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お姉様、堅物はどうしてもお断り

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そんな事を一人で考えていると、



「それで貴方達二人は婚約式はいつ頃を予定しているの?」

「え……」

ジェイダ夫人からとんでもない言葉が飛び出した。




「ジェ、ジェイダ夫人っ、私達そんな仲では……」

何故そんなに話に!



「あらぁ違うの?わたくしったら貴方がリビア嬢に求婚したって聞いたからてっきり。ということは、ギルバートの片思いだったのねぇ。

まあこの子は無愛想で女心も分かってないでしょうね。全く、亡くなった父親そっくりだわ。」



「お母様、何故私がリビア嬢に求婚したことを知っていらっしゃるんですか。」


無表情なままだけれど、ここでやっと初めてギルバートが口を開いた。




「ああ、それは……ねぇ。」


ジェイダ夫人はそう言って何やら王女殿下と微笑みあっている。


……なるほど。

王女殿下達にお茶会の後の告白現場を覗かれていて、ジェイダ夫人に告げ口をされたってことなのね。



それにしても……
こんな大勢の場でこんな会話をされたら、私がまたご令嬢達に目の敵にされてしまうわね。


でも今の私には王女殿下という強力な後ろ盾がある。

ジェイダ夫人と一緒にいるこの現場を見た人からは、レッドモンド家という後ろ盾もあるように見えるでしょう。


現にダニエラ嬢はいつの間にか逃げ帰ってらっしゃるし、他の令嬢達からの悪口も聞こえなくなったわ。



でもまずいのは、私がギルバートに求婚されたという噂が広まってしまう事ね。



病に侵された母親のジェイダ夫人が私を気に入ってくださっているから、ギルバートは、親孝行の為にも私と結婚しようとするわ。



前の人生でも、私の父からの婚約の提案を喜んで受けてくださったのはジェイダ夫人だった。

だからギルバートも婚姻を断らなかったのよね。


でも……私に優しくしてくださったジェイダ夫人は私たちの結婚式の前に亡くなってしまわれた。

そして、ジェイダ夫人に孫の顔を見せる必要もなくなったギルバートは結婚式の夜も、その後の夜もずっと私の元には来なかった。

屋敷にも寄り付かず、ほとんどの時間第二王子殿下とともに戦地を駆け回っていた。

だから私達は所謂、白い結婚だったわけなのだけど……

そういえば私が断罪された時も、この人ギルバートは戦地にいて私の元に駆け付けてきてはくれなかったねわね。
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