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第4章・北方諸国漫遊と、契約の精霊と
第172話・忘れていたわけではありません、うっかりです
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目の前に積まれた、大量の発注書。
これはボリマクール商会からの正式な依頼であり、数少ない『1人5品』ルールの例外的事項です。
まあ、ボリマクールさんの人柄もありますし、久しぶりに知り合いと再会できたということもあって、特別に許可しました。
それでも10品、1つにつき10個と限定はしていますけれど。
「……どう見ても、50品ぐらいあるし。まあ、この中から納品可能なものをこっちでピックアップするっていうルールで引き受けたから、問題がないとは思うし」
「あはは~。まあまあ、あの方は見かけはともかく、悪い方ではありませんからね。本当の悪人って、善人の仮面を被って近寄ってくるパターンか、問答無用で力ずくっていう人が多いですからね」
「まあ、それはそうと、そろそろ夕食の時間では無いのか? ワシとしても、久しぶりの外の世界じゃから、ゆっくりと晩酌を楽しみたいところじゃがなあ」
商業ギルド二階での商談、それは予想外にデットヒートしました。
お陰で話し合いが終わる頃には、夕方六つの鐘が鳴っていましたから。
そのあとは急いで宿を探したものの、超隊商の参加者の方々でほぼ宿は満員。
私たちはやむを得ず、街中にある公営停車場に馬車を移動させて、そこで一晩過ごすことにしました。
隣接している厨房付きの集会所を銀貨5枚で借りましたから、ここで食事を作ってゆっくりできますし。
大部屋になりますけれど、毛布を借りて一晩明かすこともできます……はい、私たちは場所の中でゆっくりしますとも、何かあったら大変ですからね。
自分の身は自分で守る、それがルールです。
そんなこんなで、私たちは集会所で夕食を作ることにしたのです。
まあ、幸いなことに食材は大量にありますし、柚月さんと2人で料理を作るというのも、楽しそうです。
「それで、食材は何があるし?」
「ふふん。それはですね、これをご覧ください。アイテムボックス、ストレージの『食材』を柚月さんと共有です」
──スッ
私の目の前に、食材というストレージに納めてある商品リストが生み出されます。
それを柚月さんに手渡しますと、上から下まで、穴が開くように見ているではあーりませんか……って、あれ、チャーリィ王子の口癖が移ったかも。
「なぁぁぁぁ!! こ、このリストって『日本全国美味いもの見聞録』の商品ばかりだし!! どうしてクリスっちが持っているし」
「え? 普通に型録に掲載されていますよ。内容は毎月変わりますが、このコーナーはレベルが上がった時に定番になったようですから。でも、私にはわからない商品ばかりなので、そのうちオーウェンに戻ったら作ってもらおうかなって買い置きしてあったのですよ」
その説明の最中、柚月さんが『エゾピリカ』なるお米を取り出して研ぎ、急ぎ炊き始めましたが。
「次は……シェフオススメの秋野菜スペシャルのキャベツを千切りにして水にさらして、おおお、高級食用油まであるし……そして!!」
次々と手際良く、料理の準備を始める柚月さん。
私も何かお手伝いをしなくては。
「クリスっちは、油の温度が上がったらこれを上げてくれると助かるし。あーしはその間に、スープを作るし」
「この袋の中身は……ん? ザンギってなんですか?」
「それは鶏肉に味付けしたものだし。一緒についている片栗粉を混ぜてから、焦げないように揚げるし」
「ほうほう。揚げ物なんて贅沢品ですよ? しかもこの油、普通に市販されているものよりも高価ですけど」
「美味しいものを食べるためには、手間暇惜しんじゃだめだし……」
そのまま柚月さんは味噌スープを作り始めましたよ。
先に野菜や肉を鍋で軽く炒めてから、水とか調味料をどんどん入れてガツガツと煮込みます。
そして主役の味噌が登場、ふむふむ、野菜とお肉の味噌スープですか。
「豚汁だし」
「え? 味噌スープではなく豚汁?」
「そ。ザンギも上がったようだし、お米も炊き上がったから……」
丼にご飯をよそい、そこにキャベツの千切りを薄く載せて。
さらに揚げたて熱々のザンギが盛り沢山。
横に豚汁を添えて、簡単な夕食の出来上がりです。
「……全く、簡単じゃ無いな。ワシはザンギと酒があれば良いぞ」
「いえいえ、豚汁もご飯も食べてくださいよ~」
「では、少しだけ食べるとするか」
三人分を用意して、残りは全てアイテムボックスへ。
そして集会場のテーブルに並べたら、手を合わせていただきます!!
──ゴクッ
「うん、さすがは北海道の郷土料理だし。味付けもしっかりしているから、ご飯によく合うし」
──ゴクッ
「このご飯も最高です。心なしか、ザンギによく合いますよ?」
──ゴクッ
「それよりもキャベツじゃ。あったかいご飯の上でしんなりしたところを、ザンギ、キャベツ、ご飯をまとめて口の中に放り込むと……うまい!!」
先ほどから、クリムっちさんは美味いの連発です。
そして冷たい酒をキュッと口の中へ放り込んでますよ。
「あ、そういえば。クリムっちは包丁の研ぎ直しはできるし?」
「包丁の直し?」
「あーしが使っているのは、そろそろ切れ味が下がってきたし」
そういえば、柚月さんは自前のナイフを使って料理をしていますよね。
私に言ってくれれば、包丁なら【型録通販のシャーリィ】にありますし、私が普段使っているのも型録通販で購入したものですよ?
確か、予備もあった筈です。
──ゴトッ
「柚月さん、この包丁を上げますから今度からはこれを使ってください」
「ん? これもシャーリィで買ったし?」
「はい。武具は扱っていませんけれど、包丁はありますから」
私が普段、試食用に食品やお菓子を切っているのは『猫の透かし』の入った包丁です。これでも三点セットで銀貨6枚もするのですから。
予備にもうひとセットありますので、それを柚月さんにお譲りしましょう。
「うわ、キッチンハサミとピーラーまで付いているし……って、どれもこれも猫の透かしいりだし」
「それが安かったので。高いものですと、一つで銀貨60枚ですからね」
「そ、それは高すぎるし……って、でも、職人用の包丁なら、一本が10万円越えるのは当たり前だし……あ、こっちの値段なら金貨一枚以上だし」
「あり得ませんよ、その値段は……冒険者さんが使うようなロングソードでも、銀貨30枚もあれば買えます。金貨一枚だなんて、まるで魔法の武器……」
そう呟いた時、ふと、私と柚月さん、クリムゾンさんの視線が『猫透かし入り万能包丁』に向きます。
そうです、【型録通販のシャーリィ】の商品です。
魔法が付与されている筈です。
恐る恐る、目の前の包丁を鑑定しますと。
『猫透かし入り万能包丁……強度強化、斬撃強化、指防護、魔力伝導率強化』
──ブハッ
お、思わず吹き出します。
柚月さんは慌てて周りを見渡してから、包丁をアイテムボックスに収納しますし、クリムゾンさんも鑑定したらしく、先程までの酔いが覚めたかのような顔をしていますよ。
「お、お嬢、あとで構わないから、【シャーリィの魔導書】の包丁に関する部分を教えて貰えるか? なにやら危険な香りがしてきたぞ」
「わかりました。恐らくですが、これは販売禁止商品になりそうです……」
「ちなみに、危険な香りはザンギ丼からも溢れているらしいし。周りの商人さんとかが、こっちを見ているし」
「あはは~。急いで食べて馬車に戻りましょう!!」
急ぎ食事を終えますと。
洗い物は馬車の中のキッチンで済ますことにして、急ぎ馬車に戻ります。
そして、馬車に戻ってクリムゾンさんの頼みであった包丁について、一通り説明していますと。
「……魔導鋼・ダマスカスの包丁……」
そう呟いて、クリムゾンさんが頭を抱えています。
「はい? 確かにダマスカス製って書いてありますけれど、この異世界のダマスカスが私たちの世界の伝承金属ダマスカスとは違うと思いますよ?」
「クリスっち、その魔導鋼ダマスカスって、あーしも知らないし」
「あ、簡単に説明しますね」
魔導鋼ダマスカスとは、私たちの世界のすべての金属が練り込まれ、ドワーフの『大地の炉』とハイエルフの『光の槌』により精錬される金属です。
かつての勇者の武具も、この魔導鋼ダマスカスにより作られたという言い伝えもありますけれど、聖剣などはオリハルコン製でありダマスカスでは無いというのが現在の一般論です。
だって、魔導鋼ダマスカスなんて、実在したという言い伝えはあっても実物は存在していませんから。
「……クリスっち、そのダマスカスの包丁を買ってみるし。ちょうど、ボリマクールさんの発注もあるのだから、ついでに購入して真偽を確かめないと……クリムっちが再起不能のままだし」
腕を組んで告げる柚月さん。
そしてチラリとクリムゾンさんを見ますと、天井を見て唸っています。
「あの、クリムゾンさんはドワーフではなくはタイタン族ですよね? 魔導鋼ダマスカスに何か思い入れとかあるのですか?」
「……タイタン族には、魔導鋼ダマスカスの製法が伝えられていた。そして王が持つ剣は、その魔導鋼ダマスカスでできている……まあ、タイタン族はかつての魔王の侵攻により滅ぼされ、王剣も奪われたと伝えられているからのう」
予想外の話に、私たちは言葉に詰まります。
世界に唯一存在する、ダマスカスの王剣。
それを探し出し、取り戻すことこそ残されたタイタン族の悲願だそうで。
「お嬢、ワシからも頼む。ダマスカスの包丁を買って欲しい。真偽を確認したい」
「わかりました。では追加で注文しておきます」
あとはボリマクールさんの発注書を仕上げてしまい、明日の朝には納品されるように注文を完了します。
さて、真実は一つなのか!!
これはボリマクール商会からの正式な依頼であり、数少ない『1人5品』ルールの例外的事項です。
まあ、ボリマクールさんの人柄もありますし、久しぶりに知り合いと再会できたということもあって、特別に許可しました。
それでも10品、1つにつき10個と限定はしていますけれど。
「……どう見ても、50品ぐらいあるし。まあ、この中から納品可能なものをこっちでピックアップするっていうルールで引き受けたから、問題がないとは思うし」
「あはは~。まあまあ、あの方は見かけはともかく、悪い方ではありませんからね。本当の悪人って、善人の仮面を被って近寄ってくるパターンか、問答無用で力ずくっていう人が多いですからね」
「まあ、それはそうと、そろそろ夕食の時間では無いのか? ワシとしても、久しぶりの外の世界じゃから、ゆっくりと晩酌を楽しみたいところじゃがなあ」
商業ギルド二階での商談、それは予想外にデットヒートしました。
お陰で話し合いが終わる頃には、夕方六つの鐘が鳴っていましたから。
そのあとは急いで宿を探したものの、超隊商の参加者の方々でほぼ宿は満員。
私たちはやむを得ず、街中にある公営停車場に馬車を移動させて、そこで一晩過ごすことにしました。
隣接している厨房付きの集会所を銀貨5枚で借りましたから、ここで食事を作ってゆっくりできますし。
大部屋になりますけれど、毛布を借りて一晩明かすこともできます……はい、私たちは場所の中でゆっくりしますとも、何かあったら大変ですからね。
自分の身は自分で守る、それがルールです。
そんなこんなで、私たちは集会所で夕食を作ることにしたのです。
まあ、幸いなことに食材は大量にありますし、柚月さんと2人で料理を作るというのも、楽しそうです。
「それで、食材は何があるし?」
「ふふん。それはですね、これをご覧ください。アイテムボックス、ストレージの『食材』を柚月さんと共有です」
──スッ
私の目の前に、食材というストレージに納めてある商品リストが生み出されます。
それを柚月さんに手渡しますと、上から下まで、穴が開くように見ているではあーりませんか……って、あれ、チャーリィ王子の口癖が移ったかも。
「なぁぁぁぁ!! こ、このリストって『日本全国美味いもの見聞録』の商品ばかりだし!! どうしてクリスっちが持っているし」
「え? 普通に型録に掲載されていますよ。内容は毎月変わりますが、このコーナーはレベルが上がった時に定番になったようですから。でも、私にはわからない商品ばかりなので、そのうちオーウェンに戻ったら作ってもらおうかなって買い置きしてあったのですよ」
その説明の最中、柚月さんが『エゾピリカ』なるお米を取り出して研ぎ、急ぎ炊き始めましたが。
「次は……シェフオススメの秋野菜スペシャルのキャベツを千切りにして水にさらして、おおお、高級食用油まであるし……そして!!」
次々と手際良く、料理の準備を始める柚月さん。
私も何かお手伝いをしなくては。
「クリスっちは、油の温度が上がったらこれを上げてくれると助かるし。あーしはその間に、スープを作るし」
「この袋の中身は……ん? ザンギってなんですか?」
「それは鶏肉に味付けしたものだし。一緒についている片栗粉を混ぜてから、焦げないように揚げるし」
「ほうほう。揚げ物なんて贅沢品ですよ? しかもこの油、普通に市販されているものよりも高価ですけど」
「美味しいものを食べるためには、手間暇惜しんじゃだめだし……」
そのまま柚月さんは味噌スープを作り始めましたよ。
先に野菜や肉を鍋で軽く炒めてから、水とか調味料をどんどん入れてガツガツと煮込みます。
そして主役の味噌が登場、ふむふむ、野菜とお肉の味噌スープですか。
「豚汁だし」
「え? 味噌スープではなく豚汁?」
「そ。ザンギも上がったようだし、お米も炊き上がったから……」
丼にご飯をよそい、そこにキャベツの千切りを薄く載せて。
さらに揚げたて熱々のザンギが盛り沢山。
横に豚汁を添えて、簡単な夕食の出来上がりです。
「……全く、簡単じゃ無いな。ワシはザンギと酒があれば良いぞ」
「いえいえ、豚汁もご飯も食べてくださいよ~」
「では、少しだけ食べるとするか」
三人分を用意して、残りは全てアイテムボックスへ。
そして集会場のテーブルに並べたら、手を合わせていただきます!!
──ゴクッ
「うん、さすがは北海道の郷土料理だし。味付けもしっかりしているから、ご飯によく合うし」
──ゴクッ
「このご飯も最高です。心なしか、ザンギによく合いますよ?」
──ゴクッ
「それよりもキャベツじゃ。あったかいご飯の上でしんなりしたところを、ザンギ、キャベツ、ご飯をまとめて口の中に放り込むと……うまい!!」
先ほどから、クリムっちさんは美味いの連発です。
そして冷たい酒をキュッと口の中へ放り込んでますよ。
「あ、そういえば。クリムっちは包丁の研ぎ直しはできるし?」
「包丁の直し?」
「あーしが使っているのは、そろそろ切れ味が下がってきたし」
そういえば、柚月さんは自前のナイフを使って料理をしていますよね。
私に言ってくれれば、包丁なら【型録通販のシャーリィ】にありますし、私が普段使っているのも型録通販で購入したものですよ?
確か、予備もあった筈です。
──ゴトッ
「柚月さん、この包丁を上げますから今度からはこれを使ってください」
「ん? これもシャーリィで買ったし?」
「はい。武具は扱っていませんけれど、包丁はありますから」
私が普段、試食用に食品やお菓子を切っているのは『猫の透かし』の入った包丁です。これでも三点セットで銀貨6枚もするのですから。
予備にもうひとセットありますので、それを柚月さんにお譲りしましょう。
「うわ、キッチンハサミとピーラーまで付いているし……って、どれもこれも猫の透かしいりだし」
「それが安かったので。高いものですと、一つで銀貨60枚ですからね」
「そ、それは高すぎるし……って、でも、職人用の包丁なら、一本が10万円越えるのは当たり前だし……あ、こっちの値段なら金貨一枚以上だし」
「あり得ませんよ、その値段は……冒険者さんが使うようなロングソードでも、銀貨30枚もあれば買えます。金貨一枚だなんて、まるで魔法の武器……」
そう呟いた時、ふと、私と柚月さん、クリムゾンさんの視線が『猫透かし入り万能包丁』に向きます。
そうです、【型録通販のシャーリィ】の商品です。
魔法が付与されている筈です。
恐る恐る、目の前の包丁を鑑定しますと。
『猫透かし入り万能包丁……強度強化、斬撃強化、指防護、魔力伝導率強化』
──ブハッ
お、思わず吹き出します。
柚月さんは慌てて周りを見渡してから、包丁をアイテムボックスに収納しますし、クリムゾンさんも鑑定したらしく、先程までの酔いが覚めたかのような顔をしていますよ。
「お、お嬢、あとで構わないから、【シャーリィの魔導書】の包丁に関する部分を教えて貰えるか? なにやら危険な香りがしてきたぞ」
「わかりました。恐らくですが、これは販売禁止商品になりそうです……」
「ちなみに、危険な香りはザンギ丼からも溢れているらしいし。周りの商人さんとかが、こっちを見ているし」
「あはは~。急いで食べて馬車に戻りましょう!!」
急ぎ食事を終えますと。
洗い物は馬車の中のキッチンで済ますことにして、急ぎ馬車に戻ります。
そして、馬車に戻ってクリムゾンさんの頼みであった包丁について、一通り説明していますと。
「……魔導鋼・ダマスカスの包丁……」
そう呟いて、クリムゾンさんが頭を抱えています。
「はい? 確かにダマスカス製って書いてありますけれど、この異世界のダマスカスが私たちの世界の伝承金属ダマスカスとは違うと思いますよ?」
「クリスっち、その魔導鋼ダマスカスって、あーしも知らないし」
「あ、簡単に説明しますね」
魔導鋼ダマスカスとは、私たちの世界のすべての金属が練り込まれ、ドワーフの『大地の炉』とハイエルフの『光の槌』により精錬される金属です。
かつての勇者の武具も、この魔導鋼ダマスカスにより作られたという言い伝えもありますけれど、聖剣などはオリハルコン製でありダマスカスでは無いというのが現在の一般論です。
だって、魔導鋼ダマスカスなんて、実在したという言い伝えはあっても実物は存在していませんから。
「……クリスっち、そのダマスカスの包丁を買ってみるし。ちょうど、ボリマクールさんの発注もあるのだから、ついでに購入して真偽を確かめないと……クリムっちが再起不能のままだし」
腕を組んで告げる柚月さん。
そしてチラリとクリムゾンさんを見ますと、天井を見て唸っています。
「あの、クリムゾンさんはドワーフではなくはタイタン族ですよね? 魔導鋼ダマスカスに何か思い入れとかあるのですか?」
「……タイタン族には、魔導鋼ダマスカスの製法が伝えられていた。そして王が持つ剣は、その魔導鋼ダマスカスでできている……まあ、タイタン族はかつての魔王の侵攻により滅ぼされ、王剣も奪われたと伝えられているからのう」
予想外の話に、私たちは言葉に詰まります。
世界に唯一存在する、ダマスカスの王剣。
それを探し出し、取り戻すことこそ残されたタイタン族の悲願だそうで。
「お嬢、ワシからも頼む。ダマスカスの包丁を買って欲しい。真偽を確認したい」
「わかりました。では追加で注文しておきます」
あとはボリマクールさんの発注書を仕上げてしまい、明日の朝には納品されるように注文を完了します。
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