レンタルショップから始まる、店番勇者のセカンドライフ〜魔導具を作って貸します、持ち逃げは禁止ですので〜

呑兵衛和尚

文字の大きさ
上 下
21 / 29
第一章・迷宮大氾濫と赤の黄昏編

深淵の守護者と、赤の黄昏と

しおりを挟む
――ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォツ
 第7層のあちこちで爆発音が響き渡る。
 次元切断された第八階層を避けて、あたらしい階層が生み出されていく。
 そしてそれは最下層と第七階層のあちこちを繋げる回廊として縦横無尽に接続を開始し、そこを直通回廊としてゲートキーパーたちがゆっくりと寝食を始めていた。

「キノクニさま!! 現時点で新たに見つかった第八層に続く回廊は全部で六か所。現在は回廊から姿を現した黒いスライム上の魔物と交戦中とのことです」
「切ってもだめ、魔法も効果を発揮しない……あの黒いスライムの対処方法はないのですか」
「こちら第一回廊です。死者八名、スライムに取り込まれたものが三名。確認されたスライムの数は八体、うち一体は体内の核の破壊に成功し退治できた模様です」

 次々と届けられる報告。
 六か所の回廊は順に数値が割り当てられ、都度連絡員によってここ本部へと情報が届けられている。
 それを確認しつつ、キノクニは適切な人員配置の指示を出しているのだが、今のところ第七層を突破されたという報告は届いていない。

「オールレントの嬢ちゃん、そろそろ出番じゃないのか?」

 じっと閉ざされた第八層へと続く階段を睨みつけるレムリアに、キノクニが煽るように問いかける。
 彼女が回廊の討伐に参加してくれるなら、ここまで劣勢を維持することにはならなかったのだが。
 それでも、オールレントの装備を使っているからこそ、ここまでゲートキーパーの浸食を留められているというのも理解しているため、あまり強く出ることが出来ないのである。

「そう……みたい。ここが最終防衛戦になりそうな気がするから、守りを固めた方がいい」

 レムリアが立ち上がって階段のあった方へと進んでいく。
 すると、真っ黒い空間に突如、下り回廊が出現する。
 その向こうには、回廊全体を覆いつくすかのように集められたゲートキーパーの群れがうごめき、ゆっくりと回廊を上って来ていた。

「そのようだな……一人で大丈夫なのか?」
「問題ない……エリオンに転送要請。五番倉庫のドラゴンバスターをよろしく。弾倉は神聖魔術弾の二〇連を大量に」

 耳元につけてあるデバイスにそう呟いて、レムリアは右手を前に突き出す。
 
――ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
 レムリアの右腕に巨大なガントレットが出現すると、その外装後部にドラゴンバスター『40mm魔導バルカンファランクス』が転送される。
 そして彼女の背中にも巨大なバックパックが出現すると。、そこから伸びる給弾ベルトをドラゴンバスターに装着。

「それじゃあ、あとはよろしく」
「お、お、おう」

 あまりにも規格外な出来事が発生したため、キノクニは一瞬だけレムリアを呆然と見つめていた。
 だが、すぐに彼女の言葉で我に返ると、近くで待機していた伝令を掻く回廊へと走らせる。

「それじゃあ、対ゲート―キーパー用特殊弾をあげる……」

 カチッカチッと銃身が回転し始めたかと思うと、超高音を発しながら大量の弾丸が発射される。
 一分間で6000発の聖別された、対魔導儀式術式を刻み込んだ弾丸が斉射されると、回廊を上って来たゲートキーパーは瞬時にしてスライムの状態から液状化し、そして蒸発していく。

「……ゴクッ」

 その様子を見ていたキノクニは、ただ息を呑むことしかできない。

「エリオン、追加弾倉を」
『はいはい……それ、転送と』

――シュンッ
 一瞬で空になったバックバックが消失し、新しいバックパックが装着される。
 それを再び接続すると、今度はレムリアも回廊をゆっくりと降り始めた。
 奥の壁や天井から湧き出るゲートキーパーをレムリアが破壊するたびに、別回廊の黒いスライムの姿が消えていく。
 そして壁の奥から黒いスライムがにじみ出てこなくなるのを確認すると、レムリアはドラゴンバスターをエリオンの元へと転送、素早く左右の手に二振りの両手剣を生み出すと、奥にら出現した扉へ向かって走り出す。

「他の回廊の状況を確認。多分回廊自体が消滅していると思うから、あとはここに戦力を集めて。私はダンジョンマスターを始末するから」
「わかった、急ぎ他の回廊の連中にも伝令を走らせろ」

 そう叫ぶキノクニの言葉もレムリアのみみに届かない。
 すでに最下層へと繋がるる扉の前まで到着したレムリアは、両手の剣で扉を粉々に切断。
 そのまま最下層へと走り出した。


 〇 〇 〇 〇 〇


――同時刻、オールレント
 エリオンがレムリアから転送されたドラゴンバスターを倉庫へ送り出した時。
 店の入り口がゆっくりと開くと、赤のトワイライトが店内へと入ってくる。

「……ふう、まさかここに来るとは予想外だったけど。まさかダンジョンコアの暴走は囮だったのか?」

 冷静に髪をかき上げつつ、エリオンはトワイライトに問いかける。
 だが、トワイライトはそれには答えることはなく、ただ店内に並べられている魔導具を眺めて感心したように笑っていた。

「能力が封印されていても、ここまでの魔導具を作ることが出来るとはねぇ……どこまで力をとり戻したことやら」
「あいにくと、呪いについては一つも解呪できていねぇよ。あんたら異界貴族の連中がずっと行方をくらませていたからね……」
「では、どうやってここまでの力を?」
「蛇の道は蛇ってね。俺は錬金術師、無から有を生み出すぐらいはお茶の子さいさいってところだが、それで、本当になんの用事だ?」

 そう呟いてから、エリオンも首から下げている小さな三鈷杵シャクティのついたネックレスを契りと、手の中で三鈷杵を実体化させる。

「私にとって面倒くさい奴がいない今のうちに……エリオンを始末しようと思ってね。それじゃあ、グッバイ!!」

――タン
 軽く床を踏むトワイライト。
 その瞬間、店内に並んでいる魔導具が分解し爆発すると、エリオンめがけて破片を飛ばした。
 だが、それはエリオンの手前で速度を落とすと、そのまま床に落下していく。

「魔導具の中の魔石の元素を組み替えたのか……爆発と指向性ってところか?」
「察しがいいですね。ですが、それを床に落とした程度で止まるとは思っていませんよね?」

 トワイライトが右手の指をパチンと鳴らす。
 すると、先ほど地面に落下した破片が針のように姿を変え、エリオンに向かって飛んでいく。
 細さ0.1mmの針、それも100本近い本数が一斉にエリオンに向かって飛んでいったのである。
 だが、それもエリオンがシャクティで全て薙ぎ払い、同時にアイテムボックスに収納していく。

「ニードルガンかよ……元素使いなんていう名前じゃなく、錬金術師としても立派にやっていけるんじゃないのか? 俺もあんたも同じ門派みたいなものだからなぁ」
「ええ。ですから、貴方は邪魔なのですよ……こんな進化の停滞した星の住人に手を貸して、進化を促進するどころか旧時代の文明をそのまま守ろうとしている。忘れたのですか、私たちの星の結末を」

 再び床をトン、と踏み込む。
 すると今度は、トワイライトの足元の板がささくれ立ち金剛石の刃のようなものを生み出すと、高波のごとくエリオンめがけて降り注いでいった。

「進化の停滞、そこからの脱出のために異界の悪神と手を組んだ。その結果、星で人は生きられなくなり、俺たちは星を捨てて旅に出た……自業自得だったんだよ、俺たちは触れてはいけないものに手を出したんだよ。その結果が、俺たちに様々に力を与えた……」
「ええ。ですから、私たちはこの星でやり直そうとしたのではないですか。それをあなたは邪魔をした」
「俺たちの星のように、この星を実験場にしようとするお前たちにはついていけなくなっただけだ」

 飛び込んでくる刃もシャクティで薙ぎ払い、アイテムボックスに収める。
 双方ともに手詰まりのように見えているが、疲弊しているのはエリオンである。
 長高速で飛んでくる攻撃を全て受け流し、アイテムボックスを起動して収納。
 普通の人間では考えられないほどの高等技術を繰り返しているのだが、トワイライトは涼しい顔。

「他の六織は憤慨していましたからねぇ……裏切者であるあなたを始末しろと。でも、その前にあなたが我々の船を破壊した。結果として、私たちは悪神に自らの体の一部を捧げ、貴方の力を全て奪い取った……筈だった」
「筈……だったよな。だが、俺は御覧の通りだ。この建物から離れると死ぬ。この建物の中に俺の心臓は魔導具のように改装されて移植され、それも時がたつにつれて劣化して最後は停止する……と思ったんだろうけれど、俺は錬金術師でね、そんなところはとっくに処理済みだよっと」

――タン
 カウンターの中からシャクティを伸ばし、某高鳥羽のように勢いをつけてトワイライトに向かって飛んでいく。
 それを左右の棚を動かして止めようとするが、トワイライトの動き割も早くエリオンのドロップキックが炸裂する。

「ぐっ……何故だ、なぜそんなに動ける? 貴様は錬金術師であり、体術など身に着けていないはず」
「だーかーら、300年間、俺はずっと努力してきたんだよ? 格闘についてはほら、鬼の師匠が付いているからさ」

 口元からあふれる血をぬぐいつつ、トワイライトがよろよろと立ち上がって店の扉に向かって走り出す。
 元素使いであるトワイライトにとって、レムリアは御しやすい。
 武具など瞬時に元素分解なり変換して無力化してしまえばいい。
 だが、彼女が拳で攻撃してきた場合、今度はトワイライトは無力となる。
 『いかなる防御も無力化』するレムリアの特性を拳で発現されると、生き物の元素に干渉できないトワイライトではただ殴られるだけになる。
 それを恐れてレムリアをダンジョンに固定し、同じように格闘戦に不向きなエリオンを始末しようと考えていたのだが、それは失敗に終わってしまった。

「くっ……ここは一旦、逃げるしかありませんか」
「逃げる? それは無理だな」

 トワイライトが扉を開いて外に飛び出すが、再び店内に躍り込んできた。
 扉の空間をゆがませ、出ることが出来ないようになっているのである。

「こ、こんなバカな……貴様、空間まで操れるというのか?」
「まっさか。俺は錬金術師だぞ、そんな魔法なんて使えねーよ」
「それならなぜ、、空間を歪曲させられるのだ!!」
「簡単なことだよ……そういう魔導具を作っただけだ。それじゃあ、トワイライト、一つ目の鍵を貰おうとしようか?」

 タン、タンとシャクティで自分の手を叩きつつ、エリオンはトワイライトへと近寄っていく。
 そして逃げることもままならなくなったトワイライトが、周囲の壁や床の元素を噛みのようにうすっへらい材質に変化させてぶち破ろうとした時。
 
――ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォツ
 エリオンのシャクティが、トワイライトの腹部に向かって力いっぱい叩き込まれていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

嫌われ魔眼保持者の学園生活 ~掲示板で実況スネーク活動してるんだけど、リアルで身バレしそうwww~

一樹
ファンタジー
嫌われ者が趣味で楽しくおもしろく過ごす話です。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜

むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。 幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。 そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。 故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。 自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。 だが、エアルは知らない。 ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。 遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。 これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。

ダンジョン配信 【人と関わるより1人でダンジョン探索してる方が好きなんです】ダンジョン生活10年目にして配信者になることになった男の話

天野 星屑
ファンタジー
突如地上に出現したダンジョン。中では現代兵器が使用できず、ダンジョンに踏み込んだ人々は、ダンジョンに初めて入ることで発現する魔法などのスキルと、剣や弓といった原始的な武器で、ダンジョンの環境とモンスターに立ち向かい、その奥底を目指すことになった。 その出現からはや10年。ダンジョン探索者という職業が出現し、ダンジョンは身近な異世界となり。ダンジョン内の様子を外に配信する配信者達によってダンジョンへの過度なおそれも減った現在。 ダンジョン内で生活し、10年間一度も地上に帰っていなかった男が、とある事件から配信者達と関わり、己もダンジョン内の様子を配信することを決意する。 10年間のダンジョン生活。世界の誰よりも豊富な知識と。世界の誰よりも長けた戦闘技術によってダンジョンの様子を明らかにする男は、配信を通して、やがて、世界に大きな動きを生み出していくのだった。 *本作は、ダンジョン籠もりによって強くなった男が、配信を通して地上の人たちや他の配信者達と関わっていくことと、ダンジョン内での世界の描写を主としています *配信とは言いますが、序盤はいわゆるキャンプ配信とかブッシュクラフト、旅動画みたいな感じが多いです。のちのち他の配信者と本格的に関わっていくときに、一般的なコラボ配信などをします *主人公と他の探索者(配信者含む)の差は、後者が1~4まで到達しているのに対して、前者は100を越えていることから推察ください。 *主人公はダンジョン引きこもりガチ勢なので、あまり地上に出たがっていません

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

いずれ殺される悪役モブに転生した俺、死ぬのが嫌で努力したら規格外の強さを手に入れたので、下克上してラスボスを葬ってやります!

果 一
ファンタジー
二人の勇者を主人公に、ブルガス王国のアリクレース公国の大戦を描いた超大作ノベルゲーム『国家大戦・クライシス』。ブラック企業に勤務する久我哲也は、日々の疲労が溜まっている中、そのゲームをやり込んだことにより過労死してしまう。 次に目が覚めたとき、彼はゲーム世界のカイム=ローウェンという名の少年に生まれ変わっていた。ところが、彼が生まれ変わったのは、勇者でもラスボスでもなく、本編に名前すら登場しない悪役サイドのモブキャラだった! しかも、本編で配下達はラスボスに利用されたあげく、見限られて殺されるという運命で……? 「ちくしょう! 死んでたまるか!」 カイムは、殺されないために努力することを決める。 そんな努力の甲斐あってか、カイムは規格外の魔力と実力を手にすることとなり、さらには原作知識で次々と殺される運命だった者達を助け出して、一大勢力の頭へと駆け上る! これは、死ぬ運命だった悪役モブが、最凶へと成り上がる物語だ。    本作は小説家になろう、カクヨムでも公開しています 他サイトでのタイトルは、『いずれ殺される悪役モブに転生した俺、死ぬのが嫌で努力したら規格外の強さを手に入れたので、下克上してラスボスを葬ってやります!~チート魔法で無双してたら、一大勢力を築き上げてしまったんだが~』となります

劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す! 無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。 カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。 唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。 学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。 クラスメイトは全員ライバル! 卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである! そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。 それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。 難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。 かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。 「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」 学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。 「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」 時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。 制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。 そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。 (各20話編成) 1章:ダンジョン学園【完結】 2章:ダンジョンチルドレン【完結】 3章:大罪の権能【完結】 4章:暴食の力【完結】 5章:暗躍する嫉妬【完結】 6章:奇妙な共闘【完結】 7章:最弱種族の下剋上【完結】

処理中です...