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第4章・北方諸国漫遊と、契約の精霊と
第210話・さよならは別れの言葉じゃなく……
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国王からの依頼で、王妃様へ装飾品を収めることになりました。
そのために謁見の間から外に出て、王妃様の待つ応接間へと向かうことになりました。
「フェイールさん。本日は無理なお願いを聞いていただいてありがとうございます。改めて自己紹介をする必要……はありませんよね?」
「はい、キャロライン王妃にはご機嫌麗しく。それにエリザベスさま、メアリー様もご壮健でなによりです」
きれいに着飾った王妃様と、その長女であり騎士団所属のエリザベスさま、おなじく三女であり宮廷魔導士として修業を積んでいるメアリーさまも同席中です。
次女のマリアールさまは精霊教会の司祭として修業を積んでいられるためこの場にはいらっしゃらないようで。
「フェイールさまのお話は、常々伺っています」
「ええ。私は師である柚月さまから、クリスティナさまの武勇伝をお聞きしていますので」
「いえいえ、武勇伝などとありませんので、それよりも急ぎ、商談の話をしてしまいましょう」
はい、私は焦っています。
先ほどの部屋から出るときの柚月さんの言葉。
もう、今日すぐにでも送還の魔法陣が起動するのですよね?
このまま何も話をすることなくお別れなんていやですから。
だからつい、王妃様の目の前で【シャーリィの魔導書】を開いてしまいました。
私にしか開くことが出来ない魔導書ですが、開いてしまえばだれでも見るることが出来ます。
まあ、普段は自動的に認識阻害が発動し、私が見ていることなど誰も気に留めることがないはずなのですけれど、今回はそれも満足に働いていないように感じます。
事実、王妃様もお二人の子女も、開いたページを不思議そうに眺めているじゃありませんか。
「フェイールさん、その魔導書は?」
「こ、この件はご内密……ってあれ、認識阻害が働いていない?」
「お嬢、焦り過ぎじゃ、しっかりと意識を集中していないから魔導書の機能が衰えているのじゃ」
「嘘!!」
クリムゾンさんの言葉で ようやく事態を飲み込むことが出来ました。
でも、すでに時遅し、王妃様たちは興味深々です。
「そ、その魔導書はなんなのですか?」
「話せば長くなるので簡潔にご説明します。これは私が契約している魔導書であり、初代勇者の一人、カナン・アーレストの力の一部です。それ以上は申すことはできませんので、この件はご内密に。これが周知されるならば、私はこの国を離れる事にもなりますので」
私から装飾品が買えなくなることを理解したのでしょうか、王妃様が真剣な顔で頷いています。
「わかりましたわ。この件は、ここにいる私たちの胸の中で留めておくことにします。エリザベス、メアリー、貴方たちもわかりましたね?」
「はい」
「畏まりました、お母さま」
「でも、それだけでは納得されないでしょうから……。契約の精霊に基づき、この場で誓いを立てましょう」
まさか王妃様から契約の精霊の話が出るとは思っていませんでしたが。
私には、今、この場でそれを行う力が授かっています。
そして幸いなことに、この部屋は王族の方々が商会などと話をするためにあしらわれた部屋であり、壁には【契約の精霊】の絵が記されたタペストリーが飾られています。
しっかりと精霊紋様も書き込まれているため、おそらくは召喚は可能でしょう。
「それでは、今から私が行うことも踏まえて全てご内密に……契約の精霊エンゲイジよ、我が前に姿を現してください」
そう両手を合わせて祈ります。
するとタペストリーの紋様が輝く、その前に一人の女性が姿を現しました。
「契約の精霊ミフユ、主のお呼びにはせ参じました」
「エ!!まさか精霊様がこの場に姿を!」
」
白いローブに身を包んだ女性・ミフユ。
彼女が姿を現した時、王妃様たちは慌ててその前に向かい、正座して両手を組みました。
「ああ、精霊様にお会いできるとは……」
「私をお呼びしたということは、この者たちと契約を交わすということで間違いはないのですね?」
「はい、よろしくおねがいします。私キャロライン・ハーバリオスと」
「エリザベート・ハーバリオス」
「同じくメアリー・ハーバリオスは、契約の精霊様に宣言します」
そう告げてから、王妃様たちはミフユの前で誓いを立てます。
私の秘密については口外しない事、それを破った場合は、自らの命も差し出すと。
いや待って、命を捧げないでください!
「あ、あの、命まで取るつもりはありません!!」
「そうですね。そこまでの重い契約は、クリスティナさまの能力の範囲外です。だから、命よりも大切なものをクリスティナ・フェイールに捧げるということで。それならば、私を介して行われる簡易精霊宣言の範囲内ですから」
「では、精霊さまの仰せの通りに……」
再び宣言がなされ、無事に契約の精霊を仲介した契約はなされました。
「それでは、急ぎ商品を決定しましょう。今すぐにこれを取り寄せてこの場でお渡しすることはできませんけれど、後日必ずお届けに参ります」
そう告げてから、【型録通販のシャーリィ】の商品ページを開いていきます。
王妃様たちは初めて見る商品に心を奪われ、園遊会で見た辺境伯や伯爵夫人を飾っていた黒真珠に興味津々です。
それらの品を一つ一つ吟味したのち、すべてを発注伝票に書き記していきます。
そしてすべてを書き記したのち、王妃様から。
「もし宜しければ、もう一度その型録とやらを見せてくれませんか? 私たちには記されている文字は読むことが出来ませんが、その美しい絵だけでも見て居たいのですよ」
「そうですか……」
見せるだけならと思ったのですが、クリムゾンさんが窓の外を見つめます。
「お嬢、儀式が始まるぞ、急いで向かわないと間に合わぬ!」
「そんな……王妃様も誠に申し訳ありませんが今日はこれで失礼します。型録の件につきましても、後日改めて納品の時にでも!!」
「いかん!」
クリムゾンさんが私の手を取って窓に向かって走ります。
そして勢いよく開いて私を抱えると、ベランダから外に飛び出しました!
――キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン
そのベランダの下、少し離れたところで虹色に魔法陣が輝きます。
そしてそこから空に向かって光の柱が伸びていくと、その中を紀伊国屋さんや武田さん、緒方さんが浮かび上がって登っていく姿が見えました。
そして私たちの姿を見たのか、こちらに向かって手を振っています。
「紀伊国屋さん、武田さん、緒方さん……お元気で……」
そう呟いた時、最後に柚月さんが浮かび上がっているのが見えます。
「柚月さん、私、まだお別れの言葉を話していない!! ずっと一緒に旅をしていて、それでいつも助けて貰って、色々と異世界のことを教えて貰って……」
『にしし……クリスっち、笑うし!!』
そう呟いている柚月さん。
でもあなただって目から涙があふれているじゃないですか。
でも、そうですよね。
最後は笑って、柚月さんが帰るのを見送ってあげないとなりませんよね。
だから、ぐっと涙をぬぐって、私もニイッと笑いました。
「柚月さん! ありがとうございました! そして」
『うん……』
さようなら。
私がそう告げると同時に、光の柱は消えます。
そしてクリムゾンさんも無事に着地して、私を下ろしてくれました。
勇者のみなさん……無事に自分たちの世界に帰りますように。
そして、ありがとうございました。
そのために謁見の間から外に出て、王妃様の待つ応接間へと向かうことになりました。
「フェイールさん。本日は無理なお願いを聞いていただいてありがとうございます。改めて自己紹介をする必要……はありませんよね?」
「はい、キャロライン王妃にはご機嫌麗しく。それにエリザベスさま、メアリー様もご壮健でなによりです」
きれいに着飾った王妃様と、その長女であり騎士団所属のエリザベスさま、おなじく三女であり宮廷魔導士として修業を積んでいるメアリーさまも同席中です。
次女のマリアールさまは精霊教会の司祭として修業を積んでいられるためこの場にはいらっしゃらないようで。
「フェイールさまのお話は、常々伺っています」
「ええ。私は師である柚月さまから、クリスティナさまの武勇伝をお聞きしていますので」
「いえいえ、武勇伝などとありませんので、それよりも急ぎ、商談の話をしてしまいましょう」
はい、私は焦っています。
先ほどの部屋から出るときの柚月さんの言葉。
もう、今日すぐにでも送還の魔法陣が起動するのですよね?
このまま何も話をすることなくお別れなんていやですから。
だからつい、王妃様の目の前で【シャーリィの魔導書】を開いてしまいました。
私にしか開くことが出来ない魔導書ですが、開いてしまえばだれでも見るることが出来ます。
まあ、普段は自動的に認識阻害が発動し、私が見ていることなど誰も気に留めることがないはずなのですけれど、今回はそれも満足に働いていないように感じます。
事実、王妃様もお二人の子女も、開いたページを不思議そうに眺めているじゃありませんか。
「フェイールさん、その魔導書は?」
「こ、この件はご内密……ってあれ、認識阻害が働いていない?」
「お嬢、焦り過ぎじゃ、しっかりと意識を集中していないから魔導書の機能が衰えているのじゃ」
「嘘!!」
クリムゾンさんの言葉で ようやく事態を飲み込むことが出来ました。
でも、すでに時遅し、王妃様たちは興味深々です。
「そ、その魔導書はなんなのですか?」
「話せば長くなるので簡潔にご説明します。これは私が契約している魔導書であり、初代勇者の一人、カナン・アーレストの力の一部です。それ以上は申すことはできませんので、この件はご内密に。これが周知されるならば、私はこの国を離れる事にもなりますので」
私から装飾品が買えなくなることを理解したのでしょうか、王妃様が真剣な顔で頷いています。
「わかりましたわ。この件は、ここにいる私たちの胸の中で留めておくことにします。エリザベス、メアリー、貴方たちもわかりましたね?」
「はい」
「畏まりました、お母さま」
「でも、それだけでは納得されないでしょうから……。契約の精霊に基づき、この場で誓いを立てましょう」
まさか王妃様から契約の精霊の話が出るとは思っていませんでしたが。
私には、今、この場でそれを行う力が授かっています。
そして幸いなことに、この部屋は王族の方々が商会などと話をするためにあしらわれた部屋であり、壁には【契約の精霊】の絵が記されたタペストリーが飾られています。
しっかりと精霊紋様も書き込まれているため、おそらくは召喚は可能でしょう。
「それでは、今から私が行うことも踏まえて全てご内密に……契約の精霊エンゲイジよ、我が前に姿を現してください」
そう両手を合わせて祈ります。
するとタペストリーの紋様が輝く、その前に一人の女性が姿を現しました。
「契約の精霊ミフユ、主のお呼びにはせ参じました」
「エ!!まさか精霊様がこの場に姿を!」
」
白いローブに身を包んだ女性・ミフユ。
彼女が姿を現した時、王妃様たちは慌ててその前に向かい、正座して両手を組みました。
「ああ、精霊様にお会いできるとは……」
「私をお呼びしたということは、この者たちと契約を交わすということで間違いはないのですね?」
「はい、よろしくおねがいします。私キャロライン・ハーバリオスと」
「エリザベート・ハーバリオス」
「同じくメアリー・ハーバリオスは、契約の精霊様に宣言します」
そう告げてから、王妃様たちはミフユの前で誓いを立てます。
私の秘密については口外しない事、それを破った場合は、自らの命も差し出すと。
いや待って、命を捧げないでください!
「あ、あの、命まで取るつもりはありません!!」
「そうですね。そこまでの重い契約は、クリスティナさまの能力の範囲外です。だから、命よりも大切なものをクリスティナ・フェイールに捧げるということで。それならば、私を介して行われる簡易精霊宣言の範囲内ですから」
「では、精霊さまの仰せの通りに……」
再び宣言がなされ、無事に契約の精霊を仲介した契約はなされました。
「それでは、急ぎ商品を決定しましょう。今すぐにこれを取り寄せてこの場でお渡しすることはできませんけれど、後日必ずお届けに参ります」
そう告げてから、【型録通販のシャーリィ】の商品ページを開いていきます。
王妃様たちは初めて見る商品に心を奪われ、園遊会で見た辺境伯や伯爵夫人を飾っていた黒真珠に興味津々です。
それらの品を一つ一つ吟味したのち、すべてを発注伝票に書き記していきます。
そしてすべてを書き記したのち、王妃様から。
「もし宜しければ、もう一度その型録とやらを見せてくれませんか? 私たちには記されている文字は読むことが出来ませんが、その美しい絵だけでも見て居たいのですよ」
「そうですか……」
見せるだけならと思ったのですが、クリムゾンさんが窓の外を見つめます。
「お嬢、儀式が始まるぞ、急いで向かわないと間に合わぬ!」
「そんな……王妃様も誠に申し訳ありませんが今日はこれで失礼します。型録の件につきましても、後日改めて納品の時にでも!!」
「いかん!」
クリムゾンさんが私の手を取って窓に向かって走ります。
そして勢いよく開いて私を抱えると、ベランダから外に飛び出しました!
――キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン
そのベランダの下、少し離れたところで虹色に魔法陣が輝きます。
そしてそこから空に向かって光の柱が伸びていくと、その中を紀伊国屋さんや武田さん、緒方さんが浮かび上がって登っていく姿が見えました。
そして私たちの姿を見たのか、こちらに向かって手を振っています。
「紀伊国屋さん、武田さん、緒方さん……お元気で……」
そう呟いた時、最後に柚月さんが浮かび上がっているのが見えます。
「柚月さん、私、まだお別れの言葉を話していない!! ずっと一緒に旅をしていて、それでいつも助けて貰って、色々と異世界のことを教えて貰って……」
『にしし……クリスっち、笑うし!!』
そう呟いている柚月さん。
でもあなただって目から涙があふれているじゃないですか。
でも、そうですよね。
最後は笑って、柚月さんが帰るのを見送ってあげないとなりませんよね。
だから、ぐっと涙をぬぐって、私もニイッと笑いました。
「柚月さん! ありがとうございました! そして」
『うん……』
さようなら。
私がそう告げると同時に、光の柱は消えます。
そしてクリムゾンさんも無事に着地して、私を下ろしてくれました。
勇者のみなさん……無事に自分たちの世界に帰りますように。
そして、ありがとうございました。
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