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お嬢様、気絶する。
しおりを挟む「死の鷹を敷地外の平地に降ろしたらそのまま私の炎で始末する。私が君を運ぶから、君は綱をそのまま保つことだけに集中しろ。」
「はい!」
その後は順調だった。
そのまま炎の綱を風船状態で死の鷹を入れて大公邸の敷地の外へと運んだ。
その中で死の鷹達が暴れていたけど、あとはこれを運ぶだけだと思ったら気が楽になったのか、ギルバートが来てくれる前よりも気力が復活した気がして頑張れた。
「よし、ここに降ろしてくれ。」
「分かりました!」
ゆっくりと、炎の綱を保つことに集中しながら死の鷹を降ろしていく。
その高さがようやく地上から3mくらいになったところでギルバートが鳥達を燃やしてくれた。
そして灰と熱気が巻き上がる中、私は疲れ果てて意識を手放してしまった。
***
「いつまで寝ているんだ!」
次に起きると、そこは私の部屋のベッドの上だった。
「お父様……」
寝てしまって朝になっていたのね。
どなたか家に送ってくださったのかしら。
「全く……大公殿下が魔獣の襲撃でお忙しい中、大公邸で倒れるとは情けない。」
「申し訳ございません……」
あれからジェイダ夫人や屋敷はどうなったのかしら。怪我をした人もいたけれど……
「大公殿下が我々をお呼びだ。一家で来るようにということだから夜の晩餐までに支度をしておけ。」
「大公殿下がですか?」
「ああ。どうせ今回の弁償やお前と大公殿下が恋仲であるという変な噂をどうにかしろといった話だろう。
いいか。私が上手く話をまとめるからお前は大人しく椅子に座っているんだ。いいな?」
「かしこまりました。」
弁償……
屋敷を守れなかったからかしら。
何がなんだがよく分からないけれど、まあいいわ。
ギルバートに嫌われたならこちらとしては万々歳よ。
でも……
疲労感がすごいから、別日にして欲しいわね。
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