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お姉様、外堀を埋められかけている。

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翌朝、大公邸。


前日は帰りの馬車の中でまた寝てしまって、起きると次の日の昼間だった。

勿論ギルバートは仕事に出ていて、夫人が何かと私の世話を焼いてくださった。



「嫌だわ、わたくしったら。ついカーッとなって貴女の気持ちも考えずに暴走しちゃっって恥ずかしいわ。

でも本心よ。貴女が良ければだけど。」



「そんな……私の為を思ってくださったこと、とても嬉しく思っています。」



「結論を出すのは急がなくてもいいのよ。

勿論、貴女が住む場所もここが嫌ならホテルも用意するわ。」




「いえ、私も夫人と一緒に暮らせるだなんて夢のようです。」



実際、その日は私にとってとてもいい日になった。


屋敷の人達は、昨日私が魔獣と戦ったことで命の恩人だと言ってとても感謝と好意を持って接してくれた。


布団も高級なふかふかでいつまででも寝ていられる。


居心地のいいこの場所にいるとこのまま住み着きたくなってダメだと思いながらも、瞼が重たくて思考が働かなかった。




***
ギルバートside


その日の深夜。


「あら、ギルバート。遅かったわね。」

「着替えを取りに来ただけですぐに戻ります。」

「まあ、そんなこと言って。ただ着替えを取りに来るならわざわざ貴方が帰ってくる必要ないじゃない。リビア嬢のことが気になって戻ってきたのでしょう?」


「彼女の様子は?」


「魔力不足でよく食べてよく寝ているわ。
明日には元気になってくれると思うのだけど。」


「分かりました。では、私はこれで。」


「貴方もちゃんとご飯食べるのよ。」


「それは私のセリフです。ご自身のお体を一番に考えてください。」


「ありがとう、ギルバート。では、行ってらっしゃい。」



今回の大きな被害を出した魔獣襲撃事件。

事の真相解明に国が騒いでいる中、リビア嬢の件はまだ伏せてある。


この異様な状況の中で、リビア嬢は即戦力になるだろう。


だが、彼女が戦いになれていない今の段階で最前線に出せば命を落としかねない。



彼女を守り、かつ王女殿下の元で成長させる。

そして、全ての事件を解決し、基盤が整えばその時は






リビア嬢を我が大公家に迎え入れる。



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