一ヶ月の入院~私の場合~

よしき

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一ヶ月の入院~私の場合~7

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  さて、入院生活もやっとまともな扱いとなり(それでも閉鎖病棟ですが(笑))、少しは落ち着いてくるはず...でした。

しかし、私は、どうしても納得できないことがありました。
それは、
「看護師さんの言葉使い」
でした。
一握りの看護師さんのですが、声かけから対応まで本当に許せなかったのです。
  
①TTと言う男性の看護師(ポータブルトイレの時に、対応が変な人しかも、看護師TTがいると、一日ポータブルトイレはTTが片付けにくる)
  その人は、閉鎖病棟において、一人だけ異質でした。すぐに頭ごなしに怒鳴るし、下ネタを言っているのです。
  いくら精神科だからって、言っていいこと悪いことがあります。

②看護室での対応
  以前よりそうでしたが、患者さんがコンコンと何度もしつこく看護室のドアをたたくのですが、皆理由が大事があります。
(タバコとか・おやつ・薬・お金・電話...)人によっては、目的は違います。しかし、中には、シツコイ患者さんもいます。
  確かに、いくら看護師さんでも、疲れてしまいます。でも、それなりに対応はしてくれる人はいます。
   そんな中、私は週2回しかこない主治医に話がしたくって。食事が終わったときに、昔からの看護師さんに
「先生に話をしたい」
と伝えました。すると、
「今は忙しいから。後で先生に伝える」
との事。
  そこで、一度は私も、引きました。
  その後、二時間してから同じ内容を話しに看護室に行くと、看護師Tさんが、鍵を開けて出てきました。  
   私が、もう一度先程と同じ話を始めると、先程の看護師さんが座りながら
「もう、先生は忙しいから。無理!」
と、頭ごなしに言ってきたのです。
  しかし、看護師Tさんは違いました。
「今日の入院があったものですから。今は先生はそちらの書類や指示出しをしています。その為、時間がかかります」
 と、説明をしてくれました。
  私は、看護師Tさんの説明を受け、その場を引いて、自分の部屋に戻りました。
  しかし、私の中でこのとき。極端に考えが傾きました。入院してからのこと、個室での対応、看護師TTの事、そして、今回の事...
   私は、約一ヶ月の入院で、看護師さんとの関係を作ろうと、約束ごとは守ったし。自分から時間になる少し前に、借り物を返していました。
  それも、看護師さんが落ち着いたときや、忙しくない時間にできるだけ合わせて。
  それなのに、あの話し方はいったいなに? 人の事を何だと思っているんだ!ここまで不安だったのです侮辱される覚えはない!
  そうして、私の心は、一つに決まっていました。

「明日、何があっても『自己退院(医師の指示でなく、自分の意思で退院する)』しようと、決めたのです。
 
はた目から見たら、やっぱり私も、精神疾患の患者ですね(笑)

何はともあれ、『自己退院』を決めた私は、荷物をまとめて、ノートに書いてあった日記を読み返していました。
  数々の病棟で起きた事を振り返り、自分が『自己退院』をするにあたり、看護師にどのように説明するかを繰返していました。

  すると、突然。
  主治医の『アラブの商人』が、どういう訳か部屋にやって来たのです。
  アラブの商人は、いつでも怒らず、話をチャンと聞いてくれる人で、精神科の医者だからでなく、『主治医』として尊敬ができる方です。
  多分、診察室にいて、『一ヶ月の入院  12』での騒ぎを聞いていたのでしょう。わざわざ来てくれたのです。

アラブの商人は、
「今週の木曜に、旦那さん(ヒコちゃん)がいるときに外泊をして、それでも問題がなかったら、退院しましょうか?」
と、優しくプランを私に話してくらました。
  しかし。『自己退院』することしか無かった私。
はじめは、アラブの商人に、お茶を濁すかたちで話をしてしていました。
しかし、心の奥の気持ちが溢れそうで。
  そして、会話をしているうちに、とうとう気持ちが口から漏れてしまいました。漏れだしたら、後は止まりません。
  結局、今までの事を一気にぶちまけました。
  そして、先生の指示がなくても退院する意思を伝えました。

さすがに、アラブの商人も驚いていましたが、私が、話を吐き出し終わるのと、何やら言葉を反芻していました。
  そして、ゆっくりと私には話しかけてきました。
「それは、病院の安全管理危機の問題ですね。できたら、それを文章にするか、専門の相談員に話してもらえませんか?」
  こんどは、私の方が驚きました。
  そして、さらに。
「そしてそれが終えたら、明日退院することにしましようか?」
そう言ってきたのです。
  私は、少し、後ろめたく感じました。だって、同じ職種の人の悪口を書くと言うことです。
しかし、アラブの商人は、
「だって、ハゼミさんは、それで退院をすることにしたのでしょう?つまり、治療に支障をきたすような事が、こちら(医療者側)にあったと言うことです。」
そう言ってきました。

(・・・今思うと、タヌキだな~アラブの商人)

結局、私は、翌日までに今までに有ったことを書き出し、それを「意見箱」に入れるところを確認しました。
  次に、明日に退院することをヒコちゃんにメールして、OKをもらいました。

  翌日、私はヒコちゃんに迎えに来てもらって、退院となりました。
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