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第6章・ミュラーゼン連合王国と、王位継承者と
第264話・フェイールの出張販売店です。
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新商品の総チェックを終えた翌日、早朝。
ほぼ貫徹状態に近い私とクレアさんは、元気溌剌になる清涼飲料水を腰に手を当てて一気に飲み干しますと、伯爵夫人のお迎えが来るのを宿の外で待っています。
「あ、あの……クリス店長? さっき私が飲んだシュワーッとした飲み物なのですけれど……」
「美味しかったですよね。それに疲れも取れましたでしょう? あれは数量限定の清涼飲料水でして、疲れがシャッキリポーンと飛んでしまうのですよ。おかげてほら、お肌もつやつや披露もない。まるで豪華ディナーを頂いたのち、最高級羽毛布団に包まれて熟睡したような気分になりませんでしたか?」
「え……ええ、そうですわね。でも、あれってひっとして」
うん、まだまだ在庫はありますから大丈夫です。
まさか値付けと付与魔法検証で朝方までかかるなんて思っていませんでしたからね。
だから有無を言わさず鑑定する余地も与えずに、クレアさんにも一気飲みしてもらいましたので。
でも、なんとなくあれがなんであるのか気が付いたような雰囲気はありますけれど、シュワシュワした炭酸飲料はまだまだ一杯ありますから大丈夫です。
やはり武田さんが愛飲していたコーラなる缶ジュースは絶品ですし、ファンタジアという名前のオレンジ味とかグレープ味も捨てがたく。あとはまあ、期間限定のシュワシュワしたジュースに『アイルビーバック』というのもありましたよ。
それはまあ、置いておくことにしましょう。
「クレアさん。さっきのは疲れが取れるジュースです、いいですね?」
「あ、はい、そういうことでしたら……」
チラリと傍らでお菓子を食べているキリコさんを見るクレアさん。
ちなみにキリコさんは途中で熟睡していましたので、今は朝食代わりのシリアルというものを手づかみでボリボリと食べている真っ最中。
箱を開けて、そこに手を突っ込んで食べている姿は、実に子供らしくてかわいいです。
「あ、クリスちゃん、きたよ!!」
「ふぇ……あ、そのようですわね」
通りの向こうから、4頭引きの豪華な馬車がやってきます。
そして私たちの前に到着すると、身なりのいい執事が降りてきて一礼しました。
「フェイール商店の方ですね。お迎えに参りました」
「はい、本日はよろしくお願いします」
「それでは、どうぞこちらへ」
執事さんの言うがままに馬車に乗り、あとはユラリユラリと一時間。
やがてバンクーバー郊外にある、海の見下ろせる丘の上に立つ大きな屋敷へと到着しました。
「ふぇぇぇ、ここまで凄いとは予想していなかったですねぇ」
「うんうん。私の実家も凄かったですけれど、ここまで立派な屋敷なんて……と」
私とクレアさんで話していると、玄関が開き、身なりのいい貴婦人たちが出てきました。
それはもう、雪崩れのような勢いで。
「初めまして、クリスティナ・フェイールと申します。本日はお招きいただきありがとうございます」
「同じく、従業員のクレア・エルスハイマーです。本日はよろしくお願いします。このこは助手のキリコです」
「あい、キリコです!!」
丁寧に自己紹介を済ませると、そのままご婦人方の圧に流されて応接間まで移動……とはならず、その手前の大広間へと案内されました。
「改めて自己紹介する必要もないわね。私はメルセデス。この出張販売を依頼したカロッツァ男爵夫人の旧友であり、ジャニス伯爵の寄親にあたるアスパッハ辺境伯の妻です。カロッツァに話を伺い、それならばと協力させていただきました」
「なるほど。では、よろしくおねがいします」
丁寧に頭を下げると、メルセデス夫人の背後でカロッツァ婦人たちも申し訳なさそうに、私たちに頭を下げています。
つまり、押しが強いメルセデス夫人に根負けして、仕切りを任せたというところでしょう。
この屋敷の規模化から考えますに、ここはアスパッハ辺境伯の別荘というところでしょう。
「それでは、準備を始めたいと思いますのでご婦人の皆さんは別室……応接間で待っていてください。こちらの準備が終わり次第、改めてお声がけさせていただきますので」
「あら、そうなのね。それじゃあよろしくお願いしますね。あと、人手が足りないようでしたら、うちの侍女たちを好きに使って構いませんので。エミール、フェイールさんに手を貸してあげて」
メルセデスさんが付き従っている侍女に告げると、エミヘルと呼ばれた侍女も前に出て、私たちに頭を下げました。
「侍女頭を務めているエミールです。本日は御手伝いをさせて頂きます」
「はい、宜しお願いします……では、さっそく準備を始めましょう」
ということで、ご婦人たちの退室と同時に、すぐに準備を始めます。
今回は大広間ということもあり、大量のハンガーラックを好き勝手に並べることもできます。
「それでは……そうですね、クレアさんは装飾品を担当。キリコさんは食料品をおねがいします。エミールさんと侍女の皆さんは、衣服と靴、あとは……こちらのアンティーク雑貨の管理をお願いします」
値段は全て付けられているので、そのまま販売していただくことになります。
商品リストをそれぞれの売場の方に手渡し、売れた順にチェックしていただく形式をとりますので、万が一に在庫と売り上げが合わなくなっても、すぐに確認できます。
あとは次々と商品を並べ、最後に今回の目玉コーナーである『健康推進コーナー』の設営を行い、全て完了。
「ああ、やっぱり作ったのですか……」
「まあ、健康に良い食品や、身に付けるだけでコリがほぐれるネックレスとかは売れると思いますし。それに、この『ダイエットエナジー』という健康食品の効果も絶大でしたからね」
これは健康グッズのチェックを終えたのちに見つけたサプリメントというものでして。
魔法効果は『痩身』、つまり確実に痩せられるのです。
ただし、一日一錠しか飲んではならず、それ以上飲むと体によろしくないそうです。
これ以外にも、『ダイエットフォース』という、やはり同じように痩せられるサプリメントや美肌効果のあるもの、髪を艶々しっとりと整えるシャンプーもありましたよ。
それらを一つ一つ並べつつ、簡単な説明文を欠いた羊皮紙を添えておきます。
これで全て完成。
「エミールさん、準備が整いましたので、メルセデス夫人にご連絡をお願いします」
「畏まりました。それでは」
エミールさんが大広間を出て。
緊張感が限界のクレアさんとキリコさんは、さっきから室内をうろうろと徘徊しつつ、並んでいる商品を指さし確認している真っ最中。
「あうあうあう、もしもご婦人たちに無礼なことを申したらどうしよう、御不興を買ったら……」
「キーリーコさん、そんなに心配しなくても大丈夫ですって。ほら、このチョコレートでも食べながら、頑張ってください。手に持っても解けない不思議なチョコレートですよ」
「わーーーい」
うん、やっぱり子供ですね。
それはそうとして、どうしてクレアさんまで手を出しているのでしょうか?
「クリス店長、私の分は?」
「はいはい……これでいいですか?」
キリコさんに手渡したチョコレートとおなじものを一袋、アイテムボックスから取り出して手渡しますけれど……あの、クレアさんの後ろに並んでいる侍女さんたちはどうしたのでしょうか?
「はぁ。わかりました。では、おひとり様小袋一つずつお配りしますので」
嬉しそうにチョコレートを受け取った侍女たち。
うん、この甘さは宮廷料理人でも真似ができない美味しさですよね。
そんなものが露店で販売しているだなんて、予測もしていないのではないでしょうかねぇ。
そんなことを考えていますと。
――バンッ!!
勢いよく扉が開き、きれいに着飾った貴族のご婦人や子女の皆さんが来場しました。
そして我先にと、お目当ての商品を探し始めています。
ちなみに私の場所はといいますと。
ちょっと恰幅の良いご婦人たちが殺到してきました。
うんうん、このあわただしさ、本当に久しぶりですねぇ。
ほぼ貫徹状態に近い私とクレアさんは、元気溌剌になる清涼飲料水を腰に手を当てて一気に飲み干しますと、伯爵夫人のお迎えが来るのを宿の外で待っています。
「あ、あの……クリス店長? さっき私が飲んだシュワーッとした飲み物なのですけれど……」
「美味しかったですよね。それに疲れも取れましたでしょう? あれは数量限定の清涼飲料水でして、疲れがシャッキリポーンと飛んでしまうのですよ。おかげてほら、お肌もつやつや披露もない。まるで豪華ディナーを頂いたのち、最高級羽毛布団に包まれて熟睡したような気分になりませんでしたか?」
「え……ええ、そうですわね。でも、あれってひっとして」
うん、まだまだ在庫はありますから大丈夫です。
まさか値付けと付与魔法検証で朝方までかかるなんて思っていませんでしたからね。
だから有無を言わさず鑑定する余地も与えずに、クレアさんにも一気飲みしてもらいましたので。
でも、なんとなくあれがなんであるのか気が付いたような雰囲気はありますけれど、シュワシュワした炭酸飲料はまだまだ一杯ありますから大丈夫です。
やはり武田さんが愛飲していたコーラなる缶ジュースは絶品ですし、ファンタジアという名前のオレンジ味とかグレープ味も捨てがたく。あとはまあ、期間限定のシュワシュワしたジュースに『アイルビーバック』というのもありましたよ。
それはまあ、置いておくことにしましょう。
「クレアさん。さっきのは疲れが取れるジュースです、いいですね?」
「あ、はい、そういうことでしたら……」
チラリと傍らでお菓子を食べているキリコさんを見るクレアさん。
ちなみにキリコさんは途中で熟睡していましたので、今は朝食代わりのシリアルというものを手づかみでボリボリと食べている真っ最中。
箱を開けて、そこに手を突っ込んで食べている姿は、実に子供らしくてかわいいです。
「あ、クリスちゃん、きたよ!!」
「ふぇ……あ、そのようですわね」
通りの向こうから、4頭引きの豪華な馬車がやってきます。
そして私たちの前に到着すると、身なりのいい執事が降りてきて一礼しました。
「フェイール商店の方ですね。お迎えに参りました」
「はい、本日はよろしくお願いします」
「それでは、どうぞこちらへ」
執事さんの言うがままに馬車に乗り、あとはユラリユラリと一時間。
やがてバンクーバー郊外にある、海の見下ろせる丘の上に立つ大きな屋敷へと到着しました。
「ふぇぇぇ、ここまで凄いとは予想していなかったですねぇ」
「うんうん。私の実家も凄かったですけれど、ここまで立派な屋敷なんて……と」
私とクレアさんで話していると、玄関が開き、身なりのいい貴婦人たちが出てきました。
それはもう、雪崩れのような勢いで。
「初めまして、クリスティナ・フェイールと申します。本日はお招きいただきありがとうございます」
「同じく、従業員のクレア・エルスハイマーです。本日はよろしくお願いします。このこは助手のキリコです」
「あい、キリコです!!」
丁寧に自己紹介を済ませると、そのままご婦人方の圧に流されて応接間まで移動……とはならず、その手前の大広間へと案内されました。
「改めて自己紹介する必要もないわね。私はメルセデス。この出張販売を依頼したカロッツァ男爵夫人の旧友であり、ジャニス伯爵の寄親にあたるアスパッハ辺境伯の妻です。カロッツァに話を伺い、それならばと協力させていただきました」
「なるほど。では、よろしくおねがいします」
丁寧に頭を下げると、メルセデス夫人の背後でカロッツァ婦人たちも申し訳なさそうに、私たちに頭を下げています。
つまり、押しが強いメルセデス夫人に根負けして、仕切りを任せたというところでしょう。
この屋敷の規模化から考えますに、ここはアスパッハ辺境伯の別荘というところでしょう。
「それでは、準備を始めたいと思いますのでご婦人の皆さんは別室……応接間で待っていてください。こちらの準備が終わり次第、改めてお声がけさせていただきますので」
「あら、そうなのね。それじゃあよろしくお願いしますね。あと、人手が足りないようでしたら、うちの侍女たちを好きに使って構いませんので。エミール、フェイールさんに手を貸してあげて」
メルセデスさんが付き従っている侍女に告げると、エミヘルと呼ばれた侍女も前に出て、私たちに頭を下げました。
「侍女頭を務めているエミールです。本日は御手伝いをさせて頂きます」
「はい、宜しお願いします……では、さっそく準備を始めましょう」
ということで、ご婦人たちの退室と同時に、すぐに準備を始めます。
今回は大広間ということもあり、大量のハンガーラックを好き勝手に並べることもできます。
「それでは……そうですね、クレアさんは装飾品を担当。キリコさんは食料品をおねがいします。エミールさんと侍女の皆さんは、衣服と靴、あとは……こちらのアンティーク雑貨の管理をお願いします」
値段は全て付けられているので、そのまま販売していただくことになります。
商品リストをそれぞれの売場の方に手渡し、売れた順にチェックしていただく形式をとりますので、万が一に在庫と売り上げが合わなくなっても、すぐに確認できます。
あとは次々と商品を並べ、最後に今回の目玉コーナーである『健康推進コーナー』の設営を行い、全て完了。
「ああ、やっぱり作ったのですか……」
「まあ、健康に良い食品や、身に付けるだけでコリがほぐれるネックレスとかは売れると思いますし。それに、この『ダイエットエナジー』という健康食品の効果も絶大でしたからね」
これは健康グッズのチェックを終えたのちに見つけたサプリメントというものでして。
魔法効果は『痩身』、つまり確実に痩せられるのです。
ただし、一日一錠しか飲んではならず、それ以上飲むと体によろしくないそうです。
これ以外にも、『ダイエットフォース』という、やはり同じように痩せられるサプリメントや美肌効果のあるもの、髪を艶々しっとりと整えるシャンプーもありましたよ。
それらを一つ一つ並べつつ、簡単な説明文を欠いた羊皮紙を添えておきます。
これで全て完成。
「エミールさん、準備が整いましたので、メルセデス夫人にご連絡をお願いします」
「畏まりました。それでは」
エミールさんが大広間を出て。
緊張感が限界のクレアさんとキリコさんは、さっきから室内をうろうろと徘徊しつつ、並んでいる商品を指さし確認している真っ最中。
「あうあうあう、もしもご婦人たちに無礼なことを申したらどうしよう、御不興を買ったら……」
「キーリーコさん、そんなに心配しなくても大丈夫ですって。ほら、このチョコレートでも食べながら、頑張ってください。手に持っても解けない不思議なチョコレートですよ」
「わーーーい」
うん、やっぱり子供ですね。
それはそうとして、どうしてクレアさんまで手を出しているのでしょうか?
「クリス店長、私の分は?」
「はいはい……これでいいですか?」
キリコさんに手渡したチョコレートとおなじものを一袋、アイテムボックスから取り出して手渡しますけれど……あの、クレアさんの後ろに並んでいる侍女さんたちはどうしたのでしょうか?
「はぁ。わかりました。では、おひとり様小袋一つずつお配りしますので」
嬉しそうにチョコレートを受け取った侍女たち。
うん、この甘さは宮廷料理人でも真似ができない美味しさですよね。
そんなものが露店で販売しているだなんて、予測もしていないのではないでしょうかねぇ。
そんなことを考えていますと。
――バンッ!!
勢いよく扉が開き、きれいに着飾った貴族のご婦人や子女の皆さんが来場しました。
そして我先にと、お目当ての商品を探し始めています。
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