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第7章・王位継承と、狙われた魔導書
第283話・朽ちかけた世界樹と、失われた加護
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交易都市メルカバリーを立ち、私たちは祖母の住むユーティリアの森へ向かいます。
7日ほど南下して宿場町エツドに到着、ここからは西の森へ向かう小さな道を進みますけれど、私たちはここでクレアさんと、一旦お別れすることになりました。
「ふぅ。それじゃあクリス店長、私たちは一旦、カマンベール王国に戻りますね」
「ええ、お気をつけていってきたください……でも、本当に私たちが付いていかなくて大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫。あっちの大陸にいた時とは違いますからね。今はほら、鍛えられたカーリーとラリーも一緒ですから。とっとと帰宅して、お父様にこの賠償金を全額叩きつけてこないと落ち着かなくてね」
フォンミューラー王国を後にしてから、私たちはあちこちの国に向かい商売を続けていました。
そしてついに、クレアさんがご両親に建て替えて頂いた賠償金を全額稼ぎ切ったのです。
あとはこれを両親に返済することで、無事にクレアさんは勘当が解かれるとのこと。
「そうですね。でも、ちゃんとご両親ともお話してくださいね……悪役令嬢さんに嵌められたことも含めて、しっかりと誤解は解いておいた方がいいですから」
「あはは……まあ、そうですけれど。今更勘当を解かれたからといって、実家に戻るという選択肢はないのですけれどね。今はほら、私はフェイール商店の従業員ですから」
「はい。しっかりとクレアさんの席は取っておきますので、安心して帰ってきたください」
「了解。まあ、このエッドからはカマンベール王国の手前、ラボリュート辺境伯領まで馬車が通っていますから、いくつか馬車を乗り継いでのんびりといってきますわ」
ということで、エツドで私はクレアさんたちとお別れ。
久しぶりに、ノワールさんと二人っきりの旅になりました。
ちなみにエッドからユーティリアにあるエルフの里へは4日、馬車一台がギリギリとおれるほどの小さな小道を走り続けます。
そして四日目の昼下がり、ようやく馬車はエルフの里へと到着しました。
「……ふぅ。これで到着です。あとはおばあ様の家まで向かって、色々と話を聞かせて貰うだけですけれど。なんかこう、雰囲気が違いますよね? 気のせいでしょうか?」
馬車を止めて外に出てみたのですが、村の中で見かけるエルフさんたちの様子がおかしいことに気が付きました。なにんというか、こう、覇気がないといいますか……。
以前は大勢の人々で溢れていた村なのに、今は寒村というか……うん、とにかく人の気配が少ないのです。
「ん……あ、ああっ、クリスティーナさまっ!!」
そして、私たちの姿を見て、ひとりのエルフが駆け寄ってきました。
確か以前、私がサライで攫われたときに送ってくれたルーフェスさんですね。
私の姿を見ていきなり走って来たので、やはり何かあったのでしょうか。
「ルーフェスさん、どうしたのですか?」
「いえ、じつはですね……とりあえず、こちらにいらしてください!!」
「え、は、はわわわわっ!!」
ルーフェスさんがいきなり私の腕をつかむと、村の奥へと走り出します。
私も転ばないように急いでついていきますと、やがて村の外れにある世界樹の元へとたどり着いたのですが。
「……嘘……」
そこには、枯れつつある老木と化した世界樹が、静かにたたずんでいます。
以前は樹の周囲に咲き誇っていた草木や花々も、いまはどこにもその姿を見られません。
大地が剥き出しになり、樹々に集まり戯れていた精霊の力も感じなくなっています。
この里から、世界樹の加護が失われてしまったのでしょうか……。
「こ、これは一体どうしたのですか、それに村の様子もおかしくなっています……そうだ、おばあ様に話を聞かなくては!!」
ひょっとしたら、おばあ様なら何か知っているかも。
そう思って村の中央ある、おばさまの家へ向かおうとしたとき。
「……クリスティナさま、里長であるミネルヴァさまは、今はこの里にはいらっしゃいません」
「え? あの、それってどういうことですか?」
――ドクン
嫌な予感がしてきました。
まさか私が不在だったこの3年間の間に、病気にでもあったのでしょうか。
確かに、世界樹の管理者である里長が不在となると、このように樹々が彼精霊の姿が見えなくなってしまうのもわかりますが。
「まさか……嘘ですよね!! おばあさまに何かあったのですか!! ルーフェスさん、教えてください、一体何があったというのですか!!」
思わず彼に詰め寄り、そう叫んでしまいましたが。
「まず、一つずつご説明します。ちなみにですが、ミネルヴァさまはこの地にいないだけであり、まだご健在でいらっしゃいます。それだけはご安心ください」
「本当ですね!! それではおばあ様は、今はどこにいるというのですか!!」
「クリスティナさま、そのように詰められてはルーフェスさんも話が出来ません。まずは落ち着いてください」
「落ち着いてですって!! いえ、そうですね……ごめんなさい」
ノワールさんにそう諭されて、私もすこしずつ落ち着きを取り戻します。
一度ゆっくりと深呼吸をしてから、一旦、里の中央に戻ることにしました。
そして里の集会所に向かうと、そこでルーフェスさんから話を聞くことにしました。
「では、御説明します。事の起こりは、今から一年ほど前です……」
………
……
…
今から一年前。
カマンベール王国からの使者が、この里へとやって来た。
目的は二つ。
一つは、里長であり現女王の妹でもあるミネルヴァ・フェイールが持ち出した王家の宝物の一つである【精霊女王の魔導書】を返却すること。
そしてもう一つは、マルティナ・フェリシモア・ベルーナの娘であるクリスティナ・フェリシモア・ベルーナをカマンベール王国に引き渡すこと。
ですがそもそも、【精霊女王の魔導書】はミネルヴァがカマンベール王国を出る際に、姉であるセシール・フェリシモア・ベルーナから直接手渡されたものであり、今更返却と言われても、すでに手元にはない。
そしてクリスティナ・フェリシモア・ベルーナを引き渡すということについても、理由もなく孫娘を渡すことはできないと、ミネルヴァは拒否。
だが、使者が取り出した書面には、『クリスティナ・フェリシモア・ベルーナは、ハーバリオス東方のバルバロッサ帝国の第二王子との婚姻のために、カマンベール王国に出頭するように』と書き記されていた。
現在のハーバリオス王国を含めた西欧諸国は、近年活発になったバルバロッサ帝国との大戦をどうにか回避できないか、思案を重ねていたらしい。
そんな折、バルバロツサ帝国よりカマンベール王国に届けられた親書には『クリスティナ・フェイール』を差し出すよう。そうすれば、カマンベール王国とは不可侵の条約を結ぶこともやぶさかではないと書き記されていた。
そしてカマンベール王国内では幾度となく議会にて話し合いが続けられ、女王の姪でもあるクリスティナ・フェリシモア・ベルーナを捧げることで王国が戦争から回避されるという道筋を選択した。
………
……
…
「ということです。ミネルヴァさまは最後まで反対しておりましたが、それならばクリスティナさまが直接、カマンベール王国にて話が出来るようにと、ミネルヴァさまを半ば無理やり連れていかれました……」
頭の中が、真っ白になります。
つまり、私に言うことを聞かせたいという理由だけで、おばあさまを連れ去っていったのですか。
待ってください、そもそも何故、私がバルバロッサ帝国に嫁ぐ必要があるのですか?
私を差し出して、この国は平和を得ようというのですか?
理解が及びません、え、どういうことなの……。
「ふぅ。カマンベール王国は、女王の姪を差し出して平和を得る。それが王家に生まれた血の責務とでもいいそうですわね。本当に……どこまでも愚かな……いっそ、この地上から滅ぼしてしまった方がよいのかもしれませんね……」
ノワールさんが静かに呟いています。
私が王家の血を持って生まれたから、おばあさまが連れ去られたのですか?
この地に生い茂っていた世界樹が枯れ始めたのも、私がいなかったからですか?
ちょっと待ってください。
何故、そのような事態になったというのですか……。
ああ、目の前がぐるぐると回り始めました。
動悸が激しい。
心臓が痛い。
体から力が抜けていく。
血が、ゆっくりと凍りつくような感覚。寒気が体に走り始めました。
「ああっ!! クリスティナさま、しっかりしてください!」
「大変だ、誰か治療師のコレットさんを連れてきてくれ、里長の孫が、クリスティナさまが大変だ!!」
ああ、意識が途切れそう。
目の前が、暗くなってきて……ああ。
バタッ!
7日ほど南下して宿場町エツドに到着、ここからは西の森へ向かう小さな道を進みますけれど、私たちはここでクレアさんと、一旦お別れすることになりました。
「ふぅ。それじゃあクリス店長、私たちは一旦、カマンベール王国に戻りますね」
「ええ、お気をつけていってきたください……でも、本当に私たちが付いていかなくて大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫。あっちの大陸にいた時とは違いますからね。今はほら、鍛えられたカーリーとラリーも一緒ですから。とっとと帰宅して、お父様にこの賠償金を全額叩きつけてこないと落ち着かなくてね」
フォンミューラー王国を後にしてから、私たちはあちこちの国に向かい商売を続けていました。
そしてついに、クレアさんがご両親に建て替えて頂いた賠償金を全額稼ぎ切ったのです。
あとはこれを両親に返済することで、無事にクレアさんは勘当が解かれるとのこと。
「そうですね。でも、ちゃんとご両親ともお話してくださいね……悪役令嬢さんに嵌められたことも含めて、しっかりと誤解は解いておいた方がいいですから」
「あはは……まあ、そうですけれど。今更勘当を解かれたからといって、実家に戻るという選択肢はないのですけれどね。今はほら、私はフェイール商店の従業員ですから」
「はい。しっかりとクレアさんの席は取っておきますので、安心して帰ってきたください」
「了解。まあ、このエッドからはカマンベール王国の手前、ラボリュート辺境伯領まで馬車が通っていますから、いくつか馬車を乗り継いでのんびりといってきますわ」
ということで、エツドで私はクレアさんたちとお別れ。
久しぶりに、ノワールさんと二人っきりの旅になりました。
ちなみにエッドからユーティリアにあるエルフの里へは4日、馬車一台がギリギリとおれるほどの小さな小道を走り続けます。
そして四日目の昼下がり、ようやく馬車はエルフの里へと到着しました。
「……ふぅ。これで到着です。あとはおばあ様の家まで向かって、色々と話を聞かせて貰うだけですけれど。なんかこう、雰囲気が違いますよね? 気のせいでしょうか?」
馬車を止めて外に出てみたのですが、村の中で見かけるエルフさんたちの様子がおかしいことに気が付きました。なにんというか、こう、覇気がないといいますか……。
以前は大勢の人々で溢れていた村なのに、今は寒村というか……うん、とにかく人の気配が少ないのです。
「ん……あ、ああっ、クリスティーナさまっ!!」
そして、私たちの姿を見て、ひとりのエルフが駆け寄ってきました。
確か以前、私がサライで攫われたときに送ってくれたルーフェスさんですね。
私の姿を見ていきなり走って来たので、やはり何かあったのでしょうか。
「ルーフェスさん、どうしたのですか?」
「いえ、じつはですね……とりあえず、こちらにいらしてください!!」
「え、は、はわわわわっ!!」
ルーフェスさんがいきなり私の腕をつかむと、村の奥へと走り出します。
私も転ばないように急いでついていきますと、やがて村の外れにある世界樹の元へとたどり着いたのですが。
「……嘘……」
そこには、枯れつつある老木と化した世界樹が、静かにたたずんでいます。
以前は樹の周囲に咲き誇っていた草木や花々も、いまはどこにもその姿を見られません。
大地が剥き出しになり、樹々に集まり戯れていた精霊の力も感じなくなっています。
この里から、世界樹の加護が失われてしまったのでしょうか……。
「こ、これは一体どうしたのですか、それに村の様子もおかしくなっています……そうだ、おばあ様に話を聞かなくては!!」
ひょっとしたら、おばあ様なら何か知っているかも。
そう思って村の中央ある、おばさまの家へ向かおうとしたとき。
「……クリスティナさま、里長であるミネルヴァさまは、今はこの里にはいらっしゃいません」
「え? あの、それってどういうことですか?」
――ドクン
嫌な予感がしてきました。
まさか私が不在だったこの3年間の間に、病気にでもあったのでしょうか。
確かに、世界樹の管理者である里長が不在となると、このように樹々が彼精霊の姿が見えなくなってしまうのもわかりますが。
「まさか……嘘ですよね!! おばあさまに何かあったのですか!! ルーフェスさん、教えてください、一体何があったというのですか!!」
思わず彼に詰め寄り、そう叫んでしまいましたが。
「まず、一つずつご説明します。ちなみにですが、ミネルヴァさまはこの地にいないだけであり、まだご健在でいらっしゃいます。それだけはご安心ください」
「本当ですね!! それではおばあ様は、今はどこにいるというのですか!!」
「クリスティナさま、そのように詰められてはルーフェスさんも話が出来ません。まずは落ち着いてください」
「落ち着いてですって!! いえ、そうですね……ごめんなさい」
ノワールさんにそう諭されて、私もすこしずつ落ち着きを取り戻します。
一度ゆっくりと深呼吸をしてから、一旦、里の中央に戻ることにしました。
そして里の集会所に向かうと、そこでルーフェスさんから話を聞くことにしました。
「では、御説明します。事の起こりは、今から一年ほど前です……」
………
……
…
今から一年前。
カマンベール王国からの使者が、この里へとやって来た。
目的は二つ。
一つは、里長であり現女王の妹でもあるミネルヴァ・フェイールが持ち出した王家の宝物の一つである【精霊女王の魔導書】を返却すること。
そしてもう一つは、マルティナ・フェリシモア・ベルーナの娘であるクリスティナ・フェリシモア・ベルーナをカマンベール王国に引き渡すこと。
ですがそもそも、【精霊女王の魔導書】はミネルヴァがカマンベール王国を出る際に、姉であるセシール・フェリシモア・ベルーナから直接手渡されたものであり、今更返却と言われても、すでに手元にはない。
そしてクリスティナ・フェリシモア・ベルーナを引き渡すということについても、理由もなく孫娘を渡すことはできないと、ミネルヴァは拒否。
だが、使者が取り出した書面には、『クリスティナ・フェリシモア・ベルーナは、ハーバリオス東方のバルバロッサ帝国の第二王子との婚姻のために、カマンベール王国に出頭するように』と書き記されていた。
現在のハーバリオス王国を含めた西欧諸国は、近年活発になったバルバロッサ帝国との大戦をどうにか回避できないか、思案を重ねていたらしい。
そんな折、バルバロツサ帝国よりカマンベール王国に届けられた親書には『クリスティナ・フェイール』を差し出すよう。そうすれば、カマンベール王国とは不可侵の条約を結ぶこともやぶさかではないと書き記されていた。
そしてカマンベール王国内では幾度となく議会にて話し合いが続けられ、女王の姪でもあるクリスティナ・フェリシモア・ベルーナを捧げることで王国が戦争から回避されるという道筋を選択した。
………
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「ということです。ミネルヴァさまは最後まで反対しておりましたが、それならばクリスティナさまが直接、カマンベール王国にて話が出来るようにと、ミネルヴァさまを半ば無理やり連れていかれました……」
頭の中が、真っ白になります。
つまり、私に言うことを聞かせたいという理由だけで、おばあさまを連れ去っていったのですか。
待ってください、そもそも何故、私がバルバロッサ帝国に嫁ぐ必要があるのですか?
私を差し出して、この国は平和を得ようというのですか?
理解が及びません、え、どういうことなの……。
「ふぅ。カマンベール王国は、女王の姪を差し出して平和を得る。それが王家に生まれた血の責務とでもいいそうですわね。本当に……どこまでも愚かな……いっそ、この地上から滅ぼしてしまった方がよいのかもしれませんね……」
ノワールさんが静かに呟いています。
私が王家の血を持って生まれたから、おばあさまが連れ去られたのですか?
この地に生い茂っていた世界樹が枯れ始めたのも、私がいなかったからですか?
ちょっと待ってください。
何故、そのような事態になったというのですか……。
ああ、目の前がぐるぐると回り始めました。
動悸が激しい。
心臓が痛い。
体から力が抜けていく。
血が、ゆっくりと凍りつくような感覚。寒気が体に走り始めました。
「ああっ!! クリスティナさま、しっかりしてください!」
「大変だ、誰か治療師のコレットさんを連れてきてくれ、里長の孫が、クリスティナさまが大変だ!!」
ああ、意識が途切れそう。
目の前が、暗くなってきて……ああ。
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