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2巻
2-1
しおりを挟むプロローグ
はじめまして、私はフェイール商店の店長、クリスティナ・フェイールと申します。
以前は由緒あるアーレスト侯爵家の娘、クリスティン・アーレストとして、礼儀作法や経営論などを学び、侯爵家が経営するアーレスト商会を支えるべく努力を重ねる日々を送っていました。
ちなみに、アーレスト商会は勇者御用達とされる国一番の商会として、国内では一目置かれる存在なのですよ。
今代の勇者様が新たに召喚されるということで、あの頃はその準備に追われていました。
しかし、私を目の敵にする継母とクソ次男……失礼、兄オストールの策略により、侯爵家を追放されてしまったのです。
家を追われた後、名前を改め商人として身を立てようと決意した私は、偶然強力な祝福を授かることに。
その力のおかげで、私は異世界から商品を取り寄せられる魔法の型録、【シャーリィの魔導書】との契約を果たしました。
異世界より商品を運んできてくださる仮面の男性、ペルソナさんと交流を深めながら、商店の運営は順調に進んでいました。ところが、ラボリュート領で商売をしていた私は、突然そこの女領主の夫、ケリーに誘拐されてしまったのです。
命が危ぶまれる状況でしたが、女騎士でドラゴンでもあるノワールさん、そして魔導師でユニコーンでもあるブランシュさんの手助けにより、なんとか領地を脱出することに成功。
ちなみに、二人はエセリアルナイトといって、かつて初代勇者とともに戦った凄腕の護衛なのですよ。ただ、一日のうち十二時間しか実体化できないという制約があるため、夕方六つの鐘から朝六つの鐘の時間まではノワールさんが、それ以外はブランシュさんが私を守ってくれることになりました。
その後、私は北の地オーウェンを目指して旅を続けているというわけです。
第一章 勇者が町にやってきた
ラボリュート領から逃走したあの日から、すでに十日。
昼間はブランシュさんに乗って疾走し、夜はノワールさんの護衛のもと、ゆっくりと体を休めることができています。
追手が差し向けられている可能性もありますので油断はできませんが、万が一の時はブランシュさんとノワールさんが守ってくれるというので、ようやく少し落ち着きを取り戻しつつあります。
それでも、一か所に長く留まっていては危険かも知れません。ですので、道中にある小さな村に立ち寄っては、当たり障りのない商品だけを販売して歩いていました。
おかげさまで、衣料品関係の在庫はかなり減りましたよ。
高額なものは貴族や同業者ぐらいしか買いませんので、在庫が結構残っていますが。
あと、お菓子はどの村や町でも人気商品でした。
途中の小さな町では、食堂の主人がレシピを教えてほしいって懇願してきて困りましたけど。
私は作り方は存じ上げません、商品を売るのが仕事ですって正直にお断りを入れました。
それならば、研究も兼ねてすべて買い取るという話にもなりましたけれど。フェイール商店が個人のお客様に商品を販売できる数はお一人様五品まで。
それ以上はお断りしましたけど、奥さんや子ども、従業員も総出で購入すると言い始めましたので、仕方なく取引先に納品したという扱いでお売りしました。
そしていよいよ、オーウェン領も目前。
領内に入るためには、ヤーギリ川という大河を越える必要があるのですが。
「すまないな。渡し船だが、しばらくは出せそうにない」
川のこちら側にある宿場町、ヤーギリに到着した時。
川が増水して渡し船が出そうにないという話をお聞きしました。
っていうか、目の前で濁流がごうごうと渦巻き、川沿いの堤防から溢れそうになっていて怖いのですけど。
「こ、これ、堤防は決壊しませんよね?」
「それは大丈夫。昔、勇者様が施した【頑丈なる加護】とやらが働いているからな。それ以後は一度だって壊れたことも氾濫したこともないから安心しろ」
渡し船組合の責任者の方が、集まっている商人たち相手に説明をしてくれました。
私の問いかけにも答えてくれてありがとうございます。
すると、ブランシュさんが難しい顔をしてこちらにやってきました。
「それでよ、姐さん。ここからどうするつもりだ?」
「まあ、増水が収まるでは待つしかありませんけれど?」
周りの商人たちが隊商を宿に向かわせています。
早く宿を取らないと、これは部屋がなくなりそうです。
「収まるまでは……ねぇ。この増水は、しばらくは収まらないと思うぞ?」
「え? 何故ですか?」
「川の上流、つまり山の方で大雨なんかが発生して増水したのなら、雨が止んだら晴れるだろうさ。でもな、これはそんな天気の関係していることじゃねぇんだよな」
そう告げてから、ブランシュさんが川に向かって右手をかざしました。
「……やっぱりか。この川の水には、水竜の魔力が少し混ざっている……」
「水竜ですか?」
「ああ。どうやら水竜が、故意に川の水を溢れさせようとしているように思える。何があったのやら、とんと見当もつかねえなぁ」
「……つまり、しばらくは渡ることができないと?」
思わず腕を組んで考え込みます。けれど、夜、ノワールさんにお願いして竜の姿で空を飛んでもらえれば、あるいはなんとかなるのではと思いついてしまったのですが。
「姐さん、ノワールの力を使うのはやめろよ。魔力を宿した水だ、恐らくは上流で水竜も監視していると思う。そんなところで、別の竜が姿を現し自分の領域を侵したとなったら……最悪、川が大氾濫して、水竜に襲われる可能性があるからな?」
──ゴクリ。
「わ、わかりましたわ。では、ノワールさん抜きで考えることにしましょう」
私が無茶なことをした結果、このヤーギリが水没してしまっては、本末転倒どころか犯罪者になってしまいます。
では、速やかに正攻法を選ぶのみ。ことが収まるまでは宿で休むことにしましょう。
遠回りしようにも、オーウェンへ向かう街道は、今はこれしかありません。
昔は山脈回りという道があったのですが、ダンジョンが発見された時に、溢れ出した魔物の群れによって山が崩れて、街道が使い物にならなくなってしまったそうです。
「そんじゃ、宿でも探すか……」
「はい、あまり混雑した場所でない方が、落ち着けますけど」
「出遅れた時点で無理だな。同じことを考えている個人商隊は小さな宿に向かうだろうから、俺たちが泊まれるとすれば、大商会が宿ごと借りた時に余った部屋か、あとは野宿だなぁ」
やれやれという感じでブランシュさんが呟きます。
それぐらいは理解しています。
希望的観測で話しただけです!!
そんなこんなであちこちの宿を探し回りましたが、やはりほとんどの宿は予約客でいっぱい。
私が来るよりも前にやってきて、ここでのんびりと露店を開いている商人さんも結構いらっしゃいましたし、商人同士で取引を行っている方々も見受けられます。
それでもどうにか駆け込んだ宿で二人部屋を取り、荷物を置いて一休みです。
「はぁ。かろうじて部屋は取れたので、とりあえずはよしというところでしょう」
「まあな。どこぞの商家の隊商と一緒なのは仕方がないし。あっちも冒険者が大勢いるようだから、何かあってもなんとかなるんじゃねえか?」
「ええ。とりあえずは、明日にでもこの町の商業ギルドに向かって、露店の申請をすることにしますか」
「まあ、お好きにどうぞ。それよりも、来たようだが?」
ブランシュさんが窓の外を親指で指さします。
それはつまり、ペルソナさんが来たということですね?
「受け取りをしてきます。ブランシュさんは部屋で休んでいてください」
「そんなわけにはいかないだろうが……ったく」
文句を言いつつもブランシュさんはついてきました。
そして宿の前には、ペルソナさんの白い馬車。
「これはフェイール様。お待たせして申し訳ありません」
「いえ、それは大丈夫ですので!」
「では荷物を下ろしますので、いつものように……おや、ブランシュもいましたか。荷物を下ろすのを手伝ってもらえますか?」
「あ~。俺は姐さんが荷物をしまうのを手伝うわ」
「【アイテムボックス】はフェイール様しか使えませんのに、どうやって手伝うと?」
「はいはい、わかったよ、荷下ろしを手伝えばいいんだろ」
「では、よろしくお願いします」
ペルソナさんの一言に、ブランシュさんが頭を掻きつつ馬車に向かいます。
ブランシュさんが荷物を次々と降ろしてくれるので、こちらとしても早く検品して収納しなくてはと大忙しです。
おかげで、荷物の搬入はいつもより短い時間で終わりました。
「本日もありがとうございました。それでは、支払いをお願いします」
「はい、いつものようにこちらでお願いします」
シャーリィの魔導書での支払いを終えてから、ペルソナさんが馬車から何かを持ってきてくれました。
「こちらは、追加の発注書と新しい型録です」
「ありがとうございます! これは……梅雨を楽しむ?」
型録の表紙には『梅雨を楽しむグッズ百選!』という見出しがついています。
梅は、こちらの世界で言うプラムのようですけど、雨って空から降るやつですよね?
では、梅雨とはなんでしょう?
空からプラムが降ってくるのでしょうか?
「はい。勇者様の世界では、まもなく梅雨と呼ばれる、雨や曇りの日が多いシーズンを迎えます。それを乗り切るためのグッズが、今回のおすすめ商品となります。それに合わせて、温泉の健康グッズは終了となりますので、ご了承ください」
「あ!」
忘れてました。
新しい型録が届くと、いくつかの商品の取り扱いが終了になります。
大慌てで魔導書を開いて探しましたが、健康グッズは半分以下になり、期間限定の色々な牛乳は販売終了していました。
「それでは、失礼します。今回も型録通販のシャーリィをご利用いただき、ありがとうございました」
「はい、ありがとうございます。また注文しますので、よろしくお願いします」
「それでは」
会釈をしてから、ペルソナさんは馬車で帰っていきました。
はい。
まだ、ペルソナさんの顔を見るとあの時のことを思い出してしまいますね。
お姫様抱っこなんて、乙女の夢のような出来事はそうそう忘れられません。
──ザァァァァ。
朝、目が覚めると、雨音が聞こえてきました。
「はぁ……今日は露店を開く予定でしたのに……」
渡し船が出ないのなら、出るようになるまではここでのんびりと露店を開こうと思ったのですが。
まさかの雨。
私の露店には、屋根なんてありません。
町によっては、日焼け防止用の屋根がついた露店専用の場所とかもあるそうですけど、この町にはそういう場所はなく。
雨をしのぐために空いている建物の軒先を借りているという話や、数名の個人商隊がお金を出し合って建物自体を借りているという話も伺いましたが。
「それで、姐さんは結局どうするんだ? この雨なら露店も開けないと思うが?」
「はぁ。ブランシュさんの仰る通り。素直に酒場の一角にでも、場所をお借りすることにしましょう」
そのまま宿屋の一角にある食堂兼酒場のテーブルを一つお借りしまして、そこで露店ならぬ個人販売を始めます。
私の後ろにはブランシュさんが控えていて、粗暴そうな客を警戒しています。
「まあ、売るものといっても、いつものドレスとかなんですけれどね……」
テーブルの上に並べられた衣服。
ドレス系は横にあるハンガーラックに綺麗に吊ってあります。
女性のお客さんはそちらに集まって、キャイキャイと楽しそうにドレスを見ています。
うん、商品って、気に入ったものが見つかる瞬間がすごく嬉しいですよね。
「おやぁ? どこかで見たことがあると思ったら、フェイールさんじゃないか?」
あら、そんなあなたはメルカバリーでちょくちょく買い物をしてくれたお客さん。
「これはお久しぶりです。ええっと……」
「ボリマクール商会の職員だよ。って、自己紹介はしていないか。俺はバニング・ボラレール、ボリマクール商会で会計を担当している」
「なるほど、ボリマクールさんのところのボラレールさんですね。先日は大量購入、ありがとうございます」
「こちらこそ。あれから王都に行って本店に荷物を置いてきたんだが。あちこちの貴族が、あんたのドレスを気に入ったらしくてな。数日で在庫を一掃できたんだわ」
それはよかった。
さすがは貴族、いい商品を見る目をお持ちのようで。
こちらとしても仕入れた甲斐がありました。
そんな話をしていると、こちらにやってくる強面の人物が一人。
少し小太りで、アクセサリーをジャラジャラと下品なぐらい身につけている男性。
そんな方がニマニマと笑いながら、こちらにやってくるではありませんか。
「ボラレールさん。そちらの方はどなたですか?」
「これはこれはボリマクール様。こちらの方が、噂のフェイール商店のクリスティナさんです」
「ほほう、こちらの女性が……」
ニマァと笑いながら、ボリマクールさんがこちらを見ます。
あの、少し怖いのですが。
そう思って後ろをチラリと見ますが、ブランシュさんは横のハンガーラックに集まっている女性にドレスの説明をしています。
え、ブランシュさんって私の護衛でしたよね?
「はじめまして。私はトカマク・ボリマクールと申します。王都でボリマクール商会という、衣料品、雑貨などを扱う商会を経営している商人です。あなたのことはボラレールから聞いていましたわよ」
ボリマクールさんはニッコリと笑いながら女性のような言葉遣いでそう言うと、さっそくテーブルの上の商品の値踏みを始めました。
「ふむ。私の【商品知識】スキルによりますと。こちらの商品、本来つけるべき価格よりも安く設定されていますね? それは何故ですか?」
ドキッ!
ま、まあ、誰でも手軽に買えるようにって値段を下げているんですけど。
「誰でも簡単に手に入るように、敢えて下げています。損して得を取れ、ではありませんけれど、フェイール商店としては薄利多売、いい品をお届けするのが使命と思っています」
「なるほど……ねぇ」
ニヤリと笑うボリマクールさん。
そしてひょいひょいと五つの商品を取り上げると、それを目の前に並べています。
「では、この五つをいただこうかしら? 値段がこれだから、お金は……これで間に合いますわよね?」
「はい、ありがとうございます」
「うんうん。いいものを買えましたわ。ボラレール、あなたはそちらのドレスを五着、仕入れるように。そちらのお嬢さんたちが買い終わってからで構わないからね?」
「はい!」
ボラレールさんに指示をしてから、ボリマクールさんが別のテーブルに向かいます。
その途中でお客さんに、身につけているアクセサリーのことを聞かれている様子。なるほど、自分の体につけて見せびらかすようにして、お店にお客さんを誘っているのですね。
「なかなかやりますね」
「姐さん、このドレスが売れたんだが。他に予備はないのか?」
「ありますよ……って、ブランシュさん! ボリマクールさんが来た時、警戒していませんでしたよね?」
ブランシュさんがよそ見をしていたので、一人で頑張ってみたんですよ。
でも正直に言いますと、怖かったのは事実です。
「ん? ああ、俺はユニコーンだし、人の悪意には敏感だからな。でもあのおっさんは、悪意なんか何もない。普通の善良な商人だ。だから、こっちで接客していただけだ」
「そ、そうなのですか、それは……すごいですね」
「まあ、すべてを感知することはできないし、本人に悪意がない場合が一番厄介だが」
さすがはユニコーン。
善悪を見分ける力は伊達ではないということなのですね。
「問題なのは、闇の精霊っていうのがいてな。人の心に憑依して悪さをするやつなんだが、そいつに取り憑かれると、俺にもそいつが善人か悪人かわからん」
「そ、そんなのがいるのですか?」
「精霊といってもすべてが善じゃない。まあ、善悪の区別が個人の判断に依存することが多いのも、事実だがな……」
そして店の中ではいつしか、各テーブルを個人商隊の人が陣取っていました。
私のように仮店舗を設営して、小さな露店が完成しています。
店の外には大店の馬車が移動してきており、そこで馬車を店代わりに商売を始めている方もいます。
「う~ん。さすがは商人、この雨でもへこたれることはありませんね」
腕を組んで、思わず感心。
しかし、この雨はどうしたものか。
この様子では、しばらく雨は止みそうもありませんし。
しかも、さらに川が増水しましたよね。
「ひどい雨ですよね……鬱陶しくなってきますよ……ん?」
思わず【アイテムボックス】から、シャーリィの魔導書を取り出します。
ほら、昨日、ペルソナさんが届けてくれた新しい型録ですよ、梅雨を楽しくする商品ですよ!
「ブランシュさん、店番をお願いします!」
「ん、ああ、構わないが」
急ぎ部屋に戻り、魔導書を開いて商品のチェック。
なるほど、雨の日には便利な商品が盛りだくさんじゃないですか。
買います、とにかく買いまくります。
レインコートやら何やら、よくわからないものもありますけれど、とにかく使えそうなものは買います!
まだ昼の鐘は鳴っていませんから、夕方には間に合います!
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