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第六話
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四日後。
「お嬢様、素敵すぎますこのドレス!ヒールもアクセサリーも見たことがないくらいに美しいですよ!」
予想より早く届いたコゼットのドレスの美しさにマリーがまた一人で はしゃいでいる。
「管理は頼んだわよ、マリー。」
「はい!お任せ下さいっ!」
あと二日で生誕祭ね。
結婚するのに都合のいい相手が見つかるといいのですが、当日何が起こるのか今から気が気でないわ。
既に二人の攻略対象を確認して、その二人ともが物語が始まってから奇想天外な行動を取っていることから、他の攻略対象もそうなると思っていいでしょうね。
精霊たちを使って調べた情報では、まず神殿が精霊王が目覚めたことに気付いているよう。皇帝陛下にも連絡がいっているでしょうね。
見つからないように立ち回らなければ、神殿に囲われて身動きが取りずらくなってしまうわ。
そして、街中で行き倒れていた隣国の王子は精霊たちが選んだ人がいい老夫婦の家の前に放置して老夫婦に看病してもらっているところですが、どうやら目覚めた本人が言うには姿を消した友人を探して帝国に来ているのだという。
一国の王子が友人の為に単身敵国にやって来たとは思えないから、その話は信じられるか怪しいけれど物語の舞台あらすじ的には有り得なくもないわね。
私が見つけるべき攻略対象の条件は二つ。
継承権争いに巻き込まれる可能性がない、侯爵以上の貴族階級を持つ男性。皇族は必ず継承権争いに巻き込まれるから対象外ですわ。
生誕祭当日。
「まあ、素敵なレディーだわ。」
「バダンテール侯爵令嬢、いつもに増して本日は輝いていらしゃいますわね。」
「ご覧になって。あのドレスはコゼットのお店のオーダーメイドに違いないわ。」
「コゼット様がバダンテール侯爵令嬢にご執心だという噂は本当でしたのね。今まで以上に細密なレースをあんなにふんだんに使われていて贅沢ですわ。」
純白とヌーディーな桃色の二色の生地を使い、細かいレースと刺繍をあしらい、なんと言っても花嫁を連想させるたっぷり後ろに引くロングトレーンが印象的なこのドレス。
周囲の目を引くことには成功。
でもこの広い会場で攻略対象を見つけるのも大変ね。
ささっと挨拶回りに行きましょうか。
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