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第十一話
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そしてフィッシングデート当日。
《みんな、準備はいい?》
《バッチリです、精霊王様!》
ユーグ殿下と郊外でお互い馬で待ち合わせをして、長閑な田舎道をのんびり馬を歩かせたり走らせたりしながら一日かけてバダンテール侯爵家の領地に向かう。
「いい天気ですね。」
「ええ。空気も澄んでいて風が心地いいですわ。」
精霊王たるもの、天候を操れるようになるのに数日かかっても出来るようになりましたのよ。
そして夕方、領地につくとユーグ殿下を宿に案内して私は別に宿をとった。
同じ宿というのは気が引けるもの。
そして、次の日。
「よし釣れた!」
「大きいですわね。」
魚もいつもより多めに私たちの辺りに来るように水の流れを変えれば、フィッシングを盛り上げられるわ。
ピョンッ。
「あら。」
「え……あっ、すいません!」
ユーグ殿下は魚釣りに夢中になり過ぎたのか、獣耳が太陽にきらめく銀髪の中から飛び出してきた。
「いえ、隠されなくてもいいのですよ?こんなに愛らしいお耳ですもの。」
そう言ってつい、ユーグ殿下の獣耳に触れてしまう。
短いけれどモフモフなのね。
ピコン。ピコン。ピコン。
「あ、申し訳ございません。私ったらつい……」
「いえ……嫌ではありません。」
ハートが溢れ出してますものね。
照れた顔もまた美しいですわ。
「それではもう一度触らせていただいても?」
「え、あ、はい。」
ぴょこん。
という音が聞こえてきそうな耳の出方ね。
再度了承を得て、獣耳に触れさせていただいたのでした。
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