111 / 278
第4章・北方諸国漫遊と、契約の精霊と
第163話・雪降る街道、埋まる馬車……
しおりを挟む
ガラガラガラガラ
のんびりと街道を進む私たち。
流石にエセリアルモードを使わないでの移動となりますと、目的地であるヤジーマ連合王国までは40日の長旅となってしまいます。
流石に国を跨いでの移動となりますと、一般の市民や街に定住する職人さんたちは滅多なことでは行いません。
それこそ戦争により国を追われたとか、魔族の侵攻で国が滅ぶとか、そのレベルでない限りは、生まれ育った国を出ることなど普通はありません。
ですが、これが商人となりますと状況はガラリと変わります。
一つの街で店を構える商店ならいざ知らず、大手商会は商品の買い付けや特産品の販売などで国外へ向かうこともあります。
当然ながら、長旅になりますから護衛の冒険者さんや食糧関係の調達も念入りに行いますので、結果として10台以上の馬車による隊商が組まれます。
さらに、この隊商がいくつも連なる超隊商というものもごく稀にありまして。
大抵の場合、超隊商は王家などの国家規模のものが大半であり、一度動くとなりますとそれこそ小さな村や町レベルの人々が連なって移動することもあるそうで。
当然ながら、速度はかなりゆっくりになり、街道筋での野営など当たり前。
それこそ、『街を出る時に見た超隊商に、帰り道ですれ違う』なんていう滑稽話もあるぐらいです。
「あ~、クリスっち、そろそろ現実を見るし」
「はぁ、そうですよね。現実は兎角、残酷なものです」
馬車が止まって三日目。
私たちの馬車の前には、超隊商が連なっています。
道幅的には二台分の広さがあるものの、『上りの馬車』が走ってくることもあるため空けておかなければならないそうです。
ちなみにこの『上り』という言葉は、ガンバナニーワ王国へ向かう道が全て『上りの道』と呼ばれているからだそうで。
つまり私たちは、『下りの馬車』になるそうです。
「……あら、動きましたわ」
現在、御者台には誰も乗っていません。
エセリアルホースさんにお任せして、前の馬車との一定距離を空けて走ってもらうようにしています。
「ふぅ、ようやく動きましたか。これでどれだけ進んでくれることやら」
「あはは~。暇つぶしに遊ぶ? 良いものがあるし」
ガサガサと柚月さんがアイテムボックスから取り出したのは、少し大きめの箱。大体縦横30センチのボードで、綺麗なまず目に分かれています。
そして丸い形の駒、これは裏表が白黒と二色に塗られていましたよ。
ふふん、私はこれを知っています。
「あ、レバルシーですね。王都の実家では、たまに遊んでいたことがありますよ?」
「レバルシー? へぇ、リバーシってこっちの世界では、そういう呼び方なんだ?」
「異世界から渡ってきたものだそうで。勇者語録ではなく、勇者様自身が残した【ルールブック】というものが存在しましたから、市民に広く知られるのは早かったそうですから」
ええ、一時期は大会も繰り広げられていたそうで。
しかも、一部では『闇レバルシー』なる賭け勝負が流行っていたらしく、一つの勝負で金貨が100枚以上動くこともあったとか。
あまりにも領主がのめり過ぎてしまい、爵位剥奪までされた貴族もいたそうですよ。
「それじゃあ始めるし」
「はい。私は強いですよ!! グラントリ兄様相手でも、一度も負けたことはありませんから」
「へぇ、それじゃあ勝負だし」
………
……
…
「あ、ありました。【シャーリィの魔導書】にも、リバーシは掲載されていますよ? 他にも色々なゲームが売っているのですね。娯楽については後回しにしていたもので、これは予想外でしたよ」
何度かの勝負ののち、私たちはお昼ご飯を食べることにしました。
柚月さんが、型録通販にゲームはある? と尋ねていたので急ぎ調べているのですよ。
すると出てくる出てくるゲームの山。
異世界とは、娯楽が充実しているのですね。
え、レバルシーの勝負結果ですか?
聞かないでください。
「……あ~、ノワっちの強さは反則級だし!!」
「ふふふ。柚月さんもなかなかの腕前でしたわ。また今度、別のゲームで対戦しましょう」
「了解したし」
はいはい。
私は最下位でしたよ。
それも、無勝でしたよ。
はぁ~、自信があったのに、悔しいです!!
──ガタン
あ、また馬車が止まりましたか。
窓を開いて外を見ますと、あたり一面が銀世界です。
街道も雪に覆われ道が見えなくなっているじゃありませんか。
これでは、普通の馬車なんてまともに走れるはずがありません。
──ガヤガヤガヤガヤ
「んんん? 外が騒がしくなっているし」
「本当です。何かあったのでしょうか?」
扉を開けて外に出ます。
寒いから馬車に戻り、アイテムボックスから防寒用衣類を取り出して着込み、長靴もしっかりと装着。
綿羊の帽子と手袋もよし、これで準備オッケーです。
改めて外に出ますと、かなり前の方で騒動があったようで。
「なんでしょうか?」
「私が見てきましょうか?」
「いや、あーしとクリスっちで見てくるから、ノワっちは馬車で留守番しているし」
そうですね。
ここはノワールさんに馬車をお任せしましょう。
さて、何があったのやらと歩いていますと、あちこちの馬車からも人が出てきて話をしています。
ここから戻るか? とか
あれをどうにかできる冒険者はいないか? とか
あと二日で辿り着かないと間に合わない とか。
まあ、何かあったのでしょうと前に向かって進んでいますと。
──ガヤガヤガヤガヤ
街道を封鎖するように、巨大な物体があります。
はい、物体というと語弊があるので言い直します。
亀です。
それも、体長が40メートルを越えるキガントトータス、しかも亜種のフォートレスですよ。
ギガントトータスは大型の穏やかな魔物でして、動きが鈍くゆっくりとしか動けません。ですが亜種のフォートレス種は戦争などにも用いられるぐらいの好戦的な種であり。その硬質な背中の甲羅は聳え立つ壁のように変形していて、堅牢な要塞のようにも見えます。
大抵は10メートル級なのですが、これははあまりにも異質。
「おい!! 冒険者はすぐにこいつを除去しろ!」
「無茶を言うな、フォートレスタートルなんて勝てるはずがないだろうが。迂闊に怒らせても見ろ、このあたり一体の生き物は殲滅されるぞ。こいつらは大食漢で肉食だからな」
「うう……かといって、横道になど行けるはずもない。この深い森では、馬車が抜けられるほどの道はないし……」
はい、お困りのようですから、馬車に戻りましょう。
いくら私が商人でも、ギガントトータス相手に商売なんて無理ですから。
「はぁ~。ハーバリオスでは、小さい奴なら見たことがあるけど、ここまで大きいのは初めてだし。流石にあーしの魔法でも、あれをどうにかできる自信はないし」
「なるほど。では、一旦馬車に戻り、今後の対策を考えることにしましょう。最悪の場合、エセリアルモードで抜けていくと言う方法を取るしかありません」
「同意だし」
そのまま場所まで移動して、今後のことを考えることにしましょう。
今回は相手が悪過ぎます。
のんびりと街道を進む私たち。
流石にエセリアルモードを使わないでの移動となりますと、目的地であるヤジーマ連合王国までは40日の長旅となってしまいます。
流石に国を跨いでの移動となりますと、一般の市民や街に定住する職人さんたちは滅多なことでは行いません。
それこそ戦争により国を追われたとか、魔族の侵攻で国が滅ぶとか、そのレベルでない限りは、生まれ育った国を出ることなど普通はありません。
ですが、これが商人となりますと状況はガラリと変わります。
一つの街で店を構える商店ならいざ知らず、大手商会は商品の買い付けや特産品の販売などで国外へ向かうこともあります。
当然ながら、長旅になりますから護衛の冒険者さんや食糧関係の調達も念入りに行いますので、結果として10台以上の馬車による隊商が組まれます。
さらに、この隊商がいくつも連なる超隊商というものもごく稀にありまして。
大抵の場合、超隊商は王家などの国家規模のものが大半であり、一度動くとなりますとそれこそ小さな村や町レベルの人々が連なって移動することもあるそうで。
当然ながら、速度はかなりゆっくりになり、街道筋での野営など当たり前。
それこそ、『街を出る時に見た超隊商に、帰り道ですれ違う』なんていう滑稽話もあるぐらいです。
「あ~、クリスっち、そろそろ現実を見るし」
「はぁ、そうですよね。現実は兎角、残酷なものです」
馬車が止まって三日目。
私たちの馬車の前には、超隊商が連なっています。
道幅的には二台分の広さがあるものの、『上りの馬車』が走ってくることもあるため空けておかなければならないそうです。
ちなみにこの『上り』という言葉は、ガンバナニーワ王国へ向かう道が全て『上りの道』と呼ばれているからだそうで。
つまり私たちは、『下りの馬車』になるそうです。
「……あら、動きましたわ」
現在、御者台には誰も乗っていません。
エセリアルホースさんにお任せして、前の馬車との一定距離を空けて走ってもらうようにしています。
「ふぅ、ようやく動きましたか。これでどれだけ進んでくれることやら」
「あはは~。暇つぶしに遊ぶ? 良いものがあるし」
ガサガサと柚月さんがアイテムボックスから取り出したのは、少し大きめの箱。大体縦横30センチのボードで、綺麗なまず目に分かれています。
そして丸い形の駒、これは裏表が白黒と二色に塗られていましたよ。
ふふん、私はこれを知っています。
「あ、レバルシーですね。王都の実家では、たまに遊んでいたことがありますよ?」
「レバルシー? へぇ、リバーシってこっちの世界では、そういう呼び方なんだ?」
「異世界から渡ってきたものだそうで。勇者語録ではなく、勇者様自身が残した【ルールブック】というものが存在しましたから、市民に広く知られるのは早かったそうですから」
ええ、一時期は大会も繰り広げられていたそうで。
しかも、一部では『闇レバルシー』なる賭け勝負が流行っていたらしく、一つの勝負で金貨が100枚以上動くこともあったとか。
あまりにも領主がのめり過ぎてしまい、爵位剥奪までされた貴族もいたそうですよ。
「それじゃあ始めるし」
「はい。私は強いですよ!! グラントリ兄様相手でも、一度も負けたことはありませんから」
「へぇ、それじゃあ勝負だし」
………
……
…
「あ、ありました。【シャーリィの魔導書】にも、リバーシは掲載されていますよ? 他にも色々なゲームが売っているのですね。娯楽については後回しにしていたもので、これは予想外でしたよ」
何度かの勝負ののち、私たちはお昼ご飯を食べることにしました。
柚月さんが、型録通販にゲームはある? と尋ねていたので急ぎ調べているのですよ。
すると出てくる出てくるゲームの山。
異世界とは、娯楽が充実しているのですね。
え、レバルシーの勝負結果ですか?
聞かないでください。
「……あ~、ノワっちの強さは反則級だし!!」
「ふふふ。柚月さんもなかなかの腕前でしたわ。また今度、別のゲームで対戦しましょう」
「了解したし」
はいはい。
私は最下位でしたよ。
それも、無勝でしたよ。
はぁ~、自信があったのに、悔しいです!!
──ガタン
あ、また馬車が止まりましたか。
窓を開いて外を見ますと、あたり一面が銀世界です。
街道も雪に覆われ道が見えなくなっているじゃありませんか。
これでは、普通の馬車なんてまともに走れるはずがありません。
──ガヤガヤガヤガヤ
「んんん? 外が騒がしくなっているし」
「本当です。何かあったのでしょうか?」
扉を開けて外に出ます。
寒いから馬車に戻り、アイテムボックスから防寒用衣類を取り出して着込み、長靴もしっかりと装着。
綿羊の帽子と手袋もよし、これで準備オッケーです。
改めて外に出ますと、かなり前の方で騒動があったようで。
「なんでしょうか?」
「私が見てきましょうか?」
「いや、あーしとクリスっちで見てくるから、ノワっちは馬車で留守番しているし」
そうですね。
ここはノワールさんに馬車をお任せしましょう。
さて、何があったのやらと歩いていますと、あちこちの馬車からも人が出てきて話をしています。
ここから戻るか? とか
あれをどうにかできる冒険者はいないか? とか
あと二日で辿り着かないと間に合わない とか。
まあ、何かあったのでしょうと前に向かって進んでいますと。
──ガヤガヤガヤガヤ
街道を封鎖するように、巨大な物体があります。
はい、物体というと語弊があるので言い直します。
亀です。
それも、体長が40メートルを越えるキガントトータス、しかも亜種のフォートレスですよ。
ギガントトータスは大型の穏やかな魔物でして、動きが鈍くゆっくりとしか動けません。ですが亜種のフォートレス種は戦争などにも用いられるぐらいの好戦的な種であり。その硬質な背中の甲羅は聳え立つ壁のように変形していて、堅牢な要塞のようにも見えます。
大抵は10メートル級なのですが、これははあまりにも異質。
「おい!! 冒険者はすぐにこいつを除去しろ!」
「無茶を言うな、フォートレスタートルなんて勝てるはずがないだろうが。迂闊に怒らせても見ろ、このあたり一体の生き物は殲滅されるぞ。こいつらは大食漢で肉食だからな」
「うう……かといって、横道になど行けるはずもない。この深い森では、馬車が抜けられるほどの道はないし……」
はい、お困りのようですから、馬車に戻りましょう。
いくら私が商人でも、ギガントトータス相手に商売なんて無理ですから。
「はぁ~。ハーバリオスでは、小さい奴なら見たことがあるけど、ここまで大きいのは初めてだし。流石にあーしの魔法でも、あれをどうにかできる自信はないし」
「なるほど。では、一旦馬車に戻り、今後の対策を考えることにしましょう。最悪の場合、エセリアルモードで抜けていくと言う方法を取るしかありません」
「同意だし」
そのまま場所まで移動して、今後のことを考えることにしましょう。
今回は相手が悪過ぎます。
14
お気に入りに追加
5,321
あなたにおすすめの小説
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
実は家事万能な伯爵令嬢、婚約破棄されても全く問題ありません ~追放された先で洗濯した男は、伝説の天使様でした~
空色蜻蛉
恋愛
「令嬢であるお前は、身の周りのことは従者なしに何もできまい」
氷薔薇姫の異名で知られるネーヴェは、王子に婚約破棄され、辺境の地モンタルチーノに追放された。
「私が何も出来ない箱入り娘だと、勘違いしているのね。私から見れば、聖女様の方がよっぽど箱入りだけど」
ネーヴェは自分で屋敷を掃除したり美味しい料理を作ったり、自由な生活を満喫する。
成り行きで、葡萄畑作りで泥だらけになっている男と仲良くなるが、実は彼の正体は伝説の・・であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。