イベントへ行こう!

呑兵衛和尚

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第一章・夢から少し遠い場所~イベント設営業~

眼科検診からの、鮮やかな清水寺ダイヴ!

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 整骨院で身体をほぐしてもらった翌日。
 私は眼鏡を作るために、最寄りの眼鏡店へ向かいました。
 確かにここ最近は、パソコンでレポートを書いたりすると目が疲れたりしています。
 そこに先日の整骨院の先生の診断もあり、ここは清水の舞台から飛び降りる覚悟でメガネを作ることにしました。最近は飛び降りまくっていますね。
 という事で、メガネ屋さんに直接行って作ろうかとも思ったのですが、先生の勧めもあって先に眼科で検診を受ける事になりました。

──音花眼科
 大学の近くの眼科で、メガネを作るための事前検診。
 これは無事に終了、一般のメガネ屋さんでの視力検査とは異なり、網膜剥離や緑内障、白内障といった検査も行ってくれるということで、万が一のことを考えての検査を受けた結果。

「はい、健康ないい目をしていますね。緑内障、白内障、網膜剥離、網膜裂孔といった兆候もないですが、ここ数ヶ月で急激に視力が低下していませんか?」
「え、ええっと……はい、たぶんですけれど」
「大学の学生さんがね、入学してしばらくしたら同じように来院なされるのですよ。大抵は疲れ目とそこからくる体のコリ。最近はスマホとかパソコンといった目に負担のかかるものが多く出回っているしょう? レポートとかも手書きじゃなくパソコンで作ったりすることが多いと思うんですよ」

――ドキッ
 はい、心に何かが刺さりました。
 該当すること多すぎますね。

「で、でもレポートを書くのにはどうしても必要でして」
「あ、それは全然構わないのよ。ただ、学生さんで多いのが、提出締め切りのギリギリまで何もしなくて、それで期限一杯になって徹夜で仕上げようとする人。そういう人ってね、閉め切った自室で徹夜でしあげようとモニターに集中するじゃない。その結果、目を酷使過ぎてどうしても悪い影響がでてくるのですよ」
「はぁ、心当たりが大すぎて」
「疲労性の網膜剥離とかもあるから気を付けてね。最近は20代の人にも多く見え始めているからさ」
「はい、ありがとうございました」

 これで診察は完了。
 あとは処方箋片手にメガネ屋さんに移動して、自分に合ったメガネを作るだけです!

………
……


――メガネ・プリンセス
 北海道大手のメガネショップ・メガネ・プリンセス。
 女性をよりよく見せるメガネショップを目指して、大学生たちが企業した小さなメガネやさん。
 それがいつしか波紋を起こし、今では北海道大手のメガネショップまで成長しました。
 近所のショッピングモールにもメガネ・プリンセスのテナントがあるため、眼科での診察を受けてまっすぐにここにやってきましたけれど。

「うわぁ……すごい数のフレーム。それにレンズも無色々な種類がありますし、どれを購入したらよいのか考えてしまいますね」
「いらっしゃいませ。なにかお探しでしょうか」

 私がショーケースに並んでいるメガネを見ていたら、きれいな店員さんが声をかけてくれました。

「はい、メガネを作ろうかと考えているのですけれど……これ、眼科で貰って来た処方箋です」
「あら、わざわざ眼科で検査を受けてくれたのですか。ありがとうございます」

 嬉しそうに処方箋を受け取ってから、彼女は奥にいるスタッフに処方箋を渡します。
 
「当店では、【眼鏡作製技能士】が責任をもってお客様の目にあったレンズを選んでくれます。ですから、お客様はフレームとレンズの種類を指定して頂ければ、のちほどそちらの席でレンズの調整を行いますので」
「はぁ、そんな技能士さんがいるのですか」
「はい。まだ一般的に認知されていない部分はありますが、れっきとした国家資格ですのでご安心ください。それでは、かんたんにご説明しましょうか?」
「はい、よろしくお願いします」

 そこからは店員さんのターン。
 フレームといっても様々なものがあり、それに合わせてレンズを選ぶ必要があること。
 レンズにもさらに細かい種類があり、その用途や目的によってえらばなくてはならないこと。
 さらには、曇り止めや紫外線対策のしっかりしているもの、パソコン作業用に適したブルーライトカットなどなど。
 それはもう、一瞬で頭の中のHPがゼロになったような状態で、そこにさらに追い打ちを掛けられている気分です。
 もう許してください、私の脳のHPはゼロナノよぉぉぉぉってかんじですね。

「……とまあ、ここまで色々とご説明しましたけれど、それわりもなによりも大切なことがありまして。お客様のご予算に応じて、様々なコースでのご提供も出来ています。お客様の場合でしたら、学割の聞く学生コースからお選びいただけると、必要な金額はこのように……」
「なるほど。あ、学生証の提示が必要なのですか」
「はい」

 うん、まずは学生証を提示して学割コースを選択。
 私の場合はパソコン作業がそこそこありますので、ブライトカットのレンズを選択。
 それでいて普段使いもできるものをということで、カット率25%のレンズを選択します。
 
「こちらのレンズでしたら、フレーム価格に4000円追加していただくだけでご用意できますけれど」
「フレーム価格ですか……ちょっと待ってください、選んでみますので」
「はい、ごゆっくりと選んでいただいて大丈夫ですので」

 ということで、選んでみましょう。
 角フレーム、丸フレーム、上半分だけのワイヤーフレーム、レンズに直接固定するタイプのものなどなど。
 この中でいくつか試しに掛けてみて、それなりおしゅゃれなものを選んでみました。

「……これに決めました!!」

 手にしたものは細身のワイヤーフレーム、やや丸形のフレーム。
 実はお値段も8800円と、4時間現場2回分!!
 はあ、もういい加減、高価な商品を買うときに『現場○回分』っていう考えるの、やめたくなってきましたね。
 ても、これを買う以上は今までよりも頑張って仕事にでなくてはなりませんよ。

「それでは、レンズの調整を行いますのでこちらへお願いします。まずは処方箋に合わせたレンズを組み込んでみますので……」
「なるほど」

 そのまま別の席に移動、大きなメガネを装着すると、そこにいくつものレンズが組み込まれていきました。

「これが処方箋どおりです。なにか違和感とか見ずらいとかありますか?」
「世界が綺麗で広いですね。ただ、近くの者はよく見えるのに、遠くに向かうとみえずらくなれますけれど……つて、それが普通なのかな」
「はい。例えばパソコン作業をしている方などは、今おかけになっている標準補正の目が目と、作業用に別にメガネを作る方が多いですね。手元が最もよく見えるように度数を調節するとか、外作業の人は遠くが見えて、なおかつ曇り止めと傷がつきにくいハードコートという処理がなされていてるレンズを使う方もいらっしゃいますね……」

 ふうん。
 確かに外現場ではレンズが傷つくこともあるかと思いますし。
 そもそも、倉庫や体育館、あとはイベント会場などでも搬入と搬出の際は外に開く大きな扉が開きっぱなしなのですよ。
 そう考えると、ここは一発、ハードコートで……ってあれ?

「あの、このポスターですが。今なら二つ目のメガネを半額以下でご購入って……」

 目についたのはオータムキャンペーン。
 一つ目のメガネを購入いただいた場合、二つ目のメガネは最大で80%オフで購入……って。

「はい、ございますよ。こちらをご利用するのでしたら、あらかじめフレームを二つ選んでいただく必要がありますけれど」

 考えろ、私。
 今の時点での金額は、フレームとレンズと消費税云々で3現場分。
 ここにもう一つ追加で購入すると、さらに二つ分の合計5現場。
 明後日からは函館で、例のアミューズメントパークのボウリング場の改装作業も再開。
 午前10時から午後17時までの、休憩一時間の6時間現場+遠距離手当で3000円。
 それが一週間……。

「はい、追加でもう一つお願いします!! それは外でも使うことになるので、ハードコートと紫外線対策でお願いします」
「かしこまりました……それでは、そのように調整しますので」

 ああ、やってしまいましたよ。
 そろそろ清水の舞台に這い上がらなくてはなりませんね。
 でも、これで私が新しいメガネで現場に行ったら、みなさんどのような顔になるのか楽しみですよ。 
 
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