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第1部 - 第2章 勤労令嬢と魔法学院
第15話 特別な友達
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「わあ、すごい人ね」
馬車のまま門をくぐると、前庭には大勢の人があふれていた。女子も男子も、真新しい制服を着てそわそわと歩いている。
女子は淡いブルーを基調としたシンプルなシュミーズドレス。その上には濃紺の、スペンサーと呼ばれる丈の短いジャケットを着ている。全体的にシンプルな装いだ。
男子も女子と同じく濃紺のジャケット。こちらはモーニングコートと呼ばれる形。内側には淡いブルーのベスト、ズボンはグレイのコールズボンを履いている。
女子、男子ともにリボンとネクタイは自由なので、各々が選んだものを着用し、華を添えている。
ジリアンはドレスと同色のリボンを選んだ。ただし、侯爵が選んだ最高級のレースで縁飾りが施されている。
「私、大丈夫かしら?」
ジリアンは、少しだけ不安になった。
オリヴィアの手によって入念に準備されたとはいえ、あの中に入っていっても馴染めるだろうか、と心配になったのだ。
「もちろん。お嬢様が一番ですよ」
ノアが答えてくれるが、その言葉は信用できないとジリアンは思っている。
この手の質問には、絶対にこう答えるのだ。ちなみに、屋敷に勤める他の使用人も騎士も同様だ。
「はあ」
ジリアンは、ため息を吐いた。
(ぜんぜん参考にならないじゃない)
身内に聞いても意味がないということに、とっくに気づいてはいたが。
「……おかしくないなら、それでいいわ」
「問題ございませんとも」
ノアがニコリと笑うと同時に、馬車が止まった。
「さあ参りましょう」
先に降りたノアに手を取られて、馬車から降りる。
すると、先ほどまでザワザワと騒がしかった周囲が、しんと静まり返っているのがわかった。
「……やっぱり、私おかしい?」
「そうではありませんよ」
「でも……」
「みなさん、お嬢様があまりにも美しいので驚いているのでしょう」
「まさか」
ジリアンの容姿に関する自己評価は低い。髪は地味な黒色だし、身体は貧相なままだ。顔も十人並みだと本人は思っている。
本人は、だが。
「……それと、馬車には侯爵家の家紋が入っておりますので」
「ああ、なるほど」
それなら、とジリアンは納得した。英雄であるクリフォード・マクリーン侯爵の身内ということで、注目を集めたのだろう。少し誇らしい気持ちになって、ジリアンは胸を張った。
「ジリアン!」
そんなジリアンに声をかけたのは、彼女の唯一の友人だった。
「アレン!」
旅の途中で出会い、最後まで一緒に歩いてくれた少年・アレンである。彼とは頻繁に手紙を交わす仲だ。侯爵の領地に遊びに来て、滞在していったこともある。
「悪かったな。会いに行けなくて」
ジリアンが首都に来てから、会うのは初めてだ。約2年ぶりの再会。
すっかり背が伸びて少年ではなく青年へと成長したアレンの姿に、ジリアンはしばし見惚れてしまった。元々美しい顔立ちの少年だったが、そこに精悍さが加わった。洗練された、まるで立派な紳士だ。
「そんなに見るなよ」
「あ、ごめん」
「……見惚れた?」
「……うん」
「ゴホン!」
二人の微妙な空気を壊したのは、わざとらしい咳払いだった。ノアだ。
「失礼」
ノアが、二人の間に割って入る。
「おい」
「旦那様から、厳命を受けておりますので」
「厳命?」
「はい」
睨み合う二人に、ジリアンはおろおろすることしかできない。
「ねえ、ノア」
「お嬢様も、旦那様の言いつけをお守りください」
「言いつけって……」
まさか、今朝のアレのことを言っているのだろうか。
「男子生徒と目を合わせてはなりません。微笑みかけるなど、もってのほかでございます」
「でも、アレンは友達だし……」
以前は、普通に遊んでいた仲だ。
「お嬢様も社交界に出る年齢になったのです。節度をお持ちください」
「……はい」
こう言われてしまっては仕方がない。ジリアンとアレンは、ノアを挟んで目を合わせないように気をつけながら話をするしかなかった。
「アレンは忙しいの?」
「まあまあだな」
詳しくは教えられていないが、彼は父親の仕事を手伝っているらしい。
「でも、アレンまで入学するなんて。手紙で知って驚いたわ。大学はいいの?」
「早期卒業できたんだ。俺、優秀だから」
「すごいね」
「そう。俺はすごいんだ」
ジリアンよりも2歳年上のアレン。彼はパブリック・スクール卒業後に大学に進学した。ところが、三日前に受け取った手紙に『ジリアンの同期として王立魔法学院に入学する』と書かれていたのだ。こういう事情だったらしい。
「他にもそういう方がいらっしゃるの?」
「いるよ。こっちで大学の単位も取れるから、編入するって奴もいる」
「そうなのね」
「それだけ、生徒集めには神経を使ってるってことだ」
王立魔法学院には入学試験がない。魔法使用者登記を元に、国が入学させる生徒を選ぶ。推薦を受けて入学に至ることもあるにはあるが、ごく少数である。すでに大学に入学していた生徒の中にも、選ばれた生徒がいたということだ。
「今年は、ジェントリや平民からの新入生が多いらしい」
──ジェントリ。いわゆる、中流階級のことだ。
新しい魔法を使って富を得た人々のことを、こう呼ぶ。
「アレンが言ってた通りになったね」
「俺?」
「うん。『これから、そういう人間が表に出てくる時代がくるよ』って言ってたじゃない」
「ああ、そういえば」
旅の途中でアレンが話していた通り、時代は大きく動いている。
ジリアンと同じような魔法を使う人が現れたのだ。彼らは貴族とは違った。魔法を労働に使うことを、厭わなかった。主に繊維業で、魔法を使って成功する人が続出した。
「時代が変わってるんだね」
「ああ。そのための、王立魔法学院だ」
新しい魔法の台頭によって国内の秩序が乱れることを懸念した王室は、早々に解決策を打ち出した。新しい魔法を使う人を保護する法律を整えた。さらに魔族を王国に招き、魔法に関する研究を進めた。
現在も研究の途上ではあるが、ある程度の整理ができたところで登場したのが、この王立魔法学院だ。6年前に設立され、生徒の受け入れが始まったのが2年前。ジリアンとアレンは3期生になる。
「一番の目的は、魔法研究の推進とその集約、だっけ?」
「その通り。魔法に関する新たな発見があった場合には、王立魔法学院に報告することが法律で義務付けられている。それらを系統立てて整理して、広く国民のために普及させることが最終的な目的だな」
「その一環が、教育ってことね」
「生徒を集めるのは、それだけが目的じゃないけどな」
「うん。新しい魔法使いの、管理だね」
「そうだ」
未知の力を持つ国民を野放しにすることはできない。そこで、生徒として集めることで管理しようというのである。
王立魔法学院は、教育機関であると同時に研究機関であり、政治色の濃い場所なのだ。
「旧来の貴族らしい魔法しか使わない生徒も多い。……今年は荒れるぞ」
こういう状況ではあるが、これまで功績のあった貴族を蔑ろにすることも出来ない。学院の生徒の半分以上は貴族であり、彼らにも新しい魔法の技術を教えている。
この流れを嫌う貴族もいるが、時代の流れがそれを許さない。新しい魔法が使えない家門は、廃れていくのが目に見えているからだ。
ジリアンたちは、微妙なバランスの中で学ぶことになるのだ。
「なんだか、不安になってきた」
「お前なら大丈夫さ」
「そうかな?」
「俺がついてる」
「うん。頼りにしてるね、特別な友達くん」
「おう」
そんな話をしているうちに、二人は目的地に到着した。
講堂だ。
ノアが扉を開くと、中の生徒たちが一斉にジリアンとアレンを見た。
その眼差しには、好意的なものなど一切ない。ビリビリと肌がひりついていく。
「さあ、序列決めだ」
馬車のまま門をくぐると、前庭には大勢の人があふれていた。女子も男子も、真新しい制服を着てそわそわと歩いている。
女子は淡いブルーを基調としたシンプルなシュミーズドレス。その上には濃紺の、スペンサーと呼ばれる丈の短いジャケットを着ている。全体的にシンプルな装いだ。
男子も女子と同じく濃紺のジャケット。こちらはモーニングコートと呼ばれる形。内側には淡いブルーのベスト、ズボンはグレイのコールズボンを履いている。
女子、男子ともにリボンとネクタイは自由なので、各々が選んだものを着用し、華を添えている。
ジリアンはドレスと同色のリボンを選んだ。ただし、侯爵が選んだ最高級のレースで縁飾りが施されている。
「私、大丈夫かしら?」
ジリアンは、少しだけ不安になった。
オリヴィアの手によって入念に準備されたとはいえ、あの中に入っていっても馴染めるだろうか、と心配になったのだ。
「もちろん。お嬢様が一番ですよ」
ノアが答えてくれるが、その言葉は信用できないとジリアンは思っている。
この手の質問には、絶対にこう答えるのだ。ちなみに、屋敷に勤める他の使用人も騎士も同様だ。
「はあ」
ジリアンは、ため息を吐いた。
(ぜんぜん参考にならないじゃない)
身内に聞いても意味がないということに、とっくに気づいてはいたが。
「……おかしくないなら、それでいいわ」
「問題ございませんとも」
ノアがニコリと笑うと同時に、馬車が止まった。
「さあ参りましょう」
先に降りたノアに手を取られて、馬車から降りる。
すると、先ほどまでザワザワと騒がしかった周囲が、しんと静まり返っているのがわかった。
「……やっぱり、私おかしい?」
「そうではありませんよ」
「でも……」
「みなさん、お嬢様があまりにも美しいので驚いているのでしょう」
「まさか」
ジリアンの容姿に関する自己評価は低い。髪は地味な黒色だし、身体は貧相なままだ。顔も十人並みだと本人は思っている。
本人は、だが。
「……それと、馬車には侯爵家の家紋が入っておりますので」
「ああ、なるほど」
それなら、とジリアンは納得した。英雄であるクリフォード・マクリーン侯爵の身内ということで、注目を集めたのだろう。少し誇らしい気持ちになって、ジリアンは胸を張った。
「ジリアン!」
そんなジリアンに声をかけたのは、彼女の唯一の友人だった。
「アレン!」
旅の途中で出会い、最後まで一緒に歩いてくれた少年・アレンである。彼とは頻繁に手紙を交わす仲だ。侯爵の領地に遊びに来て、滞在していったこともある。
「悪かったな。会いに行けなくて」
ジリアンが首都に来てから、会うのは初めてだ。約2年ぶりの再会。
すっかり背が伸びて少年ではなく青年へと成長したアレンの姿に、ジリアンはしばし見惚れてしまった。元々美しい顔立ちの少年だったが、そこに精悍さが加わった。洗練された、まるで立派な紳士だ。
「そんなに見るなよ」
「あ、ごめん」
「……見惚れた?」
「……うん」
「ゴホン!」
二人の微妙な空気を壊したのは、わざとらしい咳払いだった。ノアだ。
「失礼」
ノアが、二人の間に割って入る。
「おい」
「旦那様から、厳命を受けておりますので」
「厳命?」
「はい」
睨み合う二人に、ジリアンはおろおろすることしかできない。
「ねえ、ノア」
「お嬢様も、旦那様の言いつけをお守りください」
「言いつけって……」
まさか、今朝のアレのことを言っているのだろうか。
「男子生徒と目を合わせてはなりません。微笑みかけるなど、もってのほかでございます」
「でも、アレンは友達だし……」
以前は、普通に遊んでいた仲だ。
「お嬢様も社交界に出る年齢になったのです。節度をお持ちください」
「……はい」
こう言われてしまっては仕方がない。ジリアンとアレンは、ノアを挟んで目を合わせないように気をつけながら話をするしかなかった。
「アレンは忙しいの?」
「まあまあだな」
詳しくは教えられていないが、彼は父親の仕事を手伝っているらしい。
「でも、アレンまで入学するなんて。手紙で知って驚いたわ。大学はいいの?」
「早期卒業できたんだ。俺、優秀だから」
「すごいね」
「そう。俺はすごいんだ」
ジリアンよりも2歳年上のアレン。彼はパブリック・スクール卒業後に大学に進学した。ところが、三日前に受け取った手紙に『ジリアンの同期として王立魔法学院に入学する』と書かれていたのだ。こういう事情だったらしい。
「他にもそういう方がいらっしゃるの?」
「いるよ。こっちで大学の単位も取れるから、編入するって奴もいる」
「そうなのね」
「それだけ、生徒集めには神経を使ってるってことだ」
王立魔法学院には入学試験がない。魔法使用者登記を元に、国が入学させる生徒を選ぶ。推薦を受けて入学に至ることもあるにはあるが、ごく少数である。すでに大学に入学していた生徒の中にも、選ばれた生徒がいたということだ。
「今年は、ジェントリや平民からの新入生が多いらしい」
──ジェントリ。いわゆる、中流階級のことだ。
新しい魔法を使って富を得た人々のことを、こう呼ぶ。
「アレンが言ってた通りになったね」
「俺?」
「うん。『これから、そういう人間が表に出てくる時代がくるよ』って言ってたじゃない」
「ああ、そういえば」
旅の途中でアレンが話していた通り、時代は大きく動いている。
ジリアンと同じような魔法を使う人が現れたのだ。彼らは貴族とは違った。魔法を労働に使うことを、厭わなかった。主に繊維業で、魔法を使って成功する人が続出した。
「時代が変わってるんだね」
「ああ。そのための、王立魔法学院だ」
新しい魔法の台頭によって国内の秩序が乱れることを懸念した王室は、早々に解決策を打ち出した。新しい魔法を使う人を保護する法律を整えた。さらに魔族を王国に招き、魔法に関する研究を進めた。
現在も研究の途上ではあるが、ある程度の整理ができたところで登場したのが、この王立魔法学院だ。6年前に設立され、生徒の受け入れが始まったのが2年前。ジリアンとアレンは3期生になる。
「一番の目的は、魔法研究の推進とその集約、だっけ?」
「その通り。魔法に関する新たな発見があった場合には、王立魔法学院に報告することが法律で義務付けられている。それらを系統立てて整理して、広く国民のために普及させることが最終的な目的だな」
「その一環が、教育ってことね」
「生徒を集めるのは、それだけが目的じゃないけどな」
「うん。新しい魔法使いの、管理だね」
「そうだ」
未知の力を持つ国民を野放しにすることはできない。そこで、生徒として集めることで管理しようというのである。
王立魔法学院は、教育機関であると同時に研究機関であり、政治色の濃い場所なのだ。
「旧来の貴族らしい魔法しか使わない生徒も多い。……今年は荒れるぞ」
こういう状況ではあるが、これまで功績のあった貴族を蔑ろにすることも出来ない。学院の生徒の半分以上は貴族であり、彼らにも新しい魔法の技術を教えている。
この流れを嫌う貴族もいるが、時代の流れがそれを許さない。新しい魔法が使えない家門は、廃れていくのが目に見えているからだ。
ジリアンたちは、微妙なバランスの中で学ぶことになるのだ。
「なんだか、不安になってきた」
「お前なら大丈夫さ」
「そうかな?」
「俺がついてる」
「うん。頼りにしてるね、特別な友達くん」
「おう」
そんな話をしているうちに、二人は目的地に到着した。
講堂だ。
ノアが扉を開くと、中の生徒たちが一斉にジリアンとアレンを見た。
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