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第5章・結婚狂騒曲と、悪役令嬢と
第221話・改心と贖罪と因縁と
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さて。
シャトレーゼ伯爵邸を後にして、私たちは再び宿へと戻ってきました。
そして部屋に閉じこもっているクレアさんに事の詳細を確認するため、彼女の部屋を訪れてみました。
万が一のことがあっては大変なので、部屋に入るのは私とノワールさん、あとはクレアさんとカーリーさんのみ。
クリムゾンさんは一階の食堂でラリーさんと酒を飲みつつ情報収集だとか。
そして私たちが部屋を訪れて30分後、ようやくクレアさんが落ち着きを取り戻したのか口を開いてくれました。
「はぁ……本当に予想外でしたわ。まさか私が゜魔導学園で虐めていた女性、エリーが今回の依頼者の結婚相手だったなんて」
「その、どうして彼女を虐めていたのでしょうか? なにかこう、虐めるにしても意味があったはずですわよね?」
ええ、どのような理由があってもいじめは絶対に許すことはできませんけれど。
でも、彼女なりに反省をしているようですし、そのバツとして国を出されてしまったのですから。
当然ながら、彼女の実家のほうもエリーさんの両親に対して謝罪はあったに違いありませんから。
それですべてが終わりだなどと申しませんが、せめて理由が判れば多少は力になれるのではと思ったのですけれど。
「彼女の実家であるマクガイア子爵家は、私の実家であるアイゼンボーグ家とは犬猿の中でして。そもそも両家はカマンベール王国財務局所属の執務官同士でしたが、我が父が功績を成して伯爵位に陞爵し長官の地位につきましたわ。それで、そのことが気に入らないエリーが学園で私に嫌がらせをしてきましたので、それを10倍に返していただけですけれど……どうにもこうにも相手の方が一枚上手でして、証拠を残さないだけでなく、私に行っていた嫌がらせを自分が受けているなどと言い始め、以後は周りが私を冷たい目で見るようになったので……」
「それで、耐えきれなくなったのですか?」
うん、今の証言が事実でしたら、いじめられていたのがクレアさんで、その報復措置を行っていたところそれだけが発覚、クレアさんがエリーさんを虐めていたことにすり替えられていたということですか。
「いえ、それならさらに報復をということで、学園にいられなくなるレベルで嫌がらせをして差し上げましたわ。するとそれをマクガイア子爵が大事にして、私とアイゼンボーグ家を糾弾。残念なことに向こうの方が一枚上手でして、私はそのまま悪役令嬢のレッテルを貼り付けられ、エリーさんに対しての謝罪と慰謝料を請求されたということですわ」
「それで謝罪はしたのですか」
「ええ、当然ですわね。その時の件で私は公爵家の長男との婚姻も破断、慰謝料の支払いにより私は国を終われることになったのですけれど……今となっては清々していますわね」
この説明の最中、何度かノワールさんをちらっと見ていたのですけれど。
彼女の言葉に嘘偽りはないらしく、小さくうなずいてくれるだけでした。
そうなりますと……って、すでに謝罪は終わっていますし、賠償金も支払い終わっているのでしたらこちらが引く必要は全くありませんわね。
「ふむ。それでは、今回の件は全てて終わったこと。それを今更ながらあーだこーだといってくるマクガイア家に私が従う必要なし。ということで、仕事はそのまま続けますので、クレアさんは堂々として頂ければ構いません」
「え、そうなの? てっきり今回の仕事を取るために、私を首にするかと思っていましたのに」
「それこそまさかですわ。事情は全て確認できましたし、全て終わったことを未だにぐちぐちといってくるマクガイア子爵こそ女々しいとしか思えませんので。それでどうしても、クレアさんがいるのなら交渉しないというのでしたらそれはそれで結構、フェイール商店抜きで異世界の結婚式をやっていただければいいだけです」
ここから先は両家とフェイール商店の話し合いだけ。
そして私は引く気はありませんしいっそのこと、今回の件でクレアさんの名誉を取り戻すのもありかと思っています。
「それにですね……今回の結婚式、カマンベール王国からも大勢の貴族が参列します。それならば、貴族の皆さんを満足できるように全力で仕事をすればいいだけです。それであなたの目利きの良さや結婚式での気配り、貴方が厳選した引き出物を見せつけてやればよろしいだけです……」
「そ、そうね……それで行きましょう、あの糞下級子爵令嬢が、この私に反抗するなんて100年早いのフベシッ!」
――スパァァァァン
はい、この瞬間、ノワールさんの平手打ちがクレアさんの頭に炸裂しました。
「相手は今回の取引相手でもあります。そのような言葉使いは厳禁です」
「は、はい……すいませんでした」
「わかっていただければ結構。あなたが恥をかくようなことをした場合、それは雇い主であるクリスティナ様の面子を潰すことにも繋がりますので。まあ、商人なら商人らしく、正々堂々と戦えばいいだけです」
その言葉でクレアさんは深く反省したようで。
さてと、それじゃあこちらとしても色々と切り札を用意する必要があるようですね。
ええ、貴族相手に引き出物を用意しなおす必要がありますから、クレアさんの知識をフル動員してもらい最高の商品をご用意することにしましょう。
さて、予算が結構増える可能性もあれますけれど、それは別に構いませんよね。
それも踏まえて、また明日にでもシャトレーゼ伯爵の元を訪れることにしましょう。
シャトレーゼ伯爵邸を後にして、私たちは再び宿へと戻ってきました。
そして部屋に閉じこもっているクレアさんに事の詳細を確認するため、彼女の部屋を訪れてみました。
万が一のことがあっては大変なので、部屋に入るのは私とノワールさん、あとはクレアさんとカーリーさんのみ。
クリムゾンさんは一階の食堂でラリーさんと酒を飲みつつ情報収集だとか。
そして私たちが部屋を訪れて30分後、ようやくクレアさんが落ち着きを取り戻したのか口を開いてくれました。
「はぁ……本当に予想外でしたわ。まさか私が゜魔導学園で虐めていた女性、エリーが今回の依頼者の結婚相手だったなんて」
「その、どうして彼女を虐めていたのでしょうか? なにかこう、虐めるにしても意味があったはずですわよね?」
ええ、どのような理由があってもいじめは絶対に許すことはできませんけれど。
でも、彼女なりに反省をしているようですし、そのバツとして国を出されてしまったのですから。
当然ながら、彼女の実家のほうもエリーさんの両親に対して謝罪はあったに違いありませんから。
それですべてが終わりだなどと申しませんが、せめて理由が判れば多少は力になれるのではと思ったのですけれど。
「彼女の実家であるマクガイア子爵家は、私の実家であるアイゼンボーグ家とは犬猿の中でして。そもそも両家はカマンベール王国財務局所属の執務官同士でしたが、我が父が功績を成して伯爵位に陞爵し長官の地位につきましたわ。それで、そのことが気に入らないエリーが学園で私に嫌がらせをしてきましたので、それを10倍に返していただけですけれど……どうにもこうにも相手の方が一枚上手でして、証拠を残さないだけでなく、私に行っていた嫌がらせを自分が受けているなどと言い始め、以後は周りが私を冷たい目で見るようになったので……」
「それで、耐えきれなくなったのですか?」
うん、今の証言が事実でしたら、いじめられていたのがクレアさんで、その報復措置を行っていたところそれだけが発覚、クレアさんがエリーさんを虐めていたことにすり替えられていたということですか。
「いえ、それならさらに報復をということで、学園にいられなくなるレベルで嫌がらせをして差し上げましたわ。するとそれをマクガイア子爵が大事にして、私とアイゼンボーグ家を糾弾。残念なことに向こうの方が一枚上手でして、私はそのまま悪役令嬢のレッテルを貼り付けられ、エリーさんに対しての謝罪と慰謝料を請求されたということですわ」
「それで謝罪はしたのですか」
「ええ、当然ですわね。その時の件で私は公爵家の長男との婚姻も破断、慰謝料の支払いにより私は国を終われることになったのですけれど……今となっては清々していますわね」
この説明の最中、何度かノワールさんをちらっと見ていたのですけれど。
彼女の言葉に嘘偽りはないらしく、小さくうなずいてくれるだけでした。
そうなりますと……って、すでに謝罪は終わっていますし、賠償金も支払い終わっているのでしたらこちらが引く必要は全くありませんわね。
「ふむ。それでは、今回の件は全てて終わったこと。それを今更ながらあーだこーだといってくるマクガイア家に私が従う必要なし。ということで、仕事はそのまま続けますので、クレアさんは堂々として頂ければ構いません」
「え、そうなの? てっきり今回の仕事を取るために、私を首にするかと思っていましたのに」
「それこそまさかですわ。事情は全て確認できましたし、全て終わったことを未だにぐちぐちといってくるマクガイア子爵こそ女々しいとしか思えませんので。それでどうしても、クレアさんがいるのなら交渉しないというのでしたらそれはそれで結構、フェイール商店抜きで異世界の結婚式をやっていただければいいだけです」
ここから先は両家とフェイール商店の話し合いだけ。
そして私は引く気はありませんしいっそのこと、今回の件でクレアさんの名誉を取り戻すのもありかと思っています。
「それにですね……今回の結婚式、カマンベール王国からも大勢の貴族が参列します。それならば、貴族の皆さんを満足できるように全力で仕事をすればいいだけです。それであなたの目利きの良さや結婚式での気配り、貴方が厳選した引き出物を見せつけてやればよろしいだけです……」
「そ、そうね……それで行きましょう、あの糞下級子爵令嬢が、この私に反抗するなんて100年早いのフベシッ!」
――スパァァァァン
はい、この瞬間、ノワールさんの平手打ちがクレアさんの頭に炸裂しました。
「相手は今回の取引相手でもあります。そのような言葉使いは厳禁です」
「は、はい……すいませんでした」
「わかっていただければ結構。あなたが恥をかくようなことをした場合、それは雇い主であるクリスティナ様の面子を潰すことにも繋がりますので。まあ、商人なら商人らしく、正々堂々と戦えばいいだけです」
その言葉でクレアさんは深く反省したようで。
さてと、それじゃあこちらとしても色々と切り札を用意する必要があるようですね。
ええ、貴族相手に引き出物を用意しなおす必要がありますから、クレアさんの知識をフル動員してもらい最高の商品をご用意することにしましょう。
さて、予算が結構増える可能性もあれますけれど、それは別に構いませんよね。
それも踏まえて、また明日にでもシャトレーゼ伯爵の元を訪れることにしましょう。
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