【完結】令嬢が壁穴にハマったら、見習い騎士達に見つかっていいようにされてしまいました

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「あーだりぃ。」

「この戦争のない時代にあんな辛い訓練いるかぁ？」

「それはあれだろ。なんかあった時のためってやつだ。」

「いらねぇって。だいたい人殺したことない俺らが実際戦場で生き残れねぇって」

「タダ飯食うために、騎士団入っただけだしなぁ」




辺境の城の訓練場から雑談をしながら出てきたのは、領地から志願した若い騎士の卵たち。



貧しい家に生まれ、生きていくために騎士団に入団したものの、訓練ばかりの日常に退屈し始めていた。


堕落した貴族が納めるこの領地を守りたいという使命もさしてない。


隣接した隣の国は平和主義の王がいる為、しばらくは戦争になりそうもない。





守りたいものがないのに、なんの為に辛い訓練をしなければいけないのか

まだ若い彼らはそれが分からずに、ひねくれかけていた。





「おい、なんか聞こえないか？」

「え？」




耳を澄ますと、



誰かー助けてーと若い女性の声が聞こえる。




「この声、お嬢様じゃねぇか？」