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第3章・神と精霊と、契約者と
第135話・ギルドマスターですから!!
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港町サライ・裁縫ギルド。
その裏手にある縫製作業所には、この町だけでなく近隣の町村から集められた職人で溢れかえっている。
毎年恒例、年末の『貴族の嗜み』。
そのために新着衣装を大量に用意し、それを身につけて貴族たちは新年を変える。そして一年経った衣類は中古品として市場に出回り、多くの人々の手に流れていく。
何十年と続いた伝統であるため、この時期には裁縫スキルを持つものやスキルなしでも技術を身につけたものたちが各領地の裁縫ギルドに雇われ、それこそ練る間も惜しんで裁縫作業を続ける。
「さあ、今の作業が終わったら、そのあとの商品については全て、この素材にすぐ切り替えます。メリメリ羊の素材は布問屋が引き取りにきますから、余ったものは全て倉庫へ移して頂戴!!」
裁縫ギルド統括のトゥーレが、手を叩いて作業員の視線を集めてから説明する。
このタイミングで素材が変わったとしても、やることはそれほど変わらない。
それに、トゥーレが持ってきた素材を見て、職人たちは目をキラキラと輝かせている。
使ったことのない新素材
噂に聞いた綿羊の綿毛から紡がれた糸
これから作られる衣装は、果たしてどのような手触りになるのか。
そう考えるだけで、あと二日は徹夜できそう。
そんなヘビーな職人たちもいれば、興味はあるもののやることは変わらないし賃金も同じと冷静な職人もいる。
「それじゃあ。あとは各班の責任者から説明を聞いて頂戴!! はい、作業再開!!」
それだけを告げて、トゥーレは隣の倉庫へと向かう。
すでに仕上がっている『メリメリ羊』の布で仕立てられた衣服が山のように積まれている。
「……これを市場に流すとして……原価率を考えると、赤字にならないギリギリで攻めないと……その後に、さらに質のいい綿羊の衣類が出回るから……」
手にした算盤で数字を弾き出し、一つ一つの衣類の山に値付けをする。
さらにそれを荷馬車に積み込ませると、アイテムボックス持ち商人にも追加で持たせ、近隣の街へと走らせる。
領地持ち貴族ではなく、領地を持たない騎士爵や凖貴族斗呼ばれる富豪相手に、先に彼らを売り尽くさなくてはならない。
恐らく明日明後日には、綿羊のベルベットで作られる衣服が発送される。
そうなると、メリメリ羊の衣服など誰も見向きしなくなる可能性が高い。
「はぁ……誰よ、この、タイミングで買い占めて年末に売ったら儲かるなんて話をしていたのは……」
ため息しか出てこない。
だが、送り出した荷物はそれほど多くはない。
この残りの在庫をどうしたものかと、トゥーレが頭を悩ませていた時。
「ギルドマスター、お客様がいらっしゃいましたが」
「お客? 今日は予定が入っていたかしら?」
「いえ。カマンベール王国の商人が、サライの裁縫ギルドで販売しているメリメリ羊の衣類、それを購入したいとの事ですけど……」
渡に船!!
これはまさかのヒットエンドラン!!
そう、勇者語録にあった窮地を脱する時の言葉。
だが、慌ててはいけない、まだそんなタイミングではないと落ち着いて見せるトゥーレは、ゴホンと咳払いをしたのち、商人を応接間へと通しておくように伝えた。
………
……
…
「……」
数時間後。
空になった倉庫を見て、トゥーレは満面の笑みを浮かべている。
「カマンベール王国では、あまり牧羊が行われていないなんて……初めて知ったわよ」
メリメリ羊の衣類は、ハーバリオスではごく当たり前に売られている少し高級な素材。だが、それがカマンベール王国へとなると、実は桁が一つ違うほどに高級品。
今年はメリメリ羊の素材が激減しているため、仕入れに来た商人たちも手ぶらで買えるわけにはいかず。別の商品を仕入れて帰っているというのを聞いて、カマンベール王国のジュピトリア商会とアクシア商会の責任者は自らサライまでやってきて、一か八かの取り引きを頼み込んだという。
その結果、サライ近郊の街に卸すよりも二割ほど高く、しかも在庫全てが売れたのである。
「あはは~!! なんとか黒字よ、あとは綿羊で大儲けよ、トゥーレちゃん大勝利!!」
などど無人の執務室ではしゃいでいるトゥーレ。
フェイール商店から購入した綿毛の支払いを除いても、十分な利益をはじき出すことができたのである。
「しかも、アクシア商会からは定期的な納品契約も取れたし、サライ裁縫ギルドの未来は明るいわよ!!」
高らかに笑うトゥーレ。
だが、すぐに落ち着きを取り戻そうとしてから、業務に戻ることにした。
いつまでも笑っている場合ではなく、今も職人たちは汗を流して働いているのである。
それならば、自分なりに職人のために何かをしてあげようかと考えていた。
◯ ◯ ◯ ◯ ◯
ガンバナニーワ王国から購入した綿毛を納品した翌日。
私はいつも通りに、露店を開いてのんびりと接客作業中。
年明けの商品の納品も夕方から始まりますし、午前中は柚月さんがマキさんとケイトさんを連れて福袋の製作を手伝ってくれています。
「異国風のドレスがあると聞いてきましたけど?」
「誠に申し訳ありません。今は在庫が切れていまして、年明けまでは納品されないのですよ」
「あら~、どうしましょう」
見た感じでは貴族の奥方さんですね。
実は、昨日綿毛を納品してから、フェイール商店は年明けまで衣類の販売を停止しました。
せっかく仕入れてきた綿毛、それから作られるベルベットを用いた最高級品衣類が裁縫ギルドから販売されますので、それを邪魔してはいけません。
そもそも私が仕入れてきたのですから、ここは責任ある行動をしなくてはなりませんよね。
「確か、裁縫ギルドにあのガンバナニーワの綿羊の綿毛が納品されたとか。そちらを当たってみては如何がですか?」
「あら~って、え? ガンバナニーワの綿毛? あの王妃様のドレスの素材の?」
「そ、そうなのですか?」
「こうしちゃいられないわ!! 急いで裁縫ギルドに向かわないと……良い情報をありがとうね」
ニッコリと笑う奥方さま。
はい、今の話を聞きつけた他のお客さんの一部が走り出しましたけど。
「おねーちゃん、飴をください!!」
「はいはい、どれがいいかなぁ~」
いくつかの飴を取り出して、そのかけらを少しだけ手渡します。
するとそれを口の中に放り込んで、コロコロと転がしています。
「んー、蜂蜜のやつがいい」
「はい、幾つ必要かな?」
「二つください」
あらかじめ小さなツボに入れ替えた蜂蜜とジンセンという薬草の飴を二壺取り出して手渡します。
それを買い物かごに入れて子供が走っていくのを見ると、なんだか嬉しくなりますよね。
「フェイールさん。ちょっと宜しいかしら?」
「あら、これはトゥーレさん。昨日はありがとうございました」
裁縫ギルドのトゥーレさんがやって来ました。
昨日はかなり難しそうな顔でしたけど、今日は凄くいい笑顔です。
「ちょっと教えて欲しいのですけど、フェイール商店では手に塗る軟膏とかは売ってます? ほら、錬金術ギルドで売ってあるような、肌荒れに効くやつ。少し多めに欲しかったのですけれど、諸島連合の船乗りたちがお土産にって買い占めちゃったらしくてね」
「はあ、それはまた、大変でしたね」
手に塗る軟膏、ありますよ。
以前、ラボリュート辺境伯の温泉街で販売しようとしたもので、シャンプーとかと一緒に仕入れたもので在庫がまだ残っています。
確かに錬金術ギルドにも似たものはありましたし、そちらの方が安いので売れ残っていました。
「手荒れと肌の保護に使うものなら、こちらがおすすめです。この壺一つで銀貨2枚ですけど」
「100個、あるかしら?」
「誠に申し訳ありません。当店では、おひとり様五つまでと決まっておりまして」
これはルールですけど。
でも、トゥーレさんが腕を組んで考えています。
「そうなの……どうしましょう」
「何か事情がおありのようですけど、よろしければ教えて貰えますか? それによってはお売りできますけど?」
「いえ、そんな複雑な事情もないのよ。ほら、うちのギルドの裏の作業所、そこで縫製作業をしている人たちに分けてあげようかなと思ってね。この仕事って手荒れが酷くなると辛くなるから」
あ~。
その原因を作ったのも、私でしょうね。
もっと早く、食べ歩きしないで帰って来て納品していれば、そこまで無理させなかったかもしれません。
これは罪悪感です。
「わかりました!! さすがに100個もありませんけど、在庫分の65個をお売りします!!」
「え、構わないの?」
「はい。職人さんの手が荒れる原因も、私が購入して納品した綿羊の綿毛が原因ですよね? それならば売らないという選択肢はありません」
「そ、そう、そうね、じゃあお願いしようかしら」
はい、この【型録通販のシャーリィ】限定、オーガニックハンドクリーム『アマハラ』、在庫全て販売です。
ご年配の方の目の横のシワや鼻の横のラインも、これを塗って浸透させるだけですぐに消えます。若々しい肌を取り戻す、その説明通りです!!
そしてホクホク顔で帰っていくトゥーレさん。
私も在庫がなくなって安心ですよ。
「全く……人がいいと言うか、疑うことを知らんと言うか……まあ、それもお嬢じゃからなぁ」
「え、クリムゾンさん、何かあったのですか?」
「いや、何もないが……ほら、そろそろ昼じゃから柚月殿たちも戻って来たぞ」
「あーし、作業終わったし!!」
「店長、無事に完了です」
「福袋全て完成しましたわ。これでようやく、倉庫作業から解放されましたわ」
「はい、ありがとうございます。それじゃあ、こちらもいい感じですので、お昼休みにしましょうか」
このあとも露店をひらいて、夕方便の納品作業。
年末はやる事が多すぎて大変です。
その裏手にある縫製作業所には、この町だけでなく近隣の町村から集められた職人で溢れかえっている。
毎年恒例、年末の『貴族の嗜み』。
そのために新着衣装を大量に用意し、それを身につけて貴族たちは新年を変える。そして一年経った衣類は中古品として市場に出回り、多くの人々の手に流れていく。
何十年と続いた伝統であるため、この時期には裁縫スキルを持つものやスキルなしでも技術を身につけたものたちが各領地の裁縫ギルドに雇われ、それこそ練る間も惜しんで裁縫作業を続ける。
「さあ、今の作業が終わったら、そのあとの商品については全て、この素材にすぐ切り替えます。メリメリ羊の素材は布問屋が引き取りにきますから、余ったものは全て倉庫へ移して頂戴!!」
裁縫ギルド統括のトゥーレが、手を叩いて作業員の視線を集めてから説明する。
このタイミングで素材が変わったとしても、やることはそれほど変わらない。
それに、トゥーレが持ってきた素材を見て、職人たちは目をキラキラと輝かせている。
使ったことのない新素材
噂に聞いた綿羊の綿毛から紡がれた糸
これから作られる衣装は、果たしてどのような手触りになるのか。
そう考えるだけで、あと二日は徹夜できそう。
そんなヘビーな職人たちもいれば、興味はあるもののやることは変わらないし賃金も同じと冷静な職人もいる。
「それじゃあ。あとは各班の責任者から説明を聞いて頂戴!! はい、作業再開!!」
それだけを告げて、トゥーレは隣の倉庫へと向かう。
すでに仕上がっている『メリメリ羊』の布で仕立てられた衣服が山のように積まれている。
「……これを市場に流すとして……原価率を考えると、赤字にならないギリギリで攻めないと……その後に、さらに質のいい綿羊の衣類が出回るから……」
手にした算盤で数字を弾き出し、一つ一つの衣類の山に値付けをする。
さらにそれを荷馬車に積み込ませると、アイテムボックス持ち商人にも追加で持たせ、近隣の街へと走らせる。
領地持ち貴族ではなく、領地を持たない騎士爵や凖貴族斗呼ばれる富豪相手に、先に彼らを売り尽くさなくてはならない。
恐らく明日明後日には、綿羊のベルベットで作られる衣服が発送される。
そうなると、メリメリ羊の衣服など誰も見向きしなくなる可能性が高い。
「はぁ……誰よ、この、タイミングで買い占めて年末に売ったら儲かるなんて話をしていたのは……」
ため息しか出てこない。
だが、送り出した荷物はそれほど多くはない。
この残りの在庫をどうしたものかと、トゥーレが頭を悩ませていた時。
「ギルドマスター、お客様がいらっしゃいましたが」
「お客? 今日は予定が入っていたかしら?」
「いえ。カマンベール王国の商人が、サライの裁縫ギルドで販売しているメリメリ羊の衣類、それを購入したいとの事ですけど……」
渡に船!!
これはまさかのヒットエンドラン!!
そう、勇者語録にあった窮地を脱する時の言葉。
だが、慌ててはいけない、まだそんなタイミングではないと落ち着いて見せるトゥーレは、ゴホンと咳払いをしたのち、商人を応接間へと通しておくように伝えた。
………
……
…
「……」
数時間後。
空になった倉庫を見て、トゥーレは満面の笑みを浮かべている。
「カマンベール王国では、あまり牧羊が行われていないなんて……初めて知ったわよ」
メリメリ羊の衣類は、ハーバリオスではごく当たり前に売られている少し高級な素材。だが、それがカマンベール王国へとなると、実は桁が一つ違うほどに高級品。
今年はメリメリ羊の素材が激減しているため、仕入れに来た商人たちも手ぶらで買えるわけにはいかず。別の商品を仕入れて帰っているというのを聞いて、カマンベール王国のジュピトリア商会とアクシア商会の責任者は自らサライまでやってきて、一か八かの取り引きを頼み込んだという。
その結果、サライ近郊の街に卸すよりも二割ほど高く、しかも在庫全てが売れたのである。
「あはは~!! なんとか黒字よ、あとは綿羊で大儲けよ、トゥーレちゃん大勝利!!」
などど無人の執務室ではしゃいでいるトゥーレ。
フェイール商店から購入した綿毛の支払いを除いても、十分な利益をはじき出すことができたのである。
「しかも、アクシア商会からは定期的な納品契約も取れたし、サライ裁縫ギルドの未来は明るいわよ!!」
高らかに笑うトゥーレ。
だが、すぐに落ち着きを取り戻そうとしてから、業務に戻ることにした。
いつまでも笑っている場合ではなく、今も職人たちは汗を流して働いているのである。
それならば、自分なりに職人のために何かをしてあげようかと考えていた。
◯ ◯ ◯ ◯ ◯
ガンバナニーワ王国から購入した綿毛を納品した翌日。
私はいつも通りに、露店を開いてのんびりと接客作業中。
年明けの商品の納品も夕方から始まりますし、午前中は柚月さんがマキさんとケイトさんを連れて福袋の製作を手伝ってくれています。
「異国風のドレスがあると聞いてきましたけど?」
「誠に申し訳ありません。今は在庫が切れていまして、年明けまでは納品されないのですよ」
「あら~、どうしましょう」
見た感じでは貴族の奥方さんですね。
実は、昨日綿毛を納品してから、フェイール商店は年明けまで衣類の販売を停止しました。
せっかく仕入れてきた綿毛、それから作られるベルベットを用いた最高級品衣類が裁縫ギルドから販売されますので、それを邪魔してはいけません。
そもそも私が仕入れてきたのですから、ここは責任ある行動をしなくてはなりませんよね。
「確か、裁縫ギルドにあのガンバナニーワの綿羊の綿毛が納品されたとか。そちらを当たってみては如何がですか?」
「あら~って、え? ガンバナニーワの綿毛? あの王妃様のドレスの素材の?」
「そ、そうなのですか?」
「こうしちゃいられないわ!! 急いで裁縫ギルドに向かわないと……良い情報をありがとうね」
ニッコリと笑う奥方さま。
はい、今の話を聞きつけた他のお客さんの一部が走り出しましたけど。
「おねーちゃん、飴をください!!」
「はいはい、どれがいいかなぁ~」
いくつかの飴を取り出して、そのかけらを少しだけ手渡します。
するとそれを口の中に放り込んで、コロコロと転がしています。
「んー、蜂蜜のやつがいい」
「はい、幾つ必要かな?」
「二つください」
あらかじめ小さなツボに入れ替えた蜂蜜とジンセンという薬草の飴を二壺取り出して手渡します。
それを買い物かごに入れて子供が走っていくのを見ると、なんだか嬉しくなりますよね。
「フェイールさん。ちょっと宜しいかしら?」
「あら、これはトゥーレさん。昨日はありがとうございました」
裁縫ギルドのトゥーレさんがやって来ました。
昨日はかなり難しそうな顔でしたけど、今日は凄くいい笑顔です。
「ちょっと教えて欲しいのですけど、フェイール商店では手に塗る軟膏とかは売ってます? ほら、錬金術ギルドで売ってあるような、肌荒れに効くやつ。少し多めに欲しかったのですけれど、諸島連合の船乗りたちがお土産にって買い占めちゃったらしくてね」
「はあ、それはまた、大変でしたね」
手に塗る軟膏、ありますよ。
以前、ラボリュート辺境伯の温泉街で販売しようとしたもので、シャンプーとかと一緒に仕入れたもので在庫がまだ残っています。
確かに錬金術ギルドにも似たものはありましたし、そちらの方が安いので売れ残っていました。
「手荒れと肌の保護に使うものなら、こちらがおすすめです。この壺一つで銀貨2枚ですけど」
「100個、あるかしら?」
「誠に申し訳ありません。当店では、おひとり様五つまでと決まっておりまして」
これはルールですけど。
でも、トゥーレさんが腕を組んで考えています。
「そうなの……どうしましょう」
「何か事情がおありのようですけど、よろしければ教えて貰えますか? それによってはお売りできますけど?」
「いえ、そんな複雑な事情もないのよ。ほら、うちのギルドの裏の作業所、そこで縫製作業をしている人たちに分けてあげようかなと思ってね。この仕事って手荒れが酷くなると辛くなるから」
あ~。
その原因を作ったのも、私でしょうね。
もっと早く、食べ歩きしないで帰って来て納品していれば、そこまで無理させなかったかもしれません。
これは罪悪感です。
「わかりました!! さすがに100個もありませんけど、在庫分の65個をお売りします!!」
「え、構わないの?」
「はい。職人さんの手が荒れる原因も、私が購入して納品した綿羊の綿毛が原因ですよね? それならば売らないという選択肢はありません」
「そ、そう、そうね、じゃあお願いしようかしら」
はい、この【型録通販のシャーリィ】限定、オーガニックハンドクリーム『アマハラ』、在庫全て販売です。
ご年配の方の目の横のシワや鼻の横のラインも、これを塗って浸透させるだけですぐに消えます。若々しい肌を取り戻す、その説明通りです!!
そしてホクホク顔で帰っていくトゥーレさん。
私も在庫がなくなって安心ですよ。
「全く……人がいいと言うか、疑うことを知らんと言うか……まあ、それもお嬢じゃからなぁ」
「え、クリムゾンさん、何かあったのですか?」
「いや、何もないが……ほら、そろそろ昼じゃから柚月殿たちも戻って来たぞ」
「あーし、作業終わったし!!」
「店長、無事に完了です」
「福袋全て完成しましたわ。これでようやく、倉庫作業から解放されましたわ」
「はい、ありがとうございます。それじゃあ、こちらもいい感じですので、お昼休みにしましょうか」
このあとも露店をひらいて、夕方便の納品作業。
年末はやる事が多すぎて大変です。
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