二度とお姉様と呼ばないで〜婚約破棄される前にそちらの浮気現場を公開させていただきます〜

雑煮

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お姉様、過去に戻ったことがありますか?

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***



それから一ヶ月。

魔獣の襲撃はなく、平民たちは普段の活気を取り戻し、私が通う学園も授業が再開した。

大公家の屋敷はギルバートが留守の間は大公家の私兵団達が厳重な警戒を未だに続けている。けれど、使用人たちはそれにも慣れてしまって穏やかに日々を送っている。




かくいう私も、大公家での暮らしにすっかり馴染んでしまって快適な環境で充実した日々を送っていた。


平和な雰囲気に流されてこの生活を手放すのも惜しいななんて不抜けていた時に、事態は急変した。




それは城で王女殿下のお世話をしていた時、

第三王子殿下に話があると呼ばれたことから始まった。



会議室に殿下と二人。

殿下の開口一番は耳を疑う言葉だった。



「リビア嬢、僕が変な質問をするかもしれませんが答えていただきたいことがあります。

貴女は、過去に戻ったことがありますか?」




「なっ……!」




私のこのやり直しの人生を大きく左右するものだった。




「やはり、生き返る前のことを覚えていらっしゃるんですね。」



「まさか……殿下も覚えていらっしゃるんですか?」



「はい、はっきりと。何故なら貴女を過去に戻したのは僕だからです。」



「殿下が……?」



「正確には頼まれたからです。貴女が亡くなったことを受け止めえきれなかった方に。」



「それは一体……」



「ギルバート大公です。」



「まさかっ……」



「僕もまさかリビア嬢自身も過去を覚えていらっしゃるとは思っていませんでした。

だから過去に戻ってから僕は貴女が同じ未来を辿らないようにサポートするつもりでした。ですが、貴女自身が次々と過去とは違う行動を見せていたのでまさかと思って、今日ここに貴女を呼んだのです。」



「……どうやって過去に戻ったか聞いてもよろしいですか?」


薔薇の宝石ローズエンジェルの力を借りたのです。」


薔薇の宝石ローズエンジェルを?まさか神秘の力が宿っているというのは本当だったのですか?」


薔薇の宝石ローズエンジェルは力を宿している宝石ではなく、古代の女神の依代よりしろなのです。」


「まさか……それでは薔薇の宝石ローズエンジェルは今どこに!?」



「歴史が歪められていて、今は行方不明ということになっているが、僕はリビア嬢が戻ってきたこの時代に魔力が大きくなったこととなにか関係があると思っています。」



薔薇の宝石ローズエンジェルが巻き戻したこの世界。



生き返る前はなかった私の強大な魔力量。



そして姿を消した薔薇の宝石ローズエンジェル





そして先日、私の体から放たれたあの光……






薔薇の宝石ローズエンジェル……女神様の依代がまさか私の体の中にあるということでしょうか。」




   
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