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第一章 行方不明者からの犯行声明文
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駅から近く、スムーズに入れる店ならどこでもいいだろうということで、適当な居酒屋を見つけて時田は柳と共に入店した。
その数分後、高級そうな英国スーツを身にまとった二階堂裕が現れたときは、自分との雲泥の差に時田は落胆を覚えずにはいられなかった。
「久しぶり」
すらりと伸びた高身長と、生粋の爽やかフレッシュが衰えることはないらしく、秀才として騒がれていた人気者は、立派な上級国民として成長していた。
顔も良ければ勉強も出来た二階堂は、女子からの支持率をいつも掴んだまま離さず、ウィンクひとつで妊娠できるのではないかと囁かれるぐらいにはモテた。非常にモテた。そして今も変わらない。
周囲の女性が二階堂に心臓をぶち抜かれていた。ここでも女子の支持率をかっさらっていく寸法らしい。目一杯視線を浴びながら、二階堂は躊躇うことなく時田の隣に腰をおろす。
「お前は昔からそういう男だったよ」
柳の皮肉は時田の心の代弁と言っていいほどに一致していた。
当の本人は「なんだよそれ」とフレッシュ全開で微笑を浮かべ吹き飛ばす。自身の容姿の良さをきちんと理解している上で、それを鼻にかけないのが二階堂という男だった。
「珍しいね、時田がこういう場所にいるのって」
「あ……いや、連行されて」
「はあ? 人聞きの悪いこと言うんじゃねえよ。俺はお前がみんなと集まりたそうな顔をしてるのを見て連れて来てやったんだろうが」
柳の怒りが飛沫として時田の顔に襲い掛かる。ぐっと顎を引けば「そういうとこが昔から気に入らねえよ」と文句をつけられた。「なんか言えや」とまたしても機嫌を損ねてしまったらしいと時田の心はしぼんでいく。
「時田、お前は昔からそうだよ。困ったら黙りこくって文句の一つも言わねえ。自分の意見は言わねえくせに、不満だけはたらたらと顔に出して。思ってることあんなら言えっつーの」
「僕はなにも……」
言いたいことが言える世の中だったら、こんなにも生きづらくはなかっただろう。不満一つ言えないのは、その一つで状況を悪化させないことを思っての配慮だ。自分が我慢すればいいだけの話だと、時田はいつも自信の心と頭に言い聞かせてきた。
「柳は逆に思ったこと言いすぎなんだよ。時田だってそうやって突っかかってこられたら言いたいものは言えないだろ」
柳の怒りをストップをかけたのは二階堂だった。時田を庇うようにして二階堂が割って入るというのは十年前の構図となにも変わらない。
「うるせえ! 男なら堂々としてろって話だ。そういうとこマジで嫌い」
そんな二階堂の制止にも、柳は思う存分牙を見せ、豪快にビールを仰ぐ。
柳のように言いたいことが言えたらどれだけ楽だっただろうかと、時田はレモンサワーを飲みながら思っていた。性格が形成されたときには、いつもクラスメイトの後ろでもじもじと指を触る少年になっていたのが時田だ。頼まれれば引き受けるし、嫌がることも率先してやるようにした。けれど時田に返ってくるのは感謝ではなく、便利屋として周囲からの押し付けだけだった。「あいつが勝手にやってくれる」と、クラスメイトは自分の都合の悪いものを全て時田に任せ、結果として先生からの評価は良かったが、通知表にはいつだって〝もう少し自分を出していきましょう〟の一言が添えられていた。
そんな学生時代を過ごしてきた中で、面と向かって「俺はこいつが嫌い」と豪語してきたのは柳だけだった。うじうじとする時田の姿勢が気に入らないらしい。
柳のようになれればと時田も思ったことはあったが、長年連れ添ってきた性格の殻を破ることは出来なかった。そして大人になった今でも、時田は柳に嫌いだと言われていた。
二階堂が柳をなだめていると、煌びやかなパーティードレスとブランドもののバックで颯爽と現れた派手な女が時田の目に飛び込んできた。自分とは無縁そうなその装いに、思わず食い入るように見つめていると、女は店内を一通り見渡し、そして時田たちが着席する場所で目の動きを止めた。そうかと思えば「あ、やっほー」とぶんぶん手を振り始めた。
「あ、あんこ」
柳が彼女の存在に気付き「あんこ……」と時田はその名前をなぞるように口にした。
一瞬その名前を聞いてもピンとこなかったのは、自分が知っているあんこと、目の前にいるあんこが一致しなかったからだ。「もしかして川波?」とひそひそ尋ねた時田に対して二階堂は、そうだよ、と人懐っこい笑みを返した。
川波杏子(あんこ)という女子生徒がいた。愛らしいキャラと控えめな少女が脳内で映し出される。その姿は当時とはずいぶんとかけ離れていて、時田は困惑を隠せないでいた。何度も瞬きを繰り返す時田に対し、あんこはパーティードレスを見にまとっていた。色こそは落ち着いているものの、生地にはラメなのかスパンコールなのか、よく分からないもので煌めいていた。
「わあ、お久しぶりです」
派手な装いとは対照的に、喋り方は昔と変わらない。
「こんな格好ですみません。ちょっと仕事前だったので。どうか気にしないでもらえると助かります」
男を惹きつけるようなドレス。胸元がぱっくりと開いている。どこを見たらいいかと時田は視線を迷わせた。
こんなキャバ嬢のようなあんこを知らない。若干顔も違う。モデルチェンジでもしたようだと時田は心の中でそれを思いとどめながら、必死で声を絞り出した。
「久しぶり……だけど、本当にあんこなの?」
まるで別人だ、と言いかけてやめる。彼女は機嫌を害した様子もなく、苦笑を滲ませながら、控えめに「はい」と頷いた。
「時田くんが知ってるあんこです。今はこんな格好ですけど、普段はもっと地味なんですよ。そのあたりは昔と変わりません」
その回答に、時田は高校の時のあんこを思い浮かべる。本当に変わってしまった。
「なんだかその、夜の世界にいる人みたいだ」
「実のところ私、夜の人間なんです。今はキャバ嬢ですから」
ちょっとした秘密を明かすように、茶目っ気たっぷりに答えた彼女。やはり、こんなあんこは知らない。時田が知ってるあんこは、自分というものを一切削ぎ落したような人間だった。見た目に少々の特徴はあったが、それ以外は本当に、本当になにもなかったのだ。初めて会って会話して、次の日には忘れているような顔。徹底的な聞き役にまわり、笑みだけを浮かべる置物のようにして存在している。それが時田の知るあんこだった。そんな彼女が今、キャバ嬢に変身を遂げていた。
「もしかして今から出勤?」
二階堂に問われながら、あんこは彼の隣の席に座った。
「そうなんです。休むことも出来たんですが、今日はお店の女の子のバースデーイベントがあって、お店が回らないそうなんです。人気の女の子なのでお客さんが殺到するんですよね。だからヘルプに徹しようかと思って」
「ヘルプって、そんなことしなくてもいい位置にいるでしょ」
「いえいえ、気持ちはいつまでも新人ですから」
どうやらあんこの現状を二階堂は知っているようで、二人からは慣れ親しんだ空気感というものを察する。高校時代、二人は仲が良かったようには思えなかったが、なにかしら交流があったのだろうか。
あんこの内向的だった印象は、時田の中でものの見事に崩れ去っていく。
ブランドもののバックにブランドものの時計を身に着けるようなあんこを時田は受け止めるのに必死だった。
「そんな見られると恥ずかしいですよ」
目の前の席に座ったあんこが、言葉とは裏腹に、慣れたような顔で微笑む。
「あ……ごめん、なんか、ついていけなくて」
あんこのことももちろんだが、時田の隣に座る二階堂のことも、さっきから圧倒されっぱなしだった。柳に関しては別の意味で圧を感じるが、それは昔から変わらない。しかし変わったと言えば、小野寺も同じだ。久しぶりに再会した初恋相手が結婚していて、子供まで出来ていた。数時間前に与えられた衝撃は、今も時田の胸をくすぶっていた。
あのときのメンバーがこの十年でこんなにも変わっているというのは、時田の焦燥感を搔き立て続けている。この中で一人、ぽつんと自分だけが取り残されているようで、なにも変わっていないようで、じれったさに襲われる。
二階堂とあんこが同じタイミングでビールを注文し、柳の愚痴が再び始まりはじめたところでまた一人、店内に現れた人物へと注意が削がれた。
「遅れてごめんなさい」
艶のある声とともに入ってきた小野寺望萌の登場に「最後に登場っていうのが小野寺らしいよな」と柳がまたぼやく。
その数分後、高級そうな英国スーツを身にまとった二階堂裕が現れたときは、自分との雲泥の差に時田は落胆を覚えずにはいられなかった。
「久しぶり」
すらりと伸びた高身長と、生粋の爽やかフレッシュが衰えることはないらしく、秀才として騒がれていた人気者は、立派な上級国民として成長していた。
顔も良ければ勉強も出来た二階堂は、女子からの支持率をいつも掴んだまま離さず、ウィンクひとつで妊娠できるのではないかと囁かれるぐらいにはモテた。非常にモテた。そして今も変わらない。
周囲の女性が二階堂に心臓をぶち抜かれていた。ここでも女子の支持率をかっさらっていく寸法らしい。目一杯視線を浴びながら、二階堂は躊躇うことなく時田の隣に腰をおろす。
「お前は昔からそういう男だったよ」
柳の皮肉は時田の心の代弁と言っていいほどに一致していた。
当の本人は「なんだよそれ」とフレッシュ全開で微笑を浮かべ吹き飛ばす。自身の容姿の良さをきちんと理解している上で、それを鼻にかけないのが二階堂という男だった。
「珍しいね、時田がこういう場所にいるのって」
「あ……いや、連行されて」
「はあ? 人聞きの悪いこと言うんじゃねえよ。俺はお前がみんなと集まりたそうな顔をしてるのを見て連れて来てやったんだろうが」
柳の怒りが飛沫として時田の顔に襲い掛かる。ぐっと顎を引けば「そういうとこが昔から気に入らねえよ」と文句をつけられた。「なんか言えや」とまたしても機嫌を損ねてしまったらしいと時田の心はしぼんでいく。
「時田、お前は昔からそうだよ。困ったら黙りこくって文句の一つも言わねえ。自分の意見は言わねえくせに、不満だけはたらたらと顔に出して。思ってることあんなら言えっつーの」
「僕はなにも……」
言いたいことが言える世の中だったら、こんなにも生きづらくはなかっただろう。不満一つ言えないのは、その一つで状況を悪化させないことを思っての配慮だ。自分が我慢すればいいだけの話だと、時田はいつも自信の心と頭に言い聞かせてきた。
「柳は逆に思ったこと言いすぎなんだよ。時田だってそうやって突っかかってこられたら言いたいものは言えないだろ」
柳の怒りをストップをかけたのは二階堂だった。時田を庇うようにして二階堂が割って入るというのは十年前の構図となにも変わらない。
「うるせえ! 男なら堂々としてろって話だ。そういうとこマジで嫌い」
そんな二階堂の制止にも、柳は思う存分牙を見せ、豪快にビールを仰ぐ。
柳のように言いたいことが言えたらどれだけ楽だっただろうかと、時田はレモンサワーを飲みながら思っていた。性格が形成されたときには、いつもクラスメイトの後ろでもじもじと指を触る少年になっていたのが時田だ。頼まれれば引き受けるし、嫌がることも率先してやるようにした。けれど時田に返ってくるのは感謝ではなく、便利屋として周囲からの押し付けだけだった。「あいつが勝手にやってくれる」と、クラスメイトは自分の都合の悪いものを全て時田に任せ、結果として先生からの評価は良かったが、通知表にはいつだって〝もう少し自分を出していきましょう〟の一言が添えられていた。
そんな学生時代を過ごしてきた中で、面と向かって「俺はこいつが嫌い」と豪語してきたのは柳だけだった。うじうじとする時田の姿勢が気に入らないらしい。
柳のようになれればと時田も思ったことはあったが、長年連れ添ってきた性格の殻を破ることは出来なかった。そして大人になった今でも、時田は柳に嫌いだと言われていた。
二階堂が柳をなだめていると、煌びやかなパーティードレスとブランドもののバックで颯爽と現れた派手な女が時田の目に飛び込んできた。自分とは無縁そうなその装いに、思わず食い入るように見つめていると、女は店内を一通り見渡し、そして時田たちが着席する場所で目の動きを止めた。そうかと思えば「あ、やっほー」とぶんぶん手を振り始めた。
「あ、あんこ」
柳が彼女の存在に気付き「あんこ……」と時田はその名前をなぞるように口にした。
一瞬その名前を聞いてもピンとこなかったのは、自分が知っているあんこと、目の前にいるあんこが一致しなかったからだ。「もしかして川波?」とひそひそ尋ねた時田に対して二階堂は、そうだよ、と人懐っこい笑みを返した。
川波杏子(あんこ)という女子生徒がいた。愛らしいキャラと控えめな少女が脳内で映し出される。その姿は当時とはずいぶんとかけ離れていて、時田は困惑を隠せないでいた。何度も瞬きを繰り返す時田に対し、あんこはパーティードレスを見にまとっていた。色こそは落ち着いているものの、生地にはラメなのかスパンコールなのか、よく分からないもので煌めいていた。
「わあ、お久しぶりです」
派手な装いとは対照的に、喋り方は昔と変わらない。
「こんな格好ですみません。ちょっと仕事前だったので。どうか気にしないでもらえると助かります」
男を惹きつけるようなドレス。胸元がぱっくりと開いている。どこを見たらいいかと時田は視線を迷わせた。
こんなキャバ嬢のようなあんこを知らない。若干顔も違う。モデルチェンジでもしたようだと時田は心の中でそれを思いとどめながら、必死で声を絞り出した。
「久しぶり……だけど、本当にあんこなの?」
まるで別人だ、と言いかけてやめる。彼女は機嫌を害した様子もなく、苦笑を滲ませながら、控えめに「はい」と頷いた。
「時田くんが知ってるあんこです。今はこんな格好ですけど、普段はもっと地味なんですよ。そのあたりは昔と変わりません」
その回答に、時田は高校の時のあんこを思い浮かべる。本当に変わってしまった。
「なんだかその、夜の世界にいる人みたいだ」
「実のところ私、夜の人間なんです。今はキャバ嬢ですから」
ちょっとした秘密を明かすように、茶目っ気たっぷりに答えた彼女。やはり、こんなあんこは知らない。時田が知ってるあんこは、自分というものを一切削ぎ落したような人間だった。見た目に少々の特徴はあったが、それ以外は本当に、本当になにもなかったのだ。初めて会って会話して、次の日には忘れているような顔。徹底的な聞き役にまわり、笑みだけを浮かべる置物のようにして存在している。それが時田の知るあんこだった。そんな彼女が今、キャバ嬢に変身を遂げていた。
「もしかして今から出勤?」
二階堂に問われながら、あんこは彼の隣の席に座った。
「そうなんです。休むことも出来たんですが、今日はお店の女の子のバースデーイベントがあって、お店が回らないそうなんです。人気の女の子なのでお客さんが殺到するんですよね。だからヘルプに徹しようかと思って」
「ヘルプって、そんなことしなくてもいい位置にいるでしょ」
「いえいえ、気持ちはいつまでも新人ですから」
どうやらあんこの現状を二階堂は知っているようで、二人からは慣れ親しんだ空気感というものを察する。高校時代、二人は仲が良かったようには思えなかったが、なにかしら交流があったのだろうか。
あんこの内向的だった印象は、時田の中でものの見事に崩れ去っていく。
ブランドもののバックにブランドものの時計を身に着けるようなあんこを時田は受け止めるのに必死だった。
「そんな見られると恥ずかしいですよ」
目の前の席に座ったあんこが、言葉とは裏腹に、慣れたような顔で微笑む。
「あ……ごめん、なんか、ついていけなくて」
あんこのことももちろんだが、時田の隣に座る二階堂のことも、さっきから圧倒されっぱなしだった。柳に関しては別の意味で圧を感じるが、それは昔から変わらない。しかし変わったと言えば、小野寺も同じだ。久しぶりに再会した初恋相手が結婚していて、子供まで出来ていた。数時間前に与えられた衝撃は、今も時田の胸をくすぶっていた。
あのときのメンバーがこの十年でこんなにも変わっているというのは、時田の焦燥感を搔き立て続けている。この中で一人、ぽつんと自分だけが取り残されているようで、なにも変わっていないようで、じれったさに襲われる。
二階堂とあんこが同じタイミングでビールを注文し、柳の愚痴が再び始まりはじめたところでまた一人、店内に現れた人物へと注意が削がれた。
「遅れてごめんなさい」
艶のある声とともに入ってきた小野寺望萌の登場に「最後に登場っていうのが小野寺らしいよな」と柳がまたぼやく。
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