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お姉様、招待を受ける。
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翌日。
「卑しくも、何もお知りにならない第三王子殿下をダンスに誘うだなんて。」
「お母様、落ち着かれてください。お体に触ります。」
「エリーゼ。わたくしは貴女の為を思って......!」
「それはとても感謝しております。ですが、お姉様にもお考えがあってのことでしょう。しばし、見守りになってもよろしいのでは?」
つまりエリーゼは、私が勝手に社交界で笑われていても知ったことではないから放っておきましょう。と言っているのよね。
「貴女がそう言うなら......
でもねリビア、これ以上変な真似をするとお父様の威厳にも傷が着くの。それだけは忘れないでちょうだい。」
「はい、お母様。」
お母様こそお忘れなのでは?
先日、エリーゼが家の威信をも失墜させる事件を起こしたことを。
朝から私を説教する暇があるなら、するべきことをするべきですわ。
すると、
「失礼致します。お手紙が届いております。」
使用人が今日届いた手紙を持ってきた。
「本日は王室からもお手紙が届いております。」
「なんですって!?」
「開いてみましょう、お母様。」
急に色めき立つお母様とエリーゼ。
「それで......宛先はリビアお嬢様なのですが、」
......釣れたわ。
「なんですって!?」
「......本当にお姉様宛てで間違いないの?」
「は、はい。」
驚愕の表情を浮かべるお母様とエリーゼ。
分かりますわ、おふたりのお気持ち。
私も前の人生で、エリー嬢が第三王子を射止めたと聞いた時は目を丸くしたもの。
これで上手くいけば第三王子の妃になってこの家から......
「王女様からリビアお嬢様へと確かに......」
………………今なんて、
「王女様?」
「はい......」
第三王子からの招待ではなく、面識のない王女殿下からの招待に私は思考をしばらく停止させてしまった。
「リビア……貴女、舞踏会で王子殿下だけでなく王女殿下ともお話したの?」
「い、いえお母様。わたくし、王女殿下とはなにも、」
一体なぜ。
前の人生でも王女殿下とは接点はなかったのに。
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