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第三章 入学。そして、避妊具開発への道!

絶倫皇女、私の尿は聖水と知る

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 なんて言った、この猫は? 尿? この種を土に埋めて私の尿をふっかける……だと?

 フッ……なんだ、私は犬だったのか? 電柱におしっこを引っかける犬だったのか?

 ……いいえ、そんな事はないわ。私は紛れもない皇女。イングリッド・マルセイユ・グラン・サクリファイス。そして、グレンの婚約者よ?

 そんな私が……日本の和式便所に用を足すみたいに下着をずり下ろし、スカートを上げながらこの黒い種に向かって尿をふっかける……ハハ、ハハハハハハッ……。

「…………ふざけてんのか、ワレェ?」

 私は猫神様の胸毛を掴んで前後に揺さぶった。般若のような形相で猫神様を見下ろしながら睨み付けると、猫神様の股の間からポタタ……と黄色い液体が床に数滴流れ落ちた。

『にゃわわわわ! その黒いオーラを出すのは止めるにゃりぃぃぃぃ! わしは真剣に言ってるにゃり! このゴムの木を育てるには、おまいさんの尿が必要不可欠……ブフゥッ!』

 私は猫神様に本日、二度目の平手打ちをした。さっきとは逆の頬を打ったから、両頬に赤い紅葉の形が綺麗に入っている。

「はぁ……もぅ調子狂うなぁ」

 なんで、猫神様と話す内容ってこんなに卑猥な事ばっかりになるんだろ……と少し残念に思いながら、ゴムの木の育て方について考えた。

「……水じゃ駄目なの?」

 植物を育てるのであれば基本は水だろう。それが何故、私の尿なのか聞く必要がある。

 そんな猫神様は両頬をマッサージしながら、むくりと起き上がった。

『うぅ……やっと聞く耳をもってくれたにぇ。初めて言うんにゃけど……お前さんの尿は聖水なのにぇ!』

「は? せっ……せい、すい?」

 聖水:穢れを祓う水。
    もしくはAV業界ではおしっこを指す。

 ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇっ! 今の聖水はどっちの意味!? いや、どっちも嫌だけど、どんどん変態の世界に入ってくじゃん! 私をどれだけ堕とせば気が済むのよーーーー!

 私の心の叫びを聞き届けた猫神様はあっかんべーをしながら『お前さんはもうこっちの世界にズブズブだにぇ! もう諦めるにゃり!』と揶揄ってきた。

「うぅ……屈辱よ、屈辱! まさか、私のおしっこにまで意味があるなんてぇ……」
『何を泣いてるにゃりか。お前さんの尿はいい事尽くしにゃり。例えば、死にかけの魚がお前さんの尿で満たした水槽に放り込むと元気に泳ぎ出すし、人間が口にすれば……ブフフゥゥッ!!!!』

 気が付けば、猫神様に顔面パンチを食らわせていた。

 もう、駄目。発狂しそう。私の身体どうなってるの? これじゃ、ただの変態じゃない!!

「有り得ない……あり得ないわ!」
『むにぃぃぃぃ……神であるわしを三発も殴るとは、やるにゃりね。でも、話が進まないからさっさと説明するにぇ! この種はただ尿をふっかけるだけじゃ、育たないにぇ!』

 それを聞いた私はまたもや動きを止めた。

「…………私の尿は聖水なのに?」

 怪訝そうな表情でそう言うと、猫神様はニタリと笑ってこちらを見つめた。

『少し話が変わるんにゃけど、女性の膣は男の性器を挿入されると臨機応変に形状が変わるにゃりね?』
「えぇ、まぁ……そりゃそうね」

 変わんなかったら痛いどころじゃないと思う。ガバガバになったり、キツすぎて入らなかったりするんじゃない? 知らないけど。

『実はお前さんの膣は特別製だにぇ! おまいさんの膣は瞬間形状記憶も兼ね備えたパーフェクトな膣なんにぇ!』

 ホワッツ? パーフェクト、ヴァギナ?

「…………そんなの初めて知りましたよ」
『そりゃあ……今、初めて言ったからにぇ。おまいさんの身体には他にも色々エフェクトがあるにゃりよん?』

 キラーーン!と猫神様の眼が光る。もう私は何も突っ込む気力がなくなってしまった。

「はぁ、もういいや。それで? ゴムの木を発芽させるには、どうすればいいんです?」
『色んな男とセックスしまくって、膣でチンコの形を覚えるにゃり! 膣で形状記憶された情報はお前さんの聖水に流れ込むから、男とセックスしたら種に尿をふっかけ、またセックスしたら尿をふっかけを繰り返せば、いつか発芽するにゃり!』

 ……なんだか凄く道のりが長い気がするのは私だけ? 私、婚約してるんですけど。色んな人とセックスしてバレたら、一瞬で人生終わりじゃない?

「駄目よ、猫神様。私、婚約してるし何よりグレンに嫌われたくないよぉ……」
『随分とあの男にぞっこんになっちゃったにゃりねぇ。ま、わしもそこはちゃんと考えてるにゃり』

 安心するんにゃと頭を撫でてくれた。

 おぉ……頼もしいぞ! さっきは三発も殴ってごめんなさい、猫神様!

『名付けて……夢幻作戦にゃ!』

 ゆ、夢幻作戦……? なんか嫌な予感がするのは私だけ?

「どうやるんですか、それ?」
『簡単にゃり! まず、相手を絶頂させて……』
「絶頂させて?」
『相手を殴って気絶させるんにゃ!』

 ガツンと鈍器で頭を殴られたような錯覚に陥った。

 あぁ、真剣に話を聞いた私が馬鹿だった。何が夢幻作戦だ! そんなのただ相手を殴って気絶させてるだけじゃないか!

 嫌悪感を抱きながら猫神様を見つめていると、チッチッチと指を振りながらドヤ顔をしてきた。

『話は最後まで聞くにゃりよぉ~~? これはおまいさんがイかせた男限定だけど、お前さんが殴れば記憶が飛ぶようになってるにぇ! だ・か・ら……グレンの事は気にせず、精力を貪っていた頃の絶倫皇女に戻れると言うわけだにぇ!』

 え……えぇっ、え、えええぇぇぇぇ!? う、嘘……あの頃の性活に戻れるの!?

「で、でも! 私とセックスしたら皆、死んじゃうんじゃ……」
『……グレンの存在に感謝するんにゃよ? あの男がいるおかげで器エネルギーが上手く発散出来てるんにぇ。だから、色んな男とセックスしても今のところは精力を吸い上げる事はないにぇ!』

 あぁ、グレン……! やっぱり貴方は私の運命の人だったのね! これからも身も心も貴方に捧げて一生尽くすわ!

『よし! そうと決まれば、当面の目標はゴムの木を発芽させて、避妊具を作る為にヤッてヤッてヤりまくって、聖水を種に与え続けるんだにぇ!』
「かしこまりました、猫神様!」

 猫神様、私はやるわ……。
皇女自ら身体を使って、この世界をに避妊具を爆誕させる! そして、この世界をより良い世界に変え、グレンと幸せな生活を送るのよ!

「よーーっし、やるわよぉぉぉぉ!!」

 私は猫神様からゴムの木の種を受け取った後、定位置に戻る為、アランの下に潜り込んだのだった。
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