上 下
9 / 41
第一部・アマノムラクモ降臨

第9話・圧倒的大差と、知略戦略

しおりを挟む
 機動戦艦アマノムラクモから飛び出したヘルムノアールは、アマノムラクモ上空で周囲を見渡していた。
 現在の状況から、もっとも効率よく、かつ、敵戦力を損耗させることができるか。
 それも、艦長であるミサキの命令である『人的被害を出さない』を遂行しつつ。

「効率重視で、戦力損耗……うん、これは艦長のための『仕入れ』と考えると良いですね。お代は結構、皆さんの命の安全が代価です。これで行きましょう」

 ヘルムヴィーケは、周囲を旋回しつつ攻撃を行なってくる戦闘機を無視した。
 この世界の物理的火器で、このマーギア・リッター『ヘルムノアール』が損傷することはない。
 また、同じようにワルキューレたちを破壊せしめるものなどない。
 彼女たちの素材も、マーギア・リッターと同じ装甲材・オリハルコン合金。魔導の力なくては、傷一つつけることなど不可能である。

──broooooom
 中国海軍が誇る最新鋭戦闘機『殲撃20型』。
 その後継機であり試作機である『殲撃21型』が放つ30mm単装機関砲の攻撃でさえ、ヘルムノアールの装甲表面を覆うフォースシールドを引き剥がすことはできない。
 
「火力が足りないですね。それに、加速性能は誉めて上げますけど、旋回性能は今ひとつ……この世界の水準なら、そこそこに凄いのでしょうけど、搭乗員の安全を考えてのスペックなのでしょうね」

 ゆっくりとヘルムノアールの向きを変える。
 目標は、中国艦隊の奥、ロシア艦隊。
 攻撃してきた艦隊ではなく、それを無視して、奥の艦隊に狙いをつける。
 ロシア艦隊は、中国艦隊がアマノムラクモと交戦してから、ずっとデータ収集を続けている。
 それと同時に、海面下ではロシアの新型潜水艦『クニャージ・ウラジーミル』が音もなくアマノムラクモを追尾している。
 
──バン‼︎
 背部スラスターから魔力素が高温で吹き出し、ゼロ速度からコンマ二秒で音速を超える。
 その衝撃波で殲撃21型はバランスを失うものの、すぐに体勢を整えてヘルムノアールを追尾する。
 だが、その先にはロシア艦隊旗艦である『グレミャーシュチイ級コルベット』が待っている。

 そのグレミャーシュチィの艦橋手前に、ヘルムノアールが停止すると、背中に背負っていた大口径ブラスターを構える。

『警告する。この船の船員は、速やかに退艦するように。制限時間は三十分、それまでに退艦しなかった場合は、命の保証はないと思いなさい』

 ヘルムヴィーケが、流暢なロシア語で、声高らかに宣言する。
 グレミャーシュチィの艦橋は混乱状態、本国に連絡を行ったり、アマノムラクモ下を潜航しているクニャージ・ウラジーミルに打診したりと、混乱が収まる様子はない。

 そして、艦橋真横にピッタリと位置することで、中国の殲撃21型も攻撃の手が止まる。
 ヘルムノアールをはじめ、アマノムラクモに対する攻撃は停止し、今は、ロシア艦の動向を見守ることにしたらしい。

 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯


 同、アマノムラクモでは。
 ミサキは艦橋で、ヘルムヴィーケが何をするのか、じっと見ていた。

「この場合、直接攻撃してきた国ではなく、第三国を人質に取る形にして、二つの国の攻撃を止められるのか。なるほどなぁ」
『ピッ……中国は、ロシアに対して攻撃できません。もしもこれがアメリカであれば、躊躇なく攻撃を行なった可能性が16%です』
「それでも少ない。逆に、アメリカを人質に取ったとしたら?」
『ピッ……ロシアと中国は、アメリカ艦隊に総攻撃を仕掛けたかもしれません。平和維持という名目で。もっとも、確率は13%と、先ほどよりも少ないです』
「失敗したあとのフォローも込みで、その数値か。それで、ヘルムヴィーケは、このあとはどうするつもりなんだ?」

 まさかとは思うが、これでおしまいではないだろう。
 アマノムラクモは今もなお、指定座標に向かって進行を続けている。
 他国艦隊も追従する形であるが、今現在、日本の領海内で戦闘行為を行ったのは中国艦隊のみ。
 このあとは、日本政府から『遺憾砲』が打ち込まれるだろうが、日本の『遺憾砲』は火力がない。
 しかも、それが使われることを前提に動いている節もなくはない。

「ヘルムヴィーケから入電。アマノムラクモ前方八十六番格納庫を使えるようにしてほしいとのことです」
「オクタ・ワン、八十六番格納庫って、あのでっかいやつ?」
『是。ヘルムヴィーケは、あの戦艦を拿捕するのではないですか?』
「あ~なるほどなぁ。なんで?」
『ピッ……私はヘルムヴィーケではないので、その真意は掴めません。今は、彼女を信じて見守りましょう』
「本当に人間臭いよなぁ。まあ、任せた以上は、結末を見守るか」

 ここから三十分。
 モニターを確認すると、グレミャーシュチィの横にロシア空母が隣接した。
 そして、次々とグレミャーシュチィから乗組員が空母へと移動していくのが見える。
 なるほど、無力化して回収するのか。
 あれ、改造して魔導機関を積み込んだら、面白いだろうなぁ。


 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯


 苦渋の選択。
 グレミャーシュチィは放棄することが決定し、乗組員は隣接する空母アドミラル・クズネツォフに避難するしかなかった。
 ロシアとしては最新鋭戦艦、これを無傷で敵に渡すのなら、いっそ破壊した方がいい。
 そう判断したロシア上層部は、艦内の爆薬全てを時限信管と繋げ、戦艦一つを丸々、爆弾とする作戦に出る。
 もっとも、調整時間は三十分以内のため、それほど大掛かりな仕掛けを作り出すことなどできない。
 それでも、機密事項の塊であるグレミャーシュチィを自沈させるだけの火力は搭載している。

「グレミャーシュチィ一隻と、敵機動兵器の残骸一つ。等価交換とまではいかないが、十分な価値はある……」

 ロシア大統領フーディンは、そう判断してグレミャーシュチィの爆沈を許可した。
 だが、この予想は大きく外れることになる。

『時間です。隣の空母は避難してください……』

 ヘルムノアールからの警告を受けて、アドミラル・クズネツォフがゆっくりと離れる。
 そしてグレミャーシュチィの爆発の影響を受けることのない距離まで移動し始めたとき、アマノムラクモから機動兵器が次々と降下。
 グレミャーシュチィの船体をグルリと取り囲むと、一斉に持ち上げた。

──ガゴン‼︎
 マーギア・リッターから射出された牽引用マナフィールド。これに包まれて、グレミャーシュチィは空高く上がり始める。

「い、急げ、時限信管はまだ作動しないのか?」
「間も無くです、アドミラル・クズネツォフの撤退時間も考慮に入れての設定ですので」

──ドッゴォォォォォォン‼︎
 空母のオペレーターが艦長に報告する。
 それと、空中でグレミャーシュチィが爆散したのは、ほぼ同時であった。
 不思議なことに、爆発した破片が周囲に飛び散ることはなかった。
 グレミャーシュチィを覆うようなかたちの、目に見えない壁によって爆発が外に出ることはなかったのである。
 当然ながら、周囲にいたマーギア・リッターの被害はない。
 
 この結果、ロシア艦隊は、予想外の展開により新型戦艦という賭けの代償を支払うことになった。

………
……


「本国に打診しろ、欧阳オウイァン首席にだ。我々の科学力では、あの機動戦艦を破壊するどころか、捕らえるのも不可能だと‼︎」

 中国艦隊司令が、今、目の前で起こった現実に驚愕していた。
 いや、正確には中国艦隊だけではない。
 アメリカも、ロシアも、その他の各国の艦隊も、信じられない真実を突きつけられて、言葉を失ったのである。

 戦艦が自爆しても、その破壊力が外に出ないバリア。
 
 そんなものを所持している存在を敵に回す? 
 それこそ、あり得ないとしか言いようがない。
 それよりも、もう一つの恐怖が、今、目の前で起こり始めていた。

──ゴゥゥゥゥゥゥ
 予定外の爆発。
 まさか、自国の戦艦を爆弾として扱うなど、ヘルムヴィーケの戦術データには存在しない。
 
「等価交換? 違いますね。これは、明らかに敵対行為でしょう」

──ゴゥゥゥゥゥゥ
 ヘルムノアールを隊長機とする、合計7機のマーギア・リッターが、ロシア空母アドミラル・クズネツォフの周りを取り囲んだ。

『警告する。今から二十分後、この空母に対して攻撃を行う。避難するのなら急いだほうがいい。先程の行為、我々は敵対行為と認識した……』

 先程とは違い、今度の警告は、感情を殺した、冷たい宣言である。
 そして空母艦長は、先程のグレミャーシュチィの艦長と同じように、本国に打診した。

 もう、ロシアは終わりました。
 我々は、未知の機動戦艦を敵に回しました。

 それだけを伝えると、艦長は搭乗員及びグレミャーシュチィから避難してきた乗組員全てを避難させるため、隣接する他国の艦隊にも打診を始めた。
 

 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯


 グレミャーシュチィの爆発。
 これは、アマノムラクモにいたミサキにも、全くの予想外の展開であった。

「オクタ・ワン、あの爆発だと、流石にアマノムラクモにも被害は出ていたよな?」
『ピッ……格納庫が煤けます。多少の凹みは出るかと思いますが、致命的ではありません。せいぜい……格納庫付近の施設、設備の破壊程度でしょう』
「うん、やばいよね、それって。艦体装甲とフレームはオリハルコン合金、内部壁はミスリル軽合金か。そのミスリルが凹むって、凄いな」
『ピッ……その程度です。施設やクレーンなどは鋼材なので、ぶっ壊れますが、すぐに修復すれば、三日程度で元に戻ります』

 よし、それだけわかれば良い。
 いくら温厚な俺でも、アマノムラクモが傷つくとなると許し難い。
 アマノムラクモ内にあるファクトリーでは、工業用機材を作っている場所もある。
 まあ、普段は全く使い道がないので、稼働させてはいないのだけど、そこにお世話になるような事態は避けたい。


「ヘルムヴィーケに連絡。人死に出さない範囲で、好きに暴れて良いって伝えてくれ」
「了解。こちらコントロールセンター。ヘルムヴィーケ、リミッター解除です」
『了解、こちらヘルムヴィーケ。お土産を楽しみにお待ちください』

 さて。
 こうなると、他国の動きも気になるところではある。
 グレミャーシュチィの爆発後、中国艦隊は戦闘機を帰還させてから、アマノムラクモと距離を置き始めた。
 ロシア艦隊は現在、避難命令が出ているのかもう一隻のイージス艦へと乗組員を移している最中。
 そして他国もロシア空母からの避難の手伝いをしているのだが、問題はアメリカ。

 遠巻きに艦隊移動を行いつつ、アマノムラクモと付かず離れずの状態を維持。
 戦闘機を飛ばしたりすることもなく、静かに様子を見ているように感じる。

「ヴァルトラウデ、ロスヴァイゼ。通信網をハッキング、このアマノムラクモに向かって送られていると思われる周波数を感知。接続して欲しい」
「了解です。現在、アマノムラクモに対しての通信と思われるものは256波長を確認。警告及び降伏勧告を除きますと、一番発信源が近くて友好的なのと、魔導接続します」
「あいあいさ~。接続開始、ポチッと」
「ロス……まあ、いいわ」

──プン
 通信回線が開く。
 相変わらずモニターに映し出されることはないが、音声はしっかりと届いてきた。
 通常なら不可能な通信への割り込みも、魔導波長で介入できるらしい。

『こちらアメリカ第7艦隊司令、オスマン・ヘイワード海軍中将だ。貴艦と話がしたい。繰り返す、こちらアメリカ……』
「私が機動戦艦アマノムラクモの責任者のミサキ・テンドウだ。アメリカとやらは、我々とどのような話し合いがしたいのだ?」
『はじめまして、ミス・テンドウ。我がアメリカは、貴艦を友人として迎え入れたい。そのための交渉を行うために、そちらに使節団を派遣したいのだが』

 使節団ねぇ。
 その送られてくる使節の中に、どれだけの海兵隊員が紛れ込んでくることやら。
 そんなことになったら困るわ、俺は生身なんだからな。

「交渉のテーブルは用意するが、それは我が艦の外で行う。おそらくは、先日の日本政府との話し合い以上のことは起こらないと思うがな」
『その件については、蓋を開けてみないとなんとも言えません。ただ、わが国のパワード大統領も、機動戦艦アマノムラクモを迎え入れたいと申しています』
「……そうだな。こちらとしても、これ以上の敵対行為を受けるのは望ましくない。どうせなら、まとめて話し合いに応じようではないか。場所は、国連本部、我々はそちらに向かうので、そこで落ち合うとしよう」

 よし。
 スイスへ移動するぞ。
 国連を相手取って、ついでに国家として宣言してやるわ。
 イギリス沖のシーランド公国のように、完全独立した国であることを認めさせれば、今後は手出ししなくなるだろうからな。

『了解です。では、そちらでお会いできるのを、楽しみにしております』
「ああ、ついでに、交渉のテーブルに乗りたい他国もまとめて来てもらう事にするからな。私とアメリカの話し合いではなく、地球の国家すべてと、私との話し合いだ」
『ち、ちょっとお待ちください‼︎』
「では、他国については、私の方から連絡を入れておく、以上だ」

──ピッ
 これで通信はおしまい。

「オクタ・ワン。現在、このアマノムラクモの周辺に存在する各国の艦隊に、今の話を通信してくれるか?」
『ピッ……了解です。全てこちらで手配しておきますので』
「そんじゃ、よろしく頼むわ。俺は、ちょっと身を守る術を作ってくるから」
『ピッ……装備を錬金術で作るのですね。いや、この場合は武装を錬金術で……つまり、短く訳すと武装練『だ、ま、れ』失礼しました』
「危ないわ。ゲルヒルデ、進路変更、スイスに向かってくれるか?」
「了解ですわ。進路変更、目標座標設定。機動戦艦アマノムラクモ、スイスに向けて出発ですわ」

 ゴゴゴゴゴ。
 ゆっくりと航路を切り替え、アマノムラクモはスイスへと向かう。
 そして俺は、やることをやらないと、外には出たくない。
 これより、錬金術タイムに突入する‼︎
 
しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

異世界ライフの楽しみ方

呑兵衛和尚
ファンタジー
 それはよくあるファンタジー小説みたいな出来事だった。  ラノベ好きの調理師である俺【水無瀬真央《ミナセ・マオ》】と、同じく友人の接骨医にしてボディビルダーの【三三矢善《サミヤ・ゼン》】は、この信じられない現実に戸惑っていた。  俺たち二人は、創造神とかいう神様に選ばれて異世界に転生することになってしまったのだが、神様が言うには、本当なら選ばれて転生するのは俺か善のどちらか一人だけだったらしい。  ちょっとした神様の手違いで、俺たち二人が同時に異世界に転生してしまった。  しかもだ、一人で転生するところが二人になったので、加護は半分ずつってどういうことだよ!!   神様との交渉の結果、それほど強くないチートスキルを俺たちは授かった。  ネットゲームで使っていた自分のキャラクターのデータを神様が読み取り、それを異世界でも使えるようにしてくれたらしい。 『オンラインゲームのアバターに変化する能力』 『どんな敵でも、そこそこなんとか勝てる能力』  アバター変更後のスキルとかも使えるので、それなりには異世界でも通用しそうではある。 ということで、俺達は神様から与えられた【魂の修練】というものを終わらせなくてはならない。  終わったら元の世界、元の時間に帰れるということだが。  それだけを告げて神様はスッと消えてしまった。 「神様、【魂の修練】って一体何?」  そう聞きたかったが、俺達の転生は開始された。  しかも一緒に落ちた相棒は、まったく別の場所に落ちてしまったらしい。  おいおい、これからどうなるんだ俺達。

錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成! この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。 戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。 これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。 彼の行く先は天国か?それとも...? 誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。 小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中! 現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。

クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります

まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。 そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。 選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。 あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。 鈴木のハーレム生活が始まる!

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

【完結】魔導騎士から始まる、現代のゴーレムマスター

呑兵衛和尚
ファンタジー
 異世界での二十五年間の生活を終えて、無事に生まれ故郷の地球に帰ってきた|十六夜悠《いざよい・ゆう》  帰還時の運試しで、三つのスキル・加護を持ち帰ることができることになったので、『|空間収納《チェスト》』と『ゴーレムマスター』という加護を持ち帰ることにした。  その加護を選んだ理由は一つで、地球でゴーレム魔法を使って『|魔導騎士《マーギア・ギア》』という、身長30cmほどのゴーレムを作り出し、誰でも手軽に『ゴーレムバトル』を楽しんでもらおうと考えたのである。  最初に自分をサポートさせるために作り出した、汎用ゴーレムの『綾姫』と、隣に住む幼馴染の【秋田小町』との三人で、ゴーレムを世界に普及させる‼︎  この物語は、魔法の存在しない地球で、ゴーレムマスターの主人公【十六夜悠】が、のんびりといろんなゴーレムやマジックアイテムを製作し、とんでも事件に巻き込まれるという面白おかしい人生の物語である。 ・第一部  十六夜悠による魔導騎士(マーギア・ギア)の開発史がメインストーリーです。 ・第二部  十六夜悠の息子の『十六夜銀河』が主人公の、高校生・魔導騎士(マーギア・ギア)バトルがメインストーリーです。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

処理中です...