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お姉様、頬を叩かれる。
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「なんてことをしてくれたんだ!!」
バチィンッ!!と私の頬を平手で叩いたお父様。
「貴方、そんなに強く叩いては痕になってしまいます。」
「そもそも、お前がこの娘を産んだことが間違いだったんだ!」
「なんですって!?この子は間違いなくあなたの子よ!私は不貞なんて犯していないわ!」
頬を叩いた私をそっちのけで口喧嘩を始める両親に心の中で溜息をつく。
エリーゼは家に帰ってもやっぱり俯いたまま。
「エリーゼ、可哀想に。あの男に言い寄られていたのね」
埒があかずにいるところで、お母様が話しをすり替えるようにエリーゼに話しかける。
「お母様……わたくし、アルフォンス様はいずれ家族になる方だから、冷たい態度は取れなくて……そしたら次第にアルフォンス様が、」
「いいのよそれ以上言わないで。あの男とは一生会わせないわ。王都から追放してやるわ。」
エリーゼ、すぐにアルフォンスを捨てたわね。
もしかしてこの子、私を陥れるためだけにアルフォンスを誘惑したのかしら。
「全く。お前が娘達を管理出来ていないことがこれで明らかになったな。」
「貴方……デタラメ言わないでください!」
「……しばらく、領地を離れるといい。娘達は私が信頼をおける者に面倒をみせる。これは命令だ。」
「あなた!」
「お父様っ」
「勿論、アルフォンスを追い出した後でいい。だが、モタモタすればお前が王都を旅立つのが先になるだろう。」
前の人生と違う展開になってきたわね。
流石のエリーゼも焦ってる様子。
お父様がお母様を追放するなんて私もびっくりしてるけれど、でもお母様がいない方が色々とやりやすいわ。
突然の別れに悲しむ母と娘。
だけど私はその輪に入ることはない。
今までも。そしてこれからも。
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