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前章 星降る夜(ニュイ・エトワレ)
ふたりの約束3
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まぶたを開けると、おだやかな顔のリュカ様がいた。広場の白い石畳に彼の黒髪が映える。覗き込むような形で僕をみていたリュカ様の表情が柔らかくて、思わず、心がはねる。
「あれ、僕寝てました?」と目元をこする。
「少しな」
彼はなんてことないように言う。
「今何時です?」
「そろそろ昼が近いか。場所を移すぞ」
立ち上がって移動を開始した。目的地はもちろん。
*
正午過ぎ、目的地のレストランに着いた。そこは僕の想像とは異なり、落ち着いた、ともすればアンティーク雑貨と間違うような素朴な雰囲気の家屋であった。
白樺の森の中のログハウスは清涼な空気がただよう。見慣れない小鳥が樹の上でさえずっている。扉の呼び鈴を鳴らすと、重そうなドアが開いた。
「いらっしゃいませ。ご予約の方でしょうか」
「ああ。リュカ・ド・ベルナルドだ、今日はよろしく頼む」
「ベルナルド様ですね。かしこまりました。当店自慢の料理とともに、素敵なひとときをご堪能ください」
予約券を渡したリュカ様に入るぞと促されて段差を乗り越える。
天井ではシーリングファンが回っていて、観葉植物の鉢が網を使ってインテリアとされている。吊り下げるランプのあたたかなひかり。外の光を活かして店内は控えめな照明だけだった。
ついたてで遮られたテーブル席に僕らは案内された。帽子を預けたリュカ様の向かいに座る。
窓の向こうでは草を食む若い鹿のカップルの姿が楽しめるという思わぬサプライズ。いちいちはしゃぐ僕を厭うことなくリュカ様は付き合ってくれる。もちろん、相づちだけでも十分うれしいが、これはたまらない。
「意外と家庭的な雰囲気なんですね……あ、もしかして今のって失礼でしたか!?」
「構いませんよ」
「だ、そうだ。ここはもともと別荘をリフォームして使ってるそうだからな。もともと先代の後を継いだシェフが移する時にこの場所を店として改築したらしい。二階は彼らの住居だそうだとか。華美な店とは違った趣もいいと思わないか?」
「は、はい!」
「どした? 緊張でもしてんのか?」
「だって――」
平民厳禁な店ではないということはよく知っている。しかし、王室御用達なお店であることには変わりないからやはりマナーには気を使う。ということをリュカ様に明かすと彼は露骨にため息をついて、ウェルカムドリンクに口をつけた。
「そんなの……いつも俺達と食ってるだろうが。母上はあれで抜け目ないし、父上だってマナーやルールにはお詳しいの文官なのだから」
「た、たしかに。なんたってリュカ様がお厳しいですしね!」
僕は安堵して飲み物に手を取る。ああ、このソーダ水……! 炭酸ののどごしがスッキリしていて目も覚めるようだった。けれど嫌な目覚めではない。おいしっ。
「最後のは余計な一言だな」
ぐぬぬとうなる僕は運ばれてきた前菜と紅茶をみながら思った。こういうホッとするお店の雰囲気といい気さくな店員さんといい、リュカ様はわかっててこの店を選んだんだ。僕が萎縮して楽しめないことがないように。そう気づいて、彼の気遣いが胸に響いた。ほんと、やさしい方だなぁ。
大皿に乗ったまるまるとしたハンバーグをみて僕の目は釘付けになってしまった。思わず行儀悪くフォークとナイフを持ったままよだれが落ちてしまうところだった。危ない。危ない。
わくわくとしながらナイフを入れると、圧縮された切れ目から漏れる輝く肉汁! たらたらとこぼれるそれをもったいないと思いながら詰まっている中身に目が行く。意識が向いた先では、お肉が、なんというかパンパンなのだ。みっちり詰まっててこれは食欲を視覚からそそるなー。デミグラスソースの香りも思わず瓶詰めにしたいほど、つよい。かぐわしいそれを吸い込みながら口の中へ、いざ一欠片放り込む。
じゅわわっ。
「んぁぁぁああ、おいひいいです。にゃにこれお口の中がしあわせえ……」
うっとりと僕は欠けたハンバーグに目を向けた。 彩るように飾られた乾燥バジルもいいアクセントだ。まだまだ食べるところがあるなんてと思いながら、ぱくり。先の苦みと相まって、しょっぱさとうまみのバランスにご満悦。
「んはあああやっぱおいしい~~!!」
「おいやめろ叫ぶな。あと変な声をあげるな、こっちが困るだろ」
舌を使って口の端の残りまでなめてしまう。そして赤面しながら目のやり場に困ってるリュカ様をそっちのけで味わう。
「えぇ、でもこれは我慢なんかできませんよー。ふはぁ、あっち、んでもおいひい」
(そうそう我慢なんかしたらこのハンバーグに失礼だもんね)
なんか舌打ちしたリュカ様もおそるおそる食べ始めた。あ、目の色、変わった。やっぱりおいしいんじゃん。
「んふーおいしいでしょ?」
「なんでお前が自慢げなんだ。……たしかにうまいが」
「それだけ!? もっと感想は!」
「それはシェフに直接伝える」
ナプキンで丁寧に汚れた口元を拭いながらリュカ様は答えた。
「お客様方、こちら当店のサービスです。いかがいたしましょうか」
(とろとろにあぶられた、チーズ、だと!?)
「お願いします」
抜け目なくリュカ様が答える。僕もと手を上げて追加してもらった。
店員さんが黄色い塊の表面を丁寧にあぶる。特殊な器具をもちいて、糸を引くほど伸びるあざやかな彩色のチーズが、ぶあついハンバーグにかけられた。
味変に僕のお口の中は再び歓喜した。なんていうか、濃厚、この一言に尽きる。このチーズのために、このハンバーグはあったんだ、そう錯覚するほど相性がすばらしいのだ。もうね、泣けそうだ、僕は。
ほっぺがとけおちるほどとろけたチーズのかかった極上のハンバーグセットを僕らはほおばった。無言だ。食器のカチャカチャという音がしばらく続いて、名残惜しい最後の一口まで切なさと惜しみない感謝で締めくくり、味わい尽くしたのだった。
ふう、とお腹をさする。
おいしかった、最高の時間だった。と、気づく。そういえば僕からはリュカ様をたのしませてないことに。会話がなくなったことを僕が謝ると。
「いや構わない。お前の表情がたのしかったし、俺もこの味わいに感動したしな」
リュカ様はシェフを呼びつけ、話しけてた。彼らと会話している間に、僕の胸はじーんと温かな余韻が広がる。
「君もおいしそうにたべてくれてありがとう」
「はぁえ?! え、とんでもないです」
シェフが帽子を脱いで僕に頭を下げる。僕が手をぶんぶんと振って恐れ多いと困っていると、リュカ様まで追撃する。
「ああ、いいカオしてたな」
(ニヤニヤと……く。これはいじわるな笑みだな!?)
お店で会計をしている時にやけに金額が高いことに気づいた。リュカ様に尋ねると、彼の前に紙袋が用意されていた。どうやらお土産用に販売されている冷凍のハンバーグを買っていくらしい。エマ様たちともたべてられるのと、僕はほほをにやけさせた。まだ食べるのかよと口ではいいつつ、僕はちゃっかり見た。あれは二人分ではない、ということを。
「でも、お店の雰囲気もあってよかったなあ」
みんなで食べるのもいいけど。今日は今日で至福だった。しみじみと思い出しながら僕が告げると、リュカ様は視線を横にずらしながら、ツンと澄ました表情でおっしゃられた。
「また一緒に食べに来るか」
「一緒に来てもいいんですか……?」
「フッ。当たり前だろ」
ぱあああと僕は視界がひらけるような、そんな喜びを噛みしめる。未来のタスクにまた来るが追加されたのだった。
*
午後からは時間もあるしとリュカ様の用事に付き合うことになった。ずんずん歩くリュカ様の後を追ってたどり着いた先は。
「カラーショップ?? 色の店ってことは衣服とかですか?」
「惜しいな。たしかに装着可能な品ではあるが用途が異なってくる」
僕が頭の中をクエスチョンマークでいっぱいにしている中、さっそうとガラスばりの扉を開けて中へ入るリュカ様。僕も送れないようその背中に続く。
店内には壁一面まで使ってところせましと細工にこだわったアクセサリーが並んでいた。ただ気になるのは妙に大きな形や、宝石ひとつはまってない輪っかなども見受けられた。
「指輪やブレスレットがある! キレイですね。でもこっちには石すらない。それに向こうのは――ペット用の首輪でしょうか?」
「おい、笑わせるな! その様子だとほんとに知らないんだな」
リュカ様がしげしげとブレスレットを眺める僕をみつめている。
「なにがです?」
「犬猫用じゃない。それは人間用だ」
衝撃に、一拍おいてから口に出す。
「……まさか奴隷?」
「いやいやいや。そんな物騒な使い方するやつ閨でもいない」
「ねや?」
「夜中の大人のごっこ遊びとでもいえばいいか?」
「ふーん。フレデリク様とエマ様もしてるんですか?」
「ゴフッ……!! ばか、お前……なんでここで父上たちの名をだした!?」
むせるリュカ様の背中をさすっていると、奥からカールしたおヒゲの店主と思しき人がでてきた。
「これはこれは。楽しそうな笑い声がしていると思えば次期ご領主様ではありませんか。たしかお名前は……」
「リュカだ。ちなみにこっちはルナ。俺のツレだ」
「ほお。これはこれは興味深い。あなた様の従者を連れ合いだなんて」
「まあいろいろあってな。パートナーに選んだんだ。それで今日は『Collar』を買いに来たんだ」
カラーという響きが気になる僕が耳を澄ませていると店主さんは驚いたあとで拍手をする。
「それは素敵な話だ。わたくしの店でカラーを選んでいただけるとは……いやはやご先祖様たちも喜ぶでしょう」
「相変わらずここらの老舗はおおげさだな」
リュカ様が手のひらをみせながら両肩を少し持ち上げる。
「そうはおっしゃいましてもあの四日間の籠城戦で有名なベアズリー家ですからね」
気さくな店主さんは熱にうかれた少年が夢物語を語るように昔話に花を咲かせている。僕も気になって、主人に尋ねてみた。
「その話、前にフレデリク様も話してましたよね?」
「家の歴史だからな。イヤってほど聞かされ……――まさか覚えてないのか!?」
「ええっ!? 僕されてました?」
「……しつけ直し決定。徹底的にやるから覚悟しとけ」
「そんなに重要な歴史!? うわわわ、僕のばかー! なんで忘れちゃうんだよ……」
えぐえぐと泣く僕が哀れに思えたのか、リュカ様は御慈悲をくださった。
「お前の気持ちもわからんでもない。なにせおとぎ話みたいな逸話だからな」
そうしてかいつまんで語られたのはふしぎなふしぎなお話だった。
森の奥で迷える子供が助けたのは人間離れした麗人でした。その者は翌日、正体を現して人間の子に礼として契約を持ちかけます。一人の少年と精霊王は契約を交わしました。そして、豊かな自然と富める技術によってニューロピア大陸の夜明けは始まりました。
神話時代の幕開けから数百年後、愚かな王によって、一つの国が滅び、血で血を洗う戦争が行われます。
かつてのベルナルド家もその大陸大戦に巻き込まれました。ベルナルド家の始祖となる青年は兵士として駆り出されました。家族を残し戦う彼ですが戦線は後退する一方、やがては自分たちの故郷にまで戦火が広がりました。
ベルナルドの青年は仲間と協力しおんなこどもを近くの古城へと避難させ、立てこもることになりました。救援を待つ間、彼らは食い扶持と大切なものを守る戦いに明け暮れます。
しかし――その命運も尽きた、と思ったときでした。
青年の前に熊の精霊が現れました。戦いを憂いる精霊と、民の行く末を憂い青年。ふたりの心は共鳴し、精霊は彼に真名を明かしたうえで強大な力を貸し、ベルナンドの家とあたりの民も力を合わせて、みなを守り抜いたのです。
戦いの終わりに、青年には、報奨に王からこの土地を収める権利が与えられました。
そして精霊と力を合わせ、強大な敵を払い除けたこの逸話は、『四日間の籠城戦』として広まりました。ベルナンド家のもとへ訪れた精霊ベアズリーの名とともに。
こうしてベルナンド家には精霊の再契約がもたらされ、今なお王家の覚えもめでたい由緒正しき伯爵家となりました。ベルナルド家は、窮地を救う手助けをしてくれた精霊の信頼に報いるべく、堅実に、領地と領民を守っているのでした。
「霊装、というらしいですね。そのお力は」
「らしいな。俺にはないが」
「……本当にないんですか?」
ドキドキしながら聞いた伝説に夢中になっていたから、リュカ様の受け答えにちょっとがっかりしてしまった。もしかして、実は隠してるだけで――。
「なわけあるか。隠してるならこんなに広めないだろうが」
「それもそうですね?」
ということはあくまで神話のおはなしかあ。でもベルナンド家が誇り高きお家だとしれて僕もちょっと鼻が高い気分だ。精霊様にはちゃんと感謝しとこう。
「お前は……いや、なんでもない」
リュカ様はあっけにとられてから、口元に手をおき、頭を振った。
「でもあのお屋敷にそんなに入れないような?」
伝説を聞いて抱いた疑念を思い出して聞いてみる。
「当時の城は本物の城だ。今の屋敷とは別物。女子供を抱えても籠城できるぐらいには大きかったらしいぞ。親戚がみな移ったり、だんだん切り詰めて土地を売っぱらったりして今の形になったとか」
「ほへえ。そうでしたか。ご先祖様も苦労なされたんでしょうね、きっと。でも、そのおかげでリュカ様があるんですね!」
「すまないな、店主。長々と話ばかりで」
「いえいえ滅相もない。ご領主様方から話を直接聞けて嬉しかったですよ。こちらでもおすすめの品を厳選し終えたので、ぜひご確認してくださいませ」
ささっと渡されたケースをのぞいてみる僕ら。
『Collar』とはDomとSubの関係成立の証としてドムがサブに送る首輪のことらしい。しかし現物は本物の首輪であるとは限らないとのこと。前述のブレスレットなどのアクセサリーや、はては写真と、広義にはなんでもいいそうだ。ようはサブの不安を解消する効果さえあれば。
「お前はどんなのがいい?」
「そうですね……やっぱりそういう形あるものがいいかなって。女性ではないからアクセサリーにはあんまり興味はないですね。でも、首輪にはちょっとくるものがあります」
「そうか。意外だな」
お前のことだから手綱をつけられるのはいやだろうと思ったとリュカ様はいう。あなただからいいんです、なんて口が裂けても言えない僕は曖昧に笑ってごまかすのだった。
「でしたらチョーカーなどおすすめですよ。当店自慢のラインナップはこちらです」
厳重にガラスケースに入れられた数点をみつくろって壁際から取り出す店主。飾られていた品々の印象はどれも違う。
「これだけあると迷うな。なにかアドバイスなどないか?」
「日頃の生活スタイルとプレイに合ったものがいいですよ」
その助言を踏まえて僕らは話し合う。
「眠りやすいやつですかね……?」
「そうなる……のか」
なぜか残念そうなリュカ様に首をかしげてみていると、手元には妙にかわいいパステルカラーのチョーカーを握っているではないか!?
(まさかああいうのが趣味なのか!?)
というわけで下手に出て可愛いのもだあいすきですよと引くような熱量で押してみると忍び笑いをもらすリュカ様。
「って、いやがらせ目的じゃないですか!!」
「女装癖のあるりゅなちゃんにはいいだろ? フリフリだし」
「エマ様のせいですよ!? しかもちっちゃいとき!」
このぐらいですって、と指を誇張表現気味に示す。そんな小魚みたいなサイズなわけあるかとリュカ様は呆れている。リュカ様になお文句を言おうと迫ると、店主さんの背中側、隅の方の店にきらりと光るものがあった。僕は注視すると目が奪われてしまった。
「急に黙ってどうした?」
無難なものを選び直していたはずのリュカ様がこちらを気にする。
僕は絶対これがいいという直感を信じてそのケースを指さした。
わりと値が張る品物なのかと思った。店主さんはそれを見て口を半開きにしていたから。
黙って渡された品物をよくよくみると、セットに取り外せるアクセサリーがついたパーティー用のチョーカーであることが判明する。リュカ様は渋い表情だ。
「飽きたりしないか?」
「問題ありません! なんかこう、ピンと来たんです!」
「その勢いが心配なんだよ」
「でもでもでも、すっごく素敵だし、とくにこのふくろうみたいなデザイン! 羽の飾りなんて透けてますよ? すごい職人さんがいたんでしょうねえ」
「たしかにセンスは相当いいとみた。職人の腕も午前中に見たシガーボックスの比ではないな」
「ですよね!?」
リュカ様が感嘆としているとぽつりと店主様がケースをみながらいう。
「きみがいたことを忘れていたよ。これもなにかの縁かな……」
かちゃかちゃと音がして、ケースの鍵が外される。
「このこをよろしく頼みます」
「大事にします! あ、でもちゃんとお手入れしながら使います!!」
「……よかった。君みたいな子が選んでくれて」
目元の涙を拭った店主さんは、そのチョーカーを包んでくれた。お辞儀をした店主に笑顔を返して、僕らは『満月のシュエット』を後にするのだった。
「あれ、僕寝てました?」と目元をこする。
「少しな」
彼はなんてことないように言う。
「今何時です?」
「そろそろ昼が近いか。場所を移すぞ」
立ち上がって移動を開始した。目的地はもちろん。
*
正午過ぎ、目的地のレストランに着いた。そこは僕の想像とは異なり、落ち着いた、ともすればアンティーク雑貨と間違うような素朴な雰囲気の家屋であった。
白樺の森の中のログハウスは清涼な空気がただよう。見慣れない小鳥が樹の上でさえずっている。扉の呼び鈴を鳴らすと、重そうなドアが開いた。
「いらっしゃいませ。ご予約の方でしょうか」
「ああ。リュカ・ド・ベルナルドだ、今日はよろしく頼む」
「ベルナルド様ですね。かしこまりました。当店自慢の料理とともに、素敵なひとときをご堪能ください」
予約券を渡したリュカ様に入るぞと促されて段差を乗り越える。
天井ではシーリングファンが回っていて、観葉植物の鉢が網を使ってインテリアとされている。吊り下げるランプのあたたかなひかり。外の光を活かして店内は控えめな照明だけだった。
ついたてで遮られたテーブル席に僕らは案内された。帽子を預けたリュカ様の向かいに座る。
窓の向こうでは草を食む若い鹿のカップルの姿が楽しめるという思わぬサプライズ。いちいちはしゃぐ僕を厭うことなくリュカ様は付き合ってくれる。もちろん、相づちだけでも十分うれしいが、これはたまらない。
「意外と家庭的な雰囲気なんですね……あ、もしかして今のって失礼でしたか!?」
「構いませんよ」
「だ、そうだ。ここはもともと別荘をリフォームして使ってるそうだからな。もともと先代の後を継いだシェフが移する時にこの場所を店として改築したらしい。二階は彼らの住居だそうだとか。華美な店とは違った趣もいいと思わないか?」
「は、はい!」
「どした? 緊張でもしてんのか?」
「だって――」
平民厳禁な店ではないということはよく知っている。しかし、王室御用達なお店であることには変わりないからやはりマナーには気を使う。ということをリュカ様に明かすと彼は露骨にため息をついて、ウェルカムドリンクに口をつけた。
「そんなの……いつも俺達と食ってるだろうが。母上はあれで抜け目ないし、父上だってマナーやルールにはお詳しいの文官なのだから」
「た、たしかに。なんたってリュカ様がお厳しいですしね!」
僕は安堵して飲み物に手を取る。ああ、このソーダ水……! 炭酸ののどごしがスッキリしていて目も覚めるようだった。けれど嫌な目覚めではない。おいしっ。
「最後のは余計な一言だな」
ぐぬぬとうなる僕は運ばれてきた前菜と紅茶をみながら思った。こういうホッとするお店の雰囲気といい気さくな店員さんといい、リュカ様はわかっててこの店を選んだんだ。僕が萎縮して楽しめないことがないように。そう気づいて、彼の気遣いが胸に響いた。ほんと、やさしい方だなぁ。
大皿に乗ったまるまるとしたハンバーグをみて僕の目は釘付けになってしまった。思わず行儀悪くフォークとナイフを持ったままよだれが落ちてしまうところだった。危ない。危ない。
わくわくとしながらナイフを入れると、圧縮された切れ目から漏れる輝く肉汁! たらたらとこぼれるそれをもったいないと思いながら詰まっている中身に目が行く。意識が向いた先では、お肉が、なんというかパンパンなのだ。みっちり詰まっててこれは食欲を視覚からそそるなー。デミグラスソースの香りも思わず瓶詰めにしたいほど、つよい。かぐわしいそれを吸い込みながら口の中へ、いざ一欠片放り込む。
じゅわわっ。
「んぁぁぁああ、おいひいいです。にゃにこれお口の中がしあわせえ……」
うっとりと僕は欠けたハンバーグに目を向けた。 彩るように飾られた乾燥バジルもいいアクセントだ。まだまだ食べるところがあるなんてと思いながら、ぱくり。先の苦みと相まって、しょっぱさとうまみのバランスにご満悦。
「んはあああやっぱおいしい~~!!」
「おいやめろ叫ぶな。あと変な声をあげるな、こっちが困るだろ」
舌を使って口の端の残りまでなめてしまう。そして赤面しながら目のやり場に困ってるリュカ様をそっちのけで味わう。
「えぇ、でもこれは我慢なんかできませんよー。ふはぁ、あっち、んでもおいひい」
(そうそう我慢なんかしたらこのハンバーグに失礼だもんね)
なんか舌打ちしたリュカ様もおそるおそる食べ始めた。あ、目の色、変わった。やっぱりおいしいんじゃん。
「んふーおいしいでしょ?」
「なんでお前が自慢げなんだ。……たしかにうまいが」
「それだけ!? もっと感想は!」
「それはシェフに直接伝える」
ナプキンで丁寧に汚れた口元を拭いながらリュカ様は答えた。
「お客様方、こちら当店のサービスです。いかがいたしましょうか」
(とろとろにあぶられた、チーズ、だと!?)
「お願いします」
抜け目なくリュカ様が答える。僕もと手を上げて追加してもらった。
店員さんが黄色い塊の表面を丁寧にあぶる。特殊な器具をもちいて、糸を引くほど伸びるあざやかな彩色のチーズが、ぶあついハンバーグにかけられた。
味変に僕のお口の中は再び歓喜した。なんていうか、濃厚、この一言に尽きる。このチーズのために、このハンバーグはあったんだ、そう錯覚するほど相性がすばらしいのだ。もうね、泣けそうだ、僕は。
ほっぺがとけおちるほどとろけたチーズのかかった極上のハンバーグセットを僕らはほおばった。無言だ。食器のカチャカチャという音がしばらく続いて、名残惜しい最後の一口まで切なさと惜しみない感謝で締めくくり、味わい尽くしたのだった。
ふう、とお腹をさする。
おいしかった、最高の時間だった。と、気づく。そういえば僕からはリュカ様をたのしませてないことに。会話がなくなったことを僕が謝ると。
「いや構わない。お前の表情がたのしかったし、俺もこの味わいに感動したしな」
リュカ様はシェフを呼びつけ、話しけてた。彼らと会話している間に、僕の胸はじーんと温かな余韻が広がる。
「君もおいしそうにたべてくれてありがとう」
「はぁえ?! え、とんでもないです」
シェフが帽子を脱いで僕に頭を下げる。僕が手をぶんぶんと振って恐れ多いと困っていると、リュカ様まで追撃する。
「ああ、いいカオしてたな」
(ニヤニヤと……く。これはいじわるな笑みだな!?)
お店で会計をしている時にやけに金額が高いことに気づいた。リュカ様に尋ねると、彼の前に紙袋が用意されていた。どうやらお土産用に販売されている冷凍のハンバーグを買っていくらしい。エマ様たちともたべてられるのと、僕はほほをにやけさせた。まだ食べるのかよと口ではいいつつ、僕はちゃっかり見た。あれは二人分ではない、ということを。
「でも、お店の雰囲気もあってよかったなあ」
みんなで食べるのもいいけど。今日は今日で至福だった。しみじみと思い出しながら僕が告げると、リュカ様は視線を横にずらしながら、ツンと澄ました表情でおっしゃられた。
「また一緒に食べに来るか」
「一緒に来てもいいんですか……?」
「フッ。当たり前だろ」
ぱあああと僕は視界がひらけるような、そんな喜びを噛みしめる。未来のタスクにまた来るが追加されたのだった。
*
午後からは時間もあるしとリュカ様の用事に付き合うことになった。ずんずん歩くリュカ様の後を追ってたどり着いた先は。
「カラーショップ?? 色の店ってことは衣服とかですか?」
「惜しいな。たしかに装着可能な品ではあるが用途が異なってくる」
僕が頭の中をクエスチョンマークでいっぱいにしている中、さっそうとガラスばりの扉を開けて中へ入るリュカ様。僕も送れないようその背中に続く。
店内には壁一面まで使ってところせましと細工にこだわったアクセサリーが並んでいた。ただ気になるのは妙に大きな形や、宝石ひとつはまってない輪っかなども見受けられた。
「指輪やブレスレットがある! キレイですね。でもこっちには石すらない。それに向こうのは――ペット用の首輪でしょうか?」
「おい、笑わせるな! その様子だとほんとに知らないんだな」
リュカ様がしげしげとブレスレットを眺める僕をみつめている。
「なにがです?」
「犬猫用じゃない。それは人間用だ」
衝撃に、一拍おいてから口に出す。
「……まさか奴隷?」
「いやいやいや。そんな物騒な使い方するやつ閨でもいない」
「ねや?」
「夜中の大人のごっこ遊びとでもいえばいいか?」
「ふーん。フレデリク様とエマ様もしてるんですか?」
「ゴフッ……!! ばか、お前……なんでここで父上たちの名をだした!?」
むせるリュカ様の背中をさすっていると、奥からカールしたおヒゲの店主と思しき人がでてきた。
「これはこれは。楽しそうな笑い声がしていると思えば次期ご領主様ではありませんか。たしかお名前は……」
「リュカだ。ちなみにこっちはルナ。俺のツレだ」
「ほお。これはこれは興味深い。あなた様の従者を連れ合いだなんて」
「まあいろいろあってな。パートナーに選んだんだ。それで今日は『Collar』を買いに来たんだ」
カラーという響きが気になる僕が耳を澄ませていると店主さんは驚いたあとで拍手をする。
「それは素敵な話だ。わたくしの店でカラーを選んでいただけるとは……いやはやご先祖様たちも喜ぶでしょう」
「相変わらずここらの老舗はおおげさだな」
リュカ様が手のひらをみせながら両肩を少し持ち上げる。
「そうはおっしゃいましてもあの四日間の籠城戦で有名なベアズリー家ですからね」
気さくな店主さんは熱にうかれた少年が夢物語を語るように昔話に花を咲かせている。僕も気になって、主人に尋ねてみた。
「その話、前にフレデリク様も話してましたよね?」
「家の歴史だからな。イヤってほど聞かされ……――まさか覚えてないのか!?」
「ええっ!? 僕されてました?」
「……しつけ直し決定。徹底的にやるから覚悟しとけ」
「そんなに重要な歴史!? うわわわ、僕のばかー! なんで忘れちゃうんだよ……」
えぐえぐと泣く僕が哀れに思えたのか、リュカ様は御慈悲をくださった。
「お前の気持ちもわからんでもない。なにせおとぎ話みたいな逸話だからな」
そうしてかいつまんで語られたのはふしぎなふしぎなお話だった。
森の奥で迷える子供が助けたのは人間離れした麗人でした。その者は翌日、正体を現して人間の子に礼として契約を持ちかけます。一人の少年と精霊王は契約を交わしました。そして、豊かな自然と富める技術によってニューロピア大陸の夜明けは始まりました。
神話時代の幕開けから数百年後、愚かな王によって、一つの国が滅び、血で血を洗う戦争が行われます。
かつてのベルナルド家もその大陸大戦に巻き込まれました。ベルナルド家の始祖となる青年は兵士として駆り出されました。家族を残し戦う彼ですが戦線は後退する一方、やがては自分たちの故郷にまで戦火が広がりました。
ベルナルドの青年は仲間と協力しおんなこどもを近くの古城へと避難させ、立てこもることになりました。救援を待つ間、彼らは食い扶持と大切なものを守る戦いに明け暮れます。
しかし――その命運も尽きた、と思ったときでした。
青年の前に熊の精霊が現れました。戦いを憂いる精霊と、民の行く末を憂い青年。ふたりの心は共鳴し、精霊は彼に真名を明かしたうえで強大な力を貸し、ベルナンドの家とあたりの民も力を合わせて、みなを守り抜いたのです。
戦いの終わりに、青年には、報奨に王からこの土地を収める権利が与えられました。
そして精霊と力を合わせ、強大な敵を払い除けたこの逸話は、『四日間の籠城戦』として広まりました。ベルナンド家のもとへ訪れた精霊ベアズリーの名とともに。
こうしてベルナンド家には精霊の再契約がもたらされ、今なお王家の覚えもめでたい由緒正しき伯爵家となりました。ベルナルド家は、窮地を救う手助けをしてくれた精霊の信頼に報いるべく、堅実に、領地と領民を守っているのでした。
「霊装、というらしいですね。そのお力は」
「らしいな。俺にはないが」
「……本当にないんですか?」
ドキドキしながら聞いた伝説に夢中になっていたから、リュカ様の受け答えにちょっとがっかりしてしまった。もしかして、実は隠してるだけで――。
「なわけあるか。隠してるならこんなに広めないだろうが」
「それもそうですね?」
ということはあくまで神話のおはなしかあ。でもベルナンド家が誇り高きお家だとしれて僕もちょっと鼻が高い気分だ。精霊様にはちゃんと感謝しとこう。
「お前は……いや、なんでもない」
リュカ様はあっけにとられてから、口元に手をおき、頭を振った。
「でもあのお屋敷にそんなに入れないような?」
伝説を聞いて抱いた疑念を思い出して聞いてみる。
「当時の城は本物の城だ。今の屋敷とは別物。女子供を抱えても籠城できるぐらいには大きかったらしいぞ。親戚がみな移ったり、だんだん切り詰めて土地を売っぱらったりして今の形になったとか」
「ほへえ。そうでしたか。ご先祖様も苦労なされたんでしょうね、きっと。でも、そのおかげでリュカ様があるんですね!」
「すまないな、店主。長々と話ばかりで」
「いえいえ滅相もない。ご領主様方から話を直接聞けて嬉しかったですよ。こちらでもおすすめの品を厳選し終えたので、ぜひご確認してくださいませ」
ささっと渡されたケースをのぞいてみる僕ら。
『Collar』とはDomとSubの関係成立の証としてドムがサブに送る首輪のことらしい。しかし現物は本物の首輪であるとは限らないとのこと。前述のブレスレットなどのアクセサリーや、はては写真と、広義にはなんでもいいそうだ。ようはサブの不安を解消する効果さえあれば。
「お前はどんなのがいい?」
「そうですね……やっぱりそういう形あるものがいいかなって。女性ではないからアクセサリーにはあんまり興味はないですね。でも、首輪にはちょっとくるものがあります」
「そうか。意外だな」
お前のことだから手綱をつけられるのはいやだろうと思ったとリュカ様はいう。あなただからいいんです、なんて口が裂けても言えない僕は曖昧に笑ってごまかすのだった。
「でしたらチョーカーなどおすすめですよ。当店自慢のラインナップはこちらです」
厳重にガラスケースに入れられた数点をみつくろって壁際から取り出す店主。飾られていた品々の印象はどれも違う。
「これだけあると迷うな。なにかアドバイスなどないか?」
「日頃の生活スタイルとプレイに合ったものがいいですよ」
その助言を踏まえて僕らは話し合う。
「眠りやすいやつですかね……?」
「そうなる……のか」
なぜか残念そうなリュカ様に首をかしげてみていると、手元には妙にかわいいパステルカラーのチョーカーを握っているではないか!?
(まさかああいうのが趣味なのか!?)
というわけで下手に出て可愛いのもだあいすきですよと引くような熱量で押してみると忍び笑いをもらすリュカ様。
「って、いやがらせ目的じゃないですか!!」
「女装癖のあるりゅなちゃんにはいいだろ? フリフリだし」
「エマ様のせいですよ!? しかもちっちゃいとき!」
このぐらいですって、と指を誇張表現気味に示す。そんな小魚みたいなサイズなわけあるかとリュカ様は呆れている。リュカ様になお文句を言おうと迫ると、店主さんの背中側、隅の方の店にきらりと光るものがあった。僕は注視すると目が奪われてしまった。
「急に黙ってどうした?」
無難なものを選び直していたはずのリュカ様がこちらを気にする。
僕は絶対これがいいという直感を信じてそのケースを指さした。
わりと値が張る品物なのかと思った。店主さんはそれを見て口を半開きにしていたから。
黙って渡された品物をよくよくみると、セットに取り外せるアクセサリーがついたパーティー用のチョーカーであることが判明する。リュカ様は渋い表情だ。
「飽きたりしないか?」
「問題ありません! なんかこう、ピンと来たんです!」
「その勢いが心配なんだよ」
「でもでもでも、すっごく素敵だし、とくにこのふくろうみたいなデザイン! 羽の飾りなんて透けてますよ? すごい職人さんがいたんでしょうねえ」
「たしかにセンスは相当いいとみた。職人の腕も午前中に見たシガーボックスの比ではないな」
「ですよね!?」
リュカ様が感嘆としているとぽつりと店主様がケースをみながらいう。
「きみがいたことを忘れていたよ。これもなにかの縁かな……」
かちゃかちゃと音がして、ケースの鍵が外される。
「このこをよろしく頼みます」
「大事にします! あ、でもちゃんとお手入れしながら使います!!」
「……よかった。君みたいな子が選んでくれて」
目元の涙を拭った店主さんは、そのチョーカーを包んでくれた。お辞儀をした店主に笑顔を返して、僕らは『満月のシュエット』を後にするのだった。
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