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第六章 貴方と……合体したいッ!

絶倫皇子、悪夢を見る ♡

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 ……助けて、グレン。

「イングリッド……貴方は今どこにいるのですか?」

 彼女の悲鳴が遠くで聞こえる。
幻聴? それとも現実? 彼女の悲鳴を何度聞いたからわからない。それに加えて身体が怠いし、身体を起こせないでいる。まるで何かに拘束されているような感じだ。

 確か私はアラン達と食堂にいたはず。
それから……あぁ、駄目だ。よく思い出せない。

「ここはどこなんだ……」
「嫌! 貴方達、皇族の私にこんな事して許されると!? ヤ……ヤダ、そんな所触らないでッ! ちょっと、何よ貴方達っ! 嫌……足を開こうとしないで! ま、まさか、そんな小汚い豚みたいな肉棒で私を犯す気!?」

 朦朧としていた意識が覚醒した。

 あ、足を開く? 犯す? まさか複数の人間にイングリッドは襲われているのか!?

 私は気が付けば、反射的に叫んでいた。

「インジー、インジーッ!? ちくしょう……なんで身体が動かないんだぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

 どんなに力を入れようと、身体がビクともしなかった。

 毎日、欠かさずトレーニングに励んでいたというのに、全く身動きが出来ないだなんて! なんて力で押さえつけられているんだ!!

「って……あ、頭だけは動くのか?」

 何故か頭だけは動かす事が出来たので、私は必死に頭を上げて声がした方へ視線をやると、衝撃的な光景が目に飛び込んできた。

「イ、インジーーーー!!!!」

 私の足元の方に人集ひとだかりができていた。
なんとイングリッドは全裸で手術台の上に乗せられ、周りには豚のような姿をした男達が彼女に群がっている。

 私は堪らず怒りを露わにした。

「この下衆どもッ! イングリッドに手を出したら、お前達の首を刎ねてやるからな!! 楽に死ねると思うなよ!!」

 すると、イングリッドの真正面に立っていた一人の男が、ニヤニヤと笑いながら私の方を振り返ってきた。

 男の容姿はまるで御伽噺に出てくるようなオークのような風貌で、右手には既に立ち上がった剛直が握られている。そして、先端から透明の先走りがタラタラと流れ落ち、その先走りを手に塗りたくって陰茎を上下に扱いているのだ。

 私はこの男がこれから何を仕出かすのか、容易に想像できた。

「グヒヒ……役立たずのグレン皇子♡ イングリッド姫はもうお前のものじゃなくて、私達の所有物なのだよ♡ お前はそこで自分の大事な者が蹂躙される様を見ているといい!」
「あ、嫌だぁ……グレンッ、助けて!」

 私に助けを求めて手を伸ばすイングリッドだったが、抵抗できないように男達に押さえつけられてしまった。そして、複数人の全裸の男達に無理やり足を広げられ、彼女は恥ずかしさのあまりバッと顔を背けている。

「やめろ……私の婚約者だぞ!?」
「それがどうかしましたかぁぁ? イングリッド姫はオークションで俺達が落札させて頂きましたぁぁぁぁ♡ ほらほら、見て下さい! この領収書の0の数を! 俺達から姫を買い戻すなら、買取金額に上乗せ料+手数料も乗せてもらわないとねぇ♡」

 複数人の男達が一斉に私を見て、ギャハハ!!と下品の笑みを浮かべながら笑っている。

「く……勝手な事を!」

 何故かグレンの目にはオークの男達の身体が透けて見えた。男達はイングリッドの細くて真っ白な細い足を掴んで、無理やり手術台に押さえつけている。

 それを黙って見る事しかできないグレンは、何故か彼女の陰裂から覗くピンク色の果肉が愛液で艶かしく光っているのがよく見えた。そして、イングリッドが恐怖で泣き叫んでいる表情もよく見える。

 神よ、何故こんな仕打ちをッ––––!? 今まで人を殺し過ぎた報いなのか!? でしたら、罰を与えるなら、どうか自分にだけにして下さい。彼女は何も悪くありませんから……!

「イング……リッ、ド……!」

 身体中に渾身の力を入れて声を振り絞る。さっきまで出ていた声も掠れて出なくなっていた。

 大きな陰茎を右手で支えていたオークがイングリッドに近づき、亀頭を陰唇に上下に擦り付け始めた。

「……あぁッ、お願い。どうかそれだけは許してッ!」
「さぁ、このデッカいのがお前の中に……いくぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ♡」
「キャアァァァァァァァァァッ、嫌ッ! グレン、グレンーーーーーーッ!」

 グレンは叫び出したかったが、何故か声まで出せないようになっていた。ググッと身体中に力を入れてもビクともしない……いつも自分が挿れている蜜穴に小汚い肉棒がズブズブと入っていく様子を黙ってみる事しか出来なかったのだ。

 や、やめろ……やめろぉぉぉぉぉぉッ!!

 イングリッドが……イングリッドが目の前で自分以外の男根に激しく突き上げられて! 彼女の腹が不自然に膨れ上がって白目を剥きそうになっていたが、不思議な事に最後の最後で目が合った。

「貴方が早く助けに来てくれないから、貴方以外の赤ちゃん孕んじゃったじゃない––––」
「ッッッッ!!」

 その言葉を聞いた私は、崖から突き落とされたような感覚に陥った。

◇◇◇

「う……ゆ、夢?」

 天井が白い。薬品の匂いが鼻をつく。どうやら酷い悪夢を見ていたらしい。そのせいかとても気分が悪い。目の前がぐるぐると回るし、吐きそうになった。

「……そこの君、鎮静剤をッ!」
「せ、先生! 殿下が……」
「あぁ、ようやく正気に戻られましたか……!」

 私の意識が戻ってホッと胸を撫で下ろした医者と看護師を見て、ボーッと見つめる事しかできないグレン。

「うっ……」

 少し痛む頭を手で押さえようとしたが、腕が上がらなかった。

 ……なんで、腕が上がらないんだ?

 ここで初めて自分の状況を把握する事になった。今、自分はベッドに横たわっており、体には医療用の拘束具が巻き付いている。

 非常に安堵している彼らの様子を察するに、自分は正気を失い、医務室で暴れ散らしてしまったようだ。

「あぁ……申し訳ない。迷惑をかけてしまいました」
「いえ、大丈夫です。ですが、医者として申し上げます。殿下の身体は心労から来る不眠症です。学業は一旦、お休みして身体を休める事に専念して下さい」

 医者が注射器のシリンダーから空気を抜くために指で弾いている。

 だが、私は医者の言葉を無視して「今、私は休むわけにはいかないんです。この拘束具を解いて下さい」と告げると、医者は首を左右に振った。

「……できません。殿下、失礼します」

 腕にチクッと何かが刺さる痛みが走った。

「な、貴様……皇族に向かって何を……!」
「皇帝陛下の許可は得ております。どうか、今日一日はゆっくりとお休みください」

 医者は手に持っていた注射器で薬液をグレンの身体へ注入した。すると、すぐに目を開けていられない程の強烈な眠気が襲ってきた。

「やめろ、私は彼女を探しに行かねば! イングリッド……今、君はどこ、に……いる……」

 意識が完全に途切れる寸前、私は神に祈りを捧げた。

 どうか神よ、彼女が無事に私の元へと戻ってきますように……そう願いを込めて祈った後、私はまた意識を手放してしまった。
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