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辺境の真実2
しおりを挟む「言葉を正すと、反乱とは言わないかもしれない。
オリヴィアはこの国の成り立ちを知っているだろう?」
「ええ。古代に竜の子孫達が作った国で、王族はその始祖の竜の血を引いているのよね。
だから大地はこの地に大きな豊かさを与えてくれるのだとも。」
「じゃあ、その始祖の竜の血を実は王族が引いていないとしたらどうする?」
「……っ!反乱が起きる可能性が、
いいえ、それどころか他国との勢力バランスも崩れてしまうわ。」
では、真の始祖の竜の子孫は……
そう考えた時にオリヴィアの頭に浮かぶのはただ一つの家系だった。
始祖の竜が眠るとされている始祖の森を有する領地を持つ……
「辺境伯の一族が始祖の竜の子孫だったのね……」
「ああ、竜は人間の生業に興味は持たないから僕の先祖たちは王の役割を放棄するために代役を立てて自分たちは辺境の地でひっそりと暮らすことを望んだんだ。」
そんな歴史が今まで隠されていただなんて、信じられないわ。
「この事は王族の中でも王になったものにしか伝えられない。
だが、王たちは王位の継承とともに呪いを受け継ぐんだ。真の末裔の血筋に逆らえば命を落とすという呪いをね。」
「ということはアルバルトに王は逆らえない……血を流さずに王位を取り戻すことが出来るということね!」
「ただ親王派の貴族は黙っていないだろうね。例えば皇后の血縁なんかは。」
「そうね……」
「だからオリヴィアも手伝って欲しいんだ。この国が腐敗していくのをこれ以上食い止めるためにも、君にはこの国の国母になってほしいんだ。」
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