絶倫皇女〜この世の女性の敵である男の精を絞り尽くし、世界一と謳われる美貌と豊満な肉体を使って世界平和を目指します!〜

麦星れな

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第三章 入学。そして、避妊具開発への道!

絶倫皇女、猫神様に助けを乞う

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 床に押し倒されて、不慣れな荒々しいキスをされた。
今度はアランが私の上に乗っかっているので逃げる事が出来ない。ドンドンと彼の胸板を叩いてようやく唇を離してくれた。

「ふっ、んぅ! ちょっ……アラン!」
「ごめんなさい、姫様! 俺、どうにも止まりそうにありません!」

 アランが「ごめんなさい!」と何度も謝りながらまた噛み付くようなキスをしてきた。ハァハァと息が荒くなっている……もう理性を抑えきれないようだった。

「あっ……アラン!」

 ジタバタと足を動かすが、床がドンドンと煩く鳴るだけで何の意味も成さなかった。

 部屋が薄暗くてアランの顔が見えない。荒い吐息と時折、私の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。だから、余計に怖く感じるのだ。

 彼の性欲に火を付けたのは私だ。彼を揶揄いすぎた。完全に私が悪い。データを取りたかったのは本当だけど……このままセックスしたら、ロメオみたくアランが死んじゃうかもしれない。

 そしたら、アランが爆葬されちゃう! そうなったら後悔してもしきれない。アランはさっき被験者第一号と言ったが、私にとってはこの国で初めてできた友達第一号だもん!

「ん……ふぅ、んぁっ」

 私はアランにチュッチュッ……と、キスをされながら必死に祈った。

 お願いです、猫神様っ! この世界で避妊具を作りたいんです! 避妊具は性病による死者数を減らす事が出来ます! 望まない妊娠だって格段に減らす事も出来ます! 

 ですから、私に力を……力を貸して下さい!

『………………全く、神様使いの荒い奴だにぇ』

 猫神様の声が頭に入ってきたと同時にパチン! と指を鳴らす音が聞こえた。

 アランの動きが止まり、頭部の方に小さな生き物の気配を感じ取ると、見慣れた不細工な猫が険しい表情で仁王立ちしていた。

「ぷはっ! ハァハァ、猫神様……ぶふっ!」

 猫パンチがペチン!と私の頬にクリーンヒットし、猫神様は毛を逆立てながら私に説教を始めた。

『全く、お前さんは男を甘く見過ぎなんだにぇ! 完全にあれは男を揶揄ったお前さんが悪いにぇ!』
「…………はい」

 そう言われると何も言葉が出ない。実際、自分でもそう思うし……でも––––。

『男は基本的に皆、性獣なんだにぇ! 穴があれば皆、腰を振る獣! それが例え、ケツ穴でも穴が有れば突っ込みたくなる! それが男……にゃわわっ!?』

「私の願いに応えてくれてありがとございます、猫神様」

 私はアランの下からなんとか這い出て、チュッ……と猫神様の唇にキスをすると『いきなり、何をするんにゃあぁぁぁぁ……』とスライムのようにドロドロに溶けてしまった。

◇◇◇

『ふむ。つまり、こんどーむ?とやらをこっちの世界で普及させたいという訳なのにぇ?』

 猫神様は異世界から取り寄せたピンク色の四角くて平らなビニール製のパッケージを興味深く観察していた。

 ちなみに私達の背後にはアランがギュッと目を瞑り、床とキスをしようとしているような体制のまま固まっている。猫神様がどうやら時間を止めているらしく、異様な光景のまま私達の話し合いは続いた。

「はい、そうなんです。この世界で医学を学ぶにつれ、性病による死亡率が高いという事に気付きました。後、この世界に避妊具そのものがない事に私は驚きましたよ」

 私は呆れたような目を向けると、猫神様は鼻糞をほじって、爪先に付いた鼻糞をパクっと食べたのであった。

 うっわ、嫌なものを見てしまった……と思いながらも猫神様の話を伺う。

『まぁ……こっちの世界の男共は基本的に子孫を遺す事に重きをおいているからにぇ。風俗みたいに遊びで交わろうとしてるのは、つい最近の話にぇ。
ま、そんな風習が世界各国で根強く残ってるから避妊具自体を作ろうなんて思わにゃかったんにゃろうけど』

 猫神様は持っていた四角いパッケージを破って、中からラテックス製のクルクルと巻かれた丸い形状のコンドームを取り出すと『なんにゃ、これは……ベタベタするにゃよ?』とまたもや不思議そうな目で観察を始めた。

 そして、先っちょに窪みがある事に気付き、先を持ちながらコンドームを引き伸ばしていく。

『にゃ、にゃんと……! びよんびよんに伸びるよる!
こんにゃに伸ばしても破れない! 何より装着しても痛くない! なんにゃ、このこんどーむとやらは!?』

 まるで、ずっと欲しかった玩具を与えられた子供のように目を輝かせていた。私が前にいた世界では避妊具が発明されているだなんて思いもしなかったようである。

 しかも、いつの間にかコンドームを装着してるし。姿は猫なのに股間だけ人のモノになってるもんだから、なんというか、アンバランスすぎて気持ち悪い。

「これをこの世界でも普及させたいんです。この世界で作るか、日本からお取り寄せ可能ですか?」
『残念ながらこっちの世界では無理だにぇ!』

 えぇ、嘘。即座に否定されちゃったよぉ……。

「な、何故ですか?」
『まず、これを作る技術と材料! これがこの世界にはないにぇ!』
「ないなら、そのコンドームみたいに技術も材料もお取り寄せしたら……」
『…………そんな事ばっかりしてたら、わしはいつか消えて無くなってしまうにゃり』

 猫神様は少し悔しそうな表情でそう言い放った。

『わしは信仰心を力に変えて存在してる儚い存在なんにぇ。年々、信仰心は薄れていってる。異世界から毎日毎日お取り寄せなんかしてたら、わしはいつか消えて無くなってしまうにぇ!』

 おおぅ……成程。それは困った。信仰心なんて一日、二日で芽生えるものじゃないし、簡単にはいかないだろう。

 えぇぇぇ……どうしよう! 万事休すじゃーーん!

「ど、どうしたら良いの……?」
『……ところで。お前さんに最初、セックスしまくれって言ったのを覚えているかにゃ?』

 それは勿論。セックスして器エネルギー消費しないと爆発を起こして死ぬって話よね。でも、今は愛しのグレンと毎日セックスしてるから全く心配ないんだけどね♡ グヘヘヘヘ……♡

 私が頷いたのを見て猫神様はくるっと私に背を向けた。

『……技術者の召喚は出来にゃいけど、そのコンドームとやらを作る事はできるにゃりよ』
「え、本当!? 凄い、猫神様!!」

 やはり猫神様は頼もしい! 私の最強の味方だ!

 私は鼻息を荒くしながら猫神様に問う。

「それでそれで!? どうやって作るんです!?」
『ゴムの木を作るにゃり』

 キランと猫神様の目が光った。

「ゴムの……木?」

 んん? 原材料を作るの? でも、技術者は呼ばないんだよね? もしかして、その原材料で研究して作れって言ってる? それって途方も無い道のりじゃない? 大丈夫なの、それぇ……。

『まぁ、そんな顔せずに話は最後まで聞くにゃりよ。先ずはこのコンドームを植物の種に変えるにぇ!』

 そう言って自身の股間からゴムをみょいーんと引っ張って外すと、ブルンッと陰茎がしなった。

 外したコンドームを両手で握ると、手の中から光が溢れて輝きだした。手を開けてみれば、ちょこんと梅干しのような黒いツヤツヤとした種が手の平の上に乗っていたのである。

『完成にゃ。これがゴムの木の種にゃり。これが成長するとコンドームの実がなるにゃりよ』
「コ、コンドームがなるの……?」

 そ、そんな小さな種からコンドームができるの? それって凄くない!? それが発芽すれば世界は変わるわ!

「じゃ、じゃあ……それを大切に育てれば!」
『チッチッチ……甘いにゃりねぇ。コイツを育てるにはコツがあるにぇ』
「……猫神様、難しいのは駄目よ? 前世でサボテンを枯らしちゃった事があるんだから」

 前世で入院している時に両親が小さなサボテンをプレゼントしてくれた事があるのだが、水をあげなさすぎて萎れて枯れてしまったのである。縁起悪いからすぐ捨てちゃったけど。

 それを聞いた猫神様は顔を引き攣らせながら『なんという女にゃりか……』と若干引いていた。

『ゴ、ゴホン……! コレの育て方は簡単にぇ! コイツを土に埋めて、お前さんの尿をふっかければそれでOK……ブフッ!』

 ペッチーーン!と私の平手打ちが猫神様の頬にクリーンヒットした。
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