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お姉様、後輩ができる。
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それから第一王子と第二王子の母である正妃様の国葬が行われ、国中が静まり返り、神事以外の祭りやパーティーなどはしばらく自粛された。
「おかげで作業が進むね。」
「不謹慎ですわよ、クリフト教授。」
確かにクリフト教授の言われるように、国葬の為に私は城に行かずに研究所に出入りする日々が続いている。
だからゼミの仕事も進んでいるわけだけど、
「そういえば、今日から新しい生徒がやってくる予定なんだ。」
「あら、珍しいですわね。」
私が最高学年に上がった時から、このゼミの生徒は私だけになっていた。
十代のうちから馴染みのなく地味な印象がある魔法道具に興味が湧く人は珍しく、この年代は皆、自身の属性の精度を伸ばすことにしか興味が無いから。でも、私はその逆で、自身の属性から目を背けたくてこのゼミに入ったのだけれど。
「それでその生徒というのがこれまた、とても顔立ちがいい生徒でね。」
「まあ、教授が人の容姿をお褒めになるだなんて珍しいですわね。」
「笑えないくらい美形だったんだよ、それが。」
......ちょっと待って。
それほど美形な生徒っていったら、
ガラガラガラ......
「失礼します。」
いやだ、本当に笑えないわ。
「ほら、噂をすれば。」
「ジュリアン・ギャラガー、本日からこちらでお世話になります。よろしくお願い致します。」
ジュリアン・ギャラガー。
国一番といわれる美形の持ち主で、前の世界で妹のエリーゼの盲目的な取り巻きだった男。
そして前の人生で、ジュリアン・ギャラガーがこの研究所のゼミに入ったことはなかった。
なぜジュリアン・ギャラガーは前の人生と違う動きをしているの?
***
一週間後。
「リビア嬢、これは......」
「ああ、これはこっちをそっちに持ってきて、これをこう、です。」
「おお、流石です。」
「いいえ、覚えれば誰でも出来ることです。」
「それが魔法道具のいいところですね。」
「そうですわね。」
前の人生では考えられないほどに、ジュリアン・ギャラガーが親しく接してくる。
いや、いいことなのかもしれないれど......。
前の人生で私が処刑される前、汚物を見るような目で私のことを見ていた男とは思えないわ。
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