解体新書から始まる、転生者・杉田玄白のスローライフ~わし、今度の人生は女の子なのじゃよ~

呑兵衛和尚

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魔族と闇落ちした竜と、滅ぶ都市

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 玄白が領主の元に陳情に向かった翌日。
 診療所に、再び騎士たちがやってきた。

「スギタ先生はいらっしゃいますか!!」
「なんじゃ?」

 玄関の外からの声。
 診察も一段落したので、玄白は扉を開いて外を見る。
 そこには全身鎧に身を包んだ騎士が10名、並んだ待機している。
 そして扉の前には、指揮官である騎士団長がフルフェイスのヘルメットを小脇に抱え、扉の向こうにいる玄白を見て一言。

「ドラゴン討伐任務に参加してもらうべく、お迎えにあがりました。これは国王陛下からの勅命であり、書簡としてこちらを記されています。もしもこの事を断ると投獄されますが、どうしますか?」

 
 そう告げてから、書簡を玄白に手渡す。
 そのあまりにも一方的な物言いに、玄白は頭をポリポリと掻く。
 その玄白の背後では、警備任務として待機しているスタークたちが立っている。
 そして騎士達の目の前で書簡を見るが、そもそも正式な書簡がどのようなものであるかなど、玄白には理解できない。

「スタークさんや。これは正式な書簡なのか?」
「確認します……」

 玄白から書簡を受け取って確認するものの、スタークも過去に一度しか見たことがない。
 その時の記憶を頼りに見てみるが、しっかりと国王の名前のサインも、魔法印も押されてあるので間違いはないだろうと判断した。

「さて、氣志團長に問いたい。国王の勅命は、その国の民にのみ適用される。スギタ先生は国民ではなく冒険者登録されているので、王の勅命は聞く必要がないはずだが」
「ランガクイーノ・ゲンパク・スギタの冒険者登録は失効された。この国で商売を行なっている限りは、スギタは国民に等しく、国王の命令に従う義務がある!!」
「なっ!! なんだと?」

──バッ
 スタークの問いかけに騎士団長がそう叫ぶと同時に、一枚の書面を開いて退治する。
 そこには、冒険者ギルドが玄白のギルド登録を失効したことが克明に書かれており、しっかりと領主のサインと印章が押されていた。

「ドラゴン討伐に従わない場合、速やかに不敬罪として投獄することになり、犯罪奴隷としての烙印が押される。さあ、どうする!」

 この一方的な物言いに、玄白は怒りを覚えるどころか、哀れみを感じ始めていた。
 己の利己的要求が撥ねつけられると、権力をかさにきて無理難題を押し付ける。
 あまつさえ、犯罪奴隷として隷属の首輪を嵌めることにより、玄白にエリクシールを作り続けさせることが目に見えている。

「……ふぅ。世界が変わっても、権力者というのはこういうものなのか。これが、この国の姿なのか」

 ため息をつきつつ、玄白が呟く。
 その言葉が聞こえたのか、騎士団長が玄白に向かって剣を引き抜き、突きつける。

「いま、なんといった!! その返答次第によっては、この場で切り捨てる!」

 鋭い剣幕で脅しかける騎士団長。
 だが、玄白は臆することなく、騎士団長の目を見て一言。

「こんな国、滅んでしまえ!」

──ガギィィィン
 玄白の言葉に激昂し、剣を振り上げて斬り掛かる。
 だが、それを交差法を交えた白羽取りで受け、そのまま剣をへし折ると、神速で騎士団長の懐に飛び込み、その胸元に掌底を叩き込んだ。

──ガッコォォォォォン
 激しく後方に吹き飛び、さらに放たれた闘気により体が硬直する騎士団長。
 これには、周りの騎士たちも反応が鈍ってしまった。

「はぁぁぁぁぁ。やめじゃ、こんな国、出ていってやるわ。スタークさんや、契約は今日でおしまいじゃ、差額分は迷惑料として持っていってくれて構わん」

 玄白はさらに最中全身に闘気を流し込み、身体能力を強化する。
 
「では。残りの期間は、スギタ先生が隣国に向かうまでの護衛代金ということで」

──ザッ!!!!
 素早く扉からサフトとミハルが飛び出し、背後で控えていた騎士の二人を力一杯蹴り飛ばす!!
 さらにマクシミリアンが出てくると、玄白に向かってくる騎士たちの攻撃を盾で受け止め、そのまま弾き飛ばす。

「まったく。お主らの実力なら、この国でのんびりとできたじゃろうが」
「そうもいきませんわ。恩人の危機を見捨てるなんて、【深淵をかるもの】の生き方に反します!」
「そういうことですよ。それじゃあ、手配が回る前に城門を越えるとしましょうか!」

 マチルダとスタークも飛び出し、残りの騎士たちをあっさりとかたづける。
 鎧を着込んでいるので普通に剣を振るっても弾かれる可能性がある。故に全力で頭に向かって一撃を叩き込み、脳震盪を引き起こさせる。
 マチルダも杖から炎の矢を放ち、鎧に纏わり付かせて火傷を併発させるなど、なかなかにエグい攻撃を仕掛けている。

「今のうちに!!」

 騎士たちが身動き取れなくなるのを見計らい、スタークの合図で全員が走る。
 そして停車場に預けてあった馬車に飛び乗ると、そのまま正門へと走っていくのだが、すでに正門は閉じられ、別の王国騎士団が待機している。

「ここまでか……」

 目の前の騎士団を相手にして、さらにこの正門を越えるとなると玄白も無事で済むはずもなく。
 当然ながら、騎士団にも被害はでる。
 それでもなお、力任せに逃げられないことはないのだが、それは玄白のチートすぎる御神体ならばの話。
 そのようなチート能力を持たないスターク達はとらえられ、国に弓を引いた存在として処刑される。
 そして後ろからも、先ほど吹き飛ばした騎士団長や騎士たちも体勢を整えてやってくる。

 玄白は馬車を止め、外を見る。

「ランガクイーノ・ゲンパク・スギタに告げる!! この隷属の首輪をつけ国に服従するのならば、そこの冒険者達の命は助けてやろう……」

 騎士団長が叫ぶ。
 すると玄白は覚悟を決め、馬車から降りる。

「だめだ、俺たちのことは気にしなくていい、スギタ先生は逃げてくれ!!」
「……そんなこと、できるはずがないじゃろう。さて、何処でボタンをかけ間違えたのじゃろうなぁ……欲に目をくらませた人間達が悪いのか、それとも財宝を成すドラゴンの存在自体が悪いのか……。なぜ、人というものは、かように醜い過ちを繰り返そうとするのか……」

 そう呟きつつ、玄白は両手を前に出して歩き始める。
 そして枷を手にした騎士が玄白に近寄った時。

──シュシュシュシュンッ!!
 騎士団目掛けて、一斉に弓が飛んでくる。
 それは玄白と騎士の間に突き刺さると、そのまま正門前の騎士団目掛けて大量に降り注ぎ始めた。

「なんだ、何が起こった?」

 スタークが周囲を見る。
 すると、あちこちの建物の屋根、路地裏からオリオーンの警備騎士や冒険者が姿を表した。

「ギルドの命令なんてクソ喰らえだ!! スギタ先生には俺たちは恩がある。今のうちに、正門を突破してくれ!!」
「そうだそうだ、こんなか弱い女の子を捕まえて、挙句奴隷にしようだなんて、貴様ら王国騎士団は鬼か!!」

 冒険者のヤジが飛ぶ。
 それに対して騎士団長は薄ら笑いを浮かべつつ、正門へと後退りを始めた。

「王国の命令に従わないものは、すべて逆賊と見做す!! 全て殺せ!!」

 騎士団長が剣を引き抜いて号令を放つ。
 そして騎士団もまた、盾を構えて玄白達に向かって進軍を始める。

「スギタ先生は馬車へ。どうにかして正門を突破します」
「無理じゃ、あんな分厚い壁をどうやって破壊するのじゃ!!」

 そう玄白がスターク達に叫ぶと、ミハルとマチルダも武器を構えて馬車の前に出る。
 マクシミリアンも盾を構えて馬車前に出ると、こちらに向かってくる騎士達を牽制し始める。

「道は開きます」
「スギタ先生に助けられた命、ここで役立てないで冒険者と名乗ることなどできませんわ」
「そういうこと。さあ、早く!!」

 マクシミリアンが叫んだ。
 その時。

──バリバリバリバリィィィィン
 玄白たちの馬車の後方から、稲妻が正門めがけて飛んでいく。
 それは騎士達を感電させ麻痺状態に追い込むどころか、正門を一撃で破壊した。

「騎士団長オールブラン。先ほど、王国からの『本物の』勅令が届きましたよ……」

 一枚の書簡を手に、ザビーネが馬に乗って駆けつける。
 それを正門前の騎士団長に突きつけると、ザビーネは馬から飛び降りた。

「全ては、あなたの企み。ドラゴンを討伐し、その卵を奪ってこいだなど、国王は望んではいない……それを貴様は捻じ曲げ、こちらのような偽の勅命を作り出して、何を企んでいるのですか?」

──バサッ
 手にした偽物の勅命の記された書簡を投げ、本物を広げて前に突き出す。
 すると、正門前に立っていた騎士団長の顔色が赤くなり始める。

「チッ……あと少しで、この国も滅びの道へ向かうことができたのに……聡い奴らだな」

 先程までの声とは違う、高音と低音の入り混じった声。
 
「まあ、潮時か。貴様らはドラゴンの元へ向かえ、奴を堕としてしまえ!!」
「「「「「はっ!!」」」」

 騎士団長の命令を受けた騎士たちが振り向くと同時に、その背中から巨大な翼を広げ、空高くへと飛び立つ。
 そしても騎士団長もまた、体を覆っていた鎧が砕け散り、その中こらから赤黒い体皮が姿を現した。
 両腕がミシミシと音を上げつつ膨れ上がり、頭部には四本の角が生えてくる。

 騎士団長の姿は、人間とは異なる異形へと変容を遂げたのである。
 
「その姿は、魔族か!」
「如何にも。魔人覚醒薬というものがあってだね。私はその薬を使って、くだらない人間の皮を捨て、魔族となった……さあ、楽しいパーティを始めようじゃないか。この国は間も無く滅ぶ。破滅を糧として、この国は魔族の国へと生まれ変わるのだぁぁぁぁ」

 絶叫を上げる騎士団長。
 その体目掛けて冒険者たちの矢が雨の如く降り注ぎ、ザビーネの手から放たれた稲妻がその体を貫く……かと思いきや。

──ブン
 稲妻を右手の一振りで打ち消し、降り注ぐ矢は体の手前で弾かれてしまう。

「あ、だ、ダメだ、将軍級の魔族じゃないか、あんなの人間が勝てるはずがない」
「逃げるぞ、早く逃げるんだ!!」

 魔族に対して有効打となるのは、魔法の武具もしくは高位魔法。
 それど、勇者が振るう聖剣のみ。
 そのうちの一つである魔法を、右手の一振りで打ち消すなど、上位魔族でしか行うことはできない。

「スギタ先生、ここはもうダメだ、早く逃げた方がいい」
「なんじゃと! 奴は止められないのか?」
「俺たちは勇者じゃない、普通の人間だ。魔族に勝てるはずがないんだ」

 流石のスタークでも、魔族と戦う術が存在しない。
 それゆえに、ここは逃げの一手を使うしかないと判断した。

 さらに。

──グァァァァァァォォ!!
 突然、空から聞こえてきたのはドラゴンの奇声。
 漆黒の翼を羽ばたかせた二体のドラゴンが上空に姿を現したと思ったら、街に向かって炎を吐きはじめた。

「な、なんじゃあのドラゴンは……マチルダさんや、あれはなんじゃ? どうしてあの二頭の姿が、あのように変容したのじゃ!!」

 ドラゴンの顔つきを見て、玄白は悟った。
 あれは心優しい、卵を守る二頭のドラゴン。
 それが黒い闇色に染まり、街の人々を蹂躙しはじめた。

「分からない……ただ、伝承には、あのように闇落ちしたドラゴンの姿が残されています。呪詛を植え付けられたドラゴンは、魔族の傀儡となり生きるものを全て殺戮する……と」

 闇落ちしたドラゴンが二体
 そして将軍級の魔族とその配下たち。
 流石に御神体を持つ玄白といえど、戦闘経験を持たない彼女では勝てる見込みなどない。

「スタァァァァァク!! スギタ先生を、街の人を連れて逃げろ!! 我々は時間を稼ぐ。だから、一人でも多く、街の人を逃すんだ!」

 ザビーネの声が響く。
 そした彼の近くにはギルドマスターの姿もある。

「……スギタ先生、逃げます……」

 血が滲むほどに、スタークは拳を握る。
 自分たち、【深淵を狩るもの】もその場にとどまり、囮として戦いたかった。
 だが、領主は逃げろと、人々を守れという。
 それならば、より多くの人を助けるために逃げるのが先決。

「全員乗れ!! 避難民のしんがりを我々が務める……スギタ先生も、早く乗ってください」
「うむ……」

 頷いて馬車へ向かう玄白だが、ふと解体新書ターヘル・アナトミアを取り出し、ザビーネの元へと走った。

「ザビーネさんや、今持っているエリクシールはこれで全てじゃ。ギルドマスターや、これは傷を癒す薬、これは魔力を回復する薬……頼むから、お前さんたちも……生き延びてくれ」
「死を覚悟している私たちに、またあなたは無茶なことを言いますね……」
「街の全員が逃げ延びたあとで、俺たちも逃げるから安心しろ……早く行け」

 玄白の頭をポンポンと叩くギルドマスター。
 
「約束じゃからな!!」

 それだけを告げ、玄白は馬車へと戻る。
 そして正面の門ではなく街の人が逃げていく東門へと馬車を走らせると、逃げ出した避難民の誘導を開始、そして最後の避難民が街の外へと出るのを確認すると、そのまましんがりを務めるように東から南方ヘ向かう街道を進みはじめた。



 
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