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お姉様、思案する。
しおりを挟む「エリーゼ嬢は舞踏会には参加されるのかしら。リビア嬢はなにか聞いていらっしゃる?」
「どうでしょう……妹は今回の件をとても気に病んでいるので、」
「でも、いくら迫られたからって唇を許してしまうのはレディーとしていただけませんわ。」
「そうですわね。もしかしたら同じ立ち位置の私達まで同じように見られてしまいます。」
今回の事件でエリーゼは、優しくて儚げなあの印象から、アルフォンスのアプローチを上手く避けることが出来ずにああなってしまったというのが世間の見方になった。
けれど、姉の婚約者に唇を許してしまったエリーゼはガードの緩い女というイメージがついた。
思ったよりもエリーゼの評判は落とせなかったけれど、本人は大分参っているし策はまだあるのよ。
「そういえばリビア嬢は、社交界の場では誰とでもパートナーになれるようになりましたでしょう?どなたか候補はいらっしゃるの?」
通常、社交界でのパートナーとは婚約者、あるいは恋人同士がなるもの。
私は次期当主から外れる為にアルフォンスと婚約していた訳だけれど、そのアルフォンスと婚約破棄がなるであろうこの場面で、重要なのは次の婚約者候補。
前の人生でも、私が嵌められて婚約破棄された後すぐに父はすぐ別の婚約者を見つけてきた。
しかも今回はアルフォンスに落ち度があっての婚約破棄だから、私の次の婚約者を見つけてくるのはとても容易いこと。
この方達は、その次の婚約者が気になっているようね。
「どうでしょう……父が決めることですから。」
父が決める前に私が決めた相手にプロポーズさせる必要があるわ。
その舞台こそ、次の舞踏会の場よ。
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