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第7章・王位継承と、狙われた魔導書
第325話・カマンベール王国の戦後復興と、帰って来た日常
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クレアさんの支店長教育が始まって2週間。
この間、ハーバリオス王国を含む西方諸国連合もにわかに慌ただしくなっていました。
なんといっても、セシール・フェリシモア・ベルーナ女王のカマンベール王国への帰還、そして貴族院の解体を含む政治中枢の抜本的改革宣言など、魔族によって裏から支配されていた時代が終わりを迎えたことが大体的に公布されたのです。
そのあとは周辺諸国からの援助及び王国再建のための人材派遣など、カマンベール王国を取り巻く環境は大きく変化を始めました。
そもそもが人との付き合いを好まないエルフの王国。今回の件で周辺諸国との連絡なども密に行うように方針を変えるなど、国自体のありかたを見直しするようになったとか。
そしてつい先日、後始末を終えた勇者チームがハーバリオス王国へ帰還。
無事に任務を務めたことが国王に報告されたため、はれて召喚時の盟約は無事にクリアされたそうで。あとは送還術式に魔力が溜まり、日本へ帰還するだけなのですが。
「私は帰りませんからね……あんな人を人とも思わないような会社に戻るなんて御免ですわ。ええ、こっちの世界でしたら、私は聖女として生活は約束されているのですから」
「……それを言いたいがために、忙しい時間に店にやってきて、カウンターでティータイムをしているのですか。本当に、聖女って暇なのですね」
八千草さんは、日本へは帰らないそうで。
はぁ、本当に困った人です。
他の勇者さんたちは送還術式が起動するまでは、修行を続けたりハーバリオス王国内を旅してみたりと、のんびりとした時間を送るそうなのですが。
この聖女さんは、王都王城から教会へ在籍変更が行われるとか。
そうなると、今までのように自由気ままに好き勝手なことはできずらくなるそうですが、それでも勇者としての力は得ているため、国内では絶大な権力を持っていることになるそうです。
「それで、あんたはいつ、旅にでるのかしら?」
「あと一週間ですかね。それぐらいでクレアさんは支店長として動けるようになるでしょうから」
「そうなると、ここの店の珍しい商品は購入できなくなるのよね? ちょっと残念よねぇ」
「その件については、私が随時、こちらにも商品を納品するようにしておきますのでご安心ください。なお、その場合はペルソナさんではありませけれどね」
どうせ、八千草さんの目的は異世界の商品よりもペルソナさんなのでしょう?
そう思ってわざとそう話しかけましたけれど、特に反応もなくポリポリと期間限定商品のクッキーを食べていますが……って、それ、棚からかってに持ってきたのですよね、ちゃんと代金は支払って貰いますから!!
――ゴゴゴゴゴゴゴゴコ
「八千草さん、未精算商品を勝手に開けられては困ります。すぐに代金を支払っていただけないのでしたら、王城に請求しますけれどよろしいですか?」
ああっ、クレアさんがややオコ状態です。
これも支店長教育の賜物なのでしょう、この迫力は私では再現できませんよ、ええ。
「わ、悪かったわよ……払うからちょっと待っててよ」
ガサゴソとアイテムボックスに手を突っ込んで、中から銀貨を取り出しています。
それを支払ったのち、紅茶のお代わりも追加ですか。
「はぁ……八千草さん、私が留守の間はお手柔らかにお願いしますよ」
「なによそれ、まるで私がいつも何か問題を起こしているようじゃない」
「自覚がないのは、本当に怖いです……まあ、よろしくお願いします」
そう告げて軽く挨拶をする。
今日からの一週間は、クレア支店長にまかせて私は裏方作業。
ちなみにですが、アイゼンボーグ外交官の事務所もうちの近所にあるらしく、毎日のように商業ギルドとフェイール商店、そして王城をいったり来たりしているとか。
クレアさん曰く、彼女がアイゼンボーグ家を放逐された時や、彼女がカマンベール王国に帰還したときよりも、今のほうが生き生きしているとか。
特に、これ見よがしにハーバリオス王国の貴族嫡男との見合い話まで持ってくるようになったとかで、最近はクレアさんもお父さんには会いたくないとブツブツ文句を言っているようで。
まあ、その調子でうまく頑張ってください。
〇 〇 〇 〇 〇
――一週間後
クレアさんの支店長講習は全て完了。
あとは彼女も独力で頑張れるそうですので、商業ギルドの皆さんにもサポートをお願いし、私たちはようやく旅に出ることにしました。
「……はぁ。なあぺルソナ、配達当番を俺と交代しねぇか?」
「お 断りします。アルルカン兄さんの担当は、クレア・アイゼンボーグ支店長と仰せつかったのをお忘れですか?」
「まあ、そうはいってもだなぁ……」
私たちが出発する早朝。
いつものように朝一番の配達便でペルソナさんとクラウンさんが配達にやって来たのですが。
なぜか、アルルカンさんまで同行してきまして。
「あの、ベルソナさん? 今の話しから察しますに、ハーバリオス支店の配達担当は、アルルカンさんですか?」
「おう、嬢ちゃんと離れるのはつらいが……これも仕事だ。ということで、そこのチンクシャ支店長、これからよろしく頼むぞ」
「チ、チンクシャって……なんですか?」
「さあ? 私も詳しくは知りませんし勇者語録にもない言葉ですね。まあ、悪口のような気がしますけれど、もしも無礼なことを言われましたら、ジョーカーさんにご報告をお願いしますね。やり方はご説明しましたよね?」
ええ、サポートの使い方までしっかりと教えてありますから。
するとアルルカンさんが慌てて手を振り、ペコペコと頭を下げています。
本当にジョーカーさんは怖いのですね。
「では、そろそろ出発しますか。柚月さんは準備できていますか?」
「ん~、荷物は全てアイテムボックスだから大丈夫だし。それじゃあ、しゅっぱーつ」
「ということですので、あとはよろしくお願いします」
クレアさんにそう告げて、私も馬車へ。
「はい、このクレア・アイゼンボーグ、しっかりと支店長を務めて見せます。だから安心してください」
「ええ、困ったことがありましたら、王城の宰相さんや商業ギルドに連絡してください。それでは!!」
私がそう告げると、馬車がゆっくりと走り出します。
この後はハーバリオスを一旦南下し、メルカバリーから東へ。
メメント大森林南方から霊峰へと抜けたのち、久しぶりの獣人王国へと向かいます。
あとは一気に北上したのち、ガンバナニーワ王国からさらに東へ向かいます。
ええ、目的地であるハマスタ王国は、この大陸の最東端にある海洋国家です。
それだけでもかなりの長旅になりますが、あまり無理せずに向かおうと思っています。
勇者語録にある『急いては事を仕損じる』です、『急がば回れ』ともいいますよね。
という事で、私たちの旅は再び始まりました。
ただ、セシール女王が『そのうち旅に疲れたら、いつでもカマンベール王国にいらっしゃい』って笑っていたのが、ちょっと怖いです。
次代女王として迎え入れるとか、女王の証である『シャーリィの魔導書』を私が保有しているからとか、本当に怖いことを言っていたのは、なかなか忘れられませんでしたよ、ええ。
さて、それじゃあ元気に出発しますか。
いざ、東へ!!
この間、ハーバリオス王国を含む西方諸国連合もにわかに慌ただしくなっていました。
なんといっても、セシール・フェリシモア・ベルーナ女王のカマンベール王国への帰還、そして貴族院の解体を含む政治中枢の抜本的改革宣言など、魔族によって裏から支配されていた時代が終わりを迎えたことが大体的に公布されたのです。
そのあとは周辺諸国からの援助及び王国再建のための人材派遣など、カマンベール王国を取り巻く環境は大きく変化を始めました。
そもそもが人との付き合いを好まないエルフの王国。今回の件で周辺諸国との連絡なども密に行うように方針を変えるなど、国自体のありかたを見直しするようになったとか。
そしてつい先日、後始末を終えた勇者チームがハーバリオス王国へ帰還。
無事に任務を務めたことが国王に報告されたため、はれて召喚時の盟約は無事にクリアされたそうで。あとは送還術式に魔力が溜まり、日本へ帰還するだけなのですが。
「私は帰りませんからね……あんな人を人とも思わないような会社に戻るなんて御免ですわ。ええ、こっちの世界でしたら、私は聖女として生活は約束されているのですから」
「……それを言いたいがために、忙しい時間に店にやってきて、カウンターでティータイムをしているのですか。本当に、聖女って暇なのですね」
八千草さんは、日本へは帰らないそうで。
はぁ、本当に困った人です。
他の勇者さんたちは送還術式が起動するまでは、修行を続けたりハーバリオス王国内を旅してみたりと、のんびりとした時間を送るそうなのですが。
この聖女さんは、王都王城から教会へ在籍変更が行われるとか。
そうなると、今までのように自由気ままに好き勝手なことはできずらくなるそうですが、それでも勇者としての力は得ているため、国内では絶大な権力を持っていることになるそうです。
「それで、あんたはいつ、旅にでるのかしら?」
「あと一週間ですかね。それぐらいでクレアさんは支店長として動けるようになるでしょうから」
「そうなると、ここの店の珍しい商品は購入できなくなるのよね? ちょっと残念よねぇ」
「その件については、私が随時、こちらにも商品を納品するようにしておきますのでご安心ください。なお、その場合はペルソナさんではありませけれどね」
どうせ、八千草さんの目的は異世界の商品よりもペルソナさんなのでしょう?
そう思ってわざとそう話しかけましたけれど、特に反応もなくポリポリと期間限定商品のクッキーを食べていますが……って、それ、棚からかってに持ってきたのですよね、ちゃんと代金は支払って貰いますから!!
――ゴゴゴゴゴゴゴゴコ
「八千草さん、未精算商品を勝手に開けられては困ります。すぐに代金を支払っていただけないのでしたら、王城に請求しますけれどよろしいですか?」
ああっ、クレアさんがややオコ状態です。
これも支店長教育の賜物なのでしょう、この迫力は私では再現できませんよ、ええ。
「わ、悪かったわよ……払うからちょっと待っててよ」
ガサゴソとアイテムボックスに手を突っ込んで、中から銀貨を取り出しています。
それを支払ったのち、紅茶のお代わりも追加ですか。
「はぁ……八千草さん、私が留守の間はお手柔らかにお願いしますよ」
「なによそれ、まるで私がいつも何か問題を起こしているようじゃない」
「自覚がないのは、本当に怖いです……まあ、よろしくお願いします」
そう告げて軽く挨拶をする。
今日からの一週間は、クレア支店長にまかせて私は裏方作業。
ちなみにですが、アイゼンボーグ外交官の事務所もうちの近所にあるらしく、毎日のように商業ギルドとフェイール商店、そして王城をいったり来たりしているとか。
クレアさん曰く、彼女がアイゼンボーグ家を放逐された時や、彼女がカマンベール王国に帰還したときよりも、今のほうが生き生きしているとか。
特に、これ見よがしにハーバリオス王国の貴族嫡男との見合い話まで持ってくるようになったとかで、最近はクレアさんもお父さんには会いたくないとブツブツ文句を言っているようで。
まあ、その調子でうまく頑張ってください。
〇 〇 〇 〇 〇
――一週間後
クレアさんの支店長講習は全て完了。
あとは彼女も独力で頑張れるそうですので、商業ギルドの皆さんにもサポートをお願いし、私たちはようやく旅に出ることにしました。
「……はぁ。なあぺルソナ、配達当番を俺と交代しねぇか?」
「お 断りします。アルルカン兄さんの担当は、クレア・アイゼンボーグ支店長と仰せつかったのをお忘れですか?」
「まあ、そうはいってもだなぁ……」
私たちが出発する早朝。
いつものように朝一番の配達便でペルソナさんとクラウンさんが配達にやって来たのですが。
なぜか、アルルカンさんまで同行してきまして。
「あの、ベルソナさん? 今の話しから察しますに、ハーバリオス支店の配達担当は、アルルカンさんですか?」
「おう、嬢ちゃんと離れるのはつらいが……これも仕事だ。ということで、そこのチンクシャ支店長、これからよろしく頼むぞ」
「チ、チンクシャって……なんですか?」
「さあ? 私も詳しくは知りませんし勇者語録にもない言葉ですね。まあ、悪口のような気がしますけれど、もしも無礼なことを言われましたら、ジョーカーさんにご報告をお願いしますね。やり方はご説明しましたよね?」
ええ、サポートの使い方までしっかりと教えてありますから。
するとアルルカンさんが慌てて手を振り、ペコペコと頭を下げています。
本当にジョーカーさんは怖いのですね。
「では、そろそろ出発しますか。柚月さんは準備できていますか?」
「ん~、荷物は全てアイテムボックスだから大丈夫だし。それじゃあ、しゅっぱーつ」
「ということですので、あとはよろしくお願いします」
クレアさんにそう告げて、私も馬車へ。
「はい、このクレア・アイゼンボーグ、しっかりと支店長を務めて見せます。だから安心してください」
「ええ、困ったことがありましたら、王城の宰相さんや商業ギルドに連絡してください。それでは!!」
私がそう告げると、馬車がゆっくりと走り出します。
この後はハーバリオスを一旦南下し、メルカバリーから東へ。
メメント大森林南方から霊峰へと抜けたのち、久しぶりの獣人王国へと向かいます。
あとは一気に北上したのち、ガンバナニーワ王国からさらに東へ向かいます。
ええ、目的地であるハマスタ王国は、この大陸の最東端にある海洋国家です。
それだけでもかなりの長旅になりますが、あまり無理せずに向かおうと思っています。
勇者語録にある『急いては事を仕損じる』です、『急がば回れ』ともいいますよね。
という事で、私たちの旅は再び始まりました。
ただ、セシール女王が『そのうち旅に疲れたら、いつでもカマンベール王国にいらっしゃい』って笑っていたのが、ちょっと怖いです。
次代女王として迎え入れるとか、女王の証である『シャーリィの魔導書』を私が保有しているからとか、本当に怖いことを言っていたのは、なかなか忘れられませんでしたよ、ええ。
さて、それじゃあ元気に出発しますか。
いざ、東へ!!
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