54 / 286
第3章・神と精霊と、契約者と
第106話・もう一品を考えて……また、厄介ごとがやってまいりました。
しおりを挟む
サライの商業ギルドを後にして。
勇者さまたちの新年祭参加については見合わせてもらえたようですし、ちょっと妥協しましたけど露店の件も統括からの提案よりも規模を縮小、四店舗での営業となりました。
そして最後の問題は、その四件目の露店で何をするのか。
ここ、一番大切なところでして。
フェイール商店としても、大切な商品を何処の馬の骨ともつかない派遣に任せるわけにはいきませんし、かといって適当な、それこそパルフェノンやヘスティア王国で仕入れた商品を任せるというのも、実に味気なく。
やるなら堂々と、それでいて他店にはない魅力を持つ必要があります。
それで夕方までは、露店を開きつつ店番はブランシュさんと、何故かお暇そうな緒方さんが手伝ってくれました。
そのため私は、後ろに下がって【シャーリィの魔導書】とアイテムボックス内部の目録を並べて、何かないかと思案していました。
「……新年のお祝い用は紅白の幕を垂らして……お餅? 鏡餅? これを御供えするのですか。はぁ、この新年飾りのセットとやらは購入することにして。お屠蘇? お屠蘇ってお酒? ふむふむ、そのようなものまでセットで別売りで……」
神社に喝采? 生姜を絞った炭酸飲料とはまた、薬効の高そうなものですね。ほほう、神社とはすなわち神域、それはシャーリィさまの祠のような場所ですか。そこで作られたものなら、かなりのご利益もありそうなのでポチッと。
「姐さん、すまないが下着の在庫を一揃いとジャージの上下、あと、帽子も出してくれるか?」
「サンダルはあります?」
「それはまだ間に合うから問題はない」
「はい、ではこちらを!!」
ドン、とブランシュさんの横に置いておきますと、ふと、お客様ではない方が二人ほど、私の方にやってきましたが。
商品はそちらですよ? こちらはバックヤードというところですよ?
「初めまして。商業ギルドから、フェイール商店のお手伝いを担当するようにおおせつかったケイトと申します」
「同じく、統括からこちらのお手伝いをするように仰せつかったマキです。まだ派遣期間は確定していませんけど、先に少しでも慣れるようにと言われて、お手伝いに来ました」
栗色ショートカットのお姉さんがケイトさんで、金髪ロングの奥さま風の方がマキさんですね。
「はい、フェイール商店の店主、クリスティナです。それでは折角ですので、そちらでブランシュさんの仕事を見て、お手伝いをお願いします。ブランシュさんも、それで宜しいですか?」
「ああ、姐さんは手が塞がっているから助かるわ。それじゃあ、まずは俺のやり方を見て、それから自分なりにやってみてくれ。商業ギルドの職員なら、接客対応は可能だろ?」
「お任せください」
「畏まりました」
どれどれ、私も少し手を休めて、二人の様子を見てみることにしましょう。
悪意があって近寄ってきたのなら、ブランシュさんが真っ先に反応しているはずですから、この二人は本当に、うちのお店の手伝いとして来てくれたようですね。
それに、ブランシュさんの接客を見て、やり方を覚えてきたのか自分たちなりに接客を始めました。
まあ、代金の受け取りと確認はブランシュさんが行なっていますし、まだ商品の全てを把握しているわけでわはありませんから。
でも、お客様がジャージを求めた時、一目でその体型に適切なサイズを選択するのはブランシュさんでなくては不可能ですよね。
「ねえ、お兄さん。露店が終わったら一緒に飲まない? いい店を知っているわよ?」
「そうそう、見た感じだと、また冒険者だよね? 前衛? それとも後衛?」
「回復魔法は使える? うちのパーティさ、回復要員が引退しちゃってね。とまう? まだレベルが低いのなら、色々とアドバイスしてあげるよ?」
んんん?
お客さんの間から、いきなりブランシュさんを勧誘する女性たち。
でも、そんな声にはうちのブランシュさんは揺るぎませんよ。
「あ~、すまないが仕事中でね。客じゃないのなら、後ろに下がってくれるか? それと、冒険者になる気もないから諦めてくれ」
「ふ、ふぅぅん。私たちの誘いを断るなんて大した勇気じゃない。この私たちが誰か、わかっているのかしら?」
頬をヒクヒクと引き攣らせつつ、リーダー格の女性戦士が問い返しています。
見た感じでは、確かに駆け出しという訳ではなさそうです。
使い古された武具、頬の傷や腕の傷、掌の大きさは、かなりの重さの武器を扱ってきたのがわかるほどにゴツゴツとしています。
「誰かなんて、知らんよ。さあ、横に退けてくれ」
「な、なんですって……私たちはね、プリズムベッドっていう冒険者クランのメンバーよ? さあ、この名前を聞いた以上、あなたは下がる事はできないわよ? おとなしく、私たちの仲間になりなさい」
「はぁ? 聞いたことがないクランだな……チームじゃないっていう事は、どこかの貴族のお抱え冒険者クランかよ」
参考までに、公的な冒険者の管理組織がギルド、それに対して個人で集まったものがチームなのですけど、貴族や大商会のお抱えチームをクランと読んでいます。
有名商会や上位貴族のクランは儲けが良い分、バックアップしてくれる貴族の権利があたかも自分たちの力であるように思う節がありまして。
こちらの方たちも、恐らくはそういった関係ではなかろうかと。
それでいて、ヒーラーが足りないからブランシュさんに目をつけた。
はい、目の付け所はシャープですよ。
でも、あまりブランシュさんに絡んでいますと、保護者が来ますよ?
「あの、そこで露店の邪魔をすると、困るし」
「はぁ、どこの誰か知らないけれ……へ? 大魔導師さま?」
先ほど、彼女たちの後方で柚月さんが聞き耳を立てていたことに、彼女たちは気がついていなかったようで。
「その通り。それで、いまは露店で仕事をしていて、貴方ちちはその邪魔をした。それで間違っていないし?」
「待ってください、私たちはですね、クランの回復要員を探していてですね。そこの彼が、パルフェノンで活躍した錬金術師だと聞いてきたのです」
「知らんわ……柚月、すまないが、そいつらに説教を頼む」
「分かったし。クリスっち、あとは任せるし」
「よろしくお願いします」
うわ、なんでしょうかこの連携プレーは。
勇者語録の阿吽の課金ってやつですよ、石が切れたらすぐにボタンを押すっていう、常に先のことを見据えた動きっていう……あの、ブランシュさん、その笑いを堪えるのはやめてください。
「ま、まあ、あの連中のことは柚月に任せておけばいい。こっちはこっち、お騒がせして申し訳ない」
「誠に申し訳ありません。せめてご迷惑をお掛けしたお礼に、ここからの販売は全ておまけをつけさせていただきます。また、それ以前に購入された方も、こちらでおまけは差し上げますので!!」
そう告げてから、アイテムボックスより箱に入ったお菓子を取り出します。
これはベルメさんから受け取った商品の一つで、この小さな箱の中のさらに小さな包み紙の中身、実は一口サイズのチョコレートなのです。
しかも、チョコウエハースとかキャラメルとかイチゴとか、聞いたことのない味もあるのですよ。
ということで、私もまだ味見をしていないので、先に毒味ということで一つをお口の中にポイっと……。
──ムグムグ、モグモグ。
ゴクッ。
「これはダメですね。おまけには使えないから、仕舞っておきますか」
「いや、姐さんそれで構わないから、早くこっちに回してくれないか?」
「うぇぇ……わかりました、まだ在庫はありますから、この三箱なら」
「一つの種類につき100箱ぐらいあるだろう? ベルメとはそういう取引をしたんだから、間違いはないはずだ。諦めてくれな」
「うぇぇ……はい、それではオマケを配布しますので、こちらに並んでください。これは一口大のチョコレートといいまして、こう、包み紙を外して食べます。そのまま口の中に、こんな感じに」
──ムグムグ、モグモグ
濃厚なチョコレートの甘さと、この不思議な食感。
これ、木の実を砕いたものが入ってますよ。
この私の見事な食べっぷりに、見ていた方達はゴクリと喉を鳴らしています。
「ゴクッ……と、このように食べてください。三種類を一つずつお配りしますけど、これは暖かいところに置いておくと溶けてしまいますので、できるだけ冷たいところで保存してください」
そう説明すると、大勢の人が次々と並びました。
あとは商品を見せてもらってから、三つずつ配るだけ。
これにはマギさんにもお手伝いをお願いしたので、意外とスムーズに配り終わることができそうです。
はい、チョコレートの数が減るたびに悲しい顔をしているマキさんとケイトさん、まだありますからお二人にも後でお渡ししますよ。
「はぁ。これも入荷できたら、どんなに幸せなことか」
「姐さん、チョコレートは太るから食べすぎないようにな」
「「「余計な一言!!」」」
思わず三人でツッコミを入れます。
もう、チョコレートが太ることぐらい、知っていますから。
わ、私は、ちゃんと節制していますし、エルフ式痩身術を実践していますからね。
勇者さまたちの新年祭参加については見合わせてもらえたようですし、ちょっと妥協しましたけど露店の件も統括からの提案よりも規模を縮小、四店舗での営業となりました。
そして最後の問題は、その四件目の露店で何をするのか。
ここ、一番大切なところでして。
フェイール商店としても、大切な商品を何処の馬の骨ともつかない派遣に任せるわけにはいきませんし、かといって適当な、それこそパルフェノンやヘスティア王国で仕入れた商品を任せるというのも、実に味気なく。
やるなら堂々と、それでいて他店にはない魅力を持つ必要があります。
それで夕方までは、露店を開きつつ店番はブランシュさんと、何故かお暇そうな緒方さんが手伝ってくれました。
そのため私は、後ろに下がって【シャーリィの魔導書】とアイテムボックス内部の目録を並べて、何かないかと思案していました。
「……新年のお祝い用は紅白の幕を垂らして……お餅? 鏡餅? これを御供えするのですか。はぁ、この新年飾りのセットとやらは購入することにして。お屠蘇? お屠蘇ってお酒? ふむふむ、そのようなものまでセットで別売りで……」
神社に喝采? 生姜を絞った炭酸飲料とはまた、薬効の高そうなものですね。ほほう、神社とはすなわち神域、それはシャーリィさまの祠のような場所ですか。そこで作られたものなら、かなりのご利益もありそうなのでポチッと。
「姐さん、すまないが下着の在庫を一揃いとジャージの上下、あと、帽子も出してくれるか?」
「サンダルはあります?」
「それはまだ間に合うから問題はない」
「はい、ではこちらを!!」
ドン、とブランシュさんの横に置いておきますと、ふと、お客様ではない方が二人ほど、私の方にやってきましたが。
商品はそちらですよ? こちらはバックヤードというところですよ?
「初めまして。商業ギルドから、フェイール商店のお手伝いを担当するようにおおせつかったケイトと申します」
「同じく、統括からこちらのお手伝いをするように仰せつかったマキです。まだ派遣期間は確定していませんけど、先に少しでも慣れるようにと言われて、お手伝いに来ました」
栗色ショートカットのお姉さんがケイトさんで、金髪ロングの奥さま風の方がマキさんですね。
「はい、フェイール商店の店主、クリスティナです。それでは折角ですので、そちらでブランシュさんの仕事を見て、お手伝いをお願いします。ブランシュさんも、それで宜しいですか?」
「ああ、姐さんは手が塞がっているから助かるわ。それじゃあ、まずは俺のやり方を見て、それから自分なりにやってみてくれ。商業ギルドの職員なら、接客対応は可能だろ?」
「お任せください」
「畏まりました」
どれどれ、私も少し手を休めて、二人の様子を見てみることにしましょう。
悪意があって近寄ってきたのなら、ブランシュさんが真っ先に反応しているはずですから、この二人は本当に、うちのお店の手伝いとして来てくれたようですね。
それに、ブランシュさんの接客を見て、やり方を覚えてきたのか自分たちなりに接客を始めました。
まあ、代金の受け取りと確認はブランシュさんが行なっていますし、まだ商品の全てを把握しているわけでわはありませんから。
でも、お客様がジャージを求めた時、一目でその体型に適切なサイズを選択するのはブランシュさんでなくては不可能ですよね。
「ねえ、お兄さん。露店が終わったら一緒に飲まない? いい店を知っているわよ?」
「そうそう、見た感じだと、また冒険者だよね? 前衛? それとも後衛?」
「回復魔法は使える? うちのパーティさ、回復要員が引退しちゃってね。とまう? まだレベルが低いのなら、色々とアドバイスしてあげるよ?」
んんん?
お客さんの間から、いきなりブランシュさんを勧誘する女性たち。
でも、そんな声にはうちのブランシュさんは揺るぎませんよ。
「あ~、すまないが仕事中でね。客じゃないのなら、後ろに下がってくれるか? それと、冒険者になる気もないから諦めてくれ」
「ふ、ふぅぅん。私たちの誘いを断るなんて大した勇気じゃない。この私たちが誰か、わかっているのかしら?」
頬をヒクヒクと引き攣らせつつ、リーダー格の女性戦士が問い返しています。
見た感じでは、確かに駆け出しという訳ではなさそうです。
使い古された武具、頬の傷や腕の傷、掌の大きさは、かなりの重さの武器を扱ってきたのがわかるほどにゴツゴツとしています。
「誰かなんて、知らんよ。さあ、横に退けてくれ」
「な、なんですって……私たちはね、プリズムベッドっていう冒険者クランのメンバーよ? さあ、この名前を聞いた以上、あなたは下がる事はできないわよ? おとなしく、私たちの仲間になりなさい」
「はぁ? 聞いたことがないクランだな……チームじゃないっていう事は、どこかの貴族のお抱え冒険者クランかよ」
参考までに、公的な冒険者の管理組織がギルド、それに対して個人で集まったものがチームなのですけど、貴族や大商会のお抱えチームをクランと読んでいます。
有名商会や上位貴族のクランは儲けが良い分、バックアップしてくれる貴族の権利があたかも自分たちの力であるように思う節がありまして。
こちらの方たちも、恐らくはそういった関係ではなかろうかと。
それでいて、ヒーラーが足りないからブランシュさんに目をつけた。
はい、目の付け所はシャープですよ。
でも、あまりブランシュさんに絡んでいますと、保護者が来ますよ?
「あの、そこで露店の邪魔をすると、困るし」
「はぁ、どこの誰か知らないけれ……へ? 大魔導師さま?」
先ほど、彼女たちの後方で柚月さんが聞き耳を立てていたことに、彼女たちは気がついていなかったようで。
「その通り。それで、いまは露店で仕事をしていて、貴方ちちはその邪魔をした。それで間違っていないし?」
「待ってください、私たちはですね、クランの回復要員を探していてですね。そこの彼が、パルフェノンで活躍した錬金術師だと聞いてきたのです」
「知らんわ……柚月、すまないが、そいつらに説教を頼む」
「分かったし。クリスっち、あとは任せるし」
「よろしくお願いします」
うわ、なんでしょうかこの連携プレーは。
勇者語録の阿吽の課金ってやつですよ、石が切れたらすぐにボタンを押すっていう、常に先のことを見据えた動きっていう……あの、ブランシュさん、その笑いを堪えるのはやめてください。
「ま、まあ、あの連中のことは柚月に任せておけばいい。こっちはこっち、お騒がせして申し訳ない」
「誠に申し訳ありません。せめてご迷惑をお掛けしたお礼に、ここからの販売は全ておまけをつけさせていただきます。また、それ以前に購入された方も、こちらでおまけは差し上げますので!!」
そう告げてから、アイテムボックスより箱に入ったお菓子を取り出します。
これはベルメさんから受け取った商品の一つで、この小さな箱の中のさらに小さな包み紙の中身、実は一口サイズのチョコレートなのです。
しかも、チョコウエハースとかキャラメルとかイチゴとか、聞いたことのない味もあるのですよ。
ということで、私もまだ味見をしていないので、先に毒味ということで一つをお口の中にポイっと……。
──ムグムグ、モグモグ。
ゴクッ。
「これはダメですね。おまけには使えないから、仕舞っておきますか」
「いや、姐さんそれで構わないから、早くこっちに回してくれないか?」
「うぇぇ……わかりました、まだ在庫はありますから、この三箱なら」
「一つの種類につき100箱ぐらいあるだろう? ベルメとはそういう取引をしたんだから、間違いはないはずだ。諦めてくれな」
「うぇぇ……はい、それではオマケを配布しますので、こちらに並んでください。これは一口大のチョコレートといいまして、こう、包み紙を外して食べます。そのまま口の中に、こんな感じに」
──ムグムグ、モグモグ
濃厚なチョコレートの甘さと、この不思議な食感。
これ、木の実を砕いたものが入ってますよ。
この私の見事な食べっぷりに、見ていた方達はゴクリと喉を鳴らしています。
「ゴクッ……と、このように食べてください。三種類を一つずつお配りしますけど、これは暖かいところに置いておくと溶けてしまいますので、できるだけ冷たいところで保存してください」
そう説明すると、大勢の人が次々と並びました。
あとは商品を見せてもらってから、三つずつ配るだけ。
これにはマギさんにもお手伝いをお願いしたので、意外とスムーズに配り終わることができそうです。
はい、チョコレートの数が減るたびに悲しい顔をしているマキさんとケイトさん、まだありますからお二人にも後でお渡ししますよ。
「はぁ。これも入荷できたら、どんなに幸せなことか」
「姐さん、チョコレートは太るから食べすぎないようにな」
「「「余計な一言!!」」」
思わず三人でツッコミを入れます。
もう、チョコレートが太ることぐらい、知っていますから。
わ、私は、ちゃんと節制していますし、エルフ式痩身術を実践していますからね。
32
お気に入りに追加
5,306
あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。

原産地が同じでも結果が違ったお話
よもぎ
ファンタジー
とある国の貴族が通うための学園で、女生徒一人と男子生徒十数人がとある罪により捕縛されることとなった。女生徒は何の罪かも分からず牢で悶々と過ごしていたが、そこにさる貴族家の夫人が訪ねてきて……。
視点が途中で切り替わります。基本的に一人称視点で話が進みます。

辺境地で冷笑され蔑まれ続けた少女は、実は土地の守護者たる聖女でした。~彼女に冷遇を向けた街人たちは、彼女が追放された後破滅を辿る~
銀灰
ファンタジー
陸の孤島、辺境の地にて、人々から魔女と噂される、薄汚れた少女があった。
少女レイラに対する冷遇の様は酷く、街中などを歩けば陰口ばかりではなく、石を投げられることさえあった。理由無き冷遇である。
ボロ小屋に住み、いつも変らぬ質素な生活を営み続けるレイラだったが、ある日彼女は、住処であるそのボロ小屋までも、開発という名目の理不尽で奪われることになる。
陸の孤島――レイラがどこにも行けぬことを知っていた街人たちは彼女にただ冷笑を向けたが、レイラはその後、誰にも知られずその地を去ることになる。
その結果――?


婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?

てめぇの所為だよ
章槻雅希
ファンタジー
王太子ウルリコは政略によって結ばれた婚約が気に食わなかった。それを隠そうともせずに臨んだ婚約者エウフェミアとの茶会で彼は自分ばかりが貧乏くじを引いたと彼女を責める。しかし、見事に返り討ちに遭うのだった。
『小説家になろう』様・『アルファポリス』様の重複投稿、自サイトにも掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。