38 / 72
34 彼が淹れてくれたカフェオレ
しおりを挟む出されたカフェオレを見て、私の感情が揺れ動いてた。
今日はカフェオレを飲む。ただ、それだけのはずなのに。冬君が私の心をかき乱す。
この一杯のカフェオレのために、冬君がどれだけ準備をしてきたのか分かってしまったから。
■■■
今日の冬君は、私の心を手加減なしでかき乱す。
私服の冬君を初めて見た。
スキニータイプのデパードパンツ。春物ニットにジャケット。全体的にシックなのに、色香を感じて見惚れてしまう。
私が知っている高校生は海崎君や大國君だから。狭い世界なのは自覚しているけれど。
垢抜けていて。でもチャラチャラしているワケじゃなくて。そんな冬君から目が離せない。
触れるように、冬君と手をつなぐ。
こうしているだけで、過呼吸にならない。でも、今までとは別の意味で心臓が騒がしくて。動悸が起きるわけじゃないし、呼吸が乱れるワケでもない。でも、冬君が傍にいることを感じるだけで、こんなにもドキドキが止まらなくて。
分かっている。私は冬君に特別な感情を抱いている。
今のこの関係を壊したくない。弱気な私が囁く。でもこの関係のままでいたくない。勇気を持てと、冬君と出会ってから、変わった私が囁く。
――いいの? 本当に、いいの?
私自身に囁かれる言葉。
冬君が同じように他の人にそんな言葉を囁いていてもいいの? あなたは本当にそれで良いの?
(良いわけない。そんなの絶対にイヤ)
冬君は私の隣にいてくれると言った。それはどんな気持ちで? 同情? クラスメートとして? 友達だから?
私の気持ちは、それじゃもう満足できなくて。
(だから、守られるだけじゃイヤ。私も冬君を支えられるくらい強くなりたい)
心の底からそう思う。もらってばかりじゃ絶対ダメで。気持ちなら溢れそうで。今までは蓋をするのに必死だったけれど。でも今は――。
(少なくとも、冬君と学校に行けるようになりたい。その後、この気持ちを伝えたい)
怖さもある。不安だらけだ。でも他の子にこの隣を奪われるのは、絶対にイヤ。そう思う。
そうグチャグチャに気持ちが混乱していた時に、冬君から言葉を投げ放たれた。
「今夜は本当に月が綺麗だな」
何気なく呟いた、その言葉。確かに月が綺麗。でも、今、空を浮かぶ月は雲に隠れては現れたりを、ゆっくり繰り返していて。全力で綺麗かと言われたら首をひねってしま――。
とまで思って私は息を呑む。
「だから、冬君! そういうトコなの! そんなこと、軽はずみに言ったらダメだよ。他の子にそういうこと言ったら絶対にダメだからね!」
私は耳まで真っ赤になっている気がする。夏目漱石のアイラブユーの意訳。
――月が綺麗ですね。
ふと、その言葉が思い浮かんで、頭から離れない。
(ねぇ冬君? 冬君はどんな気持ちで、その言葉を言ってくれたの?)
漱石の時代は好きも愛しているも開放的に言えない時代で。女性が気持ちを伝えるのは言語道断だったはず。
――死んでもいいわ。
月が綺麗ですねの返句。でも口が裂けても、私はそんな言葉は言いたくなかった。
――手をのばせば届く。
まだ、こっちの方がしっくりくる。でも手なら繋いでもらっている。手を繋ぐだけじゃ足りないと感じている私がいて。私はこんなにも貪欲で。
自分でもこの気持ちが重いと思う。でも冬君と色々な場所に行きたいと思ってしまって。冬君と生きたいって。そう思ってしまう自分がいて。
――冬君がいないと呼吸ができない。
むしろ、こんな言葉が自然と思い浮かんで。月を見上げながら、私はやっぱり冬君のことしか考えられなくて。
(ねぇ冬君? 冬君はどんな気持ちで、その言葉を言ってくれたの?)
胸が苦しくなる。呼吸は苦しくない。ただ切なくて。欲が溢れてしまうのを私は必死に抑え込みながら。
『おあー』
どこからか、見守るような猫の鳴き声が聞こえてきたのは――私の気のせいだったんだろうか?
■■■
「――こ、こんばんは。下河雪姫で、す」
言えた。喫茶店のマスターさんと、その奥さんに。呼吸が乱れそうになった。でも冬君が手を繋いでくれているのを実感して、息が落ち着く。
――大丈夫。大丈夫だから。傍にいるから。
そう冬君が囁いてくれた気がして。だから、私は背筋をのばす。
「いらっしゃいませ、マスターの長谷川誠です」
マスターが微笑んで、一礼した。
「妻の長谷川美樹です。下河さん、よろしくね」
そう奥さんが言った。小声で、「お久しぶり、雪ん子ちゃん」と囁かれて。私は顔が熱くなるのを感じる。冬君がアルバイトをしている場所が【cafe Hasegawa】と知らなかったので、お店の前で思わず呆然としてしまった。
知らないわけがない。発作が起きる前までは、何度も家族で足を運んだカフェだからだ。正直に言うと、カフェでは形容しきれないお店だ。気軽にコーヒーや紅茶が飲めるカフェ。ディナーは大切な時間を過ごせるレストランに表情を変える、そんな不思議なお店。
そして確かココの制服は――想像しただけで頬が熱くなる。冬君が似合わないワケがなくて……。
「上川君。下河さんをご案内したら、早く着替えておいで。彼女が安心できるようにね」
カウンターからマスターさんは微笑む。
「下河さん、上川君はすぐに戻ってくるからね」
私は頷くことしかできなかった。強くなるって決めた。これぐらい待たなくちゃ。そう思う。思うのに、不安が溢れてきそうで。
「すぐに戻るから」
間髪入れず。まるで私の気持ちはお見通しのように、冬君が言った。その声を聞くだけで、不安が少し減って。でも虞てしまうから、私は縋るように彼を求めてしまう。
「早く帰ってきて」
こんな弱気な発言をしてちゃダメなのに。でも、冬君は私の目を見て、しっかりと頷いてくれた。それだけで、不安が溶けていく。傍にいてくれると冬君は言った。友達として、一番に想ってくれるって。一緒にいようって。弱さを見せても良いって。隣は誰にも譲らないって。冬君はそう言ってくれたから。
私はスマートフォンのストラップを握りしめながら。胸に抱きしめるように包み込みながら、冬君の後ろ姿を見送る。
冬君が傍にいないと感じただけで、体が震えてしまう。
どれだけ、冬君に依存しているんだろうって思う。これじゃダメだ、何度もそう自分に言い聞かせても、やっぱり震えは止まらなくて。
「上川君、戻ってくるの早いだろうね」
奥さん――美樹さんが、ニンマリと笑む。え? と私は思わず美樹さんを見てしまう。
「上川君ね、最近、お仕事中も雪ん子ちゃんの話ばかりだからね」
「え? え?」
私は目が点になる。その意味を理解して、嬉しいと思う自分がいて。
「それに」
と美樹さんは、楽しそうに笑う。
「雪ん子ちゃんも、そういう顔するようになったんだね」
「え? え?」
「美樹。あまり出しゃばらない。今日の主役は、下河さんで。バリスタは上川君だからね」
とマスターさんが言う。と、冬君が慌ただしく戻ってきた。
やっぱりと思う。マスターさんと同じ制服に身を包んだその姿は――まるで執事のようで。私だけの執事さん。そう思ってしまうのは、自意識過剰だろうか。思わず見惚れて、我を忘れてしまう。
冬君が私の手を握ってくれる。それだけで、私の呼吸はあっという間に落ち着いていく。
「カフェオレ淹れるから、少し離れるよ。大丈夫?」
と確認するように言ってくれる。冬君がの存在を感じられるだけで、私はこんなにも息ができる。冬君の手が離れる。でも、冬君の暖かさは、私をまるごと包み込んでくれて。だから私は答えることができた。
「ち、近くにいるのが分かるから。多分、大丈夫」
「うん、ちゃんと傍にいるからね」
冬君の言葉がどんどん、私を包み込む。手は離れているのに。これからカウンターの向こう側で作業するのが分かっているのに。でも私の心はこんなにも暖かい。こうやって私に冬君は魔法をかけていく。惜しげもなく、遠慮なく。
だから――。
私は冬君に向けて、手をのばした。曲がっているホワイトタイをなおしてあげる。自分のことよりも、私を優先して来てくれたのが分かって。それが本当嬉しくて。
「じ、自分で直せるよ」
と冬君が狼狽えるのが見て取れたけど。マスターさんにも、美樹さんでもなくて。私が直してあげたかったの。
私の執事さん。私だけの冬君。今、この時間だけはそう思わせて欲しかったから。
■■■
カフェオレ、淹れるね。そう冬君は私に囁いて、カウンターに戻る。と、マスターさんと二言三言、言葉をかわして、冬君が私の前に戻ってきた。その顔は、私から見ても分かるくらい真っ赤で。
「冬君?」
「改めまして、ご挨拶申し上げます」
冬君はそう言って一礼する。お仕事をしている時の冬君の表情。私は一瞬たりとも見逃すまいと、彼の挙動を見守る。マスターさんが、おもてなし前の挨拶をするように――そう言ったのが想像できた。だって、予約をした客に対して、マスターさんがお礼を述べるのが、このお店の恒例行事だから。
ただそれを冬君が言うことは予想していなかったので――頬が熱い。
「本日は当店を選んでいただき、本当にありがとうございました。お店は数あれど、今日という日に、私どもを選んでいただけたこと、本当に感謝しています。これからの貴女が過ごす時間を考えれば、今夜はほんの刹那に過ぎません。しかし、その刹那が一生の記念となるよう、誠心誠意おもてなしをさせていただきたいと考えています。今宵が貴女にとって、宝石のような時間となりますように」
一生の記念……。私はその言葉を心のなかでなぞる。
うん。この短い日々のなかで、冬君と過ごした時間はどれも全部、宝物で。でも今日という日は、本当に宝物になりそうな気がする。
「最高の一杯を、雪姫にいれさせてください」
冬君はニッコリ笑って言う。
「……はい。楽しみにしています」
私は笑って頷いた。自分でも分かる。きっと幸せでこれでもかってくらい笑顔が溢れている。私のためだけに淹れてくれる。その言葉だけで、本当に嬉しいと思ってしまう。
「おまたせしました」
しばらくして、トレーに乗せたコーヒーカップを持って冬君が声をかける。コーヒーカップのなかに描かれていたのは、茶色のキャンバスに白で描かれた仔猫で。私が持っているスマートフォンのストラップとそっくりで。いわゆるコーヒーアート。
私は目をパチクリさせた。簡単に淹れられるような代物じゃないことは、流石の私にも分かる。これを冬君が淹れてくれたの?
「ふ、冬君?」
「飲んでみて欲しいかな。一生懸命、雪姫のために淹れてみたんだよ。ちょっと頑張ってみたんだけど、どうかな――」
思った気持ちは嬉しさと、冬君の存在の大きさ。それから彼を想う素直な愛しさで溢れてしまって。
もうこの気持ちを抑えることはできなかった。
「今までで、最高のデキじゃない、あのカフェオレ」
「だね」
美樹さんとマスターさんの声が聞こえて。
二人がいるのも分かっていたけれど、もう私の気持ちは抑えきれなくて。頭の中が真っ白になって、衝動的に冬君の胸に私は飛び込んでいた。
「雪姫?」
戸惑う冬君の声。でも、冬君は私を受け止めてくれて。感情が抑えきれない。嬉しいという気持ちと、冬君の名前を私は連呼していた。この気持ちを理性で押し込めておくことは、もうムリで。
そんな私を冬君は、髪をその手で梳き――それから抱きしめてくれた。
私の気持ちを受け止めてくれた、そう表現する方が正しいかもしれない。
「嬉しくないわけないよねぇ。まるでプロポーズでしょ、コレ」
美樹さんの声が聞こえた。きっと冬君にそんな意図はない。分かっている。彼は私を友達として見ている。でも、私は友達のままじゃイヤなんだ。
どんどん、私がワガママになっていく自分を感じながら。
諦めたり、捨ててきたり。それが私にとっての当たり前だったけれど。
(絶対に、諦めたくない)
冬君の温もりに包まれながら、そう思う。絶対に、友達のままでいてあげない。この隣は誰にも絶対、譲らない。譲らないんだから――。
■■■
落ち着いて、ようやくコーヒーカップに手を置く。猫舌の私には丁度良い温度になっていて。ただ、冬君と視線が合うと、さっきまでの温もりを思い出して――体が熱くなる。大胆すぎた。自分でもそう思う。
冬君と一緒にいると、周りが見えなくなるのを実感する。必死にこの気持に蓋をするのに、冬君を目の前にした途端、その決意も吹き飛んで。彼しか見えなくなってしまう。
見ると、マスターさんと美樹さんが、微笑ましそうに私達を見守ってくれていて。知っている人達だからこそ、なお気恥ずかしい。
私はごまかしたくて、ついマスターさんに声をかけた。
「あの、しゃ、写真を撮らせてもらって……良いですか?」
意を決したお願いを、マスターさんは微笑で応じてくれる。
「もちろん」
ほっとする。冬君が目をパチクリさせているのを尻目に、私はコーヒーカップをスマートフォンで撮影した。
――カシャリ。
機械音がやけに、大きく響いて。その音がもう一度、鳴った。
「「へ?」」
私と冬君の言葉が重なって。見ると、美樹さんが、スマートフォンで私達を撮影していた。その笑顔は悪戯が成功したような子どものようで。
改めて見れば、テーブルに向かい合って座る私達の距離は近くて。見るからに――恋人のようで。同じことを思ったのか、冬君も耳先まで真っ赤に染めていた。
「ご依頼いただきました写真は、あとで上川君に送信するから、雪ん子ちゃんは、上川君からもらってね」
ニンマリと美樹さんは言う。写真を撮りたいてって言ったのはそういう意味じゃなくて――嬉しいけど――嬉しすぎて、思考がまとまらないけど、どうしよう。幸せすぎて、考えられ――。
「上川君、おもてなしを忘れちゃダメだよ。今日のバリスタは君だからね」
とマスターさんに言われて、冬君はハッとした顔をした。
「えっと……。冷めないうちに飲んでもらえ、たら……」
不安そうに私を見る。
私は小さく笑んで、コーヒーカップに口をつけた。
■■■
「おいしい――」
コーヒーは苦手だった。苦味は現実の辛さをイメージさせるから。優しくない言葉や刺々しい拒絶を彷彿させるから。どうして、こんな苦いものを大人は好むんだろう。そう思っていた。
でもこのカフェオレは――。
コーヒーの香りを強く感じるのに、苦味も渋みも少なくて。でも砂糖の仄かな甘味を引き立たせるコーヒーの存在感が確かにあった。
寄り添ってくれて。
甘えさせてくれて。
否定をしない。
私を肯定してくれる。
しっかりと見ていてくれる。
でも、私の背中を押してくれる。勇気を私に持たせてくれる。
まるで、このカフェオレは冬君そのもの、そう思った。
描かれた猫は、まるで幻のように渦を巻いて、今はミルクのなかに溶けてしまったけれど。
でも、飲んだ瞬間――体中が暖かくなって。
冬君に満たされていく。そう感じてしまう。
お世辞でもない。ウソでもない。ありのままの気持ちが、無意識に私の口から紡がれていた。
「冬君、好き。このカフェオレ、本当に美味しいよ――」
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
恋煩いの幸せレシピ ~社長と秘密の恋始めます~
神原オホカミ【書籍発売中】
恋愛
会社に内緒でダブルワークをしている芽生は、アルバイト先の居酒屋で自身が勤める会社の社長に遭遇。
一般社員の顔なんて覚えていないはずと思っていたのが間違いで、気が付けば、クビの代わりに週末に家政婦の仕事をすることに!?
美味しいご飯と家族と仕事と夢。
能天気色気無し女子が、横暴な俺様社長と繰り広げる、お料理恋愛ラブコメ。
※注意※ 2020年執筆作品
◆表紙画像は簡単表紙メーカー様で作成しています。
◆無断転写や内容の模倣はご遠慮ください。
◆大変申し訳ありませんが不定期更新です。また、予告なく非公開にすることがあります。
◆文章をAI学習に使うことは絶対にしないでください。
◆カクヨムさん/エブリスタさん/なろうさんでも掲載してます。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる