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第3部 勤労令嬢、世界を救う - 第1章 勤労令嬢と婚約破棄
第9話 58人の后
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「ジリアン嬢、こちらで少しお話しましょう?」
ジリアンに声をかけたのは皇帝の后の一人だった。ジリアンの身体の3分の1ほどの小さな身体に、背中には4枚の羽が生えている。その透き通るような美しい羽からは金色の鱗粉が舞っていて、彼女の美しさをより一層引き立てていた。
「はい」
小さな女性はジリアンに手招きをして、他の后たちの輪に招き入れてくれた。もちろん護衛騎士のノアも後ろをついてきたが、これには他の后たちが顔をしかめた。
「殿方はご遠慮ください」
「そうよ。女同士の話をするんだから」
「人族の魔法騎士は気が利かないのね」
などと散々な言われようである。苦笑いを浮かべたジリアンがノアに視線を送ると険しい表情を浮かべたが、テオバルトに何やら囁かれて渋々離れていった。
「……あの方、素敵ね」
呟いたのは、ジリアンの隣で豪快に麦酒を煽る女性だった。彼女の身体も小さい。小人族というのだと、先ほどテオバルトに教えてもらったところだ。
「ミリアさん、またですか?」
他の后たちがクスクスと笑う。
「あら。いいじゃない。強い殿方は好きよ」
「あの方、お強いのかしら?」
「間違いないわね。あの身のこなし、並の剣術使いじゃないわ。ね?」
問われたジリアンはニコリと微笑んでから頷いた。ただし、
「彼はダメですよ。結婚の約束をしている女性がいるので」
と、釘を刺すことを忘れなかった。
「あら、残念」
ミリアもニコリと微笑む。あまり残念そうに見えないのは、彼女が冗談交じりでジリアンに話題を振ってくれたからだろう。
「それで? 入宮はいつ頃?」
次にジリアンに声をかけたのは、サファイアの瞳の中で縦に走る瞳孔が印象的な女性だ。その頭には、ツンと尖った可愛らしい耳がピクピクと揺れている。
「入宮、ですか?」
「そうよ。歓迎の宴を準備しなくちゃならないし」
「そもそも、どちらの宮をお使いいただくのがいいかしら?」
「いつまでもウィステリア宮に居ていただくわけにもいきませんし」
「北の宮はどうかしら?」
「あら、ダメよ。北の宮は私の宮と近いわ。私の毒気にあたったら大変」
「そうね。じゃあ、葵宮は?」
「いいんじゃない?」
「それじゃあ、さっそく家具職人を呼ばなきゃ」
「ええ。あそこの前の住人は巨人族だったものね。……ベッドはそのままでいいわよね、ジリアン嬢?」
問われたジリアンはわけが分からず首を傾げるしかない。
「あの、入宮、というのは?」
「あなた、皇帝陛下の后になるのでしょう?」
ミリアに問われて、ジリアンの身体が飛び上がった。
「まさか!」
「え、違うの!?」
今度は后たちが飛び上がった。女性たちの間に、微妙な沈黙が落ちる。
「どうして?」
沈黙を破ったのは、ミリアだった。
「皇帝陛下に后になれと言われて、どうして断るの?」
心底不思議だと言わんばかりの表情に、他の后たちも同意の声を上げる。
「そうよ」
「あんなに素敵な方に見初められたのに」
「断るだなんて」
「全ての女性の憧れよ? 皇帝陛下の后になるのは」
と、本当に不思議そうに言うものだから、ジリアンは思わずクスリと笑ってしまった。
「何がおかしいの?」
ミリアが眉をしかめるので、ジリアンが慌てて首を振る。
「ごめんなさい。皆さん、本当に皇帝陛下のことがお好きなんだな、と思って」
「あら」
「そんなの当たり前じゃない」
「世界中探したって、皇帝陛下よりも素敵な男性はいらっしゃいませんよ」
と、后たちが言う。
(皇帝陛下は58人の后たちを、本当に大切になさっているのね)
感心して頷いたジリアンに、后たちが首を傾げている。
「これは秘密の話なんですけど」
ジリアンが声を低めると、后たちは一斉に彼女に耳を寄せた。
「私には、心に決めた方がおりますの」
小さな声に后たちが色めき立った。
「まあ!」
「そうなの!」
「素敵!」
キラキラと瞳を輝かせる様子に、ジリアンの胸が温かくなる。
(どこも同じね)
住む場所も種族も違っても、女性たちが興味を持つ話題は同じなのだ。人の色恋に瞳を輝かせる后たちに、ぐっと親近感が湧く。
「それって、マルコシアス侯爵なの?」
この問いには、ジリアンはニコリと微笑むだけで答えなかった。それを見た后たちが、また嬉しそうに声を上げそうになって、慌てて口元を抑える。その可愛らしい様子に、またジリアンの笑みが深くなる。
「楽しそうね」
次いでジリアンに声をかけたのは、白い肌に淡い金髪を持つ美しい女性だった。人族とよく似ているが、耳の形が違う。
(エルフ……?)
彼女の登場に、他の后たちがさっと頭を下げた。后の中でも身分の高い女性なのだろうと、ジリアンも他の后に倣って膝を折った。
「そうかしこまらないで。他の皆さんよりも長く生きているというだけなのだから」
「長く生きている?」
問いかけたジリアンに、エルフの女性がゆったりと微笑んだ。
「たった数百年生きているだけの、若輩者ですよ」
「数百年!?」
「エルフ族の中では若い方だわ」
「そうなんですね」
「あなたの知っているエルフ族も、私よりずっと歳上なのよ?」
「私の知っている方、ですか?」
「ええ。人族の大陸に渡った、ちょっと気難しいエルフのことよ」
「あ……! コルト・マントイフェル教授のことですか?」
エルフの女性がニコリと微笑む。何か話があるのだろうと察した他の后が次々と席を外し、いつの間にかジリアンは彼女と2人きりになっていた。
「気をつけて」
「え?」
「……その時が、もうすぐそこまで迫っているわ」
「その時?」
エルフの女性はジリアンの問には答えずに、彼女の手を握った。
「……コルトの魔力を感じるわ」
「はい。以前、教授に助けていただいたことがあって」
「『黒い魔法石』ね?」
「はい」
『黒い魔法石』による儀式で魔力の暴走を起こしかけた彼女を、魔法学院の教授であるエルフのマントイフェル教授が救ってくれたのは、1年ほど前のことだ。その時の魔力の残滓が、ジリアンの身体に残っているのだろう。
「……彼の選択は間違っていなかったわね」
「え?」
切なく目を細めたエルフの女性が、じっとジリアンを見つめる。
「あなたたちの大陸に、ヒトの未来があると信じているのよ、彼は」
「どういうことですか?」
「じきにに分かるわ」
それだけ言って、エルフの女性は踵を返した。
「何も心配することはない。あなたが自分を信じることができれば、全てうまくいくわ」
それだけ言い残して、エルフの女性は金色に光る風とともに消えてしまった。その様子を見ていたのだろう、すかさずミリアがジリアンのもとに駆け寄った。彼女は、ずいぶんジリアンのことが気に入ったらしい。
「何の話を?」
「私にもよく分からなくて」
「あの方のことは、よくわからないのよね。私たちにも皇帝陛下にも」
「皇帝陛下も? 后のお一人なのに?」
「ものすごい年上だもの。皇帝陛下も頭が上がらないと言っていたわ」
ミリアが笑うので、ジリアンもクスクスと笑った。数百歳も年上の后相手に、あの皇帝がたじたじになってしまう姿を想像して可笑しくなったのだ。
「気をつけて、と忠告されました」
「うん。炎の巨人族のこともあるし、気をつけておくに越したことはないわ。……妙なことが起ころうとしている」
「妙なこと、ですか?」
「ええ。炎の巨人族のカシロといえば、皇帝陛下の盟友よ。その彼が裏切るだなんて、ただ事じゃないわ。後宮には、ご息女のオルギットさんもいるし」
炎の巨人族のカシロは、船で護送されている最中だ。捕えた彼の口から真実が語られれば話は早いが、簡単に口を割るとは思えない。彼の戦い方からは、信念のようなものが感じられたからだ。ミリアの言う通り、彼の裏切りにはただ事ではない理由があるのだろう。
「オルギットさんと、話をすることはできるでしょうか?」
「今は謹慎中だから難しいかも。……ううん。なんとか手配するわ。きっと、彼女もあなたと会いたがっているだろうし」
「そうなんですか?」
「ええ。私たちは、あなたが来るのを心待ちにしていたの。……お友だちになってくれる?」
「もちろん!」
ジリアンと小人族のミリアが固い握手を交わすのを見て、すぐに他の后たちも寄ってきた。
次々と握手を求められてもみくちゃになっていくジリアンの様子に、皇帝が声を立てて笑ったのだった。
ジリアンに声をかけたのは皇帝の后の一人だった。ジリアンの身体の3分の1ほどの小さな身体に、背中には4枚の羽が生えている。その透き通るような美しい羽からは金色の鱗粉が舞っていて、彼女の美しさをより一層引き立てていた。
「はい」
小さな女性はジリアンに手招きをして、他の后たちの輪に招き入れてくれた。もちろん護衛騎士のノアも後ろをついてきたが、これには他の后たちが顔をしかめた。
「殿方はご遠慮ください」
「そうよ。女同士の話をするんだから」
「人族の魔法騎士は気が利かないのね」
などと散々な言われようである。苦笑いを浮かべたジリアンがノアに視線を送ると険しい表情を浮かべたが、テオバルトに何やら囁かれて渋々離れていった。
「……あの方、素敵ね」
呟いたのは、ジリアンの隣で豪快に麦酒を煽る女性だった。彼女の身体も小さい。小人族というのだと、先ほどテオバルトに教えてもらったところだ。
「ミリアさん、またですか?」
他の后たちがクスクスと笑う。
「あら。いいじゃない。強い殿方は好きよ」
「あの方、お強いのかしら?」
「間違いないわね。あの身のこなし、並の剣術使いじゃないわ。ね?」
問われたジリアンはニコリと微笑んでから頷いた。ただし、
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と、釘を刺すことを忘れなかった。
「あら、残念」
ミリアもニコリと微笑む。あまり残念そうに見えないのは、彼女が冗談交じりでジリアンに話題を振ってくれたからだろう。
「それで? 入宮はいつ頃?」
次にジリアンに声をかけたのは、サファイアの瞳の中で縦に走る瞳孔が印象的な女性だ。その頭には、ツンと尖った可愛らしい耳がピクピクと揺れている。
「入宮、ですか?」
「そうよ。歓迎の宴を準備しなくちゃならないし」
「そもそも、どちらの宮をお使いいただくのがいいかしら?」
「いつまでもウィステリア宮に居ていただくわけにもいきませんし」
「北の宮はどうかしら?」
「あら、ダメよ。北の宮は私の宮と近いわ。私の毒気にあたったら大変」
「そうね。じゃあ、葵宮は?」
「いいんじゃない?」
「それじゃあ、さっそく家具職人を呼ばなきゃ」
「ええ。あそこの前の住人は巨人族だったものね。……ベッドはそのままでいいわよね、ジリアン嬢?」
問われたジリアンはわけが分からず首を傾げるしかない。
「あの、入宮、というのは?」
「あなた、皇帝陛下の后になるのでしょう?」
ミリアに問われて、ジリアンの身体が飛び上がった。
「まさか!」
「え、違うの!?」
今度は后たちが飛び上がった。女性たちの間に、微妙な沈黙が落ちる。
「どうして?」
沈黙を破ったのは、ミリアだった。
「皇帝陛下に后になれと言われて、どうして断るの?」
心底不思議だと言わんばかりの表情に、他の后たちも同意の声を上げる。
「そうよ」
「あんなに素敵な方に見初められたのに」
「断るだなんて」
「全ての女性の憧れよ? 皇帝陛下の后になるのは」
と、本当に不思議そうに言うものだから、ジリアンは思わずクスリと笑ってしまった。
「何がおかしいの?」
ミリアが眉をしかめるので、ジリアンが慌てて首を振る。
「ごめんなさい。皆さん、本当に皇帝陛下のことがお好きなんだな、と思って」
「あら」
「そんなの当たり前じゃない」
「世界中探したって、皇帝陛下よりも素敵な男性はいらっしゃいませんよ」
と、后たちが言う。
(皇帝陛下は58人の后たちを、本当に大切になさっているのね)
感心して頷いたジリアンに、后たちが首を傾げている。
「これは秘密の話なんですけど」
ジリアンが声を低めると、后たちは一斉に彼女に耳を寄せた。
「私には、心に決めた方がおりますの」
小さな声に后たちが色めき立った。
「まあ!」
「そうなの!」
「素敵!」
キラキラと瞳を輝かせる様子に、ジリアンの胸が温かくなる。
(どこも同じね)
住む場所も種族も違っても、女性たちが興味を持つ話題は同じなのだ。人の色恋に瞳を輝かせる后たちに、ぐっと親近感が湧く。
「それって、マルコシアス侯爵なの?」
この問いには、ジリアンはニコリと微笑むだけで答えなかった。それを見た后たちが、また嬉しそうに声を上げそうになって、慌てて口元を抑える。その可愛らしい様子に、またジリアンの笑みが深くなる。
「楽しそうね」
次いでジリアンに声をかけたのは、白い肌に淡い金髪を持つ美しい女性だった。人族とよく似ているが、耳の形が違う。
(エルフ……?)
彼女の登場に、他の后たちがさっと頭を下げた。后の中でも身分の高い女性なのだろうと、ジリアンも他の后に倣って膝を折った。
「そうかしこまらないで。他の皆さんよりも長く生きているというだけなのだから」
「長く生きている?」
問いかけたジリアンに、エルフの女性がゆったりと微笑んだ。
「たった数百年生きているだけの、若輩者ですよ」
「数百年!?」
「エルフ族の中では若い方だわ」
「そうなんですね」
「あなたの知っているエルフ族も、私よりずっと歳上なのよ?」
「私の知っている方、ですか?」
「ええ。人族の大陸に渡った、ちょっと気難しいエルフのことよ」
「あ……! コルト・マントイフェル教授のことですか?」
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「気をつけて」
「え?」
「……その時が、もうすぐそこまで迫っているわ」
「その時?」
エルフの女性はジリアンの問には答えずに、彼女の手を握った。
「……コルトの魔力を感じるわ」
「はい。以前、教授に助けていただいたことがあって」
「『黒い魔法石』ね?」
「はい」
『黒い魔法石』による儀式で魔力の暴走を起こしかけた彼女を、魔法学院の教授であるエルフのマントイフェル教授が救ってくれたのは、1年ほど前のことだ。その時の魔力の残滓が、ジリアンの身体に残っているのだろう。
「……彼の選択は間違っていなかったわね」
「え?」
切なく目を細めたエルフの女性が、じっとジリアンを見つめる。
「あなたたちの大陸に、ヒトの未来があると信じているのよ、彼は」
「どういうことですか?」
「じきにに分かるわ」
それだけ言って、エルフの女性は踵を返した。
「何も心配することはない。あなたが自分を信じることができれば、全てうまくいくわ」
それだけ言い残して、エルフの女性は金色に光る風とともに消えてしまった。その様子を見ていたのだろう、すかさずミリアがジリアンのもとに駆け寄った。彼女は、ずいぶんジリアンのことが気に入ったらしい。
「何の話を?」
「私にもよく分からなくて」
「あの方のことは、よくわからないのよね。私たちにも皇帝陛下にも」
「皇帝陛下も? 后のお一人なのに?」
「ものすごい年上だもの。皇帝陛下も頭が上がらないと言っていたわ」
ミリアが笑うので、ジリアンもクスクスと笑った。数百歳も年上の后相手に、あの皇帝がたじたじになってしまう姿を想像して可笑しくなったのだ。
「気をつけて、と忠告されました」
「うん。炎の巨人族のこともあるし、気をつけておくに越したことはないわ。……妙なことが起ころうとしている」
「妙なこと、ですか?」
「ええ。炎の巨人族のカシロといえば、皇帝陛下の盟友よ。その彼が裏切るだなんて、ただ事じゃないわ。後宮には、ご息女のオルギットさんもいるし」
炎の巨人族のカシロは、船で護送されている最中だ。捕えた彼の口から真実が語られれば話は早いが、簡単に口を割るとは思えない。彼の戦い方からは、信念のようなものが感じられたからだ。ミリアの言う通り、彼の裏切りにはただ事ではない理由があるのだろう。
「オルギットさんと、話をすることはできるでしょうか?」
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「そうなんですか?」
「ええ。私たちは、あなたが来るのを心待ちにしていたの。……お友だちになってくれる?」
「もちろん!」
ジリアンと小人族のミリアが固い握手を交わすのを見て、すぐに他の后たちも寄ってきた。
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