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お姉様、ヒロインポジションを妬まれる。

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それから日帰り旅行に行くような気楽な様子で南部に旅立って行ってしまったバッツドルク卿。

本人があの様子だからきっとあっけらかんとへらへらしながら帰ってくるでしょう。



キスのくだりがあやふやなまま行ってしまったけれど、あの話どうなったのかしら…



社交界でも私とギルバートとバッツドルク卿の三角関係をネタにされているらしく、学園でもどちらが好きなのかと初対面の相手に聞かれることもある。


ある意味シンデレラのような私のステップアップ振りに憧れてくれる令嬢もいれば、なぜあんな女がと妬んでくる令嬢もいる。



「なんでもいいけど、私も恋がしたいわぁ。
誰かこの城から私を連れ出してくれないかしら。
……いやね、冗談よ。」


「王女殿下がおっしゃると冗談になりませんわ。」



そしてここにも私を妬むレディーが一人。



「リビアはいいわよね。素敵な男性が二人もいて。

それにしてもあの男、本当に南部に行くなんて。予想外だったわ。」


「バッツドルク卿は自信家ですからね。実際戦闘にも慣れていらっしゃるようですし。」



「逆に相手の得意な案件を与えてしまったのね…不覚だったわ。」


ハァ…っとため息をつく横顔も麗しい我が国の姫様。




「それでリビアはあの男のどこがいいの?確かに顔はいいけど、自信家で性格も悪そうじゃない。」


「そうなんですが……あ、意外と有言実行な方なんですよ。口だけじゃないというか…それに性格も悪いし何をするか分からないところもまた見方を変えれば魅力的というか」


「ふーん。何にしても羨ましいわ。」



だから私達は気付かなかった。王女殿下の婚約がもう決まっていることなんて。

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