐き捨てるように呟く。
 会場には備え付けの道具など一切ない。
 他の参加者たちは、普段自分たちが使っている鍛冶道具を持ってきていたのである。材料についても、それぞれが材料袋まで持参している徹底ぶりである。

「おやぁ、ストームさん、道具も材料もないのですかぁ‥‥一人前の鍛冶師として、それはあまりにも準備が悪いのではありませんかぁ?」
 と隣の鍛冶場に立つ鍛冶師が笑いながら呟く。
 それに反応して、他の2人の鍛冶師もストームを煽る。
「異国の鍛冶師さんは、道具もなにも使わないとはねぇ」
「まさかやる気が無いので棄権ですかぁーーークスクス」
 と力いっぱいの煽りである。
 一番向こうのドワーフの鍛冶師だけは、ストームのその姿を見ても何も動じない。
 そんな中、司会の人物が5人の前に立つ。
 その後ろには、審査員たちも席について、ストーム達を見ていた。

「まずは第1試合を開始します。皆さんはこのサムソンや自国では一流の鍛冶師を自負してこの大会に参加していただきました。力いっぱい己の腕を振るって、最高の一品を作って下さい‥‥」
 と司会が説明を開始する。
「第一ステージの課題はショートソードです。道具や材料は全て持ち込み自由の大会ですので、自分の鍛冶場にいるような感じで作業を行って下さい」
 と会場全体にも響くように叫ぶ司会。
「制限時間は3時間。それでは始めっ!!」
 と掛け声が上がると同時に、ストームを除く全員が火炉を起こしてインゴットを放り込む。
「さて、そういうことならいいだろう。お前たち覚悟しておけよ」
 と呟いて、ストームはいきなり何もない空間からバックパックを取り出すと、そこから『ムルキベルの篭手と槌』を取り出して装備する。
   そして『菊練り』の終わっているミスリルインゴットを火炉に放り込む。
 そのまま魔力を注ぎまくり、一気にミスリルを融解温度近くまで上げると、それを引き出し、打ち始める!!

――キィィィィンキィィィィィン
 澄み切った金属音が会場に響く。
 ストームを嵌めて楽しんでいた鍛冶組合の連中は、未だにインゴットを熱している。
 もう一人のドワーフの鍛冶師は順調に作業を進めているのだが、それでもストームよりは若干スピードが遅い。若干というところに、ドワーフの本気をストームは見た。

「なっ、審査員、あいつの道具は反則じゃないのか!!」
「インゴットもそうだ、そんなに早く解けるなんてありえない、きっとズルしているに決まっている!!」
 と自分たちがストームにした裏工作を忘れたのか、そんな主張を開始したが。
「さて、今回の大会は『道具・材料共に持ち込み自由』です。貴方達のそんな主張が通るはず無いじゃないですか。それとも、ストームさんがどんなズルをしていると?」
 と司会が3人にツッコミを入れたので、3人は渋々作業を続けた。
 そして3人組がようやく鍛造にたどり着いた時、ストームは既に仕上げの手前まで作業を進めていた。
 この間に、砥石を3本取り出すと、桶に水を張って沈めておく。
「‥‥阿呆が。下手な小細工使っていると足元救われるっていうのに気が付かないものなのかなぁ‥‥」

――キィィィンキィィィン
 と仕上げ作業に入るストーム。
 本来はこの段階までを3時間、このあとの第2ステージで仕上げに3時間なのだが、ストームが本気で作業しているので、まもなく仕上げに突入する。
 と、一番向こうのドワーフの鍛冶師が、ストームの所に近づいてくる。
「どうした? あんたも邪魔しに来たのか?」
「いやいや、あんな三下なんかほっとけばいい。俺は純粋にあんたの技術を見ていたいだけじゃよ。それに、もう第一ステージの課題は完成している」
 と笑いつつ告げる。
「ワシはウルスという。南方の国から参加したものぢゃよ」
「先程は大変失礼なことを告げて申し訳ない。ストームだ。好きなだけ見ていて構わない」
 と告げてから、砥石に手をかけるとゆっくりと研ぎ始める。

――シュッシユッシュッシュッ
 どんどん刀身が淡く輝き始める。
「それでは時間です。作業の手を止めてください」
 と司会の声が響く。
 この段階で時間切れとなり、まずは第一ステージの審査が始まった。
「それではみなさん、ここまでで完成したショートソードを提出してください」
 と告げられ、形の完成したショートソードを提出するウルス。
 そのあとで、3人は未だ形の出来ていない金属の塊のようなショートソードを提出し、最後にストームが完成間近のショートソードを出す。
「それでは審査に入りますので、みなさんはそちらの席でお待ち下さい」 
 と告げられる。
 待合席でストームとウルスはお互いの技術についての話をしているのだが、3人はその内容がちんぷんかんぶんのようである。
「この程度の知識もなく、よくまあ大会に参加したものだな」
 とウルスが3人に説教を始める。
「どうせ俺が棄権してウルスを倒せばあとはなんとでもなると思ったのか? そんな根性のやつにいい刀剣は作れるはずがない」
 とストームが3人に告げる
 そのまま第一ステージの結果が発表されると、まずは最下位の一人が敗北。
 引き続き第二ステージの開始となった。
 
「さて、それじゃあ時間いっぱいやりますか」
 ということで、ストームはひたすらにショートソードを研ぎつつける。
 念のために『斬属性保護』と『斬属性威力上昇』『衝撃波形成』の3つの効果を魔力付与して完成させた。
 時間になってそれを提出し、さらに組合の一人が失格。
 最後の第三ステージはストームとウルス、そして残った組合員の3名となった。


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