レンタルショップから始まる、店番勇者のセカンドライフ〜魔導具を作って貸します、持ち逃げは禁止ですので〜

呑兵衛和尚

文字の大きさ
上 下
8 / 29
第一章・迷宮大氾濫と赤の黄昏編

第8話・レンタルの極意と、契約違反の代償

しおりを挟む
 ピッピッピッ。

 オールレントのカウンター裏、小さな小部屋から音が聞こえてくる。
 それまではのんびりと、棚に商品を補充していたエリオンであったが、突然のできごとにカウンターを飛び越え、小部屋の扉を開く。

 そこには、つい三日前に貸し出したミスリルの武具が、チカチカと緑色の光を点灯している魔法陣の中に姿を現していた。

「あの三人組のか……この様子だと、ちゃんと契約書も控えの書類も見ていないな。まったく、どこでレンタル切れになったことやら」

 ポリポリと頭を掻きつつ、左手で魔法陣の中にあるショートソードを手に取り、右手で素早く印を組み込む。
 すると、エリオンの目の前に、ダンジョン内部の映像が浮かび上がった。

「まだ、契約の精霊エンゲージはそこに残っているか。しかし、もうぼろぼろじゃないか……」

 ドラゴンブレスの一撃を受け、ほぼ半死半生状態の三人。
 どうにか予備の魔法使いの杖で回復魔法を発動しつつ、ドラゴンから逃げ回っている姿が見えている。

「契約は完了した、だから、返しに来なかったそいつらが悪い。ダンジョンの中で冒険者が死ぬのは、日常茶飯事、マスターが困ることはないと思うけど」

 外の清掃を終えたレムリアがやって来て、エリオンの横で映像を眺めながら呟く。いつものように無機質な表情で、まるで映像の三人が死のうがどうなろうが、まったく気にするそぶりもない。
 それについてはエリオンも同意するのだが、いきなりレンタル契約を無視して死なれるのも癪に触る。

「レムリア、奴らの契約の精霊エンゲージの元に転送する。奴らを助け出してくれるか?」
「なぜ?」
「魔導レンタルショップ、オールレントとの契約を破った見せしめに使う。これに懲りて、契約を無視する奴らが出ないようになって欲しいからさ。頼まれてくれるか?」

 ニィッと笑うエリオンに、レムリアが頬を少しだけ染める。
 恋愛のような感情は持ち合わせては居なかったが、この笑顔だけはずるいと、レムリアはいつも思っていた。
 
「それが、この店のためになるのなら。装備は?」 
「ドラゴンバスターを一式送り出す。だから、先に奴らの元へ向かってくれ」

──ダン!!
 力一杯、右足を床に向かって踏み込む。
 それだけでエリオンの足元に転送魔法陣が浮かび上がったので、レムリアは間髪入れずに!そこに飛び込んでいった。
 
「さて、ドラゴンバスターは5番倉庫か……」

 急いで裏の倉庫に向かうと、エリオンは倉庫の中の装備をまとめて転送するために、魔法陣を起動させた。

………
……


──ハァハァハァハァ
 ヤッチマは、一度、死にかかった。
 レンタル装備が全て消え、ドラゴンブレスの一撃を受けたのである。
 もしも目の前のドラゴンが、もっと下層の階層ボスならば、ヤッチマたちは一瞬で黒焦げになっていたであろう。
 だが、ヤッチマたちは、一撃をもろに全身に浴びてもなお、生き残った。
 そして生き残ったのなら、ナーニィの回復魔法で、動けるようにはなる。
 
 だが、そのナーニィの予備の杖も、三人の完全治癒のために魔力を使い切り砕け、あとはダーマルが三人に『装甲の術式フルアーマー』を施し、今はどうにかボス部屋の中を駆け抜けている最中であった。

「ぐぅぉぉぉおぉ、あのレンタルショップ、訴えてやるぅゥゥゥゥゥゥ」
「あんな不良品を押し付けるなんて、なんて卑怯な店なんでしょう」
「ぼったくりだ、絶対に賠償させてやる!!」

 自分たちが一方的に契約を無視しただけなのに、ヤッチマたちは怒りの矛先をエリオンに向けている。

──シュンッ
 すると、ヤッチマたちとドラゴンの間に魔法陣が展開。
 そこからレムリアが飛び出してくると、一瞬で右腕に巨大なガントレット・アームを転送装着。そのまま大口を開けてレムリアを噛み砕こうとしたドラゴン目掛けて、全力の右フックを叩き込む!!

──ガッゴォォォォォォン
 踏み込んだ右足元の床材が砕け散り、ドラゴンもまた、一撃で右壁に叩きつけられた。
 その光景を、ヤッチマたちは呆然とした顔で見ていたが、すぐさまドラゴンを殴り倒したのがオールレントの外で掃除をしていた女性であることに気がついた。

「て、てめぇ、あの詐欺師の手先じゃねーか」
「貴方の店のおかげで、私たちは酷い目にあっているのよ?」
「その通り。装備も何もかも失ったんだ、責任を持って賠償してもらわないと割に合わない」

 自分たちのやらかしたことは全て、頭の片隅からも消え失せている。
 その言葉を聞いて、レムリアは心底、嫌そうな顔をして。

「はぁ? 貴方たちとの契約は切れた。だから、貸し出した装備は帰ってきた。そこに何か問題でも?」
「なんで勝手に転送するんだ、こんなダンジョンの中で装備を失ったら、どうなるかぐらいわかっているだろうが」
「……契約書の注意事項に、全て書いてある。マスターは貴方たちに説明をしようとしたが、それを貴方たちは無視した。だから、契約書に全て書いてあるので、ちゃんと読むようにと説明した。それを無視したのだから、貴方たちのミス。私たちは何も悪くない」
「「「なんだと!!」」」

 そうレムリアにくってかかる三人。
 だが、その背後では、壁に吹き飛ばされたドラゴンがゆっくりと体を起こしていた。

「まあ、ここで貴方たちに死なれても困る。うちの商品を契約を無視して使った結果。あなた達には、その宣伝材料になってもらうので。ほら、後ろに来てますよ?」

 三人の後ろを指差すレムリア。
 そしてヤッチマたちも恐る恐る後ろを振り向くと、そこにはすでに臨戦態勢になっているドラゴンの姿が見えていた。

「嘘だろ!!」
「あ、あなた、なんとかしなさいよ!」
「そ、そうだ、俺たちはもう、戦う力はない……」
 
 素早くレムリアの背後に飛び込んでくると、ヤッチマたちはレムリアを盾にするようにドラゴンの方を向く。

「はぁ。マスターの指示でなければ、貴方達はここで見殺しにしていた。だから、生きて帰れることに感謝しなさい」

 レムリアが右腕を横に伸ばす。
 すると、その巨大な腕に、細く丸い筒の束ねられた装備が装着される。

──グウォォォォォォォォォォォ
 ドラゴンが咆哮を放ち、口を大きく開く。
 先ほど、ヤッチマたちが受けたドラゴンブレスの体勢であるのだが、レムリアはその口の中に右腕を突き刺した。

「さてと。ドラゴンの素材も必要。悪いけれど、貴方はこのダンジョンから引き離します」

──brooooooom
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「な、何よこれ、何よこの音はぁぁぁぉ」
「うおぉぉぉぉ、死ぬ、今度は確実に死ぬぅぅぅぅ」

  轟音と共に、レムリアの右腕の装備が高速回転する。
 そしてドラゴンバスター『40mm魔導バルカンファランクス』がドラゴンの頭部をミンチにする。
 その爆音の中、三人は悲鳴をあげて奥の壁まで走って逃げていったが、レムリアはそんな事は意にも返さない。
 そして、頭が吹き飛び、血を流して床に倒れていくドラゴンを、レムリアは背中の小さな背嚢の中に一瞬で吸い込んだ。

「あ、お、おい、さっきのドラゴンの死体は?」
「回収した。それじゃあ、外に出る扉は開くから、そこから帰るといい。まさか、装備も無しに、この先に進むとは思えないし、今度は危機になっても助けには来ない。だから、その時はここで死んで」

──ブゥン
 レムリアの足元に転送魔法陣が広がる。
 それに合わせて右手を振り、ドラゴンバスターとガントレット・アームを先に魔法陣を使ってエリオンの元に送り出す。

「ま、待て、出口は?」
「そっち。三層に向かう扉の横、そこに地上へ向かう直通魔法陣がある。だから、とっとと帰って、それじゃあアディオス」

──シュンッ
 一瞬でレムリアの姿が消え、足元の魔法陣も消滅した。
 それを見たヤッチマ達は、少しでも破壊した装備の穴埋めにと、落ちているドラゴンの肉やら骨を集めて鞄に詰め込むと、急ぎ足で地上へ向かう魔法陣に飛び乗った。


 ◯ ◯ ◯ ◯ ◯


──シュンッ
 オールレント、カウンター裏の小部屋。
 そこにレムリアは帰還した。

「ただいま戻りました。ドラゴンの返り血で真っ青です、シャワーを浴びて来ます」

 ちょうど接客中のエリオンにそう告げてから、レムリアは店舗上のエリオンの自宅へと向かう。
 そして、その光景を見ていた客……冒険者達は、目をぱちくりと瞬かせながら、エリオンの方を向く。 

「あ、あの子って、店の外で掃除していた子だよね? ドラゴンがどうとか話していたけれど?」
「はっはっ。お客さん、気のせいですよ。それよりも、レンタルするのは、このカバンで構わないのかい?」
「ええ。ちょっと長くダンジョンに篭りたいので、予備の装備や食料をできるだけ詰め込んでいきたいんですよ……と、それよりも、さっきの子は大丈夫なのか?」
「はっはっはっ。あの子は、丈夫が取り柄ですからね。では、契約してしまいますか」

 偶然、オールレントを発見した冒険者達が、収納量増量の鞄を借りにやってきていたのである。そんなところで、血まみれのレムリアが出てくるものだから、驚くのも無理はないだろう。
 そして無事に契約を行い、一通りの注意事項を聞かされた冒険者達は、必ずレンタル期間が終わる前に、この店まで鞄を返しにこようと心に誓った。

 まさか、レンタル期間が切れた時点で、内部に収められていたものが全て吐き出され、カバンが消えると言われるなど思ってもいなかったのである。

──カランカラーン
 そして冒険者達が店から出る頃、レムリアもシャワーを浴びて着替えてから、店舗まで戻ってきた。

「それで、契約違反者達は?」
「知らない。帰り道は教えた、ついでに階層ボスのドラゴンとダンジョンのリンクを切って、素体は持って帰ってきた……あのダンジョンは、やはり何かおかしい」

 レムリアの報告を聞いて、エリオンは頭を傾げる。
 二号ダンジョンは、この世界におけるダンジョンの配置モンスターのパターンとは大きく異なっている。
 二層の階層ボスにスモールとはいえドラゴンが姿を現すなど、あってはならない事であるから。
 
「まあ、この前潰したやつのデータを見る限りじゃあ、確かに瘴気濃度は普通に見せかけているけどね。でも、やっぱり何かありそうなんだよなぁ」
「だから、次の場所へ行くためのランダム転移が発生しない。まだ、このキノクニ領でやらないとならないことがあると思う」

 レムリアの話を聞きながら、次に何が起きるか、何をするべきかを、エリオンはカウンターの中で考えることにした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜

むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。 幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。 そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。 故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。 自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。 だが、エアルは知らない。 ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。 遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。 これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~

味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。 しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。 彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。 故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。 そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。 これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

やがて神Sランクとなる無能召喚士の黙示録~追放された僕は唯一無二の最強スキルを覚醒。つきましては、反撃ついでに世界も救えたらいいなと~

きょろ
ファンタジー
♢簡単あらすじ 追放された召喚士が唯一無二の最強スキルでざまぁ、無双、青春、成り上がりをして全てを手に入れる物語。 ♢長めあらすじ 100年前、突如出現した“ダンジョンとアーティファクト”によってこの世界は一変する。 ダンジョンはモンスターが溢れ返る危険な場所であると同時に、人々は天まで聳えるダンジョンへの探求心とダンジョンで得られる装備…アーティファクトに未知なる夢を見たのだ。 ダンジョン攻略は何時しか人々の当たり前となり、更にそれを生業とする「ハンター」という職業が誕生した。 主人公のアーサーもそんなハンターに憧れる少年。 しかし彼が授かった『召喚士』スキルは最弱のスライムすら召喚出来ない無能スキル。そしてそのスキルのせいで彼はギルドを追放された。 しかし。その無能スキルは無能スキルではない。 それは誰も知る事のない、アーサーだけが世界で唯一“アーティファクトを召喚出来る”という最強の召喚スキルであった。 ここから覚醒したアーサーの無双反撃が始まる――。

食うために軍人になりました。

KBT
ファンタジー
 ヴァランタイン帝国の片田舎ダウスター領に最下階位の平民の次男として生まれたリクト。  しかし、両親は悩んだ。次男であるリクトには成人しても継ぐ土地がない。  このままではこの子の未来は暗いものになってしまうだろう。  そう思った両親は幼少の頃よりリクトにを鍛え上げる事にした。  父は家の蔵にあったボロボロの指南書を元に剣術を、母は露店に売っていた怪しげな魔導書を元に魔法を教えた。    それから10年の時が経ち、リクトは成人となる15歳を迎えた。  両親の危惧した通り、継ぐ土地のないリクトは食い扶持を稼ぐために、地元の領軍に入隊試験を受けると、両親譲りの剣術と魔法のおかげで最下階級の二等兵として無事に入隊する事ができた。  軍と言っても、のどかな田舎の軍。  リクトは退役するまで地元でのんびり過ごそうと考えていたが、入隊2日目の朝に隣領との戦争が勃発してしまう。  おまけに上官から剣の腕を妬まれて、単独任務を任されてしまった。  その任務の最中、リクトは平民に対する貴族の専横を目の当たりにする。  生まれながらの体制に甘える貴族社会に嫌気が差したリクトは軍人として出世して貴族の専横に対抗する力を得ようと立身出世の道を歩むのだった。    剣と魔法のファンタジー世界で軍人という異色作品をお楽しみください。

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います

しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

ダンジョン配信 【人と関わるより1人でダンジョン探索してる方が好きなんです】ダンジョン生活10年目にして配信者になることになった男の話

天野 星屑
ファンタジー
突如地上に出現したダンジョン。中では現代兵器が使用できず、ダンジョンに踏み込んだ人々は、ダンジョンに初めて入ることで発現する魔法などのスキルと、剣や弓といった原始的な武器で、ダンジョンの環境とモンスターに立ち向かい、その奥底を目指すことになった。 その出現からはや10年。ダンジョン探索者という職業が出現し、ダンジョンは身近な異世界となり。ダンジョン内の様子を外に配信する配信者達によってダンジョンへの過度なおそれも減った現在。 ダンジョン内で生活し、10年間一度も地上に帰っていなかった男が、とある事件から配信者達と関わり、己もダンジョン内の様子を配信することを決意する。 10年間のダンジョン生活。世界の誰よりも豊富な知識と。世界の誰よりも長けた戦闘技術によってダンジョンの様子を明らかにする男は、配信を通して、やがて、世界に大きな動きを生み出していくのだった。 *本作は、ダンジョン籠もりによって強くなった男が、配信を通して地上の人たちや他の配信者達と関わっていくことと、ダンジョン内での世界の描写を主としています *配信とは言いますが、序盤はいわゆるキャンプ配信とかブッシュクラフト、旅動画みたいな感じが多いです。のちのち他の配信者と本格的に関わっていくときに、一般的なコラボ配信などをします *主人公と他の探索者(配信者含む)の差は、後者が1~4まで到達しているのに対して、前者は100を越えていることから推察ください。 *主人公はダンジョン引きこもりガチ勢なので、あまり地上に出たがっていません

処理中です...