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第4章・北方諸国漫遊と、契約の精霊と
第208話・アイルビーバック。王都よ、私は帰ってきました!
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精霊の祠を後にして。
その翌日には朝の配達便で旅行券も受け取りまして。
いよいよ、王都へ凱旋……といいますか、まあ、帰ることが出来ます。
ん、帰るといってもアーレスト家は確か北方の自領に封領されてしまったとかですから、どちらかというと到着というかんじですね。
「それじゃあ、全員で一斉に使ってみるし」
「そうですね、そのほうが楽しそうですから」
「誠に申し訳ありません。わたくしはそろそろ睡眠をとらせてもらいますね。警護はクリムゾンにお任せしますので」
「うむ。日勤はわしが引き受けるから夜勤はノワールに頼むぞ」
「そうね。ちょっと長時間出ずっぱりだったので、魔力の回復量が追い付いていないようなので。ということですのでクリスティナさま、夕方まで休ませてもらいます」
「どうぞどうぞ、よっくり休んでください。いつも護衛して頂いてありがとうございます」
思わず感謝の言葉が出てしまいましたけれど、本音ですので問題はありませんね。
ガンバナニーワ王国を出てからずっと、昼夜関係なく護衛してくれていましたから。
それこそ休暇を取って貰っても構わないぐらいです。
そしてノワールさんが指輪の中に納まったので、旅行券の一枚はクリムゾンさんにお渡しします。
「それでは、いざ、ハーバリオスだし!!」
「お~」
「うむ」
旅行券に魔力を注いだ瞬間、私たちの姿は光に包まれてハーバリオスまで転移します。
――シュンッ
そして気が付くと、ハーバリオス王都外縁部にある第一城壁の正門前へとたどり着きました。
ええ、正門から中に入るために並んでいる大勢の人々の真横にいきなり転移したのですよ。
それでも不思議なことに、認識阻害の効果が発動しているため私たちが突然姿を現しても誰も驚くようなことはありません。
「おい、そこの3人。王都に入るのならば、列の後ろに並んで待機していろ!!」
「はい、誠に申し訳ありません」
「にしし。久しぶりの空気だし……クリスっち、ちょっとついてくるし」
正門前の騎士におころられてしまったので、急いで列の後ろに行こうとしたのですが。
柚月さんが私たちに声をかけてから、正門真下にいる騎士の元へと歩いていきます。
「おい、今の言葉が聞こえなかったのか」
「ほい、ハーバリオス王国認定勇者・大魔導師の柚月ルカだし。これがギルドカード、そしてこっちが宮廷発行のメダリオンだし」
柚月さんがアイテムボックスからカードと勇者の証であるメダリオンを取り出して提示しています。
すると騎士たちの顔色がさーーっと白くなっていきました。
「こ、これは失礼しました。どうぞお通りください」
腰から90度に折れるように頭を下げている騎士。
うん、下げ過ぎですね。
「ちなみに、そっちの二人は王室から認可された勇者ご用達商人のクリスティナ・フェイールと、その護衛のクリムゾンだし。クリスっち、クリムっち、身分証をだすといいし」
「あ、はい。こちらが王都発行の身分証と、商業ギルド発行の登録証です」
「わしのは獣人国パルフェロンの発行したものだが、これで構わないか?」
私とクリムゾンさんの身分証を受け取って、すぐに正門横の詰所に問い合わせています。
そもそも私の身分証では、王都に入ることは許されていない筈なのですけれど。
精霊の祠でセフィラさまが私の王都払いについても解除してくれているというお話があったので、大丈夫かと思いますけれど。
――ドダダダダダダダタ
騎士の一人が大慌てで走ってきます。
「失礼しました。クリスティナ・フェイール殿につきましては、王都に到着次第、すぐに王城へとお連れするように仰せつかっておりますので。今、馬車をご用意しますので少々お待ちください」
「は……はぁ? ってえええ、それはどういうことなのですか?」
「詳しくは宰相様からご説明がございますので。ささ、こちらでお待ちください」
そのまま有無を言わせずに、わたしたちは詰所の中へと案内されます。
そして10分もしないうちに豪華な装飾が施された馬車が到着しますと、そこに押し込まれてまっすぐに王城へ……。
「柚月さん、このあと私はどうなるのでしょうか?」
「ん~、よく分からないし。でも、もしもクリスっちに危険が生じたら、あーしが守るから大丈夫だし」
「それにわしもついているから大丈夫じゃよ」
自信満々に告げている柚月さんたち。
うん、その二人の言葉を聞いたら、少し落ち着いてきました。
私は王城に行くのは初めてですけれど、父や兄たちは仕事の関係でちょくちょく王城から呼び出しを受けていたようですから。
だからまあ、大丈夫でしょう。
〇 〇 〇 〇 〇
――ハーバリオス王城
馬車に揺られて私たちは王城へ。
まっすぐに謁見の間へと案内されるのではなく、まずは宰相様から話があるということなので彼の執務室に併設されている応接間へと通されました。
「これはルカ殿、おかえりなさい。東方諸国漫遊の旅、いかがでしたか?」
「色々と楽しかったし。あと、ロシマカープ王国からの親書を預かってきたので、お渡ししておくし」
柚月さんがアイテムボックスから一通の書簡を取り出して、宰相様にお渡しします。
私の知らないところで、色々と政治的な何かがあったのかもしれませんね。
「確かに親預かりしました。後ほど、謁見の間にて国王にお渡しします。さて、それでは本題に入らせていただきます」
体の向きを柚月さんではなく私に戻して、宰相様が笑顔で話を始めました。
「まず、クリスティナ・フェイール殿の王都払いの件につきましては白紙撤回となっています。これはシャトレーゼ伯爵から、王家の剣の修復作業についてフェイール殿の尽力がなくてはならなかったことが報告されています。それに、精霊教会のキティホーク枢機卿より、契約の精霊からの神託が授けられたという報告かありまして。精霊女王と契約の精霊の名において、クリスティナ・フェイールの契約した王都払いの契約は解除されたと。ですので、これからは自由に、いちハーバリオスの国民として自由に王都を出入りしても構いません」
淡々と説明してくれましたが。
これで私は堂々と、王都を出入り出来るようになったのですね。
ようやく王国北方との商売も出来るようになってほっとしています。
「ありがとうございます」
「次に、こちらをお持ちください。フェイール商店の【勇者ご用達印章】です。もしも王都内に店舗を構えるのであれば、そちらに備え付ける看板も手配します」
「それにつきましては、私たちは時期尚早と考えています。フェイール商店はあくまでも個人商隊であり、本店はオーウェン領にあります。王都で店舗を構えたとしても、そこで販売可能な商品を常に扱えるほどの規模ではありませんので」
これは本当。
フェイール商店はあくまでも個人商店であり、【型録通販のシャーリィ】からの納品なくしては成立しません。
そして仕入れが可能なのは、現在は私と取次店であるヘスティア精霊王国の国王のみ。
ですから、人を雇ってどうこうできるほどの規模にはできないのですよ。
新しく誰かを雇ってその人に型録を預けることも可能ではありますけれど、私が信用できる人となると数が限られてしまいます。
「そうですか……それは残念です。まあ、大きな話はこの二点のみです。あとは謁見の準備ができ次第、みなさんを呼びに行かせますので控えの間でお待ちください」
「はい、ありがとうございます」
私のような平民にも丁寧で親切な態度をとっていただけるとは。
そう思って部屋を出て、侍女の案内で控えの間へと向かっていますと、クリムゾンさんが親指の爪を噛んでイライラしていますが。
「あの宰相は気に食わん。何か隠している」
「そう? あの人はいつもあの調子だし。この国にとって常に何が大切か、何を優先するべきかを理解している人だし。まあ、そのせいかキノっちには不評だし」
「キノっち……紀伊国屋さんですね。柚月さんはあちらに合流しなくて構わないのですか?」
「ん……ん~、まあ、あとでも構わないし」
そのまま控えの間へと移動し、あとは国王の許可が下りて謁見の間へと向かうだけ。
さて、初めてのことなのでドキドキしてきますよ。
「クリスっち、ドキドキしているし」
「当たり前ですよ。国王の謁見なんて、私のような一介の商人にとっては天にも昇る栄誉なのですよ」
「しかし、お嬢はパルフェロン王国、ガンバナニーワ王国、ヘスティア王国、そしてロシマカープ王国と、四つの王国の国王と謁見しているじゃろ。今更一つぐらい増えたところで、なにも変わりはせんと思うのじゃが」
「それとこれとは話が別で……あれ、別じゃないかも」
「うん、クリスっちはそろそろ、自分のことを振り返ってみるのもいいとおもうし。フェイール商店は勇者ご用達だけじゃなく、貴族たちがこぞって欲しがる商品を扱っているし、もう有名だし」
そ、そんなことは……あれ、あるのですか?
でも、それは全て【型録通販のシャーリィ】の力であって、私の力ではないと思うのですけれど。
そう考えると、私って何もできないのですよね。
ちょっと落ち込んできましたよ。
その翌日には朝の配達便で旅行券も受け取りまして。
いよいよ、王都へ凱旋……といいますか、まあ、帰ることが出来ます。
ん、帰るといってもアーレスト家は確か北方の自領に封領されてしまったとかですから、どちらかというと到着というかんじですね。
「それじゃあ、全員で一斉に使ってみるし」
「そうですね、そのほうが楽しそうですから」
「誠に申し訳ありません。わたくしはそろそろ睡眠をとらせてもらいますね。警護はクリムゾンにお任せしますので」
「うむ。日勤はわしが引き受けるから夜勤はノワールに頼むぞ」
「そうね。ちょっと長時間出ずっぱりだったので、魔力の回復量が追い付いていないようなので。ということですのでクリスティナさま、夕方まで休ませてもらいます」
「どうぞどうぞ、よっくり休んでください。いつも護衛して頂いてありがとうございます」
思わず感謝の言葉が出てしまいましたけれど、本音ですので問題はありませんね。
ガンバナニーワ王国を出てからずっと、昼夜関係なく護衛してくれていましたから。
それこそ休暇を取って貰っても構わないぐらいです。
そしてノワールさんが指輪の中に納まったので、旅行券の一枚はクリムゾンさんにお渡しします。
「それでは、いざ、ハーバリオスだし!!」
「お~」
「うむ」
旅行券に魔力を注いだ瞬間、私たちの姿は光に包まれてハーバリオスまで転移します。
――シュンッ
そして気が付くと、ハーバリオス王都外縁部にある第一城壁の正門前へとたどり着きました。
ええ、正門から中に入るために並んでいる大勢の人々の真横にいきなり転移したのですよ。
それでも不思議なことに、認識阻害の効果が発動しているため私たちが突然姿を現しても誰も驚くようなことはありません。
「おい、そこの3人。王都に入るのならば、列の後ろに並んで待機していろ!!」
「はい、誠に申し訳ありません」
「にしし。久しぶりの空気だし……クリスっち、ちょっとついてくるし」
正門前の騎士におころられてしまったので、急いで列の後ろに行こうとしたのですが。
柚月さんが私たちに声をかけてから、正門真下にいる騎士の元へと歩いていきます。
「おい、今の言葉が聞こえなかったのか」
「ほい、ハーバリオス王国認定勇者・大魔導師の柚月ルカだし。これがギルドカード、そしてこっちが宮廷発行のメダリオンだし」
柚月さんがアイテムボックスからカードと勇者の証であるメダリオンを取り出して提示しています。
すると騎士たちの顔色がさーーっと白くなっていきました。
「こ、これは失礼しました。どうぞお通りください」
腰から90度に折れるように頭を下げている騎士。
うん、下げ過ぎですね。
「ちなみに、そっちの二人は王室から認可された勇者ご用達商人のクリスティナ・フェイールと、その護衛のクリムゾンだし。クリスっち、クリムっち、身分証をだすといいし」
「あ、はい。こちらが王都発行の身分証と、商業ギルド発行の登録証です」
「わしのは獣人国パルフェロンの発行したものだが、これで構わないか?」
私とクリムゾンさんの身分証を受け取って、すぐに正門横の詰所に問い合わせています。
そもそも私の身分証では、王都に入ることは許されていない筈なのですけれど。
精霊の祠でセフィラさまが私の王都払いについても解除してくれているというお話があったので、大丈夫かと思いますけれど。
――ドダダダダダダダタ
騎士の一人が大慌てで走ってきます。
「失礼しました。クリスティナ・フェイール殿につきましては、王都に到着次第、すぐに王城へとお連れするように仰せつかっておりますので。今、馬車をご用意しますので少々お待ちください」
「は……はぁ? ってえええ、それはどういうことなのですか?」
「詳しくは宰相様からご説明がございますので。ささ、こちらでお待ちください」
そのまま有無を言わせずに、わたしたちは詰所の中へと案内されます。
そして10分もしないうちに豪華な装飾が施された馬車が到着しますと、そこに押し込まれてまっすぐに王城へ……。
「柚月さん、このあと私はどうなるのでしょうか?」
「ん~、よく分からないし。でも、もしもクリスっちに危険が生じたら、あーしが守るから大丈夫だし」
「それにわしもついているから大丈夫じゃよ」
自信満々に告げている柚月さんたち。
うん、その二人の言葉を聞いたら、少し落ち着いてきました。
私は王城に行くのは初めてですけれど、父や兄たちは仕事の関係でちょくちょく王城から呼び出しを受けていたようですから。
だからまあ、大丈夫でしょう。
〇 〇 〇 〇 〇
――ハーバリオス王城
馬車に揺られて私たちは王城へ。
まっすぐに謁見の間へと案内されるのではなく、まずは宰相様から話があるということなので彼の執務室に併設されている応接間へと通されました。
「これはルカ殿、おかえりなさい。東方諸国漫遊の旅、いかがでしたか?」
「色々と楽しかったし。あと、ロシマカープ王国からの親書を預かってきたので、お渡ししておくし」
柚月さんがアイテムボックスから一通の書簡を取り出して、宰相様にお渡しします。
私の知らないところで、色々と政治的な何かがあったのかもしれませんね。
「確かに親預かりしました。後ほど、謁見の間にて国王にお渡しします。さて、それでは本題に入らせていただきます」
体の向きを柚月さんではなく私に戻して、宰相様が笑顔で話を始めました。
「まず、クリスティナ・フェイール殿の王都払いの件につきましては白紙撤回となっています。これはシャトレーゼ伯爵から、王家の剣の修復作業についてフェイール殿の尽力がなくてはならなかったことが報告されています。それに、精霊教会のキティホーク枢機卿より、契約の精霊からの神託が授けられたという報告かありまして。精霊女王と契約の精霊の名において、クリスティナ・フェイールの契約した王都払いの契約は解除されたと。ですので、これからは自由に、いちハーバリオスの国民として自由に王都を出入りしても構いません」
淡々と説明してくれましたが。
これで私は堂々と、王都を出入り出来るようになったのですね。
ようやく王国北方との商売も出来るようになってほっとしています。
「ありがとうございます」
「次に、こちらをお持ちください。フェイール商店の【勇者ご用達印章】です。もしも王都内に店舗を構えるのであれば、そちらに備え付ける看板も手配します」
「それにつきましては、私たちは時期尚早と考えています。フェイール商店はあくまでも個人商隊であり、本店はオーウェン領にあります。王都で店舗を構えたとしても、そこで販売可能な商品を常に扱えるほどの規模ではありませんので」
これは本当。
フェイール商店はあくまでも個人商店であり、【型録通販のシャーリィ】からの納品なくしては成立しません。
そして仕入れが可能なのは、現在は私と取次店であるヘスティア精霊王国の国王のみ。
ですから、人を雇ってどうこうできるほどの規模にはできないのですよ。
新しく誰かを雇ってその人に型録を預けることも可能ではありますけれど、私が信用できる人となると数が限られてしまいます。
「そうですか……それは残念です。まあ、大きな話はこの二点のみです。あとは謁見の準備ができ次第、みなさんを呼びに行かせますので控えの間でお待ちください」
「はい、ありがとうございます」
私のような平民にも丁寧で親切な態度をとっていただけるとは。
そう思って部屋を出て、侍女の案内で控えの間へと向かっていますと、クリムゾンさんが親指の爪を噛んでイライラしていますが。
「あの宰相は気に食わん。何か隠している」
「そう? あの人はいつもあの調子だし。この国にとって常に何が大切か、何を優先するべきかを理解している人だし。まあ、そのせいかキノっちには不評だし」
「キノっち……紀伊国屋さんですね。柚月さんはあちらに合流しなくて構わないのですか?」
「ん……ん~、まあ、あとでも構わないし」
そのまま控えの間へと移動し、あとは国王の許可が下りて謁見の間へと向かうだけ。
さて、初めてのことなのでドキドキしてきますよ。
「クリスっち、ドキドキしているし」
「当たり前ですよ。国王の謁見なんて、私のような一介の商人にとっては天にも昇る栄誉なのですよ」
「しかし、お嬢はパルフェロン王国、ガンバナニーワ王国、ヘスティア王国、そしてロシマカープ王国と、四つの王国の国王と謁見しているじゃろ。今更一つぐらい増えたところで、なにも変わりはせんと思うのじゃが」
「それとこれとは話が別で……あれ、別じゃないかも」
「うん、クリスっちはそろそろ、自分のことを振り返ってみるのもいいとおもうし。フェイール商店は勇者ご用達だけじゃなく、貴族たちがこぞって欲しがる商品を扱っているし、もう有名だし」
そ、そんなことは……あれ、あるのですか?
でも、それは全て【型録通販のシャーリィ】の力であって、私の力ではないと思うのですけれど。
そう考えると、私って何もできないのですよね。
ちょっと落ち込んできましたよ。
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