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第6章・ミュラーゼン連合王国と、王位継承者と
第243話・ソーゴさんの秘密……は次ですか。
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朝一で配達に訪れたペルソナさん。
ノワールさんも同行してきたので、まずは状況の説明を行う前に納品作業を終えようとしていたのですけれど。
「ん~、フェイールさん、その馬車があれか? 異国の商品を届けてくれる商人さんなのか?」
「「「え?」」」」
ペルソナさんに促されて荷物を受けと言っているとき、まさかのソーゴさんの言葉に3人とも凍り付きました。
慌ててペルソナさんを見ますけれど、彼も懐から小さなオーブを取り出し、そこに魔力を注ぎ込んで何かを確認している最中です。
では、ここは私が彼の気を逸らせることにしましょう。
「ソーゴさん。まあ、その件につきましては商人の秘匿情報といいますか……わかりますよね?」
「ん、ああ、そういうことか。それじゃあこの場では追及はしないでおくとするか……」
私の表情と口調で、ソーゴさんも納得してくれました。
ですが、あの表情は、ここは静かにしているけれど、あとで色々と噛ませてもらいたいものだという感じに見えますよ。
まあ、悪徳商人のようないやらしい笑みではないので、そこは信用していいかとおもいますけれど。
そしてペルソナさんはというと。
「はぁ……なるほど、理解できましたよ」
どうやら納得する答えが出てきたようです。
そしてソーゴさんの方を向き直ると、彼に向かって一言。
「そちらの方が、何故、私どもの馬車を認識できたのか理解できました。ですが、契約者はクリスティナ・フェイールさん、つまの彼女のみです。外部の無関係な方との取引は行うつもりはありませんので。それでも話がしたいというのであれば、まずは納品が終わってからにしていただけると助かります」
いつものペルソナさんとは違う、少し強めの口調です。
そして彼の言葉に納得したのか、ソーゴさんは肩をすくめる仕草だけ。
「では、納品を再開しましょう。そのあとで、ノワールさんともお話があるかと思いますので、しばし私どもは休憩を取らせていただきますので」
「はい、了解です!!」
ということで、ノワールさんとペルソナさん、そして私の三人で馬車から荷物を降ろし、確認作業を再開。
すべてりの商品をアイテムボックスに収めてから、私は【シャーリィの魔導書】を取り出してペルソナさんに提示します。
「はい、支払いはいつも通り、チャージでお願いします」
「畏まりました……と、ようやく、前借していたレベルの半分まで到達しましたか。この調子ですと、あと半年もすれば本来の8レベルまで追い付きそうですね」
「本当ですか!」
さらに話を聞きますと、ヘスティア王国の国王様は、旅行券以外にも日用雑貨なども大量に仕入れているそうです。その大半は、ヴェルディーナ王国の大聖堂から避難してきた修道女さんや司祭さま、そして逃げ延びた人々のために配給されているようです。
それと、避難先の町や村にも『フェイール商店』の支店を立ち上げ。そこで販売しているそうなのですよ。
なるほど、どうりでレベルアップのためのポイントが加算されていたわけですね。
「はい。それと、こちらは来月分のカタログです。大陸が異なってしまいましたので、こちらの大陸に合わせた型録となりますので」
「はい……って、うわぁぁぁ母の日フェアがなくなっていますよ!!」
「異世界では半年前の出来事でしたから。それに、ハーバリオスでも一か月前。こちらの大陸ではそのような風習がないものですから。大急ぎで、こちらの大陸に合わせた型録をご用意する必要があったのですよ」
つまり、勇者語録の『郷に入れば郷に従え』です。
新天地では、その土地のルールを覚え、それに合わせるようにしなさいという戒めの言葉でしたか。
「ふむふむ。それで……あの、ペルソナさんは、週に一度しか配達に来ていただけないのですか?」
はうあ、私はなにを聞いているのですか。
そうではないですよ、ここは『遠路はるばる、配達をしていただいてありがとうございます』と言いたかったのですよ。
そしてちらっとペルソナさんを見上げますと、頬というか顔を赤らめて困っているではありませんか。
「本来ならば、私たち精霊人は、精霊女王の加護が薄い地での活動には制限がつけられてしまうのですが。実は、商神アゲ・イナリさまからの粋なはからいで、商神さまの祠のある土地については、二日に一度夕方にはお届けできるかと思います」
「ほ、本当ですか!」
良かった。
見知らぬ土地で、クレアさんと二人っきりというのはさすがに寂しかったかもしれません。
それに、ノワールさんも合流してくれるのなら、少しは安心できますから。
「では、この後はノワールとお話をどうぞ。私はそちらの若人と、ちょっとお話したいことがありますので」
そう告げて、ペルソナさんはチラッとソーゴさんを見ます。
「へ? ペルソナさんがソーゴさんとですか?」
「ええ。彼がどうして、【型録通販のシャーリィ】の認識阻害の効果を受け付けていなかったのか、その件で確認したいことがありまして。それとですね……」
そう告げてから、今度は馬車の近くで立ち止まっているクレアさんを見ています。
「今後の事を考えますと、彼女からも【認識阻害】の効果を外しておいた方がいいでしょう。型録通販の秘密を告げる必要はあれません、ただ、【異世界の商品を取り扱っている、シャーリィという商人】という認識を与えておいた方がいいでしょうね。せめて軽い荷物の搬入程度は手伝っていただかないと、あのように困った顔になってしまいますよ」
そう告げられて、慌ててクレアさんを見てみますと。
たしかに、私たちが馬車から荷物を降ろし、納品チェックをしているのに『自分は何も手伝っていない……』という複雑な感情が入り混じっているように感じます。
「わかりました。では、ノワールさんを交えて、クレアさんにも今一度、説明しておきます」
「それがよろしいかと。では、1時間ほどごゆっくりしてください。さすがにノワールも、この大陸では従来の力を発揮できませんので今しばらくは私の補佐を務めて貰いますので」
「畏まりました!!」
ということで、私はノワールさんと一緒に馬車から離れ、宿のラウンジへと移動。
途中からクレアさんもついてきたので、彼女にも説明をしなくてはなりませんね。
それよりも、ペルソナさんとソーゴさん、二人の話が気になってしまいますね。
ノワールさんも同行してきたので、まずは状況の説明を行う前に納品作業を終えようとしていたのですけれど。
「ん~、フェイールさん、その馬車があれか? 異国の商品を届けてくれる商人さんなのか?」
「「「え?」」」」
ペルソナさんに促されて荷物を受けと言っているとき、まさかのソーゴさんの言葉に3人とも凍り付きました。
慌ててペルソナさんを見ますけれど、彼も懐から小さなオーブを取り出し、そこに魔力を注ぎ込んで何かを確認している最中です。
では、ここは私が彼の気を逸らせることにしましょう。
「ソーゴさん。まあ、その件につきましては商人の秘匿情報といいますか……わかりますよね?」
「ん、ああ、そういうことか。それじゃあこの場では追及はしないでおくとするか……」
私の表情と口調で、ソーゴさんも納得してくれました。
ですが、あの表情は、ここは静かにしているけれど、あとで色々と噛ませてもらいたいものだという感じに見えますよ。
まあ、悪徳商人のようないやらしい笑みではないので、そこは信用していいかとおもいますけれど。
そしてペルソナさんはというと。
「はぁ……なるほど、理解できましたよ」
どうやら納得する答えが出てきたようです。
そしてソーゴさんの方を向き直ると、彼に向かって一言。
「そちらの方が、何故、私どもの馬車を認識できたのか理解できました。ですが、契約者はクリスティナ・フェイールさん、つまの彼女のみです。外部の無関係な方との取引は行うつもりはありませんので。それでも話がしたいというのであれば、まずは納品が終わってからにしていただけると助かります」
いつものペルソナさんとは違う、少し強めの口調です。
そして彼の言葉に納得したのか、ソーゴさんは肩をすくめる仕草だけ。
「では、納品を再開しましょう。そのあとで、ノワールさんともお話があるかと思いますので、しばし私どもは休憩を取らせていただきますので」
「はい、了解です!!」
ということで、ノワールさんとペルソナさん、そして私の三人で馬車から荷物を降ろし、確認作業を再開。
すべてりの商品をアイテムボックスに収めてから、私は【シャーリィの魔導書】を取り出してペルソナさんに提示します。
「はい、支払いはいつも通り、チャージでお願いします」
「畏まりました……と、ようやく、前借していたレベルの半分まで到達しましたか。この調子ですと、あと半年もすれば本来の8レベルまで追い付きそうですね」
「本当ですか!」
さらに話を聞きますと、ヘスティア王国の国王様は、旅行券以外にも日用雑貨なども大量に仕入れているそうです。その大半は、ヴェルディーナ王国の大聖堂から避難してきた修道女さんや司祭さま、そして逃げ延びた人々のために配給されているようです。
それと、避難先の町や村にも『フェイール商店』の支店を立ち上げ。そこで販売しているそうなのですよ。
なるほど、どうりでレベルアップのためのポイントが加算されていたわけですね。
「はい。それと、こちらは来月分のカタログです。大陸が異なってしまいましたので、こちらの大陸に合わせた型録となりますので」
「はい……って、うわぁぁぁ母の日フェアがなくなっていますよ!!」
「異世界では半年前の出来事でしたから。それに、ハーバリオスでも一か月前。こちらの大陸ではそのような風習がないものですから。大急ぎで、こちらの大陸に合わせた型録をご用意する必要があったのですよ」
つまり、勇者語録の『郷に入れば郷に従え』です。
新天地では、その土地のルールを覚え、それに合わせるようにしなさいという戒めの言葉でしたか。
「ふむふむ。それで……あの、ペルソナさんは、週に一度しか配達に来ていただけないのですか?」
はうあ、私はなにを聞いているのですか。
そうではないですよ、ここは『遠路はるばる、配達をしていただいてありがとうございます』と言いたかったのですよ。
そしてちらっとペルソナさんを見上げますと、頬というか顔を赤らめて困っているではありませんか。
「本来ならば、私たち精霊人は、精霊女王の加護が薄い地での活動には制限がつけられてしまうのですが。実は、商神アゲ・イナリさまからの粋なはからいで、商神さまの祠のある土地については、二日に一度夕方にはお届けできるかと思います」
「ほ、本当ですか!」
良かった。
見知らぬ土地で、クレアさんと二人っきりというのはさすがに寂しかったかもしれません。
それに、ノワールさんも合流してくれるのなら、少しは安心できますから。
「では、この後はノワールとお話をどうぞ。私はそちらの若人と、ちょっとお話したいことがありますので」
そう告げて、ペルソナさんはチラッとソーゴさんを見ます。
「へ? ペルソナさんがソーゴさんとですか?」
「ええ。彼がどうして、【型録通販のシャーリィ】の認識阻害の効果を受け付けていなかったのか、その件で確認したいことがありまして。それとですね……」
そう告げてから、今度は馬車の近くで立ち止まっているクレアさんを見ています。
「今後の事を考えますと、彼女からも【認識阻害】の効果を外しておいた方がいいでしょう。型録通販の秘密を告げる必要はあれません、ただ、【異世界の商品を取り扱っている、シャーリィという商人】という認識を与えておいた方がいいでしょうね。せめて軽い荷物の搬入程度は手伝っていただかないと、あのように困った顔になってしまいますよ」
そう告げられて、慌ててクレアさんを見てみますと。
たしかに、私たちが馬車から荷物を降ろし、納品チェックをしているのに『自分は何も手伝っていない……』という複雑な感情が入り混じっているように感じます。
「わかりました。では、ノワールさんを交えて、クレアさんにも今一度、説明しておきます」
「それがよろしいかと。では、1時間ほどごゆっくりしてください。さすがにノワールも、この大陸では従来の力を発揮できませんので今しばらくは私の補佐を務めて貰いますので」
「畏まりました!!」
ということで、私はノワールさんと一緒に馬車から離れ、宿のラウンジへと移動。
途中からクレアさんもついてきたので、彼女にも説明をしなくてはなりませんね。
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