絶倫皇女〜この世の女性の敵である男の精を絞り尽くし、世界一と謳われる美貌と豊満な肉体を使って世界平和を目指します!〜

麦星れな

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第六章 貴方と……合体したいッ!

絶倫皇女、大浴場へ向かう

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 皇族しか入れない大浴場には神の山と呼ばれる山から、熱々の温泉と凍えるように冷たい湧水を引いている。

 温泉の効能としては切り傷を始め、冷え性や生理不順を治癒する効能があるらしい。
湧水もミネラルが多く含まれているので、身体にも美容にも良いんだとか。

 確かにこの温泉と湧水に浸かる度にお肌がツルツル&ピカピカになっているような気がするし、グレンと四、五回セックスした後にこの温泉に浸かるとすぐに体力も回復する。

 温泉に詳しくない私でも凄い湯だっていうのは、身をもって実感していたのだった。

 あぁん、それにしても身体中イカ臭い気がする。早くお風呂に入りたいけど……アンリ、大丈夫かな?

「早く、早くしないと……!」

 アンリが先程から深刻そうな顔でブツブツと呟きながら、目にも止まらぬ速さで私の入浴準備をしてくれている。

 何故、彼がこんなにも焦っているのかというと、精液塗れになった私の身体を見たからだ。

 当然、私の状態を見たアンリは絶句していた。
まるで酸素を求める魚のように口をはくはくと動かし、声にならない程の衝撃が彼を襲ったのである。
(※忘れているかもしれませんが、アンリは男の子です)

 普段のアンリは常に冷静だ。
そんな彼がブルブルと身体を震わせながら、持っていたバスタオルを何度も床に落としてしまう程に動揺していた。

 アンリでそうなるのだから、他のメイドが見たら気を失って倒れるに違いない。それか慌てふためいて「どうしよう、どうしよう!」と右往左往しているかだ。

「イ……イイイ、イングリッド姫様っ! まさか……見知らぬ輩に……あ、あぁぁぁ……あんな事やこんな事をされたのですか!?」
「大丈夫、ちょっと砂糖をひっかけられただけよ! 見た目はドロドロだけど、身体はなんともないし大丈夫!」
「そんなイカ臭い砂糖なんてどこにあるんですか!? それ絶対、精液ですよね!? それに、どこがちょっとなんですか!? 何人にぶっかけられたんです!?」

 うん、確かにアンリの突っ込み通りだ。めっちゃイカ臭いもんね、私。ちょっとひっかけられただけの量じゃないのは見たら分かる。

 例えるなら、まるで菓子パンにかけられた液状の白砂糖のように身体中に精液がこびり付いているのだから、アンリが慌てふためくのは当たり前の事だ。

 だが、しかしッ!
例え、私の体質を知っているアンリでも、ここは嘘をついとかないと心配かけるだろうと思ったので、笑って誤魔化してみたものの……うん、誤魔化し効かないよねー。

 私だってアンリがこんな姿になってたら、襲ってきた相手を襲い返して、ヌキ地獄に引き摺り込んじゃうんだから♡
(※そんな事を思うのはイングリッドだけです)

 いつもなら私の話を流して聞いてくれるアンリも今回ばかりは黙ってはいられなかった。

「と、ととと、とても大丈夫には見えないですよ!」
「もぉ~~、アンリったらぁぁぁぁ! お・お・げ・さ♡ 本当に、本当に、本当ぉぉ~~っに! 私は元気だから気にしないで!」

 私がピースサインをしながらニコッと笑うと、怪訝そうな目で私の頭の天辺から足先まで何度もジロジロと観察された。

「うぅ……姫様がこんな状態になっている事が母国の皇帝陛下の耳に入りでもしたら––––……ハッ、世間話をしてる場合じゃない!」

 アンリはやろうとしていた事を急に思い出したのか、猛ダッシュで脱衣所から出て行った。そして、すぐに私がいつも愛用しているアメニティ一式とブラシを持ってきてくれたのである。

「ゼェゼェ……ハァハァ……!! お、お待たせしました……さぁ、早く男根から放たれた汚らわしい液体を隅から隅まで洗い流して、いつも頭がポジティブお花畑で男大好きな絶世の美女、イングリッド姫様に戻りましょう!!」

 おおう……仕事が早いな、アンリ。
大浴場から私の部屋まで十分は掛かるところを三分で戻ってきたぞ。さすがは私の専属メイド。日頃の働きに免じて私をディスった事は目を瞑ってあげようっと。

「えぇっと。コレにアレ、コレとアレとソレと……!」

 だだっ広い洗面台の上には、色んな種類の高級ブラシと化粧水がアンリの手によって綺麗に並べられた。
良く見てみると、いつも私が使ってる櫛を使う順に並べられていたのを見て、私は心の中でアンリに拍手を贈ったのであった。

「それでは姫様、今から湯浴みのお手伝いを……」
「アンリと言ったか? 後は私がやるから君は人払いをしてくれないか?」

 私もアンリも何を言われたのか分からず、頭の上にいくつもの疑問符が浮かんだ。

 今、グレンは後は私がやるからって言った? 聞き間違い? うーん……いや、聞き間違いじゃないか。だって、目の前にいるアンリもとっても驚いてるし……。

 呆気に取られていたアンリは「お、恐れながら! この大浴場での混浴は禁止されているのでは?」とグレンに物怖じせずに発言していた。

 そう––––この大浴場は王族しか入れない。
それに大浴場は決まった時間に一人ずつしか入れないという決まりがあり、歴代の王族も例外なくそれを守ってきたのだ。

 それをグレンと私が破るという事は……。
アレよね? この流れはアレよね? アレをやるのよね? セックスタイムよね!? バックから激しくパンパンするのよね!?!?

 きたーーーーーーーーーーーーーー、私の時代♡ イチャイチャ&ラブラブセックスタイムだぁぁぁぁッ!!

 こうなったら二ヶ月間グレンとできなかった分、身体中ふやけるまでセックスしてやるんだからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 覚悟してなさい、グレンッ!!

 心の中で意気込む私。さっきから涎が止まらなかった。

 グヘヘヘヘヘヘ……ジュルッ♡
やばぁぁぁぁぁぁぁぁぁい、顔がにやけるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♡ こうなったら早速、そんな堅苦しい決まり事なんて破っちゃいましょーーーーーー♡

「グレン、私も貴方と一緒に入りたいなぁ……♡」

 私はグレン甘えるように言うと「姫もこう言っているのです。アンリが誰にも言わなければ、秘密は守られますよ?」とこれみよがしに同意したのであった。

 二人のラブラブな姿を見たアンリは色んなリスクを考えたが結局、諦めたように溜息を吐いた。

「わかりました……私は何も言いません。ですが、この後皇帝陛下が入浴予定が入っておりますので時間だけ常に意識して下さいね」

 疲れたように言うアンリを他所に「わぁい♡ ありがとう、アンリ♡」と私は満面の笑みで感謝の言葉を述べた。

 ––––だが、これから地獄のバスタイムが始まるだなんて、私はまだ知る由もなかった。
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