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お姉様、魅了していたらしいですよ。
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「ええ、あの魔獣達に理性があるようには見えませんでした。」
「どこかを集中して攻撃していたりということも?」
「そうですね...特に思い浮かびません。」
魔獣が現れたのは、首都のメイン通りと大公邸。
これが人間の仕業だとすれば、メイン通りはギルバート達をおびき寄せる陽動で、真の襲撃の目的は大公邸にあったと考えられる。というのが第二王子殿下のお考え。
確かに大公は親王派。__ミッドナイトレジスタント__#は反王族派だったから、その可能性は高いわね。
「また、大公邸が狙われる可能性もあるのでしょうか。」
「可能性は高いだろう。」
大公邸の警備も強化されていたけど、奴らは何をしてくるか分からない集団だからずっと邸宅にいる夫人が心配だわ。
それから、特に有益な情報は話せないまま話は終わり、第二王子殿下達と別れた。
なんだか気が疲れたわ。
ギルバート、なんで私のことをあんなに見つめてきたのかしら。
もしかして私、なにか疑われてる?
***ギルバートside
「やはり何も収穫はなしか...」
「魔獣の巣がある領地の貴族達の動向を探っています。
また研究家達の話では、魔獣が操られている可能性があることから、またこのような事件があった場合は生け捕りにしてくれと要望がありました。」
「ふむ。ところで、リビア嬢の件はどうだった。」
「調査の結果、やはりリビア嬢はフェルディナント侯爵夫妻の間に産まれた娘でほぼ間違いありません。
夫人が妊娠前に炎属性の家系の男性貴族との関係がある可能性はないということです。」
「隔世遺伝とういうことか...。まあそれなら、やはりお前の結婚相手にちょうどいいということだ。もう一つの事件とも関係はなさそうだしな。」
「はい。」
「...なんだ、やけに素直だな。」
「いえ。ただ、私も母も彼女のことを気に入っているというだけです。」
死の鷹に大公邸が襲撃されていると報告を受け、最悪の事態も想定して屋敷に戻った時、勇敢に屋敷を守ってくれていたリビア嬢の姿に惹き付けられる何かがあった。
そして私の留守を今後も彼女が家を守ってくれるという未来がその時見えた。
「それなら夜はリビア嬢と一緒に帰るといい。魔獣の生け捕りの件もあるしな。」
「では、お言葉に甘えさせていただきます。」
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